閉じる メニュー
葬儀を知る

香典の入れ方は何が正しい?お札の向きや中袋の有無による違いとは

香典の入れ方は何が正しい?お札の向きや中袋の有無による違いとは

訃報を受けて香典を用意することになった際に、お札の入れ方が分からず迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。香典の入れ方を間違えると、ご遺族に対して失礼になってしまいます。そこで本記事では、香典の正しい入れ方を詳しく解説します。

東京博善のお葬式 0120-506-044 24時間365日・通話無料 お気軽にお問い合わせください 事前相談・お急ぎの方もこちらから!

香典の正しい入れ方

葬儀お通夜に持参する香典の入れ方には、さまざまなマナーや作法があります。まずは、お札に関する基本事項や、中袋の有無によるお札の入れ方の違いについて紹介します。

お札に関する基本事項

お札に関するマナーや作法が間違っていると、ご遺族に対して失礼になってしまいます。ここではお札に関する基本事項を解説しますのでしっかりと押さえておきましょう。

お札の向きを揃える

複数枚のお札を香典に入れる場合は、お札の向きを揃えるようにしましょう。これは、ご遺族が香典を確認する際、お札が数えやすくなるようにという配慮のためです。お札にシワが寄ったり折れ曲がったりしないよう注意を払いながら、香典袋に入れます。

肖像画を裏向きにする

お通夜や葬儀で渡す香典では、お札の肖像画を裏向き・下側にして入れるのが作法です。香典袋を開けたときにお札の肖像画が見えないように入れることで、故人を失った悲しみを表現できるとされています。

ただし、一周忌三回忌といった法要では、肖像画を表にして入れるのが作法です。このような法要の香典は、「故人を失った悲しみや慎み」ではなく「故人へのお供え物」といった意味合いが強くなるためです。参列する法要の種類によって、お札の入れ方や向きを変えましょう。

新札は入れない

弔事であるお通夜や葬儀の香典には、新札ではなく折り目のついたお札を入れるのがよいとされています。新札は、前もって準備しないと手に入りにくいため、香典に新札を入れると「死ぬことを予期していた」という意味になってしまいます。そのため、「急な訃報を受けて慌てて準備した」という意味になるよう、折り目のついたお札を入れるようにしましょう。

ただし、あまりにも汚れていたり、折り目の多いお札を包むこともご遺族や故人に対して失礼にあたります。軽く折り目がついたきれいなお札を選ぶと安心です。

中袋がある場合の入れ方

中袋とは、不祝儀袋の中に入っている袋のことです。中袋がある場合とない場合とでは、お札の入れ方が異なるため注意しましょう。まずは、中袋がある場合の入れ方を紹介します。

中袋にお札を入れる

中袋がある不祝儀袋を使う場合は、中袋にお札を入れます。肖像画は裏面・下側になるように丁寧にお札を入れてください。

中袋にはのり付けをしない

お札を入れた中袋には、香典を郵送する場合を除いてのり付けをしません。中袋は外袋で包むので、お金が外に出てしまうことがないためです。また、のりで封がされていると中袋を開けるのに手間がかかり、ご遺族の負担になります。市販されている香典袋の中には、「緘」「〆」と書かれたシールが入っているものもありますが、こちらも貼らないことをおすすめします。

ただし、郵送で香典を送る場合はのり付けをする必要があります。このとき、ご遺族への配慮やお悔やみの気持ちを書いた手紙も中袋に同封しましょう。袋をのり付けしていないと手紙が落ちてしまう可能性があるため、きちんと封をしてください。

中袋の表面に金額を書く

お札を入れた中袋の表面には、包んだ金額を記入します。金額を記入する際は、改ざん防止のため旧漢字で書くのが作法です。金額の頭には「金」を、後ろには「圓」をつけて書きましょう。例えば、3千円を包んだ場合は「金参阡圓」と書きます。

もし、中袋に横書きの記入欄が印刷されていた場合は、算用数字を使用しても問題ありません。横書きで書く場合は「5000円」「30000円」と記入しましょう。

中袋の裏面に住所・氏名を書く

中袋の裏面には、あなたの住所と氏名を記入します。中袋の裏面の左側に住所を、住所の左隣に自分の氏名を記入しましょう。お通夜や葬儀の香典は薄墨の筆ペンか毛筆で書くことが作法とされていますが、筆に慣れていないと字が潰れてしまうことがあるため、ボールペンや万年筆を使用しても構いません。

氏名の書き方は、香典を出した人数によって異なります。ひとりで香典を出す場合、自分のフルネームを記入します。夫婦で香典を出す場合は、右側に夫のフルネームを書き、その左隣に苗字を省いた妻の名前を書いてください。

3人までの連名で香典を包む場合、全員の名前を記入するのがマナーです。立場の上下がある場合は、右に立場の高い人の名前を書きます。立場が同じ人と香典を出す場合、右から五十音順に氏名を書きましょう。4人以上の連名になる場合は、代表者の名前のみを中袋に書き、左側に「外一同」と記載します。


香典の正しい入れ方については、こちらも参考にしてみてください。

中袋がない場合の入れ方

ほとんどの香典袋には中袋がついていますが、中袋がない不祝儀袋もあります。また、中袋があると袋が二重になることから「縁起が悪い」「悪いことが重なる」と考え、中袋を使わない地域もあります。ここからは、中袋がない場合のお札の入れ方について紹介します。

香典袋に直接お札を入れる

中袋がない場合、香典袋に直接お札を入れるのがマナーです。中袋がついている場合と同様に、お札の肖像画を裏にして下向きに入れてください。

表面に表書きと氏名を書く

香典袋にお札を入れたら、袋の表面に表書きと氏名を書きます。故人を失った悲しみやお悔やみの気持ちを表すため、お通夜や葬儀の香典では薄墨の筆ペンか毛筆で書くのがマナーです。表書きの書き方は故人の宗教・宗派によって異なるため、事前に確認しておきましょう。氏名の書き方は、中袋がある場合と同様です。

裏面に金額と住所を書く

中袋がない場合は、香典袋の裏面に金額と住所を書きます。まず、水引より下側の右に、小さい文字で住所を縦書きで記入します。その左側に、住所より大きめの字で金額を書いてください。中袋がある場合と同様に、金額を書くときは旧漢字を使用しましょう。

中袋が奉書紙(中包み)の場合

中袋が奉書紙(中包み)になっている香典袋もあります。結婚式などの慶事と、葬儀などの弔事では折り方が異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

奉書紙への包み方

  1. 斜めに置いた奉書紙の上に、お札の肖像画が見えるように置きます。(ツルツルとした面が表で、ザラザラとした面が裏です)
  2. 奉書紙の下側を、上に向かって折ります。
  3. 左側、右側の順番に、奉書紙を中心に向かって折ります。
  4. お札が入っている部分を、上に向かって折り返します。
  5. 余っている部分を裏側に折ります。

香典を入れるときのマナー

香典は、お札の枚数や金額にもマナーがあります。ここからは、香典を入れる際の基本的なマナーを紹介します。

お札の枚数は奇数にする

香典に入れるお札の枚数は、奇数にしましょう。偶数は割り切れてしまうため、「別れる」「故人との縁が切れる」との連想から避けましょう。葬儀やお通夜だけでなく、四十九日や一周忌に参列する場合も、お札の枚数が偶数にならないよう注意しましょう。

4や9のつく金額は避ける

香典を包む際は、4や9のつく金額にならないように配慮してください。4は「死ぬ」、9は「苦しむ」ことをイメージさせるため、古来から日本では縁起が悪い数字として避けられています。ご遺族に対して失礼にあたるため、香典を包むときは気を付けましょう

香典を多く入れるのは避ける

ご遺族や故人のため、よかれと思ってお金を多く入れる方もいますが、これはマナー違反です。相場を超えた香典を包むと、ご遺族に気を遣わせてしまう恐れがあります。香典の相場は、故人との関係やあなたの年齢などによって異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

以下の表を参考にしながら、どのくらいの金額を包むべきか検討してみてください。

お通夜・葬儀における香典の相場
故人との関係性 相場
両親 3万円〜10万円
兄弟姉妹 3万円〜5万円
祖父母 1万円〜5万円
親戚 1万円〜3万円
友人 5千円〜1万円
職場の同僚 3千円〜1万円


香典の相場についてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご一読ください。

お札の種類を統一する

香典を包む際は、お札の種類を統一するのがマナーです。例えば、3万円を包む場合、五千円札を2枚・一万円札を1枚入れるなど、異なる種類のお札を使用するのは避けましょう。包む金額を問わず、香典に入れるお札の種類は揃えてください。また、遺族が香典を集計しやすいよう、なるべくお札の枚数を少なくする配慮も必要です。

水引を外さないよう注意する

水引を外してしまうと、不祝儀袋に傷が入ったり折れ曲がったりする恐れがあります。水引が外れないように注意を払いながら香典袋にお金を入れましょう。

外袋は上側の折り返しが上にくるように折る

香典袋は、まず下の折り返しを折り、上側の折り返しを下側に被せるように折るのがマナーです。このように折ることで「涙が溜まってしまわないように」という気持ちを表せます。

袱紗(ふくさ)への香典の包み方

お通夜や葬儀に参列する場合、香典は袱紗に入れて持参するのがマナーです。袱紗への入れ方にはいくつかマナーや作法があるため、以下で確認しておきましょう。

弔事の入れ方で包む

袱紗に香典を包む際は、「左開き」になるように入れるのがマナーです。金封袱紗の場合は、開きが左側にくるように袱紗を広げ、表書きが読める向きで香典を入れます。爪付き袱紗の場合は包み方が少し複雑であるため、以下の方法を参考にしてみてください。

爪付き袱紗の包み方

  1. 爪がある角を左側にして、袱紗を菱形に広げます。
  2. 袱紗の中心よりも少し右側に香典袋を置き、右側を折ります。
  3. 袱紗の下側、上側の順番で折り込みます。
  4. 最後に左側を折り、爪を留めます。

寒色系の袱紗に入れる

袱紗にはさまざまな色味のものがありますが、お通夜や葬儀などの弔事では紺色や緑、灰青など、寒色系のものを使用するのがマナーです。基本的に、寒色系の袱紗は弔事のみでしか使用できませんが、紫色の袱紗は慶事と弔事のどちらでも使用可能です。

弔事に適した柄・刺繍の袱紗に入れる

袱紗の色だけでなく、柄や刺繍にも注意しましょう。弔事では菊や蓮の花、蘭といった柄が入った袱紗が適しています。亀や鶴、松竹梅といった縁起物の柄が入った袱紗は慶事用となり、使用できないため注意が必要です。


袱紗の選び方については、こちらも参考にしてみてください。

失礼のないよう、正しい入れ方で香典を包みましょう

この記事のまとめ

  • 香典にお札を入れる際は、肖像画を裏向き・下側にして揃えて入れる
  • 新札や折り目の多いお札は使用しない
  • 中袋がある場合とない場合で包み方が異なる
  • お札の枚数は奇数にし、4と9がつく金額は避ける
  • 香典の金額は相場に合わせる
  • 香典は袱紗に包み、弔事の方法で包む
  • 寒色系かつ、蘭や菊、蓮などの柄の袱紗を選ぶのがマナー

中袋がある場合とない場合、中袋が奉書紙になっている場合とでは、香典の入れ方が異なります。今回紹介した香典の入れ方や基本的なマナーなどを参考にして、正しい方法で香典を包みましょう。 

SHARE この記事をSNSでシェアする