弔問とは？流れや服装マナー、持ち物などの基本を紹介

「弔問（ちょうもん）」とは、訃報を受けご遺族へお悔やみを伝えに行くことです。弔問に伺う際には、服装やマナーをわきまえる必要があります。本記事では、弔問ごとの服装や持ち物について詳しく解説します。また弔問の際のマナーや注意点についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

弔問とは

「弔問」とは、近しい方の訃報を受けた際、ご遺族にお悔やみを伝えに伺うことです。ここからは、弔問に伺うタイミングについて解説します。

お通夜・葬儀・告別式

弔問とは、お通夜や葬儀、告別式に参列するのが一般的です。訃報を受けた際に、通夜や葬儀の日取りや場所、喪主のお名前などを確認します。どうしても外せない用事などがない限り、弔問はお通夜や葬儀に参列するのが一般的です。

しかし近年では家族葬なども増えており、ご遺族がお通夜や葬儀の参列をお断りしている場合もあります。訃報を受けた際に弔問に伺いたい旨を伝え、ご遺族の意向を確認することをおすすめします。

また、ご遺族から連絡がない場合も、弔問は控えるようにしましょう。無理に弔問することは避け、ご遺族の意向に従うのがマナーです。

お通夜の前

弔問とはお通夜や葬儀に参列することを指すことが多く、一般的にお通夜の前に弔問することはほとんどありません。ご遺族は準備などで慌ただしくしているため、お通夜前の弔問は避けるようにしましょう。しかしご遺族や親族など故人と近しい場合は、お通夜の前に弔問に伺い、準備の手伝いをする場合があります。

手伝いで弔問する場合も、ご遺族の意向を大切にすることが大切なため、いきなり弔問せず事前に確認することをおすすめします。また準備で忙しくしているときの連絡は迷惑をかけてしまうため、訃報を受けた際に確認するとよいでしょう。

葬儀の後

用事や体調不良などで都合がつかず、お通夜や葬儀に参列できない場合は、葬儀後自宅に弔問することもあるでしょう。ただし葬儀の直後は、後片付けなどでご遺族はまだ忙しくしていますから、ご遺族が落ち着いた頃を見計らっての弔問をおすすめします。

しかし弔問は四十九日までが一般的なため、あまり遅くなりすぎてしまうのも失礼になってしまうでしょう。またいきなり弔問するのも、迷惑になります。葬儀が終わったあと数日経ってから、弔問に伺ってもよいかを電話で連絡するようにします。

四十九日を過ぎてから、訃報を耳にすることもあるでしょう。その際は、四十九日を過ぎてからの弔問も失礼にはあたりません。最近になって訃報を知ったことを伝えてから、弔問に伺いたい旨を伝えましょう。

弔問の流れとは

弔問は、伺うタイミングによって流れが変わってきます。ここでは、弔問の流れについて解説します。弔問した際に戸惑うことのないよう、流れを把握しておきましょう。

お通夜

お通夜に弔問する際には、訃報を受けたときにご遺族にその旨を伝えましょう。訃報を受けたときに伝えておけば、その後の弔問の連絡は不要です。一般参加者の場合、お通夜の会場には、お通夜の開始時刻の15～30分前に到着するようにしましょう。

お通夜に弔問する際の流れ

1. 訃報を受けた際に、お通夜の日時を確認し弔問することを伝える
2. 受付で香典を渡し、芳名帳に記帳する
3. ご遺族に挨拶し、お悔やみの言葉を伝える
4. 通夜式が開始され、僧侶が読経を行う
5. 喪主やご遺族のあと、列に並び焼香する
6. 焼香をすませたら、速やかに引き上げる

葬儀・告別式

一般的に葬儀や告別式には、ご遺族や親族など故人に近しい人が出席します。葬儀の弔問は、故人との関係が重要になるため、ご遺族から直接話などがない限り、お通夜に弔問するのがマナーです。

葬儀・告別式に弔問する際の流れ

1. 訃報を受けた際に、葬儀の日時を確認し弔問したい旨を伝える
2. 受付で香典を渡し、芳名帳に記帳する
3. 式場の案内係に従い着席し、葬儀・告別式に参列する
4. 火葬場へは、手伝いが必要な場合やご遺族の許可があったときのみ同行する
5. 招かれたら「精進落とし」に出席する
6. 長居はせず、速やかに引き上げる

お通夜の前

先述しましたが、お通夜前の弔問は控えるのが一般的です。ご遺族の許可を得たら、速やかに訪問するようにしましょう。またご焼香や故人との対面も、ご遺族に勧められた場合のみです。自分から申し出るのはマナー違反となるため、注意してください。

お通夜前に弔問する際の流れ

1. 訃報を受けた際に、ご遺族に弔問したい旨を伝える
2. ご遺族の許可を頂いた場合のみ弔問する
3. ご焼香は、ご遺族に勧められた場合のみ
4. 故人との対面を勧められた場合は、故人の枕元に正座をし両手をついて一礼する
5. ご遺族が白布を外したら、故人に一礼し合掌する
6. お手伝いがない場合は、長居せず速やかに引き上げる

葬儀の後

葬儀後に弔問する際は、ご遺族に連絡をしてから伺います。また葬儀後の弔問は、ご遺族に招かれた場合のみ家に入ります。弔問の流れは、ご遺族の意向に沿うように行いましょう。

葬儀後に弔問する際の流れ

1. 葬儀後、数日（3～5日ほど）経ってから、弔問したい旨を連絡する
2. ご遺族の許可を頂いた場合のみ弔問する
3. 玄関先で、ご遺族にお悔やみの言葉を伝える
4. 招かれた場合のみ家に入る
5. 仏壇の前でお線香を上げ、故人へのお悔やみを伝える
6. ご遺族に香典や供物を渡し、長居せず速やかに引き上げる

弔問にふさわしい服装・持ち物とは

弔問は、伺うタイミングによって服装が異なります。ここからは、タイミングに合わせた弔問時のふさわしい服装や持ち物について解説します。

お通夜・葬儀・告別式への参列は「喪服」

男性の場合

お通夜に弔問する際の男性の服装は、ブラックスーツの着用が一般的です。急な訃報で用意できなかった場合は、略喪服でも問題ありません。また白いワイシャツに黒いネクタイ、革靴、靴下といった具合に、小物類は黒で統一します。持ち物は黒か白のハンカチ、香典、袱紗（ふくさ）、数珠になります。

女性の場合

お通夜に弔問する際の女性の服装は、ブラックワンピース、スーツ、アンサンブルの着用が一般的です。急な訃報で用意できなかった場合は、濃紺やグレーなどの略喪服でも問題ありません。パンツスーツも問題ありませんが、スカートやワンピースよりも格が下がることは把握しておきましょう。

小物類は黒で統一し、ストッキングは薄手で黒いものを着用します。厚手のタイツなどはカジュアルな印象になるため避けましょう。アクセサリーを身に着ける場合は、派手になりすぎないパールがおすすめです。また結婚指輪は身に着けていても問題ありません。

持ち物は男性同様、黒か白のハンカチ（レースハンカチも可）、香典、袱紗、数珠になります。

子供の場合

お通夜や葬儀に子供が弔問する際には、制服の着用が一般的です。制服であれば、赤いネクタイや白い靴下なども問題ありません。制服がない場合は、濃紺やグレーなど落ち着いた色合いの服装を選びます。できるだけシンプルなデザインを選び、アクセサリーやリボンなど、装飾品は避けましょう。

お通夜の前の服装は「平服」

お通夜前に弔問する際の服装は、喪服を避けて平服を着用しましょう。お通夜前の喪服の着用は、亡くなるのを待っていたという意味合いになってしまうため避けてください。平服とは、略礼服と呼ばれる服装を指します。

男性の場合はダークカラーのスーツ、女性はダークカラーのワンピースやスーツ、お手伝いをする際には指定がない場合エプロンも持参します。お通夜前ですので、香典や供物は必要ありません。喪服同様、亡くなるのを予期していたという意味合いになってしまいます。

葬儀の後は「平服」

葬儀後の弔問の服装は、平服です。喪服ではなく、濃紺やグレーなど落ち着いた色合いの服装を選びます。自宅に弔問する際の持ち物は、故人にお供えする供物を用意しましょう。葬儀後の弔問の供物は、招いてくれたご遺族への手土産としての役割も果たします。

ただし殺生をイメージさせるもの（肉や魚など）や、賞味期限の短いものは避けるのがマナーです。また贈答用の線香やお花も、供物としておすすめです。お通夜や葬儀に参列できなかった場合の弔問は、香典も持参しましょう。

弔問の注意点とは

訃報を受け弔問に伺う際には、いくつかのマナーや注意点があります。ご遺族に不快な思いをさせないよう、弔問時には注意点についても把握しておきましょう。

遺族の気持ちを優先する

弔問の際はどのタイミングであっても、ご遺族の気持ちを優先します。弔問したい気持ちがあっても、ご遺族の気持ちや状況を最優先に考え、無理に弔問することは避けましょう。香典や供物を断られた場合も、無理に持って行くことはしないようにします。

弔問の可否を確認する

弔問する際には、必ずご遺族が弔問を望んでいるかどうか確認しましょう。先述しましたが、家族葬などで弔問をお断りしている場合も少なくありません。ご遺族が伝え忘れることもあるため、必ず弔問の可否を尋ねましょう。

「重ね言葉・忌み言葉」を使わない

弔問の際の注意点に、「度々・重ね重ね」といった重ね言葉や、「死ぬ・消える・生きている頃」といった忌み言葉を使わないというものがあります。いずれも死を連想させるため、お悔やみの言葉を伝える際は注意しましょう。また「元気を出して・頑張って」などの励ましの言葉も、ご遺族の負担になるため避けましょう。

▶告別式・お通夜との違いについてはこちら

弔問は遺族を優先し負担にならないようにしましょう

この記事のまとめ

• 弔問とは、訃報を受けた際ご遺族にお悔やみを伝えに伺うこと
• 弔問には、お通夜前、お通夜、葬儀、葬儀後などのタイミングがある
• スムーズに進むよう、弔問の流れを把握しておく
• 服装や持ち物は、弔問のタイミングによって異なる
• 弔問の可否の確認や、重ね言葉、忌み言葉などの注意点も留意する
• 弔問に伺う際は、ご遺族の意向を最優先する

訃報を受け弔問に伺う際には、いくつかのタイミングがあります。弔問には自身の都合もありますが、ご遺族の意向を優先することが必要です。ご遺族の気持ちを一番に考え、マナーをわきまえて弔問に伺いましょう。

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