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お金・お家のこと

老後のお金がない人必見!資金の貯蓄方法や必要な金額を解説

老後のお金がない人必見!資金の貯蓄方法や必要な金額を解説

「老後のお金がない」と不安になっている人は多いのではないでしょうか?昨今、日本では人生100年時代といわれており、老後の期間は長くなることが予測されます。本記事では、老後資金の貯蓄方法や老後のために必要な金額について説明します。老後に安心して暮らすためにも、計画的に貯蓄しておきましょう。

監修者 SUPERVISOR
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士 森本 由紀

神戸大学法学部卒業。鉄鋼メーカー、特許事務所、法律事務所で勤務した後、2012年に行政書士ゆらこ事務所を設立し独立。メインは離婚業務。離婚を考える人に手続きの仕方やお金のことまで幅広いサポートを提供。法律・マネー系サイトでの執筆・監修業務も幅広く担当。

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老後のお金がない人は早めの対策が必要

厚生労働省の「令和4年簡易生命表」によると、日本人男性の平均寿命は81.05歳、女性の平均寿命は87.09歳で、男女ともに平均寿命は80歳を超えています。最近は60歳で定年を迎えた後も働く人が増えていますが、65歳まで働いたとしても20~25年程度は年金だけで暮らす可能性があります。

つまり現在の日本では、年金だけでは生活するお金が足りないことも多いでしょう。厚生労働省が公表しているモデルでは、夫婦2人世帯の標準的な年金額(2人分の老齢基礎年金と1人分の老齢厚生年金を含む)は23万483円です。年金額は人によって差があるため、実際にはもっと年金額が少ない人もいます。

また、高齢になると、働いて収入を補うのも難しくなります。老後のお金は、あらかじめ貯蓄しておくことが必要です。老後になって「お金がない」と焦ることのないよう、早めに老後資金の対策を考えておきましょう。

令和4年簡易生命表(厚生労働省)

令和6年度の年金額改定について(厚生労働省)

老後にかかる生活費はどれくらい?

老後のお金に不安があるなら、できるだけ早く貯蓄を始めることが大切です。老後のお金を貯蓄するにあたって、老後の生活費がどれくらいかを把握しておきましょう。老後の生活費は、家族構成によっても変わります。夫婦2人の場合と、独身の場合それぞれをみてみます。

夫婦2人の場合

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」では、夫婦2人の最低日常生活費、ゆとりある生活費としてそれぞれいくらお金が必要かを調査しており、次のような結果が出ています。

令和4年 生活保障に関する調査(生命保険文化センター)

最低日常生活費

夫婦2人の老後生活にかかる最低日常生活費は、月23.2万円とされています。最低日常生活費とは、最低限の衣食住に必要な金額のことです。夫婦2人の世帯では、月23万円程度のお金がないと生活が困窮してしまう可能性があります。

ゆとりある生活費

夫婦で経済的にゆとりある生活を送るためには、月38万円程度のお金が必要という調査結果が出ています。月38万円程度のお金があれば、老後に夫婦で旅行に行けるほどゆとりある生活が送れるでしょう。

独身の場合

独身一人暮らしの高齢者の生活費については、総務省の「2023年度家計調査(家計収支編)」の結果からみてみましょう。

最低日常生活費

総務省の家計調査によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出(生活費)の平均は、月14万5,430円となっています。独身の場合、最低日常生活費として、月15万円程度のお金がかかると考えるとよいでしょう。

家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要(総務省)

ゆとりある生活費

独身一人暮らしの場合、ゆとりある生活にどれくらい必要かという調査結果はありません。夫婦2人ではゆとりある生活のために14.8万円の上乗せが必要なため、1人分の上乗せを7.4万円とすると、月21.9万円となります。一人暮らしの場合には、月22万円程度あれば多少のゆとりは出てくるでしょう。

▶老後の1人暮らしに必要な生活費はこちら

老後に必要な金額の考え方

老後にかかるお金を、全額を貯蓄しておく必要はありません。老後には公的年金が支給されるため、年金で不足する生活費を貯蓄しておけば対処できます。退職金がある人は、退職金も老後資金に充てられます。老後のためのお金としていくら用意しておくべきかは、次の計算式で算出してみましょう。

老後に必要な金額=(毎月の生活費-年金収入)×12ヶ月×老後の年数-退職金額

まずは年金額を確認する

老後は公的年金を柱に生活することになるため、まずは年金がどれくらいもらえるかを把握しておきましょう。

年金見込額は、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」で確認できます。老後に必要な金額を計算するために、「ねんきん定期便」を活用しましょう。年金が少ない人は、早急に貯蓄する方法を考えなければなりません。

また、老後に支給される公的年金には、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)の2種類があります。以下にて、年金の種類に分けて、もらえる金額を解説します。

国民年金でもらえる額

国民年金は国民全員が強制加入のため、老齢基礎年金は全員がもらえるものです。40年(480ヶ月)分の保険料を全額納めた人は満額(令和6年度は月6万8,000円)を受給できますが、保険料の納付期間が少なければ年金額は減ります。なお、保険料納付期間が10年に満たない人は、老齢基礎年金は受け取れません。

老齢厚生年金でもらえる額

老齢厚生年金は会社員や公務員など、厚生年金に加入して働いていた人が老齢基礎年金に上乗せして受け取れる年金です。老齢厚生年金の額は、給料や期間によって変わります。

年金や退職金で不足する額を計算する

老後に必要な金額がいくらか知るためには、退職金があるか、いくら貰えるかも確認しておきましょう。就業規則や退職金規程を見てもわからない場合には、会社の人事部や総務部に聞いてみてください。

例として、夫婦の年金の合計額が月28万円の家庭で、老後のゆとりある生活のために月38万円を25年分必要と仮定します。退職金2,000万円も老後資金に充てられるとすると、老後に必要な金額は、次のようになります。

老後に必要な金額=(38万円-28万円)×12ヶ月×25年-2,000万円          =1,000万円

医療費や介護費が必要になる可能性がある

老後は病気やケガのリスクが高まるため、医療費や介護費がかかる可能性も高くなります。生活費に加えて、医療費や介護費も貯蓄しておくと安心です。

厚生労働省によると国民1人あたりの生涯医療費は2,815万円で、そのうち1,604万円が65歳以上でかかるとされています。公的医療保険により、医療費の自己負担は1~3割です。自己負担が高額になっても、高額療養費制度で払い戻しを受けられます。しかし、貯蓄が全くないと困ることもあるでしょう。

介護費については、生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果が参考になります。介護のために一時的にかかった費用の合計額は平均74万円、月々の介護費の平均が8.3万円(いずれも公的介護保険適用後の自己負担額)です。そのため、介護費に備えておく必要性は高いといえます。

医療費や介護費は、保険に入って備える対処法もあります。ただし、保険に入ると保険料の負担が発生するため、お金のない人は注意が必要です。民間の医療保険や介護保険に入る場合は、保険料の負担が大きすぎないものを選ぶようにしましょう。

令和3年 生涯医療費(厚生労働省)

令和3年 生命保険に関する全国実態調査(生命保険文化センター)

▶老後資金シミュレーションについてはこちら

老後のお金がない人が今からできる貯蓄方法

老後に必要なお金を計算してみると、想像以上の金額になってしまうことがあります。お金がない人も、年金生活が開始するまでにお金を用意しなければなりません。貯蓄がない人がお金を貯めるにはどうするべきか、対処法を知っておきましょう。

iDeCo

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金に上乗せする年金を準備するための私的年金制度です。iDeCoでは毎月掛金を拠出し、自分で運用しながら老後のための資産を形成します。iDeCoで運用した資産は60歳になるまで引き出しができません。お金がない人も、着実に老後資金を貯められる方法です。

iDeCoでは、拠出した掛金が全額所得控除の対象になるほか、運用益非課税などの税制メリットがあります。長期運用によりリスクも抑えられ、貯蓄がない人も効率よく資産を増やせるでしょう。

つみたてNISA

NISAとは、年間で一定額までの投資で得られた利益が非課税になる制度です。NISAは目的に関係なく利用ができ、iDeCoのような引き出し時期の制限もありません。2024年にスタートした新NISAでは、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)、成長投資枠(旧一般NISA)の2つの枠が設けられています。

老後資金を準備したい場合、NISAを利用して積立投資をするのがおすすめです。積立投資では購入時期が分散されるため、リスクを抑えられます。お金がない人も着実に資産形成できるでしょう。つみたて投資枠、成長投資枠のどちらでも積立投資ができます。

保険を活用

保険を活用すれば、健康リスクに備えつつ老後資金の準備ができます。老後に向けた資産形成に利用できるのは、終身保険や養老保険、個人年金保険などの貯蓄型の保険です。

お金がない人は、老後の医療費や介護費に備えるために、民間の医療保険や介護保険に入る方法もあります。お金がないと保険料も大きな負担になるため、保険料と保障のバランスをよく考えて入るようにしましょう。

老後にお金がない人ができる貯蓄以外の対策

老後のお金が全くない人は、貯蓄だけでは間に合わないかもしれません。お金がない人ができる貯蓄以外の対処法も知っておきましょう。

できるだけ長く働く

働く期間を長くすることで生活費を年金のみに頼る期間が短くなり、老後に必要なお金を減らせます。お金がない人は、元気な間はできるだけ働くことを考えましょう。厚生年金は70歳まで加入できます。60歳以降も厚生年金に加入して働けば、年金額を増やすことも可能です。

家計を見直す

老後は生活のダウンサイジングも必要です。お金がない人は家計を見直し、無駄な出費を減らしましょう。生活をできるだけシンプルにし、必要最小限のものだけで暮らすのがおすすめです。

年金の繰上げ・繰下げ

老後のお金がない人の対処法として、年金の繰上げ受給や繰下げ受給も考えてみましょう。年金受給開始は原則65歳ですが、受給開始を早める繰上げ受給や遅らせる繰下げ受給も可能です。繰上げ受給すれば年金額は減り、繰下げ受給すれば年金額は増える仕組みになっています。

60歳で定年退職して老後生活に入る場合、65歳まで収入がありません。60代前半にお金がない人は、年金の繰上げ受給により生活費を用意できます。なお、年金は最初に決まった年額を一生涯受け取る仕組みです。繰上げにより減った年金額を毎年もらい続けることになり、減額率は生涯変わらないため、慎重に検討しましょう。

老後のお金がない人は、繰下げ受給がおすすめです。繰下げ受給の場合、1ヶ月繰下げるにつき0.7%年金が増額します。最長75歳までの繰下げが可能なため、年金額を最大84%増やせます。お金がない人は、働ける間は年金を受け取らないようにし、年金受給開始をできるだけ遅くすることを検討しましょう。

▶詳しい年金から引かれるお金についてはこちら

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、現在居住中の自宅を担保に生活資金を借入する方法です。生存している間は利息のみを支払い、亡くなったときに自宅を売却して精算します。お金がない人も自宅を手放すことなく資金調達ができるため、生活にゆとりが生まれるのです。

ただし、リバースモーゲージを利用すれば、家族が相続する自宅がなくなってしまいます。あらかじめ、家族の同意を得てから利用しましょう。

老後のお金がない人は、老後に必要な金額を把握し今からできることを考えましょう

この記事のまとめ

  • 老後は夫婦2人の生活費として最低月23万円、独身では最低月15万円程度かかる
  • ゆとりある生活をするなら夫婦2人で月38万円程度、独身では月22万円程度が必要になる
  • 老後に必要な金額から年金や退職金を差し引いた額を貯蓄する
  • 老後資金を貯めるにはiDeCoやNISAを活用するのがおすすめ
  • 老後にお金がない場合、長く仕事をすることや家計の見直しも考えてみる

老後のお金がないなら、早めに対処法を考えましょう。老後の生活費は、どんな生活をしたいかによって変わります。年金や退職金を老後資金に充てても不足する金額を計算し、医療費・介護費等も考慮して必要な貯金額を見積もる必要があります。お金がない人が貯蓄するときには、着実に投資ができる制度を活用しましょう。

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