《老後のマレーシア移住のススメ》事前準備や生活の注意点、メリットを詳しく解説
老後の移住先として高い人気を集めているのが、東南アジアに位置するマレーシアです。「老後は日本ではなく、マレーシアでゆったり過ごしたい」と考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、老後のマレーシア移住に必要な準備やメリット、注意点などを解説します。
マレーシアとはどんな国?
マレーシアは東南アジアの中心に位置する国で、ボルネオ(カリマンタン)島の北部とマレー半島から成り立っています。国土の約6割が熱帯雨林に覆われており、一年を通して雨が多い国です。また、インドやヨーロッパ、中国などさまざまな国の文化的影響を受けています。
マレーシアの総人口は3,300万人ほどで、首都クアラルンプールにはそのうち177万人が住んでいます。都市部は近代化を遂げている一方、荘厳な山々や熱帯雨林地域、綺麗な島など豊かな自然も残っているのが特徴です。
老後にマレーシア移住をするメリット
老後の移住先として人気の高いマレーシアですが、マレーシア移住には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは、マレーシアに移住するメリットについて詳しく解説します。
生活費を抑えられる
老後にマレーシア移住するメリットとして、生活費を抑えられることが挙げられます。マレーシアは日本と比較すると基本的に物価が安く、生活費を1/3程度に抑えることも可能です。
ただし、マレーシアで日本製のものを購入する場合は費用が高くなるため注意しましょう。マレーシアに住む現地の方と同じような暮らしをすると、生活費を抑えられるでしょう。
気候が安定していて暮らしやすい
気候が安定していて暮らしやすいというのも、老後にマレーシア移住をするメリットといえます。日本は春夏秋冬の四季があるため、一年を通して気温が大きく変化します。一方、マレーシアは熱帯気候のため、一年を通して温かい気温が続きます。
マレーシアの首都であるクアラルンプールの場合、年間の平均最低気温は約22度、平均最高気温は31〜33度ほどで一年中ほとんど気温が変わりません。老後はどうしても寒暖差に体が対応できなくなったり、若い頃よりも寒さが辛く感じたりするものです。年中暖かいマレーシアであれば、寒さ対策が必要なく快適に過ごせるでしょう。
災害が少ない
災害が少なく暮らしやすいことも、マレーシア移住のメリットです。日本は世界的に見ても災害の多い国とされており、地震や台風、噴火などの災害が毎年のように発生しています。老後の生活を考えた場合、災害大国である日本で暮らし続けるのはリスクが高いといえるでしょう。
一方、マレーシアは世界でも自然災害発生のリスクが少ない国とされています。特に、首都であるクアラルンプール周辺は台風が来ることはほとんどなく、火山や活断層もないため地震や津波がほとんど起こりません。世界で最も天災リスクが低い場所とも評されることもあるため、老後も安心して暮らせるでしょう。
英語が通じる
マレーシア移住をするメリットに、英語が通じることが挙げられます。マレーシアの公用語はマレー語ですが、準公用語として英語が幅広く使用されています。「海外に移住したいけれど、英語しか話せない」「現地の言葉を勉強する時間がない」という人でも、移住しやすい国でしょう。
交通機関が整備されている
マレーシアは、生活インフラが整備されている国でもあります。特に首都クアラルンプールは、バスや電車、地下鉄といった公共交通機関がしっかりと整備されています。タクシーも日本に比べて安い価格で利用できるため、首都圏で生活する分には問題ないでしょう。
老後のマレーシア移住に必要な事前準備
老後のマレーシア移住を検討している場合、念入りに事前準備をしておく必要があります。ここでは必要な準備について紹介しますので、マレーシア移住の前に確認しておきましょう。
マレーシアへ下見に行く
老後のマレーシア移住を検討している場合、一度現地に下見に行くことをおすすめします。費用は少しかかりますが、3〜4週間ほど長期滞在してみるとよいでしょう。現地を下見せずにマレーシア移住を決めてしまうと、実際に移住した後に「生活しにくい」「思っていた暮らしと違う」と感じる可能性があります。
マレーシアで現地に住んでいる人と同じ暮らしをして、現地の気候や風土、生活などを体験しましょう。夫婦でマレーシアへ移住する場合、ふたりで一緒にマレーシアに滞在して本当に移住を決めてよいかしっかりと話し合いましょう。
ビザの取得
マレーシアへの滞在を経て、実際に移住する決心がついたらビザを取得します。ビザとは「査証」とも呼ばれ、移住者を受け入れる国が自分の国の安全を守るため、渡航者の身元を確認する書類です。
マレーシアはビザなしでも最長90日までは滞在できますが、移住をする場合は「MM2H」と呼ばれるビザを取得する必要があります。MM2Hを申請するには経済的な証明をする必要があり、マレーシアの政府が決めた基準を満たさないとビザは取得できません。
基準に沿った資産や安定した収入がない場合MM2Hは取得できないため、マレーシア移住は難しいでしょう。また、ビザの有効期限は10年間で、この期間中は自由にマレーシアと日本を行き来できます。
年金受け取りの手続きを行う
無事にビザを取得できたら、マレーシアでも年金を受け取るための手続きを行いましょう。手続きを忘れてしまうと海外移住後に年金を受け取れず、資金不足に悩まされる恐れがあります。
マレーシア移住後も年金を受け取りたい場合は、住んでいる自治体の市町村役場に海外転出届を行い、年金の任意加入をしておきましょう。その際、現地国の日本領事館や日本大使館に「在留届」を提出することも忘れないようにしてください。
運転免許の手続きを行う
マレーシア移住をする前に、運転免許の更新手続きを行いましょう。免許更新の期間中に海外におり、日本での免許更新が難しいと判断できる場合は、免許の事前更新が可能です。
マレーシア移住前に事前更新を受けることで、更新期間中に日本に戻ってこれなくても免許を失うことはありません。運転免許証は身分証明書としても重要な書類のため、失効しないように注意してください。
警察署では運転免許証の事前更新ができないため、各都道府県の試験場や免許センターなどで手続きを行いましょう。
健康診断を受ける
運転免許証の更新手続きと並行して、マレーシア移住前に健康診断を受けておきましょう。マレーシアで病気を治療することになった場合、日本で治療を受けるよりも費用が高額になる可能性が高いため、移住前に健康診断を受けて治療をすませておくことで、費用を節約できるでしょう。
海外旅行保険がついたクレジットカードに加入する
マレーシア移住前に、海外旅行保険がついたクレジットカードに加入しておくことがおすすめです。海外保険旅行が付帯しているクレジットカードを利用すると、両替なしで海外のATMから直接キャッシングことも多くなっています。
マレーシアで生活する上での注意点
老後のマレーシア移住にはさまざまなメリットがある一方、注意しなくてはいけないポイントもあります。マレーシア移住を決断する前に、こちらの注意点も確認しておきましょう。
物価が上昇するリスクがある
マレーシア移住後、物価が上昇するリスクがあるため注意が必要です。マレーシアを含む東南アジアは日本より物価が安い地域ですが、今後物価が上昇する可能性もあります。生活費を安く抑えるためにマレーシア移住を決めたにも関わらず、物価が上昇して生活が苦しくなるといったリスクも考えておく必要があるでしょう。
健康保険制度がない
マレーシアには国民健康保険制度がありません。そのため、マレーシアで病気や怪我の治療をする場合は民間の医療保険に加入するか、全額自己負担となります。
また、日本で住民票を抹消して海外移住した場合、健康保険も一緒に失われます。移住後に一時帰国して日本の病院にかかった場合、国民健康保険は使えないことを覚えておきましょう。
車がないと生活しにくい
都市部は公共交通機関が整備されていますが、地域によっては未整備なところもあります。基本的にマレーシアは車社会のため、車がないと買い物に行けないところも少なくありません。
老後のマレーシア移住を成功させるポイント
マレーシア移住には費用や労力がかかるため、移住するからには現地での生活を成功させたいものです。そこでここからは、老後のマレーシア移住を成功させるポイントを詳しく解説します。
現地の人と積極的にコミュニケーションを取る
マレーシア移住を成功させるためには、現地の人と積極的にコミュニケーションをとることが大切です。「言葉が通じないから」と引きこもっていると、孤立してしまう可能性があります。積極的に周りと関わって交流関係を広げましょう。
現地の文化を楽しむ
マレーシアに移住するからには、現地の文化を楽しむ気持ちも大切です。日本を基準に物事を判断していると、理想と現実のギャップに苦しむことになりかねません。現地の暮らしを受け入れ、マレーシアでの生活を楽しむようにしてください。
健康管理に注意する
移住後は、健康管理に十分気をつけてください。マレーシアで病気にかかった場合、高額な医療費を支払うことになります。また、マレーシアは日本に比べると医療水準が低く、望んだ治療を受けられない可能性も高いです。
必要な準備や注意点を参考に、老後のマレーシア移住を検討しましょう
この記事のまとめ
- マレーシアは東南アジアに位置する国で、都市部は近代化を遂げている一方、熱帯雨林地域や綺麗な島など自然も残っているのが特徴
- 老後のマレーシア移住には、①生活費を抑えられる②気候が安定していて暮らしやすい③災害が少ない④英語が通じる⑤首都は特に生活インフラが整備されているというメリットがある
- マレーシア移住前には、現地への下見、ビザの取得、年金や運転免許証の手続きなどの準備が必要
- 健康保険制度がないため、医療費が高額になる可能性もある
- マレーシア移住後は、現地の文化を楽しんで周囲と積極的にコミュニケーションをとることが大切
日本に比べて物価が安く、一年を通して温暖な気候であるマレーシアは老後の移住先として人気の地域です。マレーシア移住をする場合は、事前に現地に訪れたり健康診断を受けておいたりといった準備が必要になります。
今回紹介した必要な準備や注意点などを参考にして、老後のマレーシア移住について検討してみてください。