【法事マナー】真言宗のお経の種類や意味は?葬儀の特徴や流れ、法事のマナーまで解説
真言宗の葬儀に参列する際、お経や作法が分からず不安な方もいるでしょう。般若心経や理趣経などのお経の種類や意味、灌頂や土砂加持といった儀式、焼香3回などの作法、香典の表書きまで、真言宗の葬儀・法事の作法を網羅的に解説します。
真言宗とは
真言宗(しんごんしゅう)とは、平安時代の初期に弘法大師(空海)によって開かれた日本仏教の代表的な宗派です。空海は中国の唐へ渡り、恵果和尚から密教の真髄を学びました。帰国後に和歌山県の高野山を拠点として布教を行い、以来、全国に多くの寺院や信者を持つ宗派へと発展しました。
教義の柱である密教は、大日如来を宇宙の中心とする神秘的な教えです。また、真言宗では観音菩薩をはじめとする多くの仏様が信仰の対象となっており、葬儀や法事においても、これらの仏様と縁を結ぶための特別な儀式が行われます。まずは、真言宗の教えの特徴や、多岐にわたる代表的な分派について解説します。
真言宗の特徴や教え
真言宗では「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という考え方があります。これは生きている間であっても仏と同じように行動し、修行を積むことで悟りを開いて仏になれるという考え方です。極楽浄土で仏になるという他の宗派とは考え方が異なります。
また、真言宗は誰にでも教えを説くわけではなく、入信した信者のみに教えが説かれる密教です。真言宗の経典は、般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)や大日経(だいにちきょう)、金剛頂経(こんごうちょうぎょう)などが挙げられます。
三帰の意味と内容
三帰(さんき)とは、仏教徒として歩む上で最も基本となる三つの宝に帰依することを誓う作法です。三つの宝とは、真理を悟った「仏」、仏が説いた教えである「法」、そしてその教えを正しく守り伝える僧侶の集まりである「僧」を指します。
これら「仏・法・僧」を敬い、自らのよりどころとすることを宣言する儀式は、仏教徒となるための大切なステップの一つです。三帰を唱えることは、故人が仏の教えに帰依し、清らかな心で旅立つための準備を整える意味合いがあります。ご遺族や参列者にとっても、仏教の根本的な精神に触れる重要な場面となります。
三竟(さんきょう)との関係
三帰と対になる三竟(さんきょう)は、仏・法・僧の三宝への帰依をより確かなものとし、その誓いを最後まで全うすることを意味します。三帰が仏教徒としての歩みを始める決意であるのに対し、三竟はその決意を生涯、あるいは未来永劫にわたって持ち続けるという強い意志の表れです。
真言宗の葬儀においては、故人が仏の弟子として歩み出す際に、この三帰と三竟をあわせて唱えることが一般的です。これにより、故人は一時的な救いを得るだけでなく、永遠に仏の教えの中に身を置くことが約束されます。迷いから脱し、大日如来が治める密厳浄土へと揺るぎない足取りで向かうための、非常に重要な誓いの儀式といえます。
真言宗の代表的な宗派
真言宗には、大きく分けて「古義(こぎ)真言宗」と「新義(しんぎ)真言宗」という二つの流れがあり、全部で18の主要な宗派が存在します。これらは、平安時代に空海が伝えた当時の教えをそのまま守り続けるのか、あるいは時代に合わせて教義を解釈し直すのかという考え方の違いによって分かれました。
古義真言宗は、空海が開いた初期の教えを忠実に継承しているのが特徴です。その筆頭とされるのが、和歌山県にある世界遺産としても有名な高野山の金剛峯寺を総本山とする高野山真言宗です。そのほか、京都の仁和寺を本山とする御室派や、空海の誕生地である香川県の善通寺を本山とする善通寺派などがここに含まれます。
対して新義真言宗は、鎌倉時代の僧侶である覚鑁(かくばん)を派祖としています。教義をより深く論理的に深めた新しい流派で、成田山新勝寺などが属する智山派や、総持寺を本山とする豊山派が代表的です。
同じ真言宗であっても、所属する宗派によって葬儀の細かな作法や読まれるお経の構成が異なる場合があります。そのため、法事などを執り行う際は、まずはご自身の家がどの派に属しているのか、菩提寺の情報を事前に確認しておくと安心です。
密教
真言宗は「密教」であることが最大の特徴です。密教とは、言葉では表現しきれない仏の深い悟りを、師から弟子へと直接受け継いでいく教えを指します。誰にでも開かれた一般的な教えである「顕教」に対し、修行を通じてのみ体得できる神秘的な側面が強いため、密教と呼ばれます。
この教えの中心には、宇宙そのものである大日如来が据えられており、私たちは修行を通じてこの大日如来と一体になることを目指します。葬儀においても、僧侶が特別な印を結んだり真言を唱えたりするのは、故人が仏と縁を結び、悟りの境地へと導かれるために不可欠な儀式であると考えられているためです。
真言宗の葬儀で唱えるお経の種類
真言宗の葬儀では、教義に基づいたさまざまなお経が唱えられます。一般の方には馴染みが薄いかもしれませんが、それぞれに故人を供養し、仏の世界へと導くための深い意味が込められています。
代表的な般若心経のほか、密教において重要視される理趣経など、読まれるお経の種類は多岐にわたります。また、所属する宗派や地域の慣習によって、構成や選ばれる経典が異なることも珍しくありません。ここからは、真言宗の葬儀や法要で実際にどのようなお経が読まれているのか、その具体的な種類とそれぞれの役割について詳しく解説します。
般若心経(はんにゃしんきょう)
般若心経(はんにゃしんきょう)は真言宗だけでなく浄土宗や曹洞宗など、さまざまな宗派で唱えられているお経です。仏教における代表的なお経のため、ご存知の方も多いでしょう。
般若心経は般若経典と呼ばれる経典の神髄を300字程度で表したもので、彼岸に辿り着くための教えが説かれています。仏教において、現在私たちが存在している世界は此岸と呼ばれていますが、彼岸に辿り着くことで苦しみのない世界で安らかな気持ちでいられると示されています。
理趣経(りしゅきょう)
理趣経(りしゅきょう)は、真言宗でよく唱えられるお経の一つです。般若心経と同じく般若経典がもとになったお経で、声に出して読むことでご利益があるといわれています。
理趣経は他のお経とは異なり、煩悩を否定していないことが特徴です。煩悩を持つ人間が穢れていると考えるのではなく、欲望を抱いていたとしても道を違えることなく歩むことが大切であると説かれています。
大日経と金剛頂経
大日経と金剛頂経は、真言宗において最も重要な経典とされており、あわせて「両部大経」と呼ばれます。
大日経は、宇宙の慈悲や智慧がどのように現世に現れるかを説いており、胎蔵界曼荼羅の根拠となる教えです。一方の金剛頂経は、悟りを開くための実践的な修行法を体系化したもので、金剛界曼荼羅の背景となっています。
真言宗の葬儀や法要で唱えられるお経の多くは、これら二つの経典の教えが根底にあります。故人が仏の智慧を授かり、迷いなく密厳浄土へと導かれるための重要な指針として、大切に受け継がれてきました。これより、真言宗の歴史を語る上で欠かせない空海と最澄にまつわる逸話についても触れていきます。
最澄と空海の逸話
真言宗の開祖である空海と、天台宗の開祖である最澄は、共に遣唐使として中国へ渡った密教の先駆者です。帰国後、最澄は年下の空海に弟子入りし、経典を借り受けるなど交流を深めました。
しかし、空海が理趣経の拝借を断ったことや、最澄の愛弟子が空海のもとへ移ったことをきっかけに、二人の道は分かれることになります。空海は修行を通じた体得を重視し、最澄は書物による理解を目指したという信念の違いが、この決別を生んだといわれています。
この対照的な二人の歩みは、日本の仏教界に大きな影響を与えました。葬儀で唱えられるお経の背景には、こうした歴史的な絆や情熱が深く刻まれています。
遺教経(ゆいきょうぎょう)
遺教経(ゆいきょうぎょう)は、正式名称を「仏垂般涅槃略説教誡教(ぶっしはつねはんりゃくせっきょうかいきょう)」といい、曹洞宗をはじめとした禅宗で唱えられています。
遺教経は仏様が最後に残した説法といわれており、般若心経の10倍のボリュームがあります。8種の訓戒を守ることで悟りを開けるという「八大人覚(はちだいにんかく)」の考え方を持つお経です。
法華経(ほけきょう)
法華経(ほけきょう)は、日蓮宗と天台宗でおもに唱えられるお経です。正式名称は「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」で、仏様が晩年に弟子たちに説いた教えといわれています。
法華経は28章にも及ぶ壮大なお経ですが、葬儀では主要な部分だけが唱えられます。法華経は参列者も僧侶と一緒に読経するため、唱え方を予習しておくとよいでしょう。
十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)
真言宗の中でも、宗派によって唱えられることがあるのが十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)です。十三仏真言は、極楽浄土に導く十三の仏様の真実の言葉を唱えるお経です。十三仏真言は他のお経と比べて短いため、比較的覚えやすいでしょう。
なお、十三仏とは釈迦如来・不動明王・文殊菩薩・弥勒菩薩などの仏様を指します。それぞれの仏様の真言を唱えることで、追善供養ができると考えられています。
光明真言(こうみょうしんごん)
光明真言(こうみょうしんごん)は、大日如来の真実の言葉を説いた真言宗の代表的な真言です。 「おん」から始まり「うん」で終わる23の梵字(サンスクリット語)で構成されています。すべての人を仏の光で照らし、生前の罪や穢れを取り除く功徳があるとされています。
そのため、葬儀や四十九日、一周忌などの法要において読誦され、参列者全員で繰り返し唱えることも少なくありません。他のお経と比べて短い内容であるため、比較的覚えやすいのが特徴です。
真言宗の葬儀や法要を行う意味
真言宗の葬儀や法要には、他の宗派にはない特有の目的が込められています。お経を唱える儀式にも、故人がよりよい世界へ旅立つための大切な意味があります。ここでは、真言宗においてなぜ葬儀や法要を行うのか、その背景にある考え方について解説します。
故人を密厳浄土(大日如来の世界)へ導くため
真言宗における葬儀の目的は、故人を「密厳浄土(みつごんじょうど)」へと送り届けることです。
密厳浄土とは、真言宗の教主である大日如来が存在する仏の国のことを指します。多くの宗派では浄土が現世とは切り離された別の世界にあると説きますが、真言宗では私たちが生きているこの世界そのものが密厳浄土であると考えます。
故人が生前に抱えた迷いや煩悩を清め、仏の加護を得られるように祈るために、僧侶はお経を唱えながら儀式を執り行うのです。
真言宗の葬儀の特徴
真言宗の葬儀にはどのような特徴があるのか気になる方も多いでしょう。ここからは真言宗ならではの儀式について解説します。
枕経(まくらぎょう)
枕経(まくらぎょう)とは、故人が亡くなった直後に枕元で唱えられるお経のことです。かつて自宅で最期を迎えることが一般的だった時代では、亡くなる直前からお経を唱え始めることもありました。現代では、病院で亡くなることが多いため、遺体を自宅などに安置してから枕経が行われるのが一般的です。枕経をあげるタイミングは、亡くなった後すぐ、あるいは通夜の前など、地域や状況によって異なります。
真言宗の枕経では、般若理趣経や慈救呪(じくじゅ)が読まれることが多いです。ただし、真言宗の宗派によっては枕経を省略する場合もあります。
灌頂(かんじょう)
灌頂(かんじょう)とは、真言宗を含む密教系特有の儀式です。これは、修行者が仏の位に達したことを証明するために行われます。
灌頂にはいくつか種類があり、それぞれ意味が異なります。たとえば、結縁灌頂(けちえんかんじょう)は仏様と縁を結ぶための儀式で、受明灌頂(じゅみょうかんじょう)は密教の神髄を学ぼうとする弟子に行われる儀式です。
土砂加持(どしゃかじ)
土砂加持(どしゃかじ)とは、密教修行の一種で祈祷した土砂を故人に振りかける儀式です。土砂をかけることで生前に行った罪を消滅させ、成仏させることを意味します。儀式で使用する土砂は、光明真言で清められていることも特徴です。
土砂加持は納棺時に行われるのが一般的で、お墓や卒塔婆に振りかけることもあります。
真言宗の葬儀の流れ
これから葬儀に参加する方は、儀式がどのような順番で進むのか気になる方も多いでしょう。ここからは、真言宗における葬儀の流れを解説します。
僧侶の入堂
葬儀会場に到着したら、スタッフの指示に従いながら着席してください。時間になると司会者から開式の言葉が告げられ、僧侶が入堂します。僧侶が入堂する際には静粛にして、姿勢を正した状態でお迎えするようにしましょう。
準備
僧侶が入堂した後は、塗香(ずこう)・三密観(さんみつかん)・護身法(ごしんほう)・加持香水(かじこうずい)と呼ばれる儀式が行われます。準備のようなもので、故人を清める意味を持っています。故人の身体に香を塗ったり印を結んだりすることで、穢れを取り除き心と体を整えていきます。
三礼・表白・神分
次に、三礼(さんらい)・表白(ひょうびゃく)・神分(じんぶん)と呼ばれる儀式が行われます。三礼は仏法僧の三宝に帰依し礼拝する儀式です。表白は法会の趣旨を本尊に伝える儀式であり、神分は仏教の守護神を招き功徳を分かち与える儀式です。
声明
声明(しょうみょう)とは、お経に節をつけた仏教音楽です。僧侶が声明を唱えて、仏教を賛美します。
授戒作法
授戒作法は、故人が仏の弟子として浄土に旅立つための儀式とされています。この儀式では、僧侶が剃刀を髪に当てる作法を行い、実際に髪を剃り落とすことはありません。お経を唱えながら一連の作法を終えた後、浄土真宗では法名、臨済宗・曹洞宗では戒名が授けられます。
引導の儀式
破地獄(はじごく)の儀式は、故人が地獄に落ちるのを防ぐために真言を与える儀式です。この儀式を終えることで、即身成仏されると考えられています。ただし、近年では真言宗の葬儀であっても、破地獄の儀式が省略されることも珍しくありません。
破地獄の儀式
破地獄の儀式は、故人が地獄に落ちるのを防ぐために真言を与える儀式です。この儀式を終えることで、即身成仏されると考えられています。ただし、近年では真言宗の葬儀であっても、破地獄の儀式が省略されることも珍しくありません。
焼香(回数と作法)
焼香は、故人との関わりが深い人から順番に行うのが一般的です。自分の順番が来るまでは席で待機しましょう。
真言宗では、焼香の回数は3回とされています。真言宗において「3」は大日如来・空海・先祖を意味するともいわれています。
読経
参列者が焼香をしている間、僧侶は諷誦文(ふじゅもん)と呼ばれるお経を唱えます。諷誦文は死者の冥福を祈り、三宝への布施物や布施の趣旨などを記した文章で、主に僧侶が代わって読み上げます。
出棺
焼香が終わると、真言宗の葬儀においては、導師が導師最極秘印(どうしさいごくひいん)を結びます。これは諸菩薩をおかえりいただき、故人を都率浄土へ送るための儀式とされています。また、指を3回鳴らして魂を抜く撥遣(はっけん)が行われることもあります。最後に棺の上に花を添えたら出棺の合図となることがあります。出棺は故人の顔を見られる最後のタイミングのため、心残りのないように別れの言葉を伝えましょう。
真言宗の法事のマナー
最後に、真言宗の法事に関するマナーを解説します。他の宗派と共通する点もありますが、あらためて確認をしておきましょう。
数珠の種類や使い方
真言宗の葬儀では、振分数珠と呼ばれる種類の数珠を使用します。これは108の主玉が連なった長い数珠になっています。その他にも、片手数珠と呼ばれる略式の数珠を使用しても問題ありません。
数珠は両手の中指に真っすぐかけ、手を合わせて合掌します。房は右手と左手それぞれの甲に垂らしましょう。手を合わせていない時は、数珠が垂れないよう左手に二重にかけ、房をしっかりと握るように持ちましょう。
香典のマナー
真言宗の香典は、表書きに「御霊前」もしくは「御香典」と書くのが一般的です。香典の相場は、他の宗派と大きな違いはありません。血縁関係のない友人や会社関係者であれば3千円~1万円、血縁関係があれば3万円~10万円となります。
故人との関係や自身の年齢によっても金額は変わってくるため、あらかじめ相場を確認しておきましょう。
お墓参りのマナー
真言宗の墓参りの作法は、他の宗派と大きな違いはありません。お線香の本数は、真言宗の仏壇では3本立てるのが基本とされていますが、墓参りの場合は参拝者の人数や線香立ての大きさに合わせて調整することが推奨されます。
一般的な墓参りの作法
- 墓石に一礼して合掌する
- 柄杓を使って墓石に水をかける
- 墓前で手を合わせて冥福を祈る
お布施の相場と渡し方
葬儀や法要で僧侶にお経を唱えていただいた際は、感謝の気持ちとしてお布施をお渡しするのが一般的です。お布施には、読経料や戒名を授かったお礼のほか、僧侶の交通費であるお車代などが含まれます。お布施の金額相場は、葬儀の場合で20万円〜50万円程度、法要の場合は3万円〜5万円程度が目安とされています。ただし、お寺との関係や戒名の種類によっても費用は大きく変わるため、事前に確認しておくと安心です。
お札は無地の封筒などに入れ、表書きの上部に「お布施」と記載します。お渡しする際は手渡しを避け、切手盆や袱紗(ふくさ)に乗せるのが一般的です。
真言宗のお経や法事に関するよくある質問(FAQ)
真言宗の葬儀や法事について、よく寄せられる質問をまとめました。お経の種類や儀式の意味など、参列前に解消しておきたい疑問を確認しておきましょう。
真言宗の葬儀は、他宗派に比べて密教特有の動作や独特の響きを持つ声明など、五感に訴えかける儀式が多いのが特徴です。そのため、初めて参列される方は戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、すべての作法には故人を大日如来の世界へと導くための深い意味が込められています。疑問を一つひとつ解消することで、より心穏やかに故人を送り出すことができるようになります。
Q. お通夜と告別式で読むお経の違いはありますか?
A. 真言宗のお通夜や告別式では、儀式の目的は故人を密厳浄土へ導くことであるという根本的な願いは共通しています。読経は故人の冥福を祈り、成仏へ導くために行われる中心的な儀式であり、大日如来の教えが説かれた「大日経」や「金剛頂経」などの経典が読み上げられます。真言宗には多くの派があり、地域や菩提寺の考え方によって読まれるお経はさまざまですが、理趣経はお通夜や葬儀を含むあらゆる法事で読誦される常用経典です。
Q.真言宗のお盆の過ごし方を教えてください。
A.真言宗のお盆では、ご先祖を「密厳浄土」からお迎えし、感謝を捧げます。お仏壇の前に精霊棚(盆棚)を設け、真言宗のシンボルである五色旗を飾るのが特徴です。供物には季節の野菜や果物のほか、地域によっては「お迎え団子」を供える慣習もあります。
読経の際は、大日如来を讃える「光明真言」や、故人を仏の世界へと導く「般若心経」を唱えるのが一般的です。これらのお経には生前の罪を清める功徳があるとされており、家族揃って唱えることで追善供養につながります。また、菩提寺の僧侶を招いて「棚経」をいただく際は、事前にお布施の準備や日程調整を済ませておくとスムーズです。
真言宗のお経や葬儀の流れを把握して葬儀に臨みましょう
この記事のまとめ
- 真言宗は空海によって広められた仏教の宗派
- 真言宗で唱えるお経の種類は、般若心経・理趣経・遺教経・法華経・十三仏真言など
- 真言宗では枕経・灌頂・土砂加持と呼ばれる儀式を行うのが特徴
- 焼香の回数は3回が基本。お線香も3本立てる
- 香典の表書きには「御霊前」もしくは「御香典」と書く
- お墓参りは基本的には他の宗派と変わらない
真言宗で唱えるお経にはいくつか種類がありますが、それぞれのお経に込められた意味を把握しておくことでスムーズに葬儀に臨めます。
また、真言宗の葬儀には他の宗派で見られない儀式も存在します。葬儀に対する理解を深めるためにも、お経や儀式の内容についておさえておくとよいでしょう。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。