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健康・カラダのこと

認知症保険は本当に必要?加入のメリットや費用、失敗しない選び方を解説

認知症保険は本当に必要?加入のメリットや費用、失敗しない選び方を解説

介護保険を補うものとして、民間の認知症保険は必要なのか気になる人も多いのではないでしょうか。現代は高齢化社会となり、認知症の高齢者も増加しています。介護に必要な費用も増えていくため、公的な介護保険だけではまかなえない場合も出てきました。本記事では、認知症保険と介護保険の違いや、認知症保険に加入するメリットやデメリットを紹介します。

監修者 SUPERVISOR
社会福祉士/介護福祉士/ケアマネジャー/福祉住環境コーディネーター2級 長谷部 宏依

介護職員として介護老人保健施設に勤務。
ケアマネジャー取得後は、在宅で生活する高齢者や家族をサポートする。
現在はWebライターとして、介護分野に関する記事を中心に執筆している。

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認知症保険とは?

認知症保険とは、高齢者が認知症と診断された際に保険金を受け取れる民間保険です。ここからは、認知症保険と介護保険の違いや認知症保険の加入費用を解説します。

認知症保険と介護保険の違い

認知症保険と介護保険は、運営主体が民間か市区町村かで大きく異なります。給付内容も違うため、注意が必要です。また、認知症保険は、自分で必要かどうか検討して加入すればよいものです。しかし、介護保険は40歳以上になると強制的に加入しなければなりません。

認知症保険は、自分で検討した上で必要と判断した場合に加入する民間の保険商品です。仮に認知症と診断された場合には保険金を受け取れます。現金で給付されるため、使い道は自由です。なお、保険会社の規定によって詳細は異なります。

一方、介護保険は、40歳以上の人が加入する公的な制度です。収入に応じて保険料が決定されます。毎月保険料を支払う必要があるため注意が必要です。介護サービスを利用した際に利用料の7〜9割を介護保険が負担してくれるため、高齢者が要介護状態になった際の介護費用の負担軽減に役立ちます。

認知症保険の加入費用

認知症保険の加入費用は、加入年齢や保障内容、保障期間などによって大きく異なります。朝日生命のあんしん介護認知症保険を例に紹介します。

契約可能年齢は40歳〜75歳です。要介護1以上かつ所定の認知症と認定されると、それ以降の保険料は支払うことなく、一生涯年金として支払われます。要支援2までの軽度の状態であれば、保険料の支払い義務は継続されます。

要介護1以上かつ所定の認知症と認定されると、最大1,000万円まで一時金として支払われる契約内容もあります。認定後の保険料の支払いはありません。一例として、女性が40歳で年金タイプに加入すると、保険料は月額2,445円です。60歳で加入すると月額5,826円になります。

年金や一時金は本人の状況によって受け取れるかどうか決まります。また、金額は加入時の契約によって異なるため、契約前にしっかりと確認しておきましょう。

参考:朝日生命「安心介護認知症保険

認知症保険の必要性

民間の認知症保険には、公的な介護保険ではカバーされない部分を補うという意味で必要性が高いです。以下で詳しく見ていきましょう。

認知症の現状

認知症は、高齢化社会において重要な課題です。認知症の高齢者が増えて生活に支障が出ている方もいるため、政府としても対策が必要と考えてさまざまな施策を行っている状況です。

認知症のリスクとされる生活習慣

  • 喫煙
  • 過度のアルコール摂取
  • 不健康な食生活
  • 運動不足 など

認知症になったら必要になる費用

生命保険文化センターの「2021(令和3 )年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、認知症により要介護状態になった場合に、公的保険の範囲外で必要となる初期費用の平均額は234万円、月々発生すると考えられる費用の平均額は15.8万円となっています。

認知症になった場合に必要になる費用は、症状の進行や身体状況によって大きく異なります。一般的には以下のような費用が必要です。

認知症になったら必要になる公的保険の範囲外の費用

  • 行方不明時の捜索費用
  • 運転代行や送迎タクシー代
  • 認知症高齢者見守りサービス
  • 介護用品の購入
  • 住宅改修費 など

これらの費用は、認知症高齢者の状態や家族の状況によって大きく変動するため注意しましょう。

2021(令和3 )年度 生命保険に関する全国実態調査(生命保険文化センター)

認知症保険に加入するメリット

民間の認知症保険に加入するメリットは下記の5つがあります。選び方の参考にもなるため、一つずつ見ていきましょう。

現金で給付が受けられる

認知症保険に加入するメリットの一つとして、現金で給付を受けられる点が挙げられます。認知症の治療や介護には、医療費、介護サービス費、日常生活のサポートなど、長期間にわたり高額な費用がかかる可能性があります。

このような費用は、家計に大きな負担をもたらし、経済的な不安を抱える要因となることが多いです。

特に介護を開始する際には、介護用ベッドや車椅子の購入、住宅の改修、介護サービスの利用開始など、一度に多額の費用が発生することがあります。このような状況の場合、認知症保険からの現金給付は大きな助けとなるでしょう。

経済的負担が軽減される

認知症保険は、将来の経済的不安に備えるための重要な選択肢の一つと言えるでしょう。

認知症と診断されると、治療費や介護費用など、長期にわたる経済的負担が発生します。多くの場合、費用は認知症高齢者や家族の年金、貯金、収入から支払わねばなりません。

認知症の進行に伴い、必要となる介護の種類やサービスの利用が多くなると、費用も増加していきます。

認知症保険からの給付金によって、貯蓄や年金だけに頼ることなく、必要な医療や介護を受けることが可能です。経済的な負担が軽減され、認知症本人や家族の生活の質の維持、向上につながります。

精神的な安心感がある

認知症保険に加入しておくことは、認知症に対する備えとなり、認知症本人だけでなく家族にとっても精神的な安心感をもたらします。

認知症という病気は、どのような症状が出てどのくらい進行するのか、認知症になった本人だけでなく家族にとっても大きな不安になります。

将来的に発生する可能性のある医療費や介護費用について、経済的な準備ができているかどうかは、不安を軽減する上で重要なポイントとなります。

認知症保険に加入していると、保険会社の条件に当てはまった場合に給付金が支払われるため、その費用で必要な治療や介護を受けられます。

認知症を予防するサービスが受けられる

認知症保険を販売している保険会社は、独自で認知症を予防する取り組みをしている場合があります。例えば、SOMPOひまわり生命の「笑顔をまもる認知症保険」に加入した場合、「認知症サポートSOMPO笑顔倶楽部」のサービスが受けられます。

認知症の知識や最新情報、現在の認知機能や将来の予測までチェックが可能です。運動や生活習慣のサポートプログラムも紹介しているため、有効に活用しましょう。

認知症サポート SOMPO笑顔倶楽部

要介護認定がなくても給付金が受けられる場合がある

保険会社によって、認知症保険の保障内容は異なります。給付条件として、要介護認定がなくても給付金が受けられる場合があります。一方で、要介護認定が下りていないと支払われない保険もあるため確認が必要です。

軽度認知障害(MCI)は認知症の手前の段階のため、介護保険の申請をしても要介護認定が下りない場合があります。

SOMPOひまわり生命の「笑顔をまもる認知症保険」の場合、初めてMCIと医師により診断された際は、軽度認知障害一時金として5万円が受けられます。

認知症保険に加入するデメリット

認知症保険はデメリットを考慮して加入する必要があります。ここでは、いくつかのデメリットを紹介していきます。

保険料が高額になる傾向がある

認知症保険は、認知症に特化した保険であるため、一般的な生命保険や医療保険と比較して保険料が高額になる傾向があります。認知症になるリスクや長期にわたる介護費用を考慮して設定されているためです。

掛け捨て商品が一般的である

認知症保険の多くは、掛け捨てタイプの保険が一般的です。掛け捨てタイプの認知症保険の場合、保険期間中に認知症と診断されなかったら支払った保険料が戻ってきません。そのため、保険料を長期間支払い続けても、認知症と診断されない場合は無駄になる可能性があります。

給付金が受け取れない期間がある

認知症保険には、加入後すぐに給付金が受け取れないという待期期間が設けられている場合があります。この期間中に認知症と診断された場合、原則給付金の支払いは受けられません。

認知症と診断されても給付金を受け取れない場合がある

保険会社によっては、認知症の程度により給付金の支払い条件が異なる場合があります。MCIの場合は特約をつけていないと給付金が受け取れなかったり、認知症と診断されても要介護1以上でないと対象ではなかったりするため、事前の確認が必要です。

失敗しない認知症保険の選び方

認知症保険は、将来の不安を軽減するための重要な選択肢です。しかし、保険選びに失敗しないためにいくつかのポイントを押さえておく必要があります。

①保障内容と保険料を確認する

認知症保険の保障内容と保険料をしっかりと確認しましょう。認知症保険は、介護が必要になった際の経済的な負担を軽減するためのものです。保障内容は保険商品によって異なります。

保障内容はどうなっているのか、保険料はいくらかかるのかをしっかりと確認して、自分の求める保障や予算に合った保険を選びましょう。

②給付金の受取条件を理解する

認知症保険は給付金の受取条件を理解することが必要です。認知症保険には、給付金を受け取るための条件が設定されています。例えば、特定の認知症の診断を受ける必要がある場合や、一定期間の待期期間が設定されている場合が挙げられます。

受取条件を理解しておくことで、認知症になった際に当てが外れるといったトラブルを防ぐことができるでしょう。

③保険金の受取方法を確認する

認知症保険の保険金の受取方法も必ず確認しておきましょう。保険金の受取方法は、一時金での支払いや定期的な支払いなど、保険商品によって異なります。年金や貯金など経済状況に合った受取方法を選ぶことが必要です。

認知症保険の加入は保障内容や予算を理解してから検討しましょう

この記事のまとめ

  • 認知症保険は民間の保険のため、公的な介護保険とは内容が異なる
  • 認知症保険は公的な介護保険を補うものとして加入の必要性がある
  • 認知症保険は保険会社によって保障内容や保険料が異なる
  • 認知症保険は一般的な生命保険や医療保険と比較して保険料が高額で掛け捨てが一般的
  • 認知症と診断されても加入した保険の給付条件によっては給付金が受け取れない場合がある
  • 認知症保険を選ぶ際には、保障内容と保険料の確認が必要

日本の高齢化が進むのと同時に、認知症の高齢者も増加しています。認知症が進行すると介護が必要な状態になることも多く、介護費用も必要です。介護保険サービスは公的の制度のため、あまり費用がかからなくて済みます。しかし、介護の種類や介護サービスの回数を多くすると、出費が増えるのが懸念点です。

民間の認知症保険に加入していれば、月々の保険料の支払いはありますが、家族は安心して介護できる可能性は高まります。複数の保険会社を比較しつつ内容について理解を深め、認知症保険への加入を検討しましょう。 

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