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葬儀を知る

数珠は自分で買ってはいけない?購入場所や買い方などを紹介

数珠は自分で買ってはいけない?購入場所や買い方などを紹介

仏式の葬儀や法要の必需品といえる数珠は、自分で買ってはいけないという話を聞いたことがある人もいるでしょう。本記事では、数珠は自分で買ってはいけないのかどうかを解説するとともに、購入時の数珠の選び方や使うときのマナーも説明します。ぜひ参考にしてみてください。

数珠は自分で買ってはいけないって本当?

数珠と紫の背景

法事に参列する際に多くの人が持参する数珠ですが、「自分では買ってはいけない」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。まずは、本当に数珠を自分で買ってはいけないのかについて解説します。

数珠は自分で買っても問題ない

結論から述べると、数珠を自分で買ってはいけないという話は迷信であり、自分で選んで購入しても問題ありません。一般的に仏式の葬儀や法要では、参列者はそれぞれ自分用の数珠を持つことがマナーとされています。

また、数珠は葬儀や法要の場だけでなく、寺院への初詣や日々のお墓参りといったシーンにおいて、仏様やご先祖への感謝を表すためにも使われます。数珠には持ち主を清めて邪気から守ってくれるお守りとしての役割もあるため、自分が使いやすいものを買っておくとよいでしょう。

しかし、地域や家庭によっては数珠を自分で買ってはいけないと考える場合もあります。自分用の数珠を購入する前には、周囲の考え方を理解した上で用意しましょう。

「数珠を自分で買ってはいけない」といわれる理由

数珠を自分で買ってはいけないといわれる理由には、縁起が悪いとされてきた点が挙げられます。あらかじめ数珠を購入することは、近いうちに葬儀が行われることを連想させ「身近な人に不幸が訪れる前兆」と考えられていたという説があります。

また、かつて数珠が嫁入り道具であり、人から贈られるものとされていたからというのも理由の一つです。近年では数珠といえば「弔事用」というイメージが一般的ですが、仏式の結婚式といった慶事にも使われます。その際には、嫁いでいくわが子の幸せを願って親が娘へ数珠を送ったり、結婚式の際に住職から新郎新婦へ授与したりします。

不幸を避けるため、あるいは人から贈られるものとされてきたことから、自分で買ってはいけないという考え方につながったのです。

葬儀などで数珠を持つ理由・意味

数珠とお経

本来、数珠は念仏の回数を数えることで、故人の冥福・成仏を祈る気持ちを表すために持つものです。一般的に仏式の葬儀といった法事では読経を行います。その際に念仏を一度唱えるごとに参列者がそれぞれの数珠の玉を一つずつ指でずらしていくことで、念仏や祈りを数えていた道具になります。

また、数珠を持つのは仏様への信仰心の象徴という意味もあります。葬儀などで数珠を持つことで仏様への敬意を表すとともに、心を込めて念仏を唱えることで、仏様とのつながりを感じ心の平安を得られるとされています。

数珠はどこで購入できる?

数珠と花

数珠は自分で買っても問題ないですが、初めて自分用の数珠を購入する場合はどこで買えばよいのか分からない人もいるでしょう。ここからは、数珠を購入できる場所をいくつか紹介します。購入場所によって特徴が異なるため、自分に合った方法で購入しましょう。

仏具専門店

仏具専門店は、数珠をはじめとした法事で必要になるアイテムを専門的に扱っている場所です。取り扱っている数珠の種類も豊富で、男性用や女性用はもちろん、宗派や好みに合わせて選べます。選び方に迷ったときも仏具に精通したスタッフに相談できるため、初めて自分用の数珠を購入するときにもおすすめです。

また、仏具専門店の中には数珠の購入だけでなく修理も対応してくれる場所もあります。愛用していた数珠が壊れた際にも持参すれば直してくれるため、一つの数珠を長く使いたい人にもぴったりです。

紳士服店

紳士服店では、冠婚葬祭に合わせた礼服も取り扱っている場所も多く、男性用や女性用のブラックフォーマルと一緒に数珠を購入できます。突然葬儀や法事の連絡が来て、急いで喪服と数珠を用意しなくてはいけなくなったときにも便利です。

店舗によっては割引クーポンなどが発行されていることもあり、葬儀に必要なものをお得に買い揃えたい人にもおすすめの方法です。

百円ショップ

手軽さを重視したいなら百円ショップで購入するという方法もあります。店舗の数が多いため、急に葬儀や法要に参列することになったときにもスムーズに数珠を用意できます。男性用・女性用ともに法事用のロウソクと一緒に陳列されていることが一般的ですが、店舗によっては取り扱っていないことも少なくありません。

また仏具専門店や紳士服店で購入できるものに比べて安価な反面、数珠の加工が荒かったり紐が切れやすかったりなど、品質面で問題が起きやすい点には注意しましょう。

自分用の数珠を購入するときの選び方

木製の数珠

数珠にはさまざまな種類やデザインがあるため、初めて自分用の数珠を購入する場合は選び方に困る人も多いでしょう。ここからは、自分用の数珠を購入するときの選び方を解説します。実際に数珠を購入する前にぜひチェックしてみてください。

略式数珠・本式数珠のどちらかで選ぶ

数珠を購入する際には、略式数珠と本式数珠のどちらにするかを決めましょう。略式数珠とは、急な葬儀や法要などに使えるものであり、宗派を問わず使える数珠です。対して本式数珠とは、各宗派の特徴に合わせたデザインのもので、略式よりもさらに正式な数珠です。

自分の宗派が分からない人や場所を選ばずに使いたい場合には略式数珠、宗派に合わせた方法で法要へ参列したい人は本式数珠がおすすめです。なお、略式数珠と本式数珠の両方を持ち、シーンに合わせて使い分けても問題ありません。

男性用・女性用で選ぶ

数珠は自分の性別に合わせたデザインを選びましょう。男性用と女性用で、数珠の玉の大きさが異なります。各アイテムのパッケージなどにどちら用なのかが記載されているため、購入前に確認しましょう。

なお、数珠の中にはさらに玉が小さくコンパクトにデザインされた子供用数珠もあります。子供が大人用の数珠を持つと扱いにくく感じる場合があるため、家族で数珠を用意する際には、子供用のものを準備するのもよいでしょう。

数珠の素材は好みに合わせて選ぶ

数珠の素材については、自分の好みや使いやすさに合わせて選ぶことをおすすめします。数珠はアイテムによって香木や水晶などといった、さまざまな素材が使われています。木製の数珠は使い込むことで色の変化を楽しめるのが特徴で、石製の数珠は美しい輝きと多彩な色を楽しめるのが魅力です。

数珠の素材には多くの種類がある上、長く使い続けるものでもあるため自分が気に入るものを選ぶとよいでしょう。子供用に数珠を用意する場合は、落として割ってしまうのを防ぐためにアクリル製の数珠を選ぶのもおすすめです。

葬儀や法要における数珠のマナー

数珠を持った女性

数珠は葬儀などの法事における必需品ですが、実際に参列する際には正しい扱い方やマナーを踏まえておくことが大切です。ここからは、葬儀や法要における数珠のマナーについて解説します。ご遺族や故人に失礼がないよう、参列前に一度チェックしておきましょう。

数珠の貸し借りをしない

葬儀などの場では、数珠の貸し借りはしないでください。数珠は持ち主が使う専用の仏具であり、厄や邪気から持ち主を守るための分身やお守りとしての役割があります。そのため、法事の場では参列者一人ひとりが自分用の数珠を持参すべきとされています。

参列中は数珠の持ち方に注意する

葬儀や法要への参列中には、数珠の持ち方に注意してください。一般的に数珠は左手に掛け、房が下を向いている状態で持ちます。仏教において左手は仏様の世界(=極楽浄土)、右手は不浄な手で現世を表すと考えられています。

ゆえに、左手へ数珠を掛けて合掌することで、仏様に自身の煩悩を消して不浄を清めてもらうという意味になるのです。なお、焼香の際にも数珠は左手に掛けたままで、右手で抹香をつまんで焼香を行うのが一般的です。

葬儀・法要中は常に数珠を手で持っておく

葬儀や法要の最中では、数珠は常に手で持っておきましょう。数珠は邪気や厄から持ち主を守る役割があるため、椅子の上などに置きっぱなしにするのは避けるべきとされています。焼香のときだけでなく、葬儀や法要の式中も喪服のポケットやバッグなどにしまわず、手で持っておくことが大切です。

式が終わった後の会食時や式の合間の休憩時間などで、離席時にどうしても数珠を手で持っていられない場合は、喪服のポケットやバッグの中に入れて持ち運んでも問題ありません。

アクセサリーを代わりに使うのは避ける

葬儀や法要に参列する際には、法事用の正式な数珠を使ってください。近年は魔除けの数珠を使ったファッション性の高いブレスレットなどが数多く販売されています。しかし、数珠はそもそも念仏の回数を数える道具であり、魔除けのブレスレットとは目的や構造が異なります。

また、法事はあくまでフォーマルな場面であるため、法事向けに作られていないカジュアルなアクセサリーは数珠としてふさわしくありません。仏様や故人に対して失礼がないように、法事の場では一般的なマナーとして略式数珠や本式数珠などの正式な数珠を使いましょう。

▶数珠(念珠)の正式な持ち方についてはこちら

数珠は自分で買ってはいけないというのは迷信

数珠とお経と御朱印

この記事のまとめ

  • 数珠は自分で購入しても問題ない
  • 迷信の根底には、慶事で人から貰うもの・不幸の予兆という考えがある
  • 数珠は仏具専門店や百円ショップなどで購入できる
  • 数珠は略式・本式や自身の性別などに合わせて選ぶ
  • 法事では自分用の数珠を持ち、貸し借りは避けるべき

さまざまな理由から、数珠を自分で買ってはいけないという話が広まってはいるものの、実際には一般的なマナーとして自分用の数珠を自分で購入しても問題ありません。

略式や本式、男性用・女性用などの多彩な種類があるため、参列する場や自身の宗派に合わせて選ぶことが大切です。本記事で紹介した選び方や方法を参考にしながら、自分に合った数珠を用意しましょう。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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