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葬儀を知る

喪主の"やることリスト"をご紹介。葬儀の準備から終了までの対応をまとめて解説

喪主の"やることリスト"をご紹介。葬儀の準備から終了までの対応をまとめて解説

喪主は遺族の代表者として、お通夜や葬儀に関わる準備や手配を行います。しかし、具体的にどのようなことをするのか分からず、迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで本記事では、喪主のやることをリストにして段階別にご紹介します。

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喪主が行うべき対応の流れ

喪主が行うべき対応は、葬儀の準備、お通夜・葬儀中、葬儀後の3段階に分けられます。それぞれの段階で具体的にどのようなことをする必要があるのか、詳しく解説していきます。

葬儀の準備で喪主がやるべきこと

まずは、葬儀の準備で喪主がやることを紹介します。臨終から葬儀まではやることが多い上、短い時間での対応が求められます。いざというときに慌てないよう、前もって何をすればよいのか把握しておきましょう。

末期の水

故人が亡くなった後に最初にやることは、末期の水です。末期の水(まつごのみず)とは、「飢えや乾きに苦しまないように」との願いを込め、臨終に立ち会った家族が亡くなった人の口元に水を含ませる儀式のことです。病院で臨終を迎えた場合は、病院のスタッフが末期の水に必要なものを用意してくれるので、案内に従いましょう。

死亡診断書の受け取り

死亡診断書の受け取りも、喪主がやることの一つです。死亡診断書は故人が亡くなった後に医師から渡されるので、家族を代表して大切に保管しておきましょう。死亡診断書は亡くなってから7日以内に役所に提出する必要があるので、忘れないよう注意しましょう。

死亡診断書の提出は、家族や代理人に任せることもできます。喪主は他にやることがたくさんあるため、他の人に提出をお願いしてもよいでしょう。

葬儀社の決定

喪主は故人が亡くなった後すぐに、葬儀社を決める必要があります。他の家族と相談して決めることもありますが、葬儀社と連絡を取ったり最終決定をしたりするのは喪主の仕事です。どこの葬儀社に依頼するかによって費用や葬儀内容などが異なるので、しっかりと検討した上で葬儀社を決定してください。

故人が亡くなってから葬儀社を探し始めるとかなり時間が限られ、じっくり葬儀社を検討できない可能性が高いため、故人が亡くなる前から葬儀社を選定しておき、あらかじめ費用や葬儀内容などを確認しておくとスムーズです。

葬儀社を決定したら、故人が亡くなってから3時間以内を目安に葬儀社へ連絡を入れましょう。これは、ご遺体をなるべく早く病院から安置場所へ搬送する必要があるためです。

ご遺体の安置先決定

病院で臨終を迎えた場合、ご遺体をそのまま病院に安置しておくことはできないため、安置場所を決める必要があります。ご遺体の安置場所としては、葬儀社・斎場にある安置室や、自宅となります。葬儀社のスタッフが病院に到着したら、安置先を伝えてご遺体を搬送してもらいましょう。

枕経の立ち会い

安置場所にご遺体が到着したら、仏教ではお寺に連絡をして枕経(まくらきょう)をあげてもらう手続きをします。枕経とは、旅立とうとしている人を安心させるため、故人の枕元で読経を行うことです。菩提寺がある場合はそちらに連絡を入れ、枕経の依頼をしてください。枕経が行われている間、喪主は遺族の代表として立ち会いましょう。

葬儀社との打ち合わせ

続いて、葬儀社との打ち合わせを行います。他の家族が同席して打ち合わせを行うこともありますが、基本的には喪主が主体となって話を進めていきます。葬儀社との打ち合わせでは、お通夜と葬儀の形式や日程、葬儀会場の希望などを聞かれます。特に、葬儀の規模について悩む方が多いため、事前に参列者の人数を想定して見積りを立てておくと安心です。

葬儀社との打ち合わせで決めること

  • 葬儀の形式
  • 葬儀の日程
  • お通夜・葬儀の規模
  • 会食の有無
  • 希望する葬儀会場

訃報の連絡

葬儀社との打ち合わせでお通夜・葬儀の日程が決まったら、訃報の連絡を行います。参列者が多く喪主一人で参列者全員に連絡をするのが難しい場合は、家族と分担して連絡を行っても問題ありません。複数人で分担する際は同じ人に何度も訃報連絡をしてしまわないよう、役割分担をしておくとスムーズです。また、訃報の連絡をする際は以下の流れを踏まえると、必要な情報を漏らさず伝えられます。

訃報連絡の内容

  1. 「◯◯(故人)の息子の◯◯(名前)です」と、自分が何者なのか名乗ります。
  2. 「父の◯◯が◯月◯日に亡くなりました」と、亡くなった日時を伝えます。
  3. 「お通夜は◯月◯日の◯時から、葬儀は◯月◯日の◯時から、◯◯斎場で行います」と、今後の流れを伝えます。

遺影の準備

訃報の連絡が終わったら、お通夜や葬儀などで使用する遺影を選びます。お通夜が開始する数時間前には、遺影を準備して葬儀社のスタッフに渡しておきましょう。現在は加工技術の向上に伴い、日常の写真を遺影用に修正できるようになっています。遺影をあらかじめ準備している場合はそちらを渡し、準備していない場合は日常の写真を使用しましょう。

香典返しや会食の手配

葬儀当日に香典返しをする場合や、お通夜後の通夜振る舞い、葬儀後の精進落としなどをする場合は、これらの手配をする必要があります。喪主が個人で手配することもありますが、やることが多いためなかなか手が回らないこともあるでしょう。その場合は、葬儀社から選択肢を提示してもらい、その中から予算に合わせて選びます。

お布施の準備

お通夜や葬儀を行う場合、僧侶へのお布施も必要です。お布施は基本的に現金で渡す必要があるため、葬儀が始まる前にまとまったお金を準備しておきましょう。お布施は水引のついた不祝儀袋ではなく、奉書紙か白い封筒に入れて渡します。

また、お布施の相場は宗派や菩提寺によって異なるので、前もってどのくらいの金額が必要なのか確認しておくと安心です。もし目安の金額が分からない場合は、葬儀社のスタッフや親族、地域の人などに確認することをおすすめします。

お通夜・葬儀で喪主がやるべきこと

お通夜や葬儀で喪主がやるべきことは多々あります。当日はやることに追われてかなり慌ただしくなると予想されるので、流れを事前に把握しておくとよいでしょう。ここからは、お通夜や葬儀で喪主に求められる対応を紹介します。

弔電や供花の確認

お通夜が始まる前には弔電や供花が届けられます。弔電は葬儀で読み上げられるため、喪主は弔電を読む順番を決めます。供花は故人との関係が深かった人のものから順に配置するので、配置順が正しいかしっかりと確認しましょう。これらの確認作業は喪主が代表して行わなくてはいけないので、間違いがないよう注意が必要です。

司会者との打ち合わせ

次に、お通夜や葬儀の進行を担当してくれる司会者と打ち合わせを行います。ここで、どのような流れでお通夜や葬儀が進むのかしっかりと確認しておきましょう。また、先ほど決めた弔電を読む順番を司会者に伝えることを忘れないようにしてください。複数の弔電が届いている場合は、2〜3通のみを選んで読み上げるようにします。

僧侶への挨拶

お通夜や葬儀が行われる斎場に僧侶が到着したら、遺族の代表者として喪主が案内を行います。長々と挨拶をする必要はなく、「本日はよろしくお願いいたします」と簡潔に述べましょう。また、このタイミングでお布施を僧侶に渡してください。もし、葬儀前にお布施を渡す時間がなかった場合は、葬儀が終わった後でも問題ありません。葬儀後にお布施を渡す場合は、「本日はありがとうございました」と挨拶をしながら、お布施を手渡してください。

喪主挨拶

お通夜や葬儀が終わった後や、通夜振る舞い、精進落としの前後では、喪主が遺族の代表として挨拶を行います。故人の代わりに、お通夜や葬儀に参列してくれた人への感謝を込めた挨拶を行いましょう。挨拶は何も見ずに行うのが理想ですが、緊張して内容を忘れてしまうこともあるため、内容を書いた紙を見ながらでも問題ありません。

喪主挨拶は、葬儀の代表としての非常に重要な役目なので、マナーを守って挨拶を行いましょう。また、あまり長くなりすぎないよう、3分ほどを目安にして手短に話すのがおすすめです。どのように喪主挨拶をすべきか迷っている方は、以下の流れを参考にしてみてください。

喪主挨拶の流れ

  1. まず、参列者に「本日はお忙しい中、お集まり頂きありがとうございます」と感謝を伝えます。
  2. あなたと故人の関係について述べます。
  3. 「生前は、皆様からのご厚情に心から感謝いたします」など、故人の生前時のお礼を述べます。
  4. 故人の人柄が伝わるエピソードを述べます。
  5. 翌日の葬儀の時間や通夜振る舞いなど、今後の予定についての案内を行います。
  6. 「本日は誠にありがとうございました」と結びの挨拶をします。

香典の受け取り

お通夜や葬儀では、遺族に代わって受付係が参列者から香典を受け取ります。お通夜や葬儀が終わったら、受付係から香典を受け取りましょう。喪主以外に香典の受け渡しを依頼するとトラブルになる可能性があるため、必ず喪主が香典を受け取るようにしてください。

葬儀後に喪主がやるべきこと

葬儀が終わった後も、喪主がやるべきことは多々あります。故人の供養方法の決定や役所への書類の提出など、さまざまな手続きを行わなくてはいけないため、間違いや抜けがないよう注意が必要です。ここからは、葬儀後に喪主がやるべき対応について解説していきます。

火葬と収骨

葬儀が終わったら、ご遺体の火葬を行います。霊柩車にご遺体を納めた棺を乗せ、喪主と家族、関係者は火葬場へ移動します。基本的に火葬場へ向かうのは故人と関係が深い人のみであるため、ほとんどの参列者は葬儀場にて解散となります。遺族が全員火葬場に到着したら、読経の焼香で最後のお別れをします。

火葬が終わったら故人の骨を集める「収骨」を行います。喪主は一番最後に喉仏の骨を拾い、骨壷に納める役を担います。また、一般的に骨壷は喪主が管理するため、喪主がそのまま持ち帰ります。

故人の遺骨の供養

火葬が終わったら、故人の遺骨を供養します。前もって、故人をどんな方法で供養するか決めておきましょう。基本的には喪主が供養方法を決めますが、親族と相談しておいても構いません。近年はお墓に納める方法以外にも、樹木の下に遺骨を埋める「樹木葬」や、自然の中に粉末状にした遺骨を撒く「散骨」など、さまざまな弔い方があります。予算や故人の生前の希望などを考えながら、故人に合った方法で供養しましょう。

各種手続き

お通夜や葬儀などが終わった後は、役所に書類を提出したり年金受給の停止をしたりと、さまざまな手続きをしなくてはいけません。故人が亡くなってから2週間以内に行わなければいけない手続きもあるため、なるべく早めに着手することをおすすめします。もし、喪主一人で全ての手続きを行うのが厳しい場合は、他の親族と役割分担をしても問題ありません。

葬儀後に喪主がやるべき手続きの一例

  • 年金受給停止の手続き
  • 世帯主の変更届の提出
  • 介護保険資格喪失届の提出
  • 国民健康保険証の返却

四十九日法要の準備

四十九日法要とは、故人が亡くなってから49日後に行われる法要のことです。仏教において、亡くなった人は七日ごとに極楽浄土へ行けるかどうかの審判を受けることになっています。四十九日は故人への最後の審判が行われる日とされているため、葬儀後の法要の中で最も大切な法要とされています。日程や法要を行う場所の決定、食事の手配、参列者への連絡などさまざまな準備が必要なので、早めに着手しましょう。

香典返しの手配

お通夜や葬儀の当日に香典返しができなかった場合は、香典返しを準備する必要があります。香典返しを送る時期は宗教によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。

宗教・宗派別の香典返しを送る時期
香典を送る時期
仏教 故人の逝去から49日後、四十九日法要が終わった頃
神道 故人の命日から50日目に行われる「五十日祭」の後
キリスト教 カトリック 故人の命日から30日後に行われる追悼ミサの後
キリスト教 プロテスタント 故人の命日から1ヶ月後に行われる昇天記念日の後

基本的に香典返しにおいては、受け取った香典の半額を返すのがマナーだとされています。例えば、1万円の香典を受け取った場合は、5千円程度の品物を返すのが妥当とされています。ただし、故人と関係が深かった知人の中には、十万円以上になる高額な香典を渡してくれる方もいます。

この場合、受け取った香典の半額を返す「半返し」では、遺族側の経済的な負担がかなり大きくなってしまいます。そのため、高額な香典には半返しをせず、受け取った金額の4分の1程度の品物を返しても問題ありません。また、香典返しを送る際は、丁寧に感謝の気持ちを伝えましょう。

位牌や仏壇の準備

仏教の四十九日の法要には位牌が必要なので、早めに位牌の作成に取り掛かりましょう。位牌を作成する際には戒名が必要になるため、前もって僧侶に依頼しておきます。また、仏壇がない場合は、位牌と合わせて準備してください。

喪主としての立ち振る舞いやマナー

喪主はお通夜や葬儀の代表者なので、立ち振る舞いやマナーにも気をつけましょう。当日になって慌てることがないよう、前もって確認しておきましょう。

弔問は祭壇の脇で受ける

喪主は、祭壇の脇で弔問を受けるのがマナーです。葬儀中、喪主は故人に付き添う必要があるため、会社の上司など目上の人であっても、出迎えはしません。お悔やみの言葉をいただいた場合は、その場で簡潔にお礼を述べましょう。

参列者の接待はしない

喪主は、参列者へお茶を出したりお見送りをしたりなどの接待は行いません。参列者の接待は、葬儀社のスタッフか喪主以外の親族に任せるのがマナーです。

会食では末席に座る

通夜振る舞いや精進落としといった会食では、喪主は末席に座るのがマナーです。これらの会食は僧侶や参列者への謝意を示すもので、喪主はもてなす側となります。喪主や遺族は、末席に座るようにしてください。

やるべきことを把握して、喪主の役割を果たしましょう

この記事のまとめ

  • 喪主がやるべきことは、葬儀の準備、お通夜・葬儀中、葬儀後の3段階に分けられる
  • 葬儀前の準備では、葬儀社やご遺体の安置先の決定や、葬儀の準備をする必要がある
  • お通夜や葬儀では、弔電などの確認や司会者との打ち合わせ、喪主挨拶などを行う
  • 葬儀後は火葬・収骨を行い、遺骨の供養を行う
  • 年金受給停止の手続きや国民健康保険証の返却など、早急に行わなくてはいけない手続きもある
  • 四十九日法要の準備や、香典返しの手配なども並行して行う
  • 喪主は参列者の出迎えやお茶出しなどの接待はしないのがマナー
  • 通夜振る舞いや精進落としでは、もてなす側として末席に座る

喪主がやるべきことは葬儀の準備、お通夜・葬儀中、葬儀後の3段階に分けられ、かなりの仕事量をこなさなくてはいけません。いざというときに慌てないよう、しっかりと流れを確認しておきましょう。

特に、葬儀前や葬儀後は、短時間で行うべき手続きや決定すべきことが多々あるため、注意が必要です。今回紹介した喪主がやるべきことやマナーを確認して、喪主としての役割を果たしましょう。 

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