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葬儀を知る

​​雨の日にお墓参りしてもよい?お供え物や注意点もあわせて解説

​​雨の日にお墓参りしてもよい?お供え物や注意点もあわせて解説

お墓参りの日が雨となってしまった際に決行してもよいのかと迷う方もいるでしょう。本記事では雨の日のお墓参りの是非と注意点、お供え物や服装について解説します。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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雨の日にお墓参りをしてもよい?

雨の日のお墓参りで使用する傘のイメージ

結論からいうと、雨の日にお墓参りをしても構いません。しかし大雨が降っている場合や、体が弱い方や足元に不安がある方がお墓参りをする場合は、日程を変更した方がよいでしょう。

納骨堂など、お墓や墓地自体に問題がなくてもお墓参りの行き帰りで怪我をしたり、体を冷やしてしまうこともあるでしょう。故人やご先祖を想う気持ちも大切ですが、まずは自分や参列者のことを第一に考えて行動しましょう。

雨の日のお墓参りがタブーとされていた理由

雨の日のお墓参りで手を合わせる様子

現在では問題ないとされる雨の日のお墓参りですが、以前はタブー視されることもありました。その理由は主に以下の三つです。

土葬による伝染病の心配があったため

理由の一つとして、土葬による伝染病の心配が挙げられます。

明治時代まで、日本では土葬が主流でした。土葬の場合、雨や風で緩くなった地中から細菌が漏れ出ると考えられており、伝染病の心配から雨の日のお墓参りがタブーとされていました。加えて雨の日は死臭が強くなることも、雨の日にお墓参りが避けられていた原因です。

しかし現代では火葬が主流となり、地中から細菌が漏れ出すといった心配もないため、お墓参りの日が雨かどうかを気にする必要はありません。

雨の日は縁起が悪いとされていたため

昔は陰陽思想が現代よりも強く存在していたため、陽にあたる晴れの日に対し陰にあたる雨の日を縁起が悪いものと位置付けていたことも、お墓参りが避けられていた理由のひとつです。

陰陽思想とは、日常のさまざまな物事を「陰(縁起が悪い)」と「陽(縁起がよい)」に分ける考え方のことを指します。科学的根拠はないため、必ずしも気にしなくてはならないわけではありません。

足元が悪く怪我をする恐れがあるため

雨によって足元が悪くなり怪我をする恐れがあることからも、雨の日のお墓参りが避けられていました。

昔は現代のように足元がしっかりと整備された墓地ではなく、山の中などにもお墓があり、現代よりも雨の日の怪我のリスクは高かったでしょう。加えて、雨の日は日中でも暗くなることが多く、視界が不明瞭なことも怪我につながる原因です。

雨の日に足元が悪くなってしまう点は現代でも決して心配ないとはいえませんが、足元や電灯が整備された墓地や雨の影響を受けない納骨堂であれば怪我のリスクは高くないでしょう。

ただし足元に注意するのは墓地だけでなく、お墓参りの行き帰りについても同じです。行き帰りに少しでも不安がある方は、無理をしないよう心がけましょう。

雨の日にお墓参りをするメリット

雨の日のお墓参りで墓掃除をする様子

雨の日のお墓参りには、いくつかのメリットがあります。お墓参りの日が雨だった場合、以下のメリットを確認して決行するかどうかを決めるのもおすすめです。ただし、危険が及ぶような大雨の日などは延期し、安全にお墓参りすることを第一にしてください。

掃除がしやすい

雨の日のお墓参りのメリットとして、掃除しやすいことが挙げられます。墓石は水で濡らして柔らかいスポンジやタオルで磨きますが、すでに雨で濡れている場合、水をかける手間を省いて簡単に掃除ができます。

山間地域などにあるお墓では自宅から水を持参する必要があったり、広大な墓地にあるお墓では区画が水汲み場所から遠かったりと大変なこともありますが、雨天時にはこれらの問題を気にする必要がありません。

また、雨によって墓石に付着していた埃や汚れがすでに落ちていることもあるでしょう。いつもより汚れが落ちやすい分、細かい箇所まで掃除をするのもよいかもしれません。

▶お墓掃除の方法やコツはこちら

人混みを避けてお参りできる

雨の日は、人混みを避けてお墓参りをしたい場合には絶好の日です。晴れの日と比べて墓参者が少ないため、周りを気にせずお墓参りができます。

静かにゆっくりと故人やご先祖を偲ぶこともできるでしょう。

ご先祖に歓迎される

「お墓参りの際に雨が降ったらご先祖から歓迎されている」という考えは「神社を参拝する際に降る雨=神様から歓迎されている」と捉える「禊の雨」が由来の一つとされています。雨の日のお墓参りが憂鬱に感じた際には、この考えを思い出すと気分も和らぐかもしれません。

雨の日のお墓参りにおけるお供え物

雨の日のお墓参りで花をお供えするイメージ画像

ここからは、雨の日のお墓参りにおける線香と花のお供えについて紹介します。

雨の日でも線香はお供えする

お墓参りでの線香は、お墓参りに来たことを知らせたりその場を清めたりする目的があります。また、故人は香りを召し上がるとされているためお供えをするという理由もあります。そのため雨の日であっても、普段のお墓参りと同様に線香をお供えします。線香の火が雨に濡れて短時間で消えてしまうかもしれませんが、問題はありません。

また、雨や風によってライターの火がつかないなどといった場合には、無理に火をつけずに線香を供えて手を合わせるだけでもよいでしょう。また火がつかない場合に備えて、雨の日でも火がつきやすい高火力のライターを用意するのもよいでしょう。

燃え切らずに残った線香は、そのまま置いておかず持ち帰るのがマナーです。持ち帰る際は、安全のために火が完全に消えているか確認しましょう。

▶お墓参りでの線香のあげ方はこちら

雨に強い花をお供えする

雨の日のお墓参りは、すぐに朽ちてしまうのを防ぐために雨に強い花をお供えすることも大切です。特に雨が多い梅雨に咲く花としては、紫陽花や菖蒲、カーネーションなどがあります。反対に花びらが薄かったり、散りやすかったりする花は雨の日には不向きでしょう。そのほかの雨に強い花の種類が気になる場合は、花屋で相談するのもおすすめです。

万が一雨や風でお供えした花が散ってしまった場合などは、そのままにせず片付けて帰るのがマナーです。自分のお墓だけでなく通路や周囲のお墓にも散っていないか確認しましょう。

また、雨の日には生花ではなく造花をお供えするのもおすすめです。サビにくい加工をしたお墓用の造花もあるため、故人の好きな花がないか探すのもよいでしょう。

しかし、なかには造花をタブーとする意見もあります。お墓はさまざまな人の心の拠り所でもあるため、トラブルを避けるためにも造花を供えてもいいか、墓地や親族に確認を取ると安心です。

▶お墓に供えてはいけない花はこちら

雨の日のお墓参りの注意点

雨の日のお墓参りで履く長靴のイメージ画像

最後に、雨の日のお墓参りの注意点やマナーを紹介します。以下の点に十分気をつけて、安全にお墓参りをしましょう。

動きやすく濡れにくい服装を選ぶ

雨の日にお墓参りをする場合は動きやすく、水を弾く素材などの服装を選ぶとよいでしょう。濡れてしまったときのために、着替えを持って行くとさらに安心です。

また傘ではなく、レインコートを着用するとよいでしょう。手が塞がる傘と比べて両手の自由が効くため、お墓参りや掃除がしやすくなります。

滑りにくい靴を履く

雨の日は足元が滑りやすく危険なため、靴は滑りにくいものを履きます。滑り止め加工が施されたレインシューズは、雨に濡れる心配も少なくおすすめです。レインシューズがない場合は、防水スプレーを使用するのもよいでしょう。

また、靴擦れしたり段差を踏み外したりすることがないよう、履き慣れた靴を選ぶことも大切です。急がず、足元に注意しながらゆっくりと歩いてお墓参りをしましょう。

タオルを持参する

体や持ち物についた水分を拭き取るために、タオルを持参しましょう。体用と持ち物用にいくつか持参し、濡れたタオルを持ち帰るためのビニール袋もあわせて用意するとよいです。

また、公共交通機関を使ってお墓参りをする場合は、周囲を濡らさないよう水気を拭き取るためにもタオルが必要です。公共の場でのマナーを守って、お墓参りを実行しましょう。

雨の日は足元に注意してお墓参りをしましょう

雨の日のお墓参りの際に見る植物のイメージ画像

この記事のまとめ

  • 雨の日にお墓参りをしても問題はないが、危険が及ぶ場合は日を改める
  • 雨の日のお墓参りをタブーとする理由には、昔の土葬による感染症の心配や陰陽思想が根強かったことが関係している
  • 雨の日のお墓参りには墓石が濡れて掃除がしやすいなどのメリットがある
  • 雨の日のお墓参りでも線香や花を供え、供花は雨に強い花を選ぶ
  • 雨の日のお墓参りは動きやすく濡れにくい服装を選ぶ

以前はさまざまな理由からタブー視されやすかった雨の日のお墓参りですが、現代では埋葬の仕方や考え方が変わり、雨の日であることを気にする理由もなくなりました。しかし、大雨の場合や体が弱い方、足元に不安がある方などは無理に決行せず、日を改めた方がよいでしょう。

雨の日にお墓参りをする場合は服装やお供え物に注意し、マナーを守って行動することも大切です。雨の日のお墓参りが決まった方は本記事を参考に、安全にお墓参りをしましょう。

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