【動画解説】香典の入れ方|お札の向き・中袋の書き方・ふくさの包み方
香典を用意する際、お札の向きや中袋の書き方のルールに迷うことはありませんか?封筒の選び方、お札の正しい入れ方から金額の書き方、ふくさの包み方、渡し方まで、動画を交えて分かりやすく紹介しています。当日直前の最終確認に役立つチェックリストも解説します。
香典袋の正しい入れ方・包み方を動画でわかりやすく解説。お札の向きや中袋への入れ方、のり付けの有無、袱紗の包み方まで、葬儀の場で迷いやすいポイントを丁寧に紹介します。
香典に使うお札の選び方
一般には新札は避けるのが無難です。新札しか用意できない場合は軽く折り目を付けて、事前に香典を用意していたという印象をやわらげる配慮をします。
弔事であるお通夜や葬儀の香典には、新札ではなく折り目のついたお札を入れるのが一般的です。新札は、前もって準備しなければ手に入りにくいため、香典に新札を入れると「亡くなることを予期していた」と受け取られるおそれがあります。そのため、「急な訃報を受けて慌てて準備した」という意味になるよう、折り目のついたお札を入れるようにしましょう。
ただし、あまりにも汚れていたり、シワの多いお札を包むこともご遺族や故人に対して失礼にあたります。軽く折り目がついたきれいなお札を選ぶと安心です。
香典の相場や金額
香典の相場は、一律に決められた金額はありません。故人との関わりや自身の年齢、法要の種類など、さまざまな要素が重なって決まります。そこで、下記にお通夜や葬儀での香典相場を、故人との関係と年代別で紹介します。
| 関係と年代別の香典金額相場の早見表 | ||||
|---|---|---|---|---|
|
関係 |
20代 |
30代 |
40代 |
50代~ |
|
両親・義父母 |
3万円~10万円 |
5万円~10万円 |
5万円~10万円 |
10万円〜 |
|
兄弟姉妹 |
3万円~5万円 |
5万円~ |
5万円~ |
5万円~ |
|
祖父母 |
1万円 |
1万円〜3万円 |
3万円~5万円 |
3万円~5万円 |
|
おじ・おば |
1万円 |
1万円〜3万円 |
1万円〜3万円 |
3万円〜 |
※金額は地域や親族間の慣習を優先してください。「4」「9」は忌み数として避けられることがあります。
なお、ご遺族や故人のため、よかれと思ってお金を多く入れる方もいますが、相場を超えた香典を包むと、ご遺族に気を遣わせてしまう恐れがあります。香典の相場は、故人との関係やあなたの年齢などによって異なるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
香典に入れるお札の向きはどうする?
多くの例では肖像画が袋の裏側を向き、下(袋の底側)になる向きでそろえるのが一般的です。複数枚の場合も同じ向きにそろえます。※地域・宗派で異なる場合があります。
複数枚のお札を香典に入れる場合は、お札の向きを揃えるようにしましょう。これは、ご遺族が香典を確認する際、お札が数えやすくなるようにという配慮のためです。お札にシワが寄ったり折れ曲がったりしないよう注意を払いながら、香典袋に入れます。
お通夜や葬儀で渡す香典では、お札の肖像画を裏向き・下側にして入れるのが作法です。香典袋を開けたときにお札の肖像画が見えないように入れることで、故人を悼み、悲しみに寄り添う気持ちを表すとされています。
ただし、一周忌や三回忌といった法要では、肖像画を表にして入れるのが作法です。このような法要の香典は、「故人を失った悲しみや慎み」ではなく「故人へのお供え」といった意味合いが強くなるためです。参列する法要の種類によって、お札の入れ方や向きを変えましょう。
中袋がある場合の香典のお札の入れ方・金額の書き方
中袋がある不祝儀袋を使用する際は、まずお札の向きを揃えて入れることから始めます。お札は裏面(肖像画のない面)が袋の表になるように入れ、さらに肖像画が下側を向くように配置するのが一般的です。これは、悲しみで顔を伏せるという意味合いや、ご遺族が袋からお札を取り出した際に金額を確認しやすいようにという配慮に基づいています。
中袋の表面には、包んだ金額を縦書きで記入します。この際、数字の改ざんを防ぐために「金参萬圓」のように旧字体の漢数字を用いるのが正式な書き方です。裏面には、ご遺族が整理しやすいよう、自身の住所と氏名を忘れずに記載してください。筆記用具は、中袋に記載する個人情報や金額を読みやすくするため、黒のボールペンを使用しても差し支えありません。
中袋がある場合の手順
- 紙幣の向きをそろえる
- 中袋に入れる
- 表に金額、裏に住所・氏名を書く
- 外袋へ入れる
紙幣の向きを揃えて中袋に入れ、表に金額、裏に住所・氏名を記載します。中袋がある不祝儀袋を使用する場合は、中袋にお札を納めます。お札は肖像画が裏面・下側になるように丁寧に入れてください。
お札を入れた中袋の表面には、包んだ金額を記入します。金額を記入する際は、改ざん防止のため、「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」「伍(五)」「拾(十)」「阡(千)」「萬(万)」といった大字(だいじ)を使用します。金額の最初に「金」を、最後に「圓」を付けて記載しましょう。例えば、3千円を包んだ場合は「金参阡圓」と記入します。
もし中袋に横書きの記入欄が印刷されている場合は、アラビア数字を使用しても差し支えありません。「5,000円」や「30,000円」のように記入してください。
中袋の裏面には、差出人の住所と氏名を記入します。裏面の右側から住所、氏名の順で記載しましょう。お通夜や葬儀の香典は薄墨の筆ペンまたは毛筆で書くのが一般的ですが、筆に不慣れで文字がにじむ可能性がある場合は、ボールペンや万年筆を使用しても問題ありません。
金額を縦書きする場合の漢数字と書き方
香典の金額を縦書きする際は、数字の改ざんを防ぐために旧字体の漢数字を使用するのが一般的です。具体的な書き方として、「五千円」の場合は「金伍阡圓」と記入します。「1万円」の場合は「金壱萬圓」となります。
そのほか、2万円の場合は「金弐萬圓」、3万円の場合は「金参萬圓」、5万円の場合は「金伍萬圓」と書きます。
また、7万円や「8万円」などの金額を包む際も同様に、頭に「金」を付けて「金七萬圓」「金八萬圓」と記載しましょう。
金額を横書きする場合の数字の書き方
中袋の記入欄が横書きの場合、算用数字または漢数字のどちらを使用しても問題ありません。算用数字で金額を記入する際は、数字の改ざん防止のため、金額の先頭に「金」や「¥」を付けることが推奨される場合がありますが、必ずしも必須ではありません。末尾には「円」や「-」を付けることが一般的です。
また、数字にはカンマを入れて「金10,000円」や「¥5,000-」のように書くことが一般的です。金額の記入欄が横書きであれば、裏面の住所や氏名などの欄も横書きで読みやすく記入しましょう。
薄墨の筆ペンなどの使用については、地域の慣習や関係によって判断が異なる場合があります。
外袋にも名前の記入を忘れずに
香典袋の外袋には、水引の下段に自分の氏名をフルネームで記載します。これは、どなたからの香典かをご喪家が把握しやすくするための配慮です。氏名は薄墨の毛筆か筆ペンで書くのが一般的とされています。
香典袋に中袋がない場合(略式袋)のお札の入れ方
略式袋の場合は中袋がないため、香典袋に直接お札を入れます。中袋がついている場合と同様に、お札の肖像画を裏にして下向きに入れてください。
香典袋にお札を入れたら、袋の表面に表書きと氏名を書きます。故人を失った悲しみやお悔やみの気持ちを表すため、お通夜や葬儀の香典では薄墨の筆ペンか毛筆で書くのが一般的です。表書きの書き方は故人の宗教・宗派によって異なるため、事前に確認しておきましょう。氏名の書き方は、中袋がある場合と同様です。
中袋がない場合は、香典袋の裏面に金額と住所を書きます。まず、水引より下側の右に、小さい文字で住所を縦書きで記入します。その左側に、住所より大きめの字で金額を書いてください。中袋がある場合と同様に、金額を書くときの漢字は、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)を使用しましょう。
香典に封はのり付けする?持参と郵送の違い
持参時は受付で中身確認の可能性があるため、のり付けはしない(または仮止め)のが一般的です。郵送時は封をして中身が出ないようにし、弔意の添え書きを同封します。
お札を入れた中袋には、香典を郵送する場合を除いてのり付けをしません。中袋は外袋に入れるため中身が外に出る心配がなく、のり付けをすると開封の際にご遺族へ余計な負担をかけてしまうおそれがあります。また、市販の香典袋に付属する「緘」や「〆」のシールについても貼らず、香典袋を使うことが望ましいです。
一方で、香典を郵送する場合には封をのり付けする必要があります。お悔やみの気持ちを記した手紙を同封することが多く、封が開いたままでは紛失につながる可能性があるためです。
ふくさを使った香典の包み方と渡し方
弔事は左開きで包みます。受付では袱紗(ふくさ)を左に置き、表書きが正しく読める向きで袋だけを出すのが一般的です。ふくさは畳んで脇に置きます。
ふくさに香典を包む際は、「左開き」になるように入れるのが一般的です。金封ふくさの場合は、開きが左側にくるようにふくさを広げ、表書きが読める向きで香典を入れます。爪付きふくさの場合は包み方が少し複雑であるため、以下の方法を参考にしてみてください。
爪付きふくさの包み方
- 爪がある角を左側にして、ふくさを菱形に広げます。
- ふくさの中心よりも少し右側に香典袋を置き、右側を折ってください。
- ふくさの下側、上側の順番で折り込みます。
- 最後に左側を折り、爪を留めます。
香典を渡すときにも気を付けたい点があります。事前に確認しておくと安心です。法要の会場に着いたら受付の有無を確認し、受付がある場合はそこで香典を渡します。
香典をふくさから出したあとは、ふくさを整えて畳み、自分の左側に置きます。表書きが相手に向くように持ち替え、両手で渡してください。また、受付が設けられていない場合は、畳んだふくさを香典の下に添え、受付のある場合と同じ手順で渡します。
「香典の包み方」よくある間違いとよくある質問(FAQ)
香典の入れ方や記入方法には、普段触れることの少ない作法が多くあります。よく寄せられる疑問や混乱しやすいポイントをFAQで紹介します。準備の際の参考にしてください。
Q. 新札しかありません。どうすれば?
A. 軽く折り目を付けるなどして、新札の「準備感」を和らげます。ただし、汚れや破れのあるお札は避け、清潔感のあるものを選びましょう。
Q. ボールペンでもよいですか?
A. 表書きは筆ペン(濃墨または薄墨)が無難です。中袋の住所・氏名は読みやすさを優先し、黒ボールペンや万年筆を使用しても差し支えありません。
Q. 連名の並びは?
A. 着席や写真撮影などの場面では、当事者から見て左側を上位とする「左上位」が日本の伝統的な礼法です。しかし、国際儀礼として「右上位」も広く認識されています。どちらの慣習を適用するかは状況によって判断が異なる場合があります。人数が多い場合の氏名の記載方法については、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
Q. 会社名はどこに入れる?
A.外袋の下段(のし下)には、会社名と氏名を記入することが一般的です。会社名は氏名よりもやや小さめに右肩に寄せて書くか、氏名の中央に配置することがあります。余白が不足する場合は、無理に詰め込まず、中袋に住所や会社名を記載する選択肢もあります。
Q. 小銭は入れてよい?
A.香典はお札で包むのが一般的です。やむを得ず少額になる場合を除き、紙幣でそろえるとよいでしょう。
ご遺族から香典を辞退された場合の対応
近年は家族葬などの増加に伴い、ご遺族から香典を辞退されることも少なくありません。香典を辞退する旨の連絡を受けた場合は、ご遺族の意向を尊重し、無理に香典を渡さないのが一般的です。香典返しなどの手間に配慮し、先方の負担を減らすためにも、案内に従って用意を控えましょう。
香典の代わりにお供え物を送る方法
香典を辞退された場合でも、どうしても弔意を伝えたいときは、香典の代わりに供花や贈答用のお線香、お菓子などのお供え物を送る方法があります。また、弔電を打つことも一つの選択肢です。
お供え物を送る場合も、高価すぎる品物はかえってご遺族に気を遣わせてしまうため、数千円程度の範囲で選ぶと安心です。
ただし、ご遺族がお供え物や弔電を含めてすべて辞退されている場合もあるため、事前に確認してから手配するようにしてください。ご遺族の意向を最優先とし、負担を増やさないよう配慮することが大切です。
香典のチェックリスト(当日直前の最終確認)
お通夜や葬儀をはじめ、一周忌などの法要に臨む前には、香典の準備や持ち物、そして当日の振る舞いをあらためて確認しておくと安心です。
香典の最終確認
- 金額とお札の向きを最終確認
- 中袋の金額/住所・氏名の誤記チェック
- 外袋と中袋の表裏の向き
- ふくさ・数珠・ハンカチの持参
- 受付での渡し方のイメージトレーニング(ふくさから出す際は表を相手向きに)
正しい作法を理解し、心を込めて香典の準備を行いましょう
この記事のまとめ
- 香典に使うお札は、新札を避けるのが一般的
- 新札しか手元にない場合には軽く折り目を付けておくこともある
- 香典の相場は、お通夜や葬儀、一周忌法要など参列する式に加えて、故人との関係や自身の年齢・立場によって異なる
- いずれの式においても、故人との関係が深く、年齢・立場が上がるほど香典相場も高くなる傾向がある
- 香典の中袋に入れるお札の向きは、肖像画が袋の裏側、また袋の下側に向くように揃えて入れるのが一般的
- 中袋の表面には金額を、裏面には住所・氏名を記入する
- 一方、中袋がない場合には、香典袋の裏面下部に住所・氏名を記す
- 香典袋を持参する際には、中袋にのり付けはしない
- 香典を郵送するときには封をのり付けし、弔意の添え書きを同封
- 香典をふくさで包む際には、左開きとなるようにするのが一般的
法要当日、受付で香典を渡すときは、畳んだふくさを左に置き、相手から表書きが正しく読めるように向きを整え、両手で渡します。香典の準備には一定の作法がありますが、親族間や地域の慣習によって異なる場合もあります。そのため、故人やご遺族の意向を尊重しながら準備を進めることが大切です。お札の向きや入れ方、中袋の書き方、ふくさの包み方などを意識して香典袋を丁寧に整えることで、弔意がより伝わります。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。