日本人が移住しやすい国10選!各国の魅力や注意点、渡航の際にかかる費用を紹介
「日本での生活もよいけれど、海外移住にも興味がある」「どの国が移住しやすい?」という疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、日本人が移住しやすいおすすめの国を紹介します。各国の魅力や移住にかかる費用の目安などもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
目的別おすすめ移住先
「悠々自適な老後生活を送りたい」「海外で起業したい」など、どんな目的を持っているかによって、おすすめの国は異なります。ここでは、「老後の生活」「子育て・教育」「起業・ビジネス」「コストを抑えた生活」の四つの目的別に、おすすめの移住先を紹介します。
老後・リタイア向けに人気の国
老後やリタイア後の移住先としては、マレーシア・タイ・ポルトガルなどが代表的な候補地として挙げられます。温暖な気候に恵まれており、日本よりも生活コストを抑えやすい地域が多い点が魅力です。
特に、医療体制が整った都市がある国や、長期滞在ビザ・退職者向け制度が用意されている国は根強い人気があります。ただし、ビザの取得条件(預金額や収入証明など)は変更される場合があるため、必ず大使館などの公的機関で最新情報を確認しましょう。
子育て・教育重視の人向け
子育て世帯には、多文化社会への理解が深く教育環境の評価も高い、カナダ・オーストラリア・オランダなどが候補地として挙げられます。
これらの国々では、公教育の仕組みや学費、学区による治安の差が大きいため、事前に細かな地域調査が不可欠です。また、日本語補習校や日本人コミュニティの有無も、子どものアイデンティティ形成や学習サポートを考えるうえで重要な判断材料となります。近年は物価や学費が高騰しているため、現地の最新の経済状況も把握しておくことが大切です。
仕事・起業向け
就労や起業を目的とした移住では、経済成長の著しいベトナム・フィリピンや、就労ビザ制度が確立されているカナダ・オーストラリアなどがおすすめの候補地です。
これらの国々では、英語でビジネスができるケースも多い一方、現地語の習得が重要になる地域もあります。近年は「デジタルノマドビザ」を新設する国も増えていますが、雇用契約の形態や税制、社会保障の取り扱いは国ごとに大きく異なります。二重課税のリスクや就労許可の範囲など、実務的な詳細は移住前に必ず専門家や公的機関へ確認しましょう。
とにかく低コスト重視の人向け
生活コストを抑えることが最優先の場合は、ベトナム・フィリピン・タイ・ラトビア・チェコなど、日本より物価が比較的低いとされる地域が候補地に挙げられます。
固定費を抑えることで生活の質を維持しやすい点が魅力ですが、医療体制の充実度や治安、日本語対応の可否など、低コストと引き換えになる不便さやリスクを総合的に比較する必要があります。また、為替やインフレによる経済状況の変化も念頭に置き、複数の項目で家計をシミュレーションしておくと安心です。
海外移住のメリット
海外移住をすると、日本にはないさまざまなメリットを得られます。「海外移住を考えているけれど勇気がない」という人も、メリットを知ると前向きに検討しやすくなるでしょう。
自分に合った気候の土地を選べる
海外移住の大きなメリットの一つは、自分にとって理想的な気候の土地を選べる点です。四季折々の変化を楽しめる日本も魅力的ですが、寒暖差が心身に負担だと感じる場合もあります。
年間を通して一定の気温を保つ地域や、湿度が低く過ごしやすい国へ移住することで、気候のストレスが少ない生活を送れる可能性があります。自分が最も心地よいと感じる環境に身を置けることは、海外移住ならではの魅力といえるでしょう。
生活費を安く抑えられる可能性がある
移住する国や地域にもよりますが、海外移住によって生活コストを抑えられる可能性があります。特にタイやフィリピンなどの東南アジア圏では、交通費や食費が日本より低い傾向にあるといわれています。
また、家賃を抑えながら日本より広い住居に住めるといった、費用対効果の高い生活も可能です。生活費を削減できれば、その分を趣味や学びに充てるなど、暮らしの質を向上させることにもつながります。
ただし、近年の為替変動や現地の経済動向も考慮し、総合的な予算シミュレーションを行うことが大切です。
新しい人生を楽しめる
海外移住は、これまでの慣れ親しんだ環境を離れ、全く新しい生活をスタートさせる絶好の機会です。異なる文化や多様な価値観に触れる日々は、あらゆる場面で新鮮な発見をもたらしてくれます。
日本ではできなかったことや、新しい趣味・仕事にも、先入観のない環境で挑戦することができるでしょう。
これまでのキャリアや経験を土台にしながら、「第二の人生」を自分らしく楽しみたい人にとって、海外移住は大きな転換点となります。
日本人が移住先を選ぶ7つの比較ポイント
ここからは、日本人が移住先を選ぶうえで注目したい7つのポイントを紹介します。複数の移住先候補で迷っている人は、以下のポイントを比較検討してみましょう。
①治安と生活インフラ
日常生活での安全性や、電気・水道・インターネット環境・交通機関などインフラの整備状況は、長期滞在の安心感に直結します。都市部と地方で治安が大きく異なるケースもあるため、候補エリアごとの情報を確認しましょう。
②ビザ・在留資格の取りやすさ
観光ビザでの短期滞在と、就労・学生・リタイアメントなどの長期滞在では条件が大きく異なります。必要な資金要件や年齢、語学力、滞在可能期間などを、大使館や公的機関の最新情報で確認することが重要です。
③仕事・収入源の確保
現地就職、駐在、起業、リモートワークなど、どのような形で収入を得るかによって、必要なビザや税金の扱いが変わります。求人の状況や平均給与なども含めて検討します。
④生活費・物価と住居費
家賃・食費・交通費・光熱費・通信費など、毎月の支出の目安を把握しておきましょう。都市中心部と郊外で家賃が大きく変わる国も多いため、実際に住みたいエリアでの相場を調べることが大切です。
⑤医療・保険・介護体制
医療機関の質、日本語対応の有無、医療費の水準などは、特に高齢期の移住において最重要事項です。公的・民間保険の加入条件や、万が一の緊急搬送・本国移送が必要になった際の備えについても把握しておきましょう。
⑥言語・文化・コミュニティ
公用語や英語の通じやすさ、文化・慣習の違い、日本人コミュニティの有無は、生活のしやすさに影響します。現地語をどの程度習得できそうか、自分のスタイルと合わせて考えるとミスマッチを減らせます。
⑦日本との距離・帰国のしやすさ
日本へのフライト時間や直行便の有無、航空券の価格帯、時差などは、家族との行き来や帰国頻度に関わります。仕事や介護などで定期的に日本に戻る必要がある場合は、移動コストも比較軸に入れておきましょう。
日本人が移住しやすい国10選
ここでは、「海外移住をするならどの国がいいのか分からない」「いろいろ調べてはいるけれど、まだ具体的な候補地がない」という人に向けて、日本人が移住しやすい10ヵ国を紹介します。
10ヵ国の比較早見表
下記は記事執筆時点の一般的な傾向です。最新の情報や在留条件は各国の大使館・公的機関で必ず確認してください。
|
国名 |
物価・生活費の目安 |
治安・生活環境のポイント |
ビザ・長期滞在のハードル |
移住目的の例 |
|---|---|---|---|---|
|
オーストラリア |
都市部は日本同等〜やや高い |
インフラが整い自然も豊か |
就労・永住は審査が比較的厳しい |
子育て・教育/キャリア/リモートワーク |
|
ベトナム |
日本より低い |
都市部は発展が進み活気がある |
条件の変更が多いため事前の確認が必須 |
低コスト重視/リモートワーク |
|
フィリピン |
生活費は工夫次第で抑えやすい |
リゾートエリアと都市部で格差が大きい |
退職者向け制度が比較的充実している |
リタイア/低コスト重視 |
|
マレーシア |
物価は日本より抑えめ |
多民族国家で日本人も多い |
長期滞在制度(MM2H等)があるが、要件は高め |
リタイア/子育て |
|
タイ |
食費・家賃などは日本より低めの地域がある |
日本食や日本語対応の場所も多い |
ビザの種類は多いが、取得・維持条件の確認が必要 |
リタイア/低コスト重視/ロングステイ |
|
ラトビア |
西欧より低め |
四季がはっきりしており冬は寒い |
投資や就労など、目的により条件が大きく異なる |
低コスト重視/ヨーロッパ生活 |
|
ポルトガル |
西欧の中では比較的低め |
気候が温暖で穏やかな国民性が特徴 |
条件の変更が多いため事前の確認が必須 |
リタイア/ヨーロッパ生活 |
|
チェコ |
西欧主要都市より低め |
歴史的な街並みと治安の良さが魅力 |
就労・留学が主だが、フリーランス向け制度もある |
仕事・起業/ヨーロッパ生活 |
|
オランダ |
家賃を中心に日本より高めの傾向 |
英語が通じやすく国際色が強い |
起業家向けの優遇策があるが、生活費の確保が重要 |
仕事・起業/教育/多文化環境 |
|
カナダ |
都市部は高い |
多文化社会で自然も豊か |
就労・留学・永住など多様な制度がある |
子育て・教育/仕事・起業 |
上記の表を参考に、気になる国を2〜3ヵ国ほど候補として絞ってから、以下で紹介する各国の「魅力」「注意点」「渡航費用」「こんな人に向いている」「長期滞在の入口」を読んで比較してみてください。
①オーストラリア
魅力
オセアニアで最大の国土面積を持つオーストラリアの大きな魅力は、年間を通じて温暖で過ごしやすい気候です。日本に比べて湿度が低く、夏場でもカラッとした晴天が多いため、マリンスポーツやアクティビティを楽しみたい人におすすめです。
医療水準も日本と同等かそれ以上で、都市部では質の高い治療を受けられる安心感があります。「快適な気候の中で、自然と都市生活のバランスを大切にしたい」という人にとって、理想的な環境といえるでしょう。
注意点
晴天率が高い分、紫外線の強さには注意が必要です。日本の5倍以上の紫外線が降り注ぐといわれており、日々の対策は欠かせません。
また、2024年以降、学生ビザや就労ビザの申請費用が大幅に値上げされました。例えば、学生ビザの申請費だけで約1,600豪ドル(約16万円)かかるほか、永住権を目指す場合は、ビザ代・翻訳代・技術査定代・移民弁護士への手数料などを合わせると数百万円単位の予算が必要になるケースもあります。
物価や家賃の高騰も続いており、十分な資金計画が求められます。
渡航費用
日本からの往復航空券は、一般的に10万円〜20万円ほどが目安です。12月〜1月は価格が上がる傾向にありますが、現地の冬にあたる6月〜7月頃は比較的安価に設定されることが多いです。
こんな人に向いている
・英語環境でキャリアを築きたい、または資格を活かして働きたい人
・豊かな自然の中で、ワークライフバランスを重視した子育てをしたい人
・移住に向けた長期的な準備期間と、まとまった資金を確保できる人
長期滞在の代表的な入口
ワーキングホリデー、学生ビザ、就労ビザなどが一般的です。近年、移民政策が頻繁に更新されており、職種や年齢制限、英語スコアの要件が厳格化する傾向にあるため、必ず大使館や政府の公式サイトで最新情報を確認しましょう。
②ベトナム
魅力
ベトナムは、南シナ海に面したインドシナ半島東部の国です。親日的な国民性で知られ、日本語を第二言語として勉強する学校もあります。都市部では日本人コミュニティも形成されているため、初めて海外移住をする人にとっても比較的馴染みやすい環境といえるでしょう。
食費や交通費といった生活コストは日本よりも低く抑えられ、特に現地での食事(ベトナム料理)はヘルシーで日本人の口に合うものが多いため、日々の食生活に困ることは少ないでしょう。
注意点
急速な経済発展に伴い、ハノイやホーチミンといった大都市圏の物価は上昇傾向です。特に外国人向けのコンドミニアムの家賃や、日本食などの輸入品は日本と同等かそれ以上の価格になることもあります。
また、公用語はベトナム語であり、若者やビジネス層を除けば英語が通じない場面も多くあります。特に役所の手続きや地方の病院などではベトナム語が必須となるため、長期滞在を見据えるなら基礎的なベトナム語の習得、または通訳サービスの活用が不可欠です。
渡航費用
日本からの往復航空券は、一般的に8万円〜15万円、LCC(格安航空会社)利用の場合は4万円〜8万円が目安です。片道約5〜6時間という距離の近さは、いざという時の帰国もしやすく安心です。
こんな人に向いている
・成長著しい都市の熱気を感じながら、バイタリティを持って活動したい人
・日本と現地の良いところを取り入れながら、生活費を抑えてバランスよく暮らしたい人
・英語に加え、現地語を学ぶ意欲や異文化への適応力が高い人
長期滞在の代表的な入口
現地採用(就労ビザ)、駐在、起業(投資ビザ)などが主な選択肢です。以前に比べ、ビザや労働許可証(ワークパーミット)の発給要件は厳格化されており、一定の学歴や実務経験が求められるケースが大半です。必ず最新の入国管理法を専門家や公的機関を通じて確認してください。
③フィリピン
魅力
7,000以上の島々からなるフィリピンは、東南アジアの中でも長期滞在のハードルが比較的低いことで知られています。リタイアメントビザ(SRRV)や投資家ビザなど、長期滞在のための選択肢が豊富で、観光ビザであっても現地で延長手続きを繰り返すことで最長3年間の滞在が可能です。
また、リタイアメントビザ保有者などは、レストランや薬局、交通機関などで割引が受けられる「シニア割引(シニアシチズン)」の恩恵を受けられる場合があります。英語が公用語の一つであり、日常生活や手続きが英語で完結する点も安心材料といえるでしょう。
注意点
日本と比較すると、生活インフラの未整備が大きな課題です。都市部での慢性的な渋滞、頻繁に起こる停電、インターネット回線の不安定さなどは日常茶飯事です。また、下水処理能力の関係でトイレットペーパーを流せない施設も多く、日本での当たり前が通用しない場面も多々あります。
さらに、治安についても地域による格差が非常に大きいため、居住エリアの選定には十分な注意が必要です。
渡航費用
日本からの往復航空券は、一般的に6万円〜12万円、LCCを利用する場合は3万円〜6万円が目安です。日本から約4〜5時間のフライトで到着するため、海外生活が初めての人でも渡航しやすい距離感です。
こんな人に向いている
・英語環境で暮らしながら、マリンスポーツや南国ならではのリゾートライフを楽しみたい人
・比較的低予算で、利便性の高いリタイアメントビザを取得したいシニア層
・インフラの不便さや文化の違いを、ある程度受け入れられる人
長期滞在の代表的な入口
リタイアメントビザ、語学学校への留学(学生ビザ)、現地企業での就労ビザなどが代表的です。ビザの預託金条件や年齢制限などは、現地の政策によって変更される可能性があるため、フィリピン退職庁(PRA)や大使館の最新情報を必ず確認してください。
④マレーシア
魅力
東南アジアの多民族国家であるマレーシアは、マレー・中国・インドの文化が融合したエキゾチックな雰囲気が魅力です。日本に比べて生活費を抑えやすく、特に外食文化が発展しているため、ローカルな食堂(ホーカー)を利用すれば、手頃な価格で多様なグルメを楽しむことができます。
また、スギやヒノキがないため、日本で花粉症に悩まされている人にとっては「避粉地」として理想的な環境です。年間を通じて温暖で、冬の寒さから解放される点も、シニア層や冷え性に悩む人々に高く評価されています。
注意点
近年では、長期滞在ビザの所得証明や預託金の要件が大幅に引き上げられ、取得の難易度が非常に高くなっています。
日本ほど公共交通機関網が網羅されていないため、移動の利便性は居住エリアに左右されます。以前は自家用車の保有が必須と言われていましたが、現在は配車アプリが普及しており、車を持たずに生活する日本人も増えています。また、インフラ面では計画断水や、大雨による一時的な浸水・交通渋滞が発生しやすいため、生活物資の備蓄が不可欠です。
渡航費用
日本からの往復航空券は、一般的に8万円〜15万円、LCCを利用する場合は5万円〜8万円ほどです。クアラルンプールへの直行便も多く、フライト時間は約7〜8時間ほど。東南アジアの中では少し距離がありますが、便数が多いためスケジュールは立てやすいでしょう。
こんな人に向いている
・多文化が共生する環境を好み、多様な食生活や文化を楽しみたい人
・日本語対応のクリニックや日本人会など、一定のサポート体制がある環境で暮らしたい人
・花粉症や冬の寒さを避け、穏やかな気候の中で生活の質を上げたい人
長期滞在の代表的な入口
長期滞在ビザ(MM2Hやサラワク版S-MM2H)、就労ビザ、デジタルノマドビザ(DE Rantau)、学生ビザなどがあります。特にMM2Hは頻繁に要件が見直されるため、最新の申請条件を専門のエージェントや公式サイトで必ず確認してください。
⑤タイ
魅力
東南アジアの中心部に位置するタイは、世界中から移住者が集まる人気の高い国です。特にバンコクなどの大都市には巨大な日本人コミュニティがあり、日本語対応の病院や日本食スーパーも充実しているため、語学に不安がある人でも安心して新生活をスタートできます。
都市部では公共交通機関が整備されており、車を持たなくても快適に移動可能です。家賃や交通費は日本に比べて安価で、プールやジム付きの近代的なコンドミニアムに手頃な価格で住める点は、タイ移住の大きなメリットといえるでしょう。
注意点
一年を通じて熱帯気候であり、特に4月前後の「暑季(しょき)」は厳しい暑さが続きます。また、バンコクなどの都市部では大気汚染(PM2.5)が深刻化する時期があるため、健康管理には注意が必要です。
医療費については、外国人向けの私立病院は非常に高水準ですが、自由診療のため高額になりがちです。タイには公的保険制度がないため、万が一に備えて民間医療保険に加入しておくことをおすすめします。
渡航費用
日本からの往復航空券は、一般的に8万円〜15万円が目安です。LCCを利用する場合は、時期により4万円〜8万円ほどに抑えることも可能です。直行便が多く、約6〜7時間のフライトでアクセスできる利便性も魅力です。
こんな人に向いている
・都市の利便性と南国のリラックスした雰囲気での生活を両立させたい人
・日本語のサポートが受けやすい環境で、海外生活を始めたい人
・屋台文化から高級モールまで、多様なライフスタイルを柔軟に楽しみたい人
長期滞在の代表的な入口
リタイアメントビザ、就労ビザ、学生ビザ、タイランド・プリビレッジ(旧タイ・エリート)などの長期滞在用ビザがあります。年齢や資産要件が細かく設定されているため、事前の確認が欠かせません。
⑥ラトビア
魅力
バルト三国の一つであるラトビアは、豊かな自然と中世の面影を残す美しい街並みが魅力です。EU加盟国の中では比較的家賃や物価が安く、落ち着いた環境で「ヨーロッパらしい暮らし」を実現したい人に向いています。治安も非常に良好で、日本人にとっても住みやすい国といえるでしょう。
また、シェンゲン協定加盟国であるため、一度居住権を得れば他のヨーロッパ諸国への旅行や移動が非常にスムーズになる点も、旅好きの人には大きなメリットです。
注意点
永住権の取得ハードルは高く、一定の資産(銀行預金や不動産購入)に加え、ラトビア語の検定試験で一定の成績を収めることが求められます。
また、冬の寒さは非常に厳しく、日照時間も短くなります。気候特性を理解し、精神的・肉体的な適応力が求められる環境です。
渡航費用
往復で15万円〜25万円程度が目安です。日本からの直行便はなく、欧州主要都市での乗り継ぎが必須となります。フライト時間が長く時差も大きいため、移動には体力が必要です。
こんな人に向いている
・比較的静かな環境で暮らしたい人
・ヨーロッパの街並みと豊かな自然の両方を楽しみたい人
・北欧・バルト地域の歴史や文化に関心がある人
長期滞在の代表的な入口
就労ビザ、学生ビザ、投資・起業関連の在留資格などが検討候補になります。EU加盟国である点も踏まえ、最新の滞在条件を公式情報で確認しましょう。
⑦ポルトガル
魅力
西欧の最西端に位置するポルトガルは、温暖な気候と穏やかな国民性、治安の良さで知られています。
かつては不動産投資による「ゴールデンビザ」が有名でしたが、現在は制度が変更され、文化支援や投資ファンドを通じた取得が主となっています。5年間の居住後に一定の条件を満たせば、EU永住権の取得も視野に入ります。
注意点
物価は手頃な一方、現地の最低賃金も低く設定されています。現地採用で働く場合は、日本と同じ生活水準を維持するのが難しい場合もあるでしょう。また、消費税が23%と高めであることも注意が必要です。
また、公立病院の混雑が激しいため、迅速な診療を希望する場合は民間保険に加入したうえで私立病院を利用するのが一般的です。
渡航費用
往復で15万円〜25万円が目安です。直行便はなく、欧州主要都市での乗り継ぎが必要です。夏のオンシーズンは高騰するため、費用を抑えるなら冬場の渡航がおすすめです。
こんな人に向いている
・温暖な気候のもと、海辺の暮らしや歴史ある街並みを楽しみたい人 ・ヨーロッパの中でも比較的物価を抑えて生活したい人
・穏やかでのんびりとした雰囲気を好む人
長期滞在の代表的な入口
就労ビザ、起業・デジタルノマド向けビザ(D8ビザ)、学生ビザなどが代表的です。近年は制度変更が多いため、最新の要件を専門家や公的機関で必ず確認してください。
⑧チェコ
魅力
中央ヨーロッパに位置するチェコは、世界の治安ランキングでも上位に入るほど安全といわれる国です。
物価も西欧に比べて低く、特にビールや公共交通費は非常に安価です。大陸性気候で湿度が低いため、夏場も蒸し暑さがなく快適に過ごせます。
注意点
チェコでは、物価に合わせて賃金水準も日本より低めになる傾向があります。特にプラハなどの都市部では家賃が高騰しているため、収入と支出のバランスを慎重に見極める必要があります。
また、日常生活では英語が通じますが、役所の手続きや郊外での生活にはチェコ語の習得が必須です。文法が非常に難解なため、習得には相当な努力が求められます。
渡航費用
日本からチェコへの渡航費用は、約25万円前後です。春休みや夏休みはハイシーズンとなり、費用が30万円を超えることも珍しくありません。冬場はオフシーズンとなり20万円ほどで渡航できるため、費用を抑えたいなら冬場の移動がおすすめです。
こんな人に向いている
・美しい中世の街並みや文化イベントを日常的に楽しみたい人
・ヨーロッパの中心に拠点を置き、他国へも気軽にアクセスしたい人
・IT分野やクリエイティブ職での就労・留学を検討している人
長期滞在の代表的な入口
学生ビザ、就労ビザ、専門職向けのフリーランスビザ(Zivno)などが主な入口です。雇用形態によって条件が変わるため、事前に詳細を確認しておきましょう。
⑨オランダ
魅力
開放的で多様性を尊重するオランダは、非英語圏でありながら英語の通用度が世界一とも言われるほど高く、言葉の壁を感じにくい国です。
また、先進的な社会福祉と質の高い教育環境から、子育て世代にとっても理想的な移住先の一つとして注目されています。
注意点
最大の懸念点は、住宅難に伴う生活費の高騰です。家賃は非常に高く、都市部ではワンルームでも月20万円近い予算が必要になることもあります。外食も高価で、カジュアルな食事でも数千円かかるのが一般的です。
また、オランダは冬が長い国でもあります。11〜3月頃までは冬が続き、日照時間も朝8時から16時頃までと非常に短いのが特徴です。雨や雪が降る日も多く、1ヵ月のうち晴れる日は半分ほどしかありません。
渡航費用
往復で13万円〜25万円程度が目安です。日本からの直行便がありますが、近年はロシア上空回避ルートの影響でフライト時間が13〜14時間以上に延びています。
こんな人に向いている
・英語が通じやすい環境で仕事をしたい人 ・スタートアップやクリエイティブ産業に関心がある人
・多様性を重んじる社会や、自由な教育環境を重視する人
長期滞在の代表的な入口
就労ビザ、起業家向けビザ(日蘭通商条約による個人事業主ビザを含む)、学生ビザなどがあります。専門的なキャリアを持つ人には優遇措置もあります。
⑩カナダ
魅力
カナダは北米に位置しており、北は北極圏、南はアメリカに面した国です。世界中から移民が集まる国で、カナダ国民の5人に1人が外国からの移住者です。
税金は高めですが、その分社会福祉制度が充実しており、医療費が原則無料である点は大きな安心材料です。自然災害も比較的少なく、豊かな自然の中で暮らせるメリットがあります。
注意点
カナダは医療費が無料である代わりに、病院が非常に混雑しています。体調が悪くても、2〜3日待たないと診察の予約が取れないことも珍しくありません。専門医の診察を受ける場合、予約や紹介状待ちの期間を含めると診察までに数ヵ月かかる可能性もあります。
また、1年の半分以上が冬という地域が多く、マイナス数十度になる過酷な寒さには注意が必要です。
渡航費用
往復で15万円〜30万円程度が目安です。7〜9月のハイシーズンは40万円を超えることもあります。費用を抑えるなら、オフシーズンである11月や冬場の渡航が現実的です。
こんな人に向いている
・多文化社会で、子育てや教育、キャリア形成を重視したい人
・雄大な自然に囲まれた環境で、アウトドアアクティビティを楽しみたい人
・将来的に永住権の取得を視野に入れている人
長期滞在の代表的な入口
ワーキングホリデー、学生ビザ、就労ビザ、永住権を視野に入れたエクスプレス・エントリーなどがあります。州ごとに独自の推薦制度があるため、希望地域に応じた調査が不可欠です。
日本から移住する際の準備
日本から海外へ移住する際には、さまざまな下準備が必要です。ここからは準備しておくべきことや、移住初期にかかる費用の内訳を紹介します。海外移住を検討している人はぜひ参考にしてください。
ビザ(査証)・在留資格の取得
移住先が決まったら、まず着手すべきなのが「ビザの取得」です。就労、学生、リタイアメントなど、目的に合った査証を申請します。
審査期間の目安は、通常のビザで1〜3ヵ月程度ですが、書類の不備や追加調査があるとさらに時間を要します。永住権・長期ビザの審査には半年から1年以上かかるケースも珍しくありません。無犯罪証明書や健康診断書など、有効期限がある書類も多いため、余裕を持って早めに申請しましょう。
パスポートの有効期限確認と更新
海外移住を検討している場合、出発前にパスポートの残存期間を確認し、余裕を持って更新しておくことが重要です。海外の在外公館でもパスポートの更新は可能ですが、戸籍謄本を日本から取り寄せなければならないなど、手続きには手間と時間がかかります。
また、ビザの申請条件や入国時のルールとして、パスポートに1年以上の有効期限が残っていることを求める国も多いため、日本にいるうちに更新を済ませておくのが最も確実です。必要書類を準備して、住民登録をしている自治体の窓口で早めに手続きを行いましょう。
海外転出届の提出
日本を出発する前には、市区町村役場へ「海外転出届」を提出する必要があります。この手続きによって住民票を抜くと、住民税の課税が止まるほか、国民年金や国民健康保険への加入義務がなくなります。
1年以上海外に滞在する場合は、基本的にこの手続きを行わなければなりません。 ただし、住民票を抜くことで国内の銀行口座や証券口座の利用に制限がかかるケースがあるため、利用中の金融機関の規約を事前に確認しておくことが大切です。
なお、国民年金については、将来の受給額を維持するために「任意加入」という形で支払いを継続する選択肢もあります。
日本での契約解除と退去の手続き
賃貸物件に住んでいる場合は、引越し時期が決まり次第、早めに管理会社や大家さんへ退去の連絡を入れます。契約書に記載されている解約予告期限(一般的には1〜2ヵ月前)を過ぎてしまうと、余計な家賃を支払う義務が生じるため注意が必要です。
退去手続きと並行して、電気・ガス・水道などのライフラインやインターネット回線、火災保険、自動車保険などの解約も計画的に進めましょう。
また、郵便局の転送届を提出し、重要な通知が他の家族などに届くよう手配しておくと、出国後も安心です。
移住初期にかかる費用の内訳(モデルケース)
海外移住では、渡航費だけでなく、現地で生活を立ち上げるまでの初期費用もかかります。以下は一例です。
移住初期にかかる費用の内訳
- 渡航費:航空券代(片道または往復)、空港から住まいまでの移動費
- ビザ・在留資格関連費用:申請手数料、書類取得・翻訳・認証費用など
- 引越し・荷物輸送費:国際引越し業者の費用、不用品処分費
- 住居の初期費用:前払家賃、保証金やデポジット、家具・家電の購入やレンタル費
- 保険料:現地の医療保険、民間保険、当初の海外旅行保険など
- 生活立ち上げ費:通信契約、交通ICカードのチャージ、日用品・寝具・調理器具などの購入費
- 予備費:想定外の出費に備えた予備資金
物価や通貨レート、住むエリアによって金額は大きく変わります。現地在住者の情報や公的機関の情報を参考に、余裕をもった予算を組むことが大切です。
よくある質問(FAQ)
海外の医療費や移住に必要な資金など、海外移住を検討するにあたってさまざまな疑問や不安があるでしょう。最後に、よくある質問にお答えします。
Q. 英語が苦手でも海外移住はできますか?
A. ビザの条件に語学力が含まれていなければ移住自体はできますが、役所の手続きや緊急時の対応などで苦労する可能性があります。まずはバンコクのように日本語のサポート体制が整った都市を拠点に選んだり、重要な契約時のみプロの通訳やエージェントを頼ったりすることで、語学力不足を補うことは可能です。
Q. 年金は海外でも受け取れますか?税金はどうなりますか?
A. 日本の公的年金は、受給資格さえ満たしていれば海外でも継続して受け取ることができます。税金については、日本と移住先との間に「租税条約」があれば、所定の届け出を行うことで日本での課税が免除され、二重課税を避けられる仕組みになっています。
住民票を抜けば日本での住民税はかからなくなりますが、代わりに居住国での納税義務が発生するため、現地の税制については事前にしっかり確認しておきましょう。
Q. 医療費が心配です。どのように備えればよいですか?
A. まずは移住先の国に公的医療制度があるか、また外国人がその対象に含まれるかを確認してください。カナダのように医療費が原則無料の国もあれば、タイのように全額自己負担となる国もあるため、現地の状況に合わせて民間の医療保険や海外旅行保険を組み合わせる必要があります。
特に持病がある場合は、加入条件や補償の対象外となる「免責事項」を事前に精査し、日本からの常備薬の持ち込みルールとあわせて準備を進めることが大切です。
Q. 海外移住までに最低どれくらいの資金が必要ですか?
A. 具体的な金額は国や家族構成で大きく異なりますが、航空券やビザ申請などの「渡航費」、敷金や家具購入などの「住居初期費用」をまず算出してください。その上で、現地で収入が安定するまでの生活費を半年分ほど予備費として確保しておけば、想定外の事態にも対応しやすくなります。
まずは候補地の物価をもとに、今の貯蓄で何ヵ月暮らせるかシミュレーションすることをおすすめします。
Q. まず何から始めればよいでしょうか?
A. 移住の目的を明確にした上で、まずは「お試し滞在」で現地の空気を知ることから始めてみましょう。いきなり永住を決めるのではなく、自分が移住に求めることの優先順位を整理し、候補となる国を絞り込みます。
そのうえで、観光ビザなどを利用して数週間から1ヵ月ほど現地で生活し、スーパーでの買い物や公共交通機関の利用を体験してみるのが確実です。ネットの情報だけではわからない治安や気候を確認してから、ビザの取得や具体的な資金計画へ進むのがおすすめです。
新しい人生を踏み出したい人には海外移住がおすすめ
この記事のまとめ
- 海外移住は目的や理想の生活環境に合わせて移住する国を選ぶ
- 海外移住には国によって日本より生活費を抑えられるなどのメリットがある
- 海外移住先を選ぶ際のポイントには治安とインフラ、医療体制などがある
- 日本人が移住しやすい国にはマレーシア、カナダ、オランダなどがある
- 移住初期は渡航費・引越し代・生活立ち上げ費などの費用がかかる
海外移住は、住む場所を変えるだけでなく、人生に新しい価値観や刺激をもたらしてくれる大きなチャンスです。最近ではリモートワークの普及により、現役世代にとっても理想のライフスタイルを叶える環境が整いつつあります。
セカンドライフを豊かにしたい人はもちろん、新しい挑戦を求める現役世代の人も、ぜひ海外移住という選択肢を前向きに検討してみてください。