葬儀が終了したあとから忌明までの四十九日間、自宅に祀る飾り。
故人が写っている写真や肖像画のこと。
故人の骨のこと。
位号とは、戒名の下に付けられる「居士・大姉」などの文字のことであり、
性別や年齢、功徳報恩や社会功績などにより異なる
故人が使用していた茶碗にご飯を山盛りに入れ、ご飯の真ん中に故人が使用していた箸を立てたもののこと。
神棚の代表的な造りの一つで、正面から見て扉が一箇所の神棚のこと。
手前から神宮大麻(天照大御神)、氏神様、崇敬神社のお神札を順に重ねて祀る
逝去した翌年の祥月命日のこと。また、その日に営む仏事のことも一周忌という
亡くなってから35日目、またその日に営む法要のことで小練忌(しょうれんき)ともいう。
四十九日法要をもって忌明けとするのが一般的だが、五七日で忌明けとする地域もある
故人の霊を祀るために、戒名(法名)・俗名・死亡年月日・年齢を記した仏具。位牌は、家の仏壇に置く本位牌や白木の位牌、寺位牌がある。白木の位牌は野位牌とも呼ばれ、葬儀から四十九日の忌明けまで祀るもの。白木の簡単なものが使用されている。四十九日の忌明け後は、黒塗りの本位牌に変えて仏壇にお祀りする。この本位牌は、家位牌や内位牌とも呼ばれている。寺位脾は寺に置くのものであるため本堂や裏の納骨堂に納めるが、宗派によっては本位牌を用いないところもある。
戒名における称号
仏教の葬儀の際、死者が迷うことなく浄土へ導くための儀式
自分が住む土地を守る神様や霊のこと
生まれた土地の神ということで、産土神(うぶすながみ)ともいう
自分の住む土地を守る氏神を信仰する人のこと
宇宙空間へ散骨する弔い方
遺骨や遺灰の一部を専用のカプセルに入れ、ロケットで打ち上げる方法や
遺骨をバルーンに乗せて飛ばす方法もある
神式開眼供養などの際にお供えされるものの一つであり、海から取れる自然の幸のこと
7月や8月の夏に祖先の霊をおもてなしして供養する仏教行事で「お盆」ともいう
インドのサンスクリット語の「ウラバンナ(逆さ吊り)」ペルシャ語の「ウラヴァン(霊魂)」からきた言葉とも言われる
故人を供養する施主が遠方に行く場合や供養ができなくなる場合などに、永久的に菩提寺が代理で法要を営むこと
お寺や霊園が故人を供養、お墓の管理をしてくれる
永代供養がついたお墓のことで、子孫がお墓を継承する必要のないお墓
特別な機器を用いて遺体を洗浄・消毒し、防腐処置や必要に応じて顔などの復元処置を行い、最後にお化粧を施すこと。北米で誕生した手法。
お盆の終わりにまたあの世へと戻る先祖の霊をお見送りするために焚かれる火のこと
法事を行う際、会場に行くまでにかかる交通費として僧侶へ渡すお金のこと
僧侶が会場まで足を運んでくれたことへのお礼の意味でもある
葬儀や法事の際に行われる会食や飲食の席に僧侶が参加しない場合に、
おもてなしの代わりに渡すお金のこと
法事のあとに行う会食のことを指し、元来は僧の食事という意味がある。「斎」は、神仏をまつる前に飲食や行いを謹んで心身を清めたり神事を行ったりする意味がある。
読経や戒名をつけていただいたお礼として僧侶に渡す金銭のこと。法施・財施・無畏施の三つがあり、法施は大乗仏教における仏教修行で重要な六徳目の一つに教えられ、世の人の仏道を教えること、財施は、在家の人が僧に金や品を施すこと、無畏施は、あらゆる恐怖を除かせるということを指す。無畏施は、真心を込めて親切をすることによって誰にでも行える。
亡くなられた方やご先祖様が、浄土からこの世に戻ってくる期間(7月か8月)のこと
正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という
読経などを行わず、執り行なっている最中に
故人が好んでいた音楽やゆかりのある音楽を流すスタイルの葬儀
故人の祥月命日に執り行われる法要のこと
死者の魂をお墓に入れる儀式のこと
入魂式、御魂入れ、御性根入れ、お精入れとも呼ばれる。
閉眼供養は、墓石から魂を抜き、単なる石に戻すことを言う。御魂抜き、抜魂式とも呼ばれる。
浄土真宗では霊魂というものは存在しないという考えから、入魂式や御魂入れといった魂の字が付く。
儀式は行わない。
元々あったお墓から、別の場所(別の墓や納骨堂)へ遺骨を移すこと
一般的には墓石自体は動かさずに、遺骨のみを移す。
改葬をするには、現在埋葬・納骨されている場所の市町村長の許可が必要
弔問に来た方に対してお礼の言葉を述べるための礼状
仏の弟子となった証として故人に送られる名のこと。日蓮宗では「法号」、真宗では「法名」と呼ぶ。
本来、戒名は戒を受けたる者に与えられるものであり、生前に取得するのが本義とされている。しかし現在では、故人の枕元で読まれる枕経のあとに僧侶から送られる場合が多い。
その家のご先祖様の戒名(法名)や俗名、没年月日、没年齢などが記された帳面のこと
浄土真宗は位牌を作らず、過去帳をお仏壇に供えることが本式とされている。
浄土真宗の教えに基づき、故人は現世にとどまることなくすぐに浄土で仏となると考えられているため
故人の遺体を焼却する葬送方法のこと。
体を火葬することを「荼毘に付す(だびにふす)」ともいう。
焼却後の遺骨は骨壺に入れて納める
火葬を行う際や寺院などで納骨をする際に必要な書類。この許可証がないと火葬や納骨をすることができない。死亡後、市町村役場に死亡診断書や死亡届を提出する際に、死体火葬(または埋葬)許可申請書に記入・申請して、火葬許可書や埋葬許可書を受け取る
ご遺体を火葬する際に使用する施設
故人の思い出の品を、故人と親しかった人たちに譲ること。忌明けの日を区切りとして形見分けを行う場合が多いが、形見分けを行う期日の決まりは特にない。神道では五十日祭前後に行われることが多く、キリスト教では亡くなってから1カ月後などに形見分けが行われることもある。高額な品物や美術品、骨董品などは相続税の対象となる場合もあるため注意が必要。
同席する場合、目上の方が座る場所を上座、目下の人が座る場所を下座という。
和室の場合は、床の間を背にした場所が上座となる。
神様(一般的には天照皇大神と氏神)をお祭りする場所で、「一社造り」や「三社造り」などのつくりがある。神棚には、主に米や水、塩、榊(さかき)の枝葉などを供える。
家にある神棚の扉を閉めて合わせ目に白い紙を張り、死の汚れを防ぐこと。扉がない場合は、神棚の上部から白い紙を張り下げて忌明けまで閉じておく。
葬儀の日取りをするときに、通夜を二日間にわたって行う場合がある。この際、一日目を仮通夜と呼び、遺族や近親者で行う。二日目となる第二夜は、本通夜として普通の通夜を行う。
棺を覆う布を指し、仏式の場合は金欄の「七条袈裟(けさ)」を使用する。神式では白布で棺を覆う。
左右両方の手のひらを合わせて拝むこと
逝去した日から四十九日目を満中陰として忌明けとなる。近年では忌明けが短縮されることもあり、三十五目に忌服を終える場合もある。
死者を安置するとき、北側に頭を向けることをいう。これは、釈尊が入滅するときに頭を北向きにし、額は西の方、右脇は下に寝ていた故事にならったものとされている。北枕が困難な場合は西枕にする。
49日間は死の穢れが強い時期といわれているため、ご遺族は祭りなどへの参加を控えて家にこもるようにすることを指す。 四十九日が過ぎると忌明となり、日常生活に戻り始める。
身内が亡くなった時に玄関などに貼る紙のことで、紙には「忌中」と記載する。忌中札には「けがれを外に出さない」という意味があり、通夜の日時や行われる会場などが記されていることもある。基本的に忌明けのときに忌中札を取るが、はずす時期は地域によって異なる。
病気や怪我をした際に、生命が危うい状態のこと
死期が迫っている状態のときに残せる遺言のこと。この遺言は、3人以上の証人が必要などという一定の条件を満たさなければ遺言として認められず、録音で残したものなどは法的に無効となる。また、遺言確認のための審判の申し立てをする必要があり、遺言から20日以内に家庭裁判所にて申し立てをしないと効力が発生しない。さらに、遺言を残した本人が危篤状態から回復した場合、この危篤時遺言の有効期限は6カ月までとなる。
キリスト教のプロテスタントにおける法要のことで、 亡くなってから7日目、10日目、1カ月(20日目の場合もある)の月命日や、毎年の命日に行われることが多い。この集いでは牧師を招いて説教を聞き、祈りを捧げて故人を偲ぶことが目的である。 キリスト教のカトリックでは「追悼ミサ」と呼ぶ会を行う。
仏壇の前に供える花のこと
死者に着せる経の書かれた白い着物を指す。背中には「南無阿弥陀仏」などと書き、経帷子は数人で分担して縫う。縫い糸は、止め結びをしないようにする。
死亡したときの年齢のことで、行年とも呼ばれる
火葬場から帰宅する際に、玄関先で手を洗い、身体に塩をふりかけて清めるという習慣やその塩のことを指す。けがれを嫌う神道の伝統として行われていたのが元で、古来から海水にはお清めの力があるとされている。海水を持ち運ぶのは難しいため、塩を代用するようになったともいわれている。
全体に黒の漆塗りが施され、内部に金箔が張ってある仏壇で、塗り仏壇や漆仏壇とも呼ばれる。
仏壇の種類は金仏壇と唐木仏壇の大きく分けられ、金仏壇は浄土宗・浄土真宗などで使用されることが多く、唐木仏壇はそのほかの宗旨・宗派で使用されることが多い。地域色が強い場合もあり、金仏壇は関西、北陸、東北などでよく選ばれ、唐木仏壇は関東地方で多くみられる。
死亡したときの年齢のことで、享年とも呼ばれる
出棺の前に、遺族が小石を使用して棺の釘を打つ儀式を指す。釘打ちは2、3回度軽く打つ。ここで使用する石は三途の川のほとりにある石を表しており、死者が無事に三途の川を渡るようにとの願いが込められている。
白と黒のストライプ(しま模様)の幕の事をさし、お通夜・告別式の際などは会場周辺に鯨幕を吊るす場合が多い。
葬儀で使われるようになったのは大正から昭和の初期頃ともいわれ、鯨幕が用いられるようになる前は、黒い幕が使われていたといわれている。
本来は弔事・慶事に関係なく使用されるものなので、神社や皇室での慶事にも使用をする。
神道式の葬儀で使用される幕で、朽ちた木のような模様をしていることから、朽木幕と呼ばれる。
白地に紫の模様が入ったもの。神道の葬儀では、この他にしめ縄などで祭壇を飾る。
故人の霊前に供えるもので、生花や供物用の造花、果物、線香、ローソクなどが供物にあたる
戒名を記す木の札が複数枚納められている、厚みのある位牌のこと。
仏壇内が先祖の位牌でいっぱいになってしまったときなどに、複数の位牌をまとめて供養するために用いられ、十枚程度の札板が納められる。
板札の順番は「〇〇家先祖代々之霊位」の札を一番前にして、命日またはご先祖様の順に入れます。故人の命日や月命日には、その札を一番前にして供養をする。
「グリーフ」とは、「Grief」、悲しみ、悲嘆、嘆きのことを指す。
大切な人を亡くした遺族に寄り添うことで心の回復のサポートをする取り組み。
仏教の宗派の一つで、華厳経をよりどころにしている宗派。本尊は盧舎那仏(るしゃなぶつ)で、哲学的な考えが色濃く、奈良県にある東大寺大仏建立の思想のもとにもなっている。華厳宗の歴史は古く、十三宗五十六派や南都六宗にも数えられている。十三宗五十六派とは、華厳宗、法相宗、天台宗、律宗、真言宗、日蓮宗、浄土宗、融通念仏宗、浄土真宗、臨済宗、曹洞宗、時宗、黄檗宗の13の宗派と、その宗派に属する派のことである。南都六宗は、法相宗、倶舎宗、三論宗、成実宗、華厳宗、律宗の6宗派のことである。
師から弟子へと教えを伝えたということを意味する仏教用語。教えのほかにも、本尊や宝物などを授ける場合もあり、「血脈相承(けちみゃくそうじょう)」ともいう。
祭壇や墓に花を供えること。近年では、お焼香の代わりとして宗教を問わず献花が行われることも多い。
献花に用いる生花に決まりはないが、白菊や白のカーネーションが多い。
お墓を建てることを指す。石材店の立場ではなく、施主の立場でお墓を建てる際に使用される言葉。
遺言を残す本人と法文書作成の専門家の公証人とで作成した遺言状のこと。この遺言は、法的な力や証拠性が高いとされるものである。遺言状を作成する際は、2名の証人のほかに署名や捺印、作成のための費用が必要となる。法文書作成の専門家と一緒に遺言を作成するメリットとして、遺言が無効になる心配がない、原本は公証役場へ保管されるので改ざんされない、遺言の内容の秘密が厳守される、遺言を残した本人が死亡しても20年は保管されるなどがある。
本来は、故人の霊に供えるお香の代金として親類や知人から喪家へ贈るもの。現在の香典は金銭であるが、昔は米麦などの食料が贈られていた。
香典のお返しとして喪家から送られるもので、香典の金額の半額から3分の1ほどの金額を送るのが通例である。お茶や砂糖、ふろしき、陶器などの日常生活の必需品を香典返しの品物として送ることもある。
葬儀の際に香典を入れる袋で「不祝儀袋」とも呼ばれている。表書きの文字は宗旨宗派によって異なり、仏教では「御香典」「御霊前」、仏教の浄土真宗では「御仏前」、神道では「御玉串料」「御榊料」、キリスト教では「お花料」などと書く。
墓前で線香を上げる際に必要となるお墓や仏壇の付属品で、仏具の中でも最も大切なものとされている。線香を立てるものは香立という。
ご遺族に慰めの言葉を寄せて一人ずつ焼香や献花をする式のことで、死者に別れを告げる儀礼。近年では、参列者の事情や火葬時刻の制約などから、葬儀式と告別式を1時間程度で済ませたいという要望が強まり、葬儀式と告別式を同時に進行するのが一般的となった。
火葬のあとに遺骨を拾って骨壷に納めることを指す。 拾い方は、二人が箸で一片の骨を同時に挟んで骨壷に入れるか、一人が箸で骨を挟んで他の人へ渡して骨壷に入れる。
年忌法要が1年のうちに重なって行われる際にそれらを合わせて行うこと。併修と同じ意味合いで用いられる。
母親の十三回忌と祖父の三十三回忌など、2つ以上の法要が重なった場合にまとめて行う法要のことを指す。また、お盆やお彼岸で寺院などに僧侶が集まって法要を行うことをいう。
仏教徒が守るべきとされている基本的な5つの戒めのことで、「不殺生戒(ふせっしょうかい・生き物を殺してはならない)」「不偸盗戒(ふちゅうとうかい・盗みをしてはいけない)」「不邪淫戒(ふじゃいんかい・不貞行為をしてはいけない)」「不妄語戒(ふもうごかい・うそをついてはいけない)」「不飲酒戒(ふおんじゅかい・酒を飲んではいけない)」がある
仏前供養のために設置する五物を指し、「香炉」「燭台一対」「花瓶一対」の五個を一組とする。香炉を中央に設置し、左右に燭台、花瓶を設置する。寺院での荘厳でも、その権威を象徴して仏像の前に五具足が整えられている。須弥壇の前には大きな経机形の前机(前卓)が置かれており、その上には花瓶の入った常花(常華)一対が両外に設置されている。両内に燭台一対、中央には香炉一基の一組が飾られている。常花は、金箔を置いた木蓮華を置くことが多いが、金属性あるいは木製彩色の常花もある。燭台は、釈迦の自燈や法燈の遣教により一対とするとされている。古来から「信は荘厳(しょうごん)より起る」といわれており、仏垣の荘厳はその宗教の教義をより処にして象徴させたものなので、宗派によって形や呼び名が異なることもある。
人の死を悼み、悲しむことを指すお悔やみ言葉。類義語では、悲哀、哀愁、悲傷などがあたる。
亡くなってから満49年を迎える年に行う法要で、この五十回忌あるいは三十三回忌を迎えると故人が極楽往生したと考える宗派が多い。
故人の仏の前のこと。一般的には四十九日以降に使用される言葉だが、地域や宗派によって異なる。
故人の霊の前のこと。一般的には四十九日までに使用される言葉だが、地域や宗派によって異なる。
祖先を祭ることを指し、祭祀を受け継ぐ権利保持者は「祭祀承継者」と呼ばれる
神仏などに供物を捧げるための壇のこと
仏教における極楽浄土で、聖域であり理想の世界。宗派によってこの呼び方や概念には違いがある。東向きのお墓が好まれる傾向にあるのは、西に向かってお参りをすると浄土に向かってお参りすることになるとされているためである。また東向きは、仏壇を設置するときの方角としてもよいとされている。
葬儀は非日常時に営まれる行事であるため、普段行っていることとは前後や天地などを逆さまにして行い、日常と区別するもの。逆さまにする風習は、魔除けや死後の世界が生の世界の裏返しになっていることの配慮からとされている。逆さ着物は、経帷子や浴衣などを遺体に着せて、その上に故人が生前に好んでいた衣服を被せたり棺に被せる際、逆さまにする習わし。逆さ屏風とは、死者の枕元に屏風を逆さまにして立てることを指す。他にも逆さ水などがある。
故人の枕元に屏風を置く際に、逆さにして置くこと。死後の世界は現世と逆になっているとされているため、葬儀の際は日常生活と逆のことを行ったり、逆さにして飾り付けたりする「逆さ事」を行う。逆さ事の例として、経帷子を左前に着せたり足袋を左右逆にはかせたりする。
亡くなってから満2年、数えだと3年目の忌日で、一周忌の翌年にあたる仏教的な忌日のこと。神道では、三年祭を亡くなった年から数えて3年目に行うため、三回忌と三年祭は1年ずれる。
遺骨を墓地や納骨堂に納めるのではなく、骨を粉末状にして海や山などに撒く方式のこと。葬送を目的とした上で、人々が嫌がる場所に撒かないことやしっかりと粉末状にしてから撒くなどの配慮が必要。
神棚における造りの一つで、中央に天照皇大神を置き、右に氏神、左に崇敬する神社のお札を置く。三社造り以外の神棚の造りとしては、一社造りがある。こちらは、天照皇大神の後ろに氏神などを置いてまつる。
亡くなってから満32年目に行う年忌法要のことで、この忌日後は「弔い上げ」とする宗旨宗派が多い。弔い上げは故人が極楽浄土へ旅立ったとすることを指し、基本的に三十三回忌か五十回忌を節目として弔い上げとする。
亡くなってからあの世に行く途中にある川で、初七日に渡るとされている。「葬頭河(しょうずか)」や「三つ瀬河」とも呼ばれている。川の瀬に緩急の異なる三途があり、生前の罪の軽重によって三途のうちの一つを渡らなければいけないとされている。
仏教の宗派である伝統的な13の派のこと(法相宗、華厳宗、律宗、天台宗、真言宗、浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、時宗、融通念仏宗、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗)
葬具の一つで、白紙を竹串に巻きつけて横に細かく切れ目を入れたもの。かつては、この四華花を四本用意し、木の台や大根の輸切りに突き立てて近親者が持ち、葬列に加わった。四華の由来は、釈尊が涅槃に入る際に、死を痛み悲しんで四本の沙羅双樹(さらそうじゅ)の花が白く変化したことからとされている。それになぞらえて、死者が涅槃に入ったことを象徴している。
神道における年忌法要で、決められた期間に神主に祝詞をあげてもらい故人を偲ぶ。この式年祭は、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭……と続いていく。一年祭は仏教でいうと一周忌にあたるため、大規模に執り行われることが多い。また、神社で決められた時期に行われる祭祀も、葬儀と同じように式年祭と呼ばれる。
シキミは有毒植物ですが昔から仏前や墓前に供える習慣があり、土葬にした遺体を動物などが掘り返さないように墓地にシキミを植えていた。シキミの名前は、「悪しき実」にある「悪」を取ったものが由来とされている。
シキミの葉は、抹香や線香の原料にされている。(有毒、抹香・線香の原料)
死亡してから七七(しちしち)日、つまり四十九日の間のことを指す。中有や中陰と呼ばれ、現世の死と未来生との間の期間である。
亡くなった日を1日目と数えたときの49日目に行う法要を指す。仏教の考えでは亡くなってから7日ごとに冥土で審判を受けるとされており、49日目に最後の審判がくだされる。この審判後、故人が極楽へ旅立つという考え方がある。四十九日を区切りとして忌明けとすることが多い。
故人の遺体が安らかに見えるように、男性はひげを剃って女性は髪をとかして薄化粧をほどこす。これは、故人への心づくしであって宗派を問わずに行われる。
死者に着せる白い衣装を指し、僧の姿になぞらえて白木綿に経文を記した着物となっている。これは、経雌子や仏衣とも呼ばれている。着せ方の手順は、まず経帷子を死者に着せて、六文銭の入った頭陀袋を首にかけ、合掌させた両手に数珠を持たせる。最後に、足袋、わらじ、すげ笠、杖のいでたちを行う。
臨終後やこと切れたときに、新しい筆やガーゼに水を浸して唇を潤すこと。末期(まつご)の水とも呼ばれている。死に水を行う順序は、肉親から近親者へと続く。これは死者への惜別の行為とされており、昔は枕元に集まった近親者も水を分かち合ったといわれている。
葬儀や法要の際に音を立てずに手を打ち合わせることを指す。神式の葬儀では、玉串奉奠(たまぐしほうてん)の後に二礼二拍手一礼をするが、この際の二拍手はしのび手で行うようにする。音を鳴らして手を打ち合わせることは「柏手(かしわで)」と呼ぶ。
故人の死に立ち会った医師が記入する書類で、死者の氏名や年齢、性別、発病年月目、死亡年月日、時刻、死亡場所、死亡原因が記載されている。こちらは、死亡届と一緒に市区町村役場に提出をする。こちらは、各役所で日曜・祝日を問わず24時間受け付けている。事故死などの場合は警察医によって診断書が記入され、その際には「死体検案書」という名称になる。
死亡したときに役所に届ける書類で、七日以内に死亡診断書と一緒に提出する。こちらの書類は、同居の家族や別居の親族が記入する。届け先は、死亡地や死亡者の本籍地、住所地または届出人の住所地のいずれかの市区町村役所の戸籍係である。
会社主体で行う葬儀のことで、企業に貢献した方が亡くなった場合などに行われる。社葬とは別に近親者のみの葬儀を行うことも多いが、近年では両方を兼ねて合同葬とすることも増えてきている。
葬儀のことや墓、遺産整理などの準備を元気なうちに行うこと。
一周忌のことを指し、亡くなってから満1年後の忌日が一周忌で満2年後の忌日は三回忌となる。この周忌と回忌を合わせて「年忌」と総称する。
仏教や神道、キリスト教、無宗教など宗教的な条件を問わないこと。
火葬した後にご遺体の骨を拾う事。拾骨は地域によって違いがあり、二人一組になって竹と木の1本ずつを使用して行なう地域や、竹二本と木二本で行う地域がある。拾骨で行われる箸渡しは、故人をこの世からあの世へ、三途の川の渡しをしてあげるという思いを込めながら行う。
信仰する宗教の教えのことで、「宗旨・宗派不問」と書いてある場合は「在来仏教であれば宗派を問わない」という意味になる。また、「宗教不問」は「どのような宗教でも問わない」という意味で、無宗教も可となる。
納骨堂に遺骨を納めること。墓所に遺骨を納めるときは「埋蔵」と呼び、遺体を土葬する場合は「埋葬」というように法律上で分けられている。
棺を霊柩車に乗せ、火葬場へ出発すること。
ご遺体が安置されている棺を火葬場へと送り出すこと。一般的には、足が向いている方から棺を運び出すのがよいとされている。親族や生前に故人と親交が深かった人は火葬場まで同行するが、それ以外の人は葬儀会場または自宅で最後のお別れとなる。
寺院や仏壇で本尊をまつる場所のことで、仏壇などで仏様をまつっている場合も須弥壇と呼ぶ。この壇は帝釈天が住み続けている場所といわれており、古くから神聖な山としてあがめられている「須弥山」が語源。そのため、須弥壇は神聖な場所という意味合いもある。
先代からお墓や地位などの祭祀財産を受け継ぐこと。
仏に対する供養の一つで、釈尊の頃から二千五百年続けられている儀式のこと。焼香のやり方は宗派によって少し異なる。
焼香順位は、故人と血縁の濃い順に行うことが多い。
例えば、一家の主人がなくなった場合には以下のような順になる。
①喪主(未亡人または長男)
②姓の同じ子供
③姓の替わった子供
④故人の父母
⑤故人の配偶者の父母
⑥故人の孫
⑦故人の兄弟姉妹
⑧故人の配偶者の兄弟姉妹
⑨故人のおじ、おば
⑩故人の配偶者のおじ、おば
⑪故人のおい、めい
なお、夫婦は同時に行うが、喪主が長男の場合は以下の順に続く。
①長男
②未亡人
③長男の妻
一緒に住んでいた孫は、故人の子供と同時に焼香することが多い。
火葬後や葬儀・告別式の終了後、宴席を設ける際に使用される言葉。地方によって呼び方が異なり、「精進上げ」や「お斎」「忌中祓い」「精進落ち」「直会」「仕上げ」などと呼ばれていることもある。
故人が亡くなって7日目に行う初めての法要のこと。
宗旨宗派によっても異なり、亡くなって49日間は、7日毎に計7回、極楽浄土へ行けるかどうかの判決がくだされると考えられている。初七日には故人のために法要を行い、極楽に行けるよう成仏を願う。
死者が亡くなった日から数えて七日目、またはその日の供養のことを指す。近年では、告別式の当日に初七日の法要を済ませることも多くなっている。
葬儀に用いる木地のままの位牌のことで、 戒名(法名)や俗名、没年月目などを記入して遺影とともに祭壇に安置する。葬列の際は、喪主が胸元に掲げて持参する。葬儀後は、忌明けまで中陰檀に祀り、忌明け後にお寺などに納める。納めた後は白木位牌の代りとして黒塗りの位牌を仏壇の中に安置する。
葬儀の際に使用されるご遺体や遺影を安置する場所を祭壇と呼び、祭壇の作りで一般的なものの一つが白木祭壇。
その名の通り白木で組まれた祭壇となっている
空海(弘法大師)を開祖とする仏教の宗派のひとつ。
「即身成仏」を説いたもので、平安時代から現代まで1200年以上続いている。
真言宗におけるご本尊は、大日如来で、密教における最高の仏さまであるとされている。
真言宗は、古義真言宗・新義真言宗・真言律宗の3つに大きく分けることができ、宗派は全部で18あり、真言十八本山と呼ばれている。
一遍上人を開祖としている仏教の宗派で、阿弥陀如来を本尊としている。南無阿弥陀仏を常に唱えることで仏と一体となり、西方極楽浄土に往生することを確信するという教えである。歴代の上人が全国に念仏の教えを説くことを「遊行」と呼び、時宗総本山の寺院である清浄光寺の名前の由来にもなっている。
自筆で書いた遺言状のこと。自筆証書遺言を作成する際にパソコンや代筆などで書いたものは無効となる。また、作成年月日が明確であることや署名・捺印があることなど、遺言状を有効とするためには一定の条件を満たす必要がある。また、遺言を執行する際には家庭裁判所の検認が必要となる。
亡くなってから満12年目に行う年忌法要のことで、親族や故人が生前に親しかった友人・知人などを招く。七回忌や十三回忌からは法要の規模が縮小されて、親族のみで営まれることも多い。
亡くなってから満16年目に行う年忌法要のことで、基本的に親族や知人が集まる。自宅に僧侶を招いたり寺院で読経をしてもらうことが多いが、会食をしながら故人を偲ぶ場合もある。七回忌や十三回忌から法要の規模が縮小されることが多く、一般的には十七回忌を盛大に執り行うことは少ない。
仏前で礼拝する際に手に掛けるもので、誦数(ずず)とも呼ばれている念珠。念誦の際に珠を手操り、記数の役をはたす。数珠は、チベットや中国、日本などで重要な法具として使用されている。ご遺族が自ら釘を打つことで、故人の蘇生を断念するといった意味もあり、各宗派によって数珠の形が異なる。
墓石ではなく、樹木をモニュメントにした墓地のことで「樹木葬墓地」とも呼ばれている。墓埋法(墓地や埋葬などに関する法律)により、墓地として許可を得た場所にしか遺骨を埋められない。また、樹木を墓標として埋葬する方法ではあるが、埋葬に関して形態の決まりは特にない。樹木葬では、墓園全体を樹木葬専用とする霊園や一般墓地の一画を樹木葬墓地としている霊園もある。東京都の霊園では、樹木葬墓地と樹林墓地は区別されている。
生前にお墓を建てることで、聖徳太子や秦の始皇帝などが寿陵であったことから、生前に建墓することは日本や中国では縁起がよいことだと言われている。
浄土真宗の主要宗派の1つで、西本願寺を本山とする(東本願寺は真宗大谷派の本山)。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。
浄土真宗は、鎌倉時代の中頃に親鸞聖人によって開かれ、室町時代に蓮如上人(れんにょしょうにん)によって民衆の間に広く深く浸透して発展。
様々な歴史的背景が深く関わって、本願寺は東西に分かれた。
東京都中央区築地にある「築地本願寺」も本願寺派の直轄寺院。
浄土真宗の主要宗派の1つで、東本願寺は真宗大谷派の本山。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。
浄土真宗は、鎌倉時代の中頃に親鸞聖人によって開かれ、室町時代に蓮如上人(れんにょしょうにん)によって民衆の間に広く深く浸透して発展。
様々な歴史的背景が深く関わって、本願寺は東西に分かれた。
死亡して仏になることを指し、煩悩(ぼんのう)を脱して悟りを開くこと。
経巻や仏具、布施などを入れる行脚する僧の持つ袋。 死者の首にこれを掛ける意味は、仏道修行の旅立ちに見立てたものとされている。
遺体の頭を北側にし、顔を西に向けて安置すること。釈尊の入滅の際に「頭北面西脇臥」の姿勢を取ったことが由来とされている。頭を北側に向けて仰向けに寝かせ、白布を顔にかけておく。
神道における忌明けの儀式のこと。
故人が亡くなった直後から祖霊舎(神棚)は白紙によって封じられる。
清祓いの儀はその白紙をはがす儀式で、これをもって遺族は忌明けとされる。
本来は五十日祭の翌日に行われる儀式たが、近年では合祀祭とともに五十日祭の当日に行われることも多い。
お盆のときに特別につくられる棚を精霊棚(しょうりょうだな)や、盆棚という。
精霊棚とは、先祖の精霊を迎えるために、位牌を中心に安置し、さまざまなお供え(キュウリと茄子で作った精霊馬、精霊牛や水の子など)をする棚。
精霊棚の上は、盆花(ぼんばな)や食べ物などの様々なお供え物で飾り、お盆の仏壇飾りは使うものや配置などが地域や家庭、宗派によって多種多様。
一席の順列のことを指し、通夜や葬儀の席次は祭垣に向かって中央に僧侶、左に葬儀委員長や世話役、来賓が座り、右に近親者が座るのが一般的。このとき、一般会葬者が座る席は、祭垣の正面に向かって先着順となる。近親者は棺に近いほうに喪主が座り、その隣から血縁の濃い順に座る。
葬式や法事などの仏事を取り仕切る人、僧侶や寺院に物品を施す人を指します。
キリスト教式(プロテスタント式)の通夜にあたる儀式のことで「前夜式」ともいう。
本来、キリスト教では通夜は行う慣習はない。供養ではなく、故人を偲び、思いをはせるといった意味合いが強い。
死は神のもとに召される「召天」といい、復活の日まで天国で過ごすという意味があることから、
キリスト教の通夜や葬儀では、「お悔み申し上げます」や「ご冥福をお祈りします」はふさわしい言葉ではない。
キリスト教の不祝儀袋への表書きは「御花料」と記す。
墓地や火葬場で列を組み、死者を送ることを指す。火葬場へ向かう際に使用する霊柩車やマイクロバス、自家用車の列を「葬列」と呼ぶこともある。
故人の霊の前や喪中の家のこと
遺体を焼いて遺骨を弔うこと
葬儀で披露する故人への最後のお別れの言葉のこと。 この弔辞では、「故人への追悼」「故人の生前の業績」「残されたものの決意」を述べる 。故人と親睦のあつかった人が弔辞を読むことが多い。弔辞は、棒書か巻紙に毛筆で書いて末尾から短冊形に折畳み、上包みをして「弔辞」の表書きをつける。葬儀委員長の読む弔辞は「式文(しきもん)」とも呼ばれる。
手水は、紙道の祭儀の前に行われる重要な儀式で、これをすませてから席につく。柄杓ですくった水は、三度に分けて注ぐのが正しい作法。自分で水を掛ける場合、まず左手を清め、次に右手を清める。その後、左手に水を受けて口をすすぎ、最後に左手を洗う。
弔問や葬儀に参列できない場合にお悔やみの電報を送ることをいう。電報は、局番なしの「115」でかけて、宛名は喪主にする。「謹んで哀悼の意を表します」「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」などと弔電を打つが、弔電が多いときは弔電奉読は主なものだけに控える。
死者の遺族を訪ねてお悔やみを述べること
葬式が行われる前の夜に親族や知人が故人の霊を守り、慰めることを指す。「おつや」や「夜伽」とも呼ばれる。逝去から葬儀までを二夜に分けて送る際、逝去当日の夜は仮通夜とし、通夜は翌日に営まれる。近親者だけで通夜を営むことが多かったが、近年では通夜が故人に対する社会的儀礼という意味を持つようになり、少しでも故人と関係をもつ人は通夜の席に出席するようになった。
通夜のときに振る舞われる飲食のこと。酒食を供するのではなく、お茶だけを供する場合や食事券を渡すだけの通夜振る舞いもあり地域によって異なる。
吉凶日を表す六曜の一つ。 暦注には、朝夕は吉、昼は凶とあり、陰陽道では「合い打ち勝負なし」としている。
日本では、「友を引く」という俗信が付与され、この日は葬式をしないしきたりとなっている。同様の葬式である忌み日は、申、寅、卯、丑の日がある。
複数の僧侶のなかで、最も重要な役目を行う僧侶のこと。一般の葬儀では、菩提寺(ぼだいじ)の住職が導師を勤める。導師とは、「人々を導く師、仏教の教えを説く僧」という意味を持っているが、後に「唱導(しょうどう)の師」というように理解が広まり、現在では儀式の中心的僧侶を指している。導師以外の僧は、「脇僧」または「式衆」と呼ぶ。
阿弥陀仏に帰依することを指し念仏とも呼ぶ。浄土教では六字の名号と呼び、これを唱えることで浄土に生れることができるとされている。しかし、浄土真宗では感謝の念をもって唱える報謝(ほうしゃ)の念仏であるとされており、阿弥陀仏に救われた喜びのあまり唱えるといわれている。
釈迦牟尼仏に帰依することを指し、釈迦牟尼仏を本尊とする宗派。天台宗の宝号に「南無大恩教主釈迦牟尼如来」、曹洞宗の本尊唱名には「南無釈迦牟尼仏」などが用いられている。
遍照金剛は空海の金剛名であり、この一句は弘法大師空海に帰依をすることを意味している。弘決大師が唐に留学をして真言密教の秘奥を極め、師の恵果(けいか)から頂いた称号が遍照金剛の名号。四国八十八や所霊場を巡るお遍路では、この名号を唱える。
日蓮宗や法華宗などの「法華経」を聖典とする宗派が唱えるお題目。「南無妙法蓮華経」は、妙法を蓮華によって例えた経に心の底から帰依するという意味となっている。日蓮上人は妙法蓮華経のお題目を唱える際に、心の三千の数に表される真実の世界と、法華経の無量の功徳があまねく備わると説いている。
亡くなった人の祥月命日に追善供養をすること。 故人への追悼や生前の業績を讃えたり、残された者としての決意を述べたりすることが多いが、特に決まりはない。
死者を棺に収めることで、お通夜が行われる前に祭壇の準備が整ったら納棺をする。
火葬後、遺骨を墓や骨つぼに納めること
骨壺や遺骨の一部を安置しておく場所のこと
ご遺体や遺骨が葬ってある場所のこと
春分や秋分の前後各3日間のことを指す。合計すると彼岸の期間は7日間となる。彼岸は仏教語で涅槃(ねはん)の境地という意味を指している。
死者を納める木の箱のこと
絹布を裏表二枚合せもしくは一枚物で進物の上にかけ、贈物を包む布。
香典などの不祝儀袋を包む際にも用いられる。
仏像や位牌(いはい)を安置するための壇のこと
死者の骨を二箇所以上に分けて納めること。 遠隔地に郷里がある場合や本山に納骨をする際に分骨する。分骨をする場合は、あらかじめ火葬のときに骨壷を用意しておく必要がある。
葬儀に参列いていただいた人に対して感謝の意味を込めて渡す品物のことで、香典返しと同義である
死者の追善供養のために営む仏事のことを指し、月忌や年忌を含めて法事という。法事は、まず日取りを決めてお寺の都合を確かめ、命日までに行う。予算は、お寺へのお布施やお斎(会食)料理、引き出物を含めて考える。また、法事に出席する場合、供物か供物料である「御仏前」を持参する。法事での流れは、参加者全員が座に着いたあと、読経、焼香の順で行い、施主の挨拶をして会食を行う。
死者の冥福をお祈りするために忌日に行う儀式のこと
先祖の墓を作り、祖先の位牌を安置する寺院。または、一般庶民が属する旦那寺。寺院の90%以上は檀家寺となっているが、檀徒がなく信徒だけの寺院もある。
死亡届けを役所に提出した際に火葬許可証が交付され、火葬が終了したら火葬場の方が日時を記入して書類を返還してくれる。この書類を埋葬許可証と呼び、埋葬のときまで骨壼と一緒に保管しておく。埋葬許可証は五年間の保存義務があり、埋葬する際は寺院や墓地の管理事務所に提出する。
火葬後、遺骨を土中に葬ること。最近では、遺体や遺骨をお墓へ納める意味としても使われる。
遺体を安置したあと、遺体の枕元に設置する小さな祭壇のこと。 祭壇には、線香や燭台、花立、コップに入れた水、枕団子、一膳飯を飾る。
枕飾りができたあとに死者の前で行われる読経で、臨終勤行とも呼ばれている。通常、菩提寺の僧侶に依頼をする。真宗の場合は、「正信偶」「短念仏」「回向」が枕経で読まれる。
死者の枕元に供える団子のこと。 枕団子は上新粉を蒸して作り、三法に白紙を敷いてその上に乗せて供える。「大般涅槃経」によると、釈尊が涅槃に入られる際に無辺菩薩(むへんぼさつ)が香飯を献上したが、釈尊は辞退して食べなかったといわれている。この背景もあり、死後に団子を供えるようになったとされている。
ご遺体を北枕にして安置すること
死者の枕元に供える御飯のことで、枕団子と同様に死後直ちに作る必要がある。死者は息を引き取ると、一度善光寺参りをするという俗信がある。枕飯は善光寺あるいは他の霊場へ行くための弁当であり、急いで作らないと死者が出発できない、成仏できないといわれている。また、魂叫びの一種で、死後肉体から離れた霊魂が御飯の中に宿って復活することを念じた儀式ともされている。
臨終を迎えた故人の口に水を含ませる儀式こと。 死に際の人が最期に水を求めることからきた慣わしで、もとは仏教の儀式。新品の筆か箸の先に脱脂綿を巻きつけ、水を含ませて軽く口を潤す。
北枕に寝かした遺体の布団の上に、刀を置くこと。守り刀を置くのは、武士の「葬送行列次第書」にあるように、武士の死者は枕頭に刀を置いたという名残からきている。遺体の魔除けのためと信じられており、刀のほかにも小刀やカミソリ、はさみが用いられる。また、木刀を袋に入れたものを使用することもある。
四十九日の中陰が開けることを指す。また、開けた際に行う法要のこと。
内々で葬儀を行うことや、社葬などを行う前に身内のみで葬儀を行うことを指す。
花瓶・香炉・燭台の三種類を表す仏具のこと。花瓶は、主に青銅や錫、陶器製を使用する。花瓶には色花を立てるのではなく、常盤木の常緑の枝を立てる。常盤木の代表は樒(しきみ)で、香炉は線香や抹香を焚くものを用意する。三具足の並べ方は、中央に香炉、右側にろうそくを立てて左に花立てを置く。
読経や唱名の際に打つ法具。木製で内部がくり抜かれており、表面には魚鱗が彫り込まれている。木魚の由来は、魚は昼夜頁を開けていることから怠惰を戒めたものとされている。
遺族の中で故人の遺志を引き継いで、故人の供養を葬儀後も中心になって行う人のこと。以前は長男や跡取が喪主になるしきたりでだったが、現在では配偶者が喪主になる場合もある。
喪に服しているということを示す黒色の腕章やリボンのこと。喪服の代用として、弔問客が腕章やリボンを付けて参列することもある。
故人の死を悼む期間のこと。死者を弔う姿勢を重んじて、贅沢や祝いごとなどは避けて身を慎む期間。血縁関係がある場合、故人がなくなってから1年間を差すことが多い。
喪中の期間、葬儀や法事などに参加する際に着用する衣服のこと
「ゆいごん」又は「いごん」と読み、どちらも正しい読み方ではあるが、法律上は「いごん」と読む。
主に財産(相続財産)について、相続人の廃除(相続人の相続権をなくす)、子供を認知、
未成年の子に対して後見人や後見監督人を指定すること等、自分の最終意思を死後に遺したもの。
最終意思を実現するための執行者も遺言で指定ができる
棺に納める前に、故人の体を洗い清めること
体を清潔にするだけでなく、この世のけがれ、痛み、苦しみを拭き清め、来世への旅支度を整える儀式
人が息を引き取るときや、息を引き取った直後のことを指す。仏式では臨終の際に末期の水を取り、表の戸口に忌中札を貼る。神道の場合は臨終とともに神棚に向かい、祖霊に対して死を報告し、扉を閉ざして半紙などの白い紙を貼り、封をする。キリスト教でカトリックの場合、枕元に神父を招いて告解と塗油の秘跡を行う。キリスト教のプロテスタントでは、牧師を呼んで納棺式を行う。病院で息を引きとった場合、臨終は医師の立会いのもとで行われる。
火葬場まで故人を連れて行く車
「南無阿弥陀仏」の六文字のことで、浄土宗や浄土真宗では本尊の代りにおまつりをする。法事の際は「南無阿弥陀仏」の名号の掛け軸を掛けることもある。
三途の川を渡る際に払う渡し賃として死者の棺の中に入れるお金で、六道銭ともいう。中国でも、納棺する前に布袋に経文や仏像の画、紙銭を集めて死者の首に掛けるという風習がある。
亡くなった人を納めた棺に参列者が一輪ずつ花を捧げ、別れを告げる儀式