閉じる メニュー
葬儀を知る

死化粧とは?エンゼルケア・エンバーミング・湯灌との違いや目的、手順を解説

死化粧とは?エンゼルケア・エンバーミング・湯灌との違いや目的、手順を解説

死化粧という言葉を聞いたことはあっても、詳しい内容までは知らない方も多いのではないでしょうか。死化粧の意味や目的について理解することは、大切な人との悔いのないお別れにもつながります。本記事では死化粧の流れについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

東京博善のお葬式 0120-506-044 24時間365日・通話無料 お気軽にお問い合わせください 事前相談・お急ぎの方もこちらから!

死化粧とは

死化粧とは、ご遺体の顔や手足を拭いたりしてご遺体を清めたり、顔に化粧を施して身なりを整えることです。化粧だけでなく、髪を整える・ひげを剃る・爪を切るといったことも死化粧に含まれます。また、生前の姿に近づけるために口に「含み綿」を入れるのも、死化粧で行われる方法の一つです。

死化粧の目的とは?

死化粧はご遺体を安らかに眠っているような姿に近づけ、ご遺族が心穏やかに故人をお見送りできるようにすることが目的です。闘病や治療による痛々しい姿を少しでも和らげ、ご遺族が故人と向き合って死を受け入れられるようにします。

死化粧は誰がする?

病院で亡くなった場合は看護師や、病院が提携している葬儀社が行うのが一般的ですが、中には死化粧を行わない病院もありますので事前に確認しましょう。自宅で亡くなった場合は、葬儀社へ依頼してスタッフが死化粧を施しますが、希望すればご遺族が自ら行うことも可能です。

死化粧を行うタイミングは?

死化粧を行うのは、死後の医療処置が終わった後から納棺されるまでの間です。病院で看護師が死化粧を施す場合は、医療処置や死化粧を一連の流れとして担当することがあります。納棺されると死化粧はできませんので、ご遺族が自ら死化粧を施したい場合は事前に相談しておき納棺前に終えましょう。

死化粧とエンゼルケア・エンバーミング・湯灌の違い

死化粧と似た行為に、エンゼルケア・エンバーミング・湯灌というものがあります。それぞれの意味や目的をチェックし、死化粧との違いを比較してみましょう。

エンゼルケアとは

エンゼルケアに具体的な定義はありませんが、一般的に人が亡くなった後に行われる処置全般を指します。

エンゼルケアで行われる処置

  • 医療器具を除去
  • 排泄物などの処理
  • 口腔内のケア
  • 体の清拭
  • 着替え
  • 死化粧

死化粧との違い

エンゼルケアは、死後の医療処置から死化粧を含むご遺体の処置全般のことを指し、死化粧はエンゼルケアの手順の一部になります。

エンゼルケアの目的

エンゼルケアの目的はご遺体からの感染症を防ぐために衛生的に保ち、美しく整えることで、ご遺族が故人と向き合えるようにすることも含まれます。

エンバーミングとは

エンバーミングとは日本語で「遺体衛生保全」とも呼ばれ、死後に消毒や防腐などの処理を施してご遺体を長期保存できるようにする処置のことです。エンバーミングはエンバーマーと呼ばれる有資格の専門家で、処置をする際は専門施設にご遺体を預けることになります。

エンバーミングで行われる処置

  • 消毒・殺菌
  • 腐敗防止
  • 修復
  • 死化粧

死化粧との違い

エンバーミングの一連の流れの中で死化粧が施されることがあります。エンバーミングが専門家による保存のための処置であるのに対し、死化粧は看護師・葬儀社・ご遺族によって故人を美しく整えるために行う行為です。

エンバーミングの目的

エンバーミングは、ご遺体を遠方に運ぶときや葬儀まで日数がかかるときなどに、ご遺体を長期間衛生的に保存することを目的に施されます。ご遺体の腐敗を遅らせることで、葬儀までに時間がかかるときでもゆっくりとお別れできるようになり、消毒や殺菌によって感染症を防ぐことにつながるでしょう。

また、病気や事故によりご遺体の状態がよくない場合、損傷した部分を修復するためにエンバーミングが行われます。

湯灌とは

湯灌(ゆかん)とは、ご遺体を洗い清めることです。湯灌はかつて、ご遺族によって行われてきました。しかし、精神的な負担が大きいため、専門スタッフへ依頼するのが一般的です。

湯灌で行われる処置

  • ご遺体のマッサージ
  • 浴槽での髪や身体の洗浄
  • 着替え
  • 死化粧

死化粧との違い

死化粧と湯灌は、ご遺体をきれいにするという点で似ています。ただし、湯灌で行うのは入浴であり、死化粧の処置に入浴は含まれていません。

湯灌の目的

湯灌には、ご遺体を清めて来世へ安らかに旅立つ準備をする目的と、納棺前にご遺体を清潔に保つ衛生面の目的があります。死後のエンゼルケアでもご遺体をきれいにできるため、湯灌は葬儀前に必須の処置というわけではありません。

しかし、「現世での苦しみを洗い流して旅立って欲しい」と願うご遺族にとっては大切な儀式だといえるでしょう。

死化粧を施す手順

死化粧はご遺体への化粧・ひげ剃り・爪切りなどの身なりを整える行為のみを指しますが、納棺までの処置の一環として行われることがあります。ここからは、故人の臨終が確認された後から死化粧を施すまでを一連の流れとしてチェックしてみましょう。

①医療従事者が医療器具を取り外す

故人の臨終が確認されると、看護師または医師が医療器具を取り外し、治療の傷があれば手当を施します。故人が装着していたペースメーカーを外す場合は、このタイミングで外します。

②排泄物などを処理する

続いて、口からの吸引や腹部の圧迫などを行い、ご遺体に残っている排泄物などを除去します。胃のなかに食べ物が残っていたり排泄物が残っていると、腐敗や感染症のリスクがあるためです。

③口内をきれいにする

その後に行われるのが口内ケアです。消毒液を染み込ませたガーゼなどを使い、口の中を拭き取って口内の臭気を防ぎます。

④身体を拭く

体内のケアが終わった後は、ご遺体の全身を拭いて清める清拭(せいしき)を行います。病院では基本的に清拭を行いますが、ご遺族が希望すれば湯灌まで対応してくれる場合もあります。

⑤着せ替える

ご遺体のケアが完了すると、死装束への着替えを行います。病院では浴衣が用意されていることが多いため、ご遺族や生前の故人の希望で着せたい服がある場合は用意して持っていきましょう。ご遺体を着替えさせるのが困難な場合は、看護師や斎場のスタッフへお願いします。

⑥整髪・死化粧を施す

最後に髪を整えて死化粧を施します。顔色が悪くなっている場合は、ファンデーションやチークなどで顔色を整え、口紅を使用すると血色感が出てきます。死化粧の仕方に決まりはなく、生前の故人が華やかなメイクをお好みでしたら濃い色使いでも問題ないでしょう。ただし、生前よりも派手すぎると、参列者が違和感を覚えることがあります。生前の写真などを見ながら、本人らしさを心がけましょう。

お化粧が終わったら、ご遺体の手を組み、顔に白い布をかけて体を布で覆えば死化粧の手順は終了です。ご遺体の搬送中に腕が動かないように合掌バンドを使用することもありますが、長時間の使用で痕が残るため、安置後は合掌バンドをすぐに外します。

死化粧を依頼する場合の料金相場

故人の死化粧を依頼する場合、依頼先や契約に含まれる内容によって料金が変わります。料金の目安は以下の通りです。病院に死化粧のみを依頼すると費用を抑えられますが、葬儀社に依頼する場合は依頼する項目が多くなるほど高額になります。

死化粧の料金の目安

  • 【病院へ依頼】死化粧のみの場合は3千円〜、医療処置から死化粧までの場合は2万円〜
  • 【葬儀社へ依頼】着替えと死化粧の場合は5万円〜、着替え・死化粧・湯灌の場合は8〜10万円

死化粧を施す際の注意点

最後に、ご遺体に死化粧を施すときの注意点について解説します。

医療的処置は医療機関にまかせる

死後から死化粧前の医療的処置は、医療スタッフにお願いしましょう。医療器具の取り外しや胃の内容物・排泄物の除去といった処置は、医師や看護師でなければ困難です。自宅で亡くなった場合でも、死後の医療的処置は専門家にまかせましょう。

遺体にペースメーカーが入っている場合は必ず医師に相談する

生前に故人がペースメーカーを使っていた場合、火葬前に取り外す必要があります。ペースメーカーを外さずに火葬すると、火葬中に爆発する危険性があるためです。医療処置が施される前に、医師へペースメーカーが入っている旨を必ず伝えましょう。取り外すことが出来なかった場合は、ペースメーカーが装着されていることを火葬場や葬儀社のスタッフに伝えてください。

事前に希望を伝える

死化粧の手順の中には、ご遺族が対応できる部分があります。全ての手順を専門家が行う場合もありますが、納棺前に最後のお世話をしたいと考えることもあるでしょう。その場合は、事前の希望を葬儀社や医療従事者へ相談しておくと、流れがスムーズになります。

伝えるタイミングとしては、死化粧を施す前の、葬儀の内容・料金を打ち合わせするときや死後に医療処置を施す前など、早めの段階がよいでしょう。その他不安なことや気になることがあれば、たとえ些細なことでも事前に相談しておくと安心です。

死化粧の料金を確認しておく

死化粧が料金プランに含まれるか、別途料金が必要になるかは契約内容によってさまざまで、料金も依頼先によって変わります。事前に死化粧の料金やどこまで対応してもらえるのかを確認し、トラブルを避けましょう。

ご遺体を死化粧で整えて安らかにお別れしましょう

この記事のまとめ

  • 死化粧とはご遺体の身なりを整える行為で、ご遺族が故人と向き合ってお別れするために行われる
  • 臨終後から死化粧までの手順は①医療従事者が医療器具を取り外す②排泄物などを処理する③口内をきれいにする④体を身体を拭く⑤着せ替える⑥整髪・死化粧を施す
  • 死化粧の料金は、依頼先や契約内容によって異なる
  • 臨終確認後から死化粧までの一連の手順には、ご遺族が対応できるものと専門機関の処置が必要なものがある
  • ご遺族が死化粧を施したいなどの希望があれば、事前に葬儀社や医療従事者へ相談しておく

死化粧は、故人とご遺族の安らかな別れの場を作り、ご遺族の心を癒やすための大切な過程です。突然の旅立ちとなった場合でも悔いが残らない最後にするために、死化粧に関する知識や大まかな流れを押さえておきましょう。 

SHARE この記事をSNSでシェアする