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【ひとたび編集部が選ぶエンディング映画10選 09】リメンバー・ミー〜先祖への感謝が溢れ出す作品〜

【ひとたび編集部が選ぶエンディング映画10選 09】リメンバー・ミー〜先祖への感謝が溢れ出す作品〜

自分の先祖について考えたことはありますか?先祖代々受け継がれてきた血筋が、今の自分を作っていることを思い出させてくれる映画があります。ひとたびの「編集部が選ぶエンディング映画10選」では、エンディングを題材とした映画を紹介しています。今回紹介する映画は、ピクサー映画史上最も深い家族愛を描いた作品です。美しいアニメーションと耳に残る楽曲、誰もが心打たれる感動のクライマックスを味わうことができます。

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第8回では「PLAN 75」を紹介しました。こちらもぜひ合わせてご一読ください。

第9回は2017年公開のディズニー・ピクサーの映画「リメンバー・ミー」です。ディズニープラスで配信されていますので、気になった方はぜひご鑑賞ください。(本記事公開時点)

本作は名作の多いピクサー作品の中でも、屈指の人気作です。大人気シリーズである「トイ・ストーリー」と並ぶほど人気があります。そして、家族愛や先祖への感謝などをテーマにし、全ての人が深く感銘を受ける感動作としても有名です。

特に主題歌「リメンバー・ミー」はアカデミー賞受賞曲で多くの人に愛されている名曲です。第90回アカデミー賞では本命の”グレイテスト・ショーマン”「This Is Me」をおさえて、大逆転での受賞に世界中が湧いたのも記憶に新しいですよね。アカデミー賞では他にも長編アニメ映画賞を受賞し、その年の2冠を達成しました。

リメンバー・ミーはアメリカでも2億ドルを超える大ヒットを記録し、日本でも約50億円という興行収入を記録しました。映画の舞台であるメキシコでは当時の歴代最高興行収入を記録するなど、全世界で8億ドルを越す世界的ヒット作であり、名実共にこの年を代表する一本となりました。

そんな語り継がれるべき名作を今回は紹介していきます。

あらすじ

※本記事にはネタバレ内容を含みます。あらかじめご了承の上、お読みください。

メキシコのとある街。一切の音楽を禁止する掟がある厳しい家庭で育つ12歳の少年ミゲル。音楽が禁止されているのは、かつてミゲルのひいひいお爺さんが家族よりも音楽を優先して、妻であるイメルダ達を置き去りにした出来事がきっかけです。しかしミゲルは音楽を密かに愛しており、将来は伝説のスター”デラクルス”のような存在になることに憧れていました。

先祖の魂が一年に一度帰ってくるという「死者の日」に、とある出来事で落ち込んだミゲルはデラクルスの霊廟に潜り込み、飾られていたギターを弾きました。するとそこは死者の国でした。

最初は困惑するミゲルでしたが、デラクルスの知り合いというヘクターと出会ってから物語が死者の国を中心に動き始めます。彼と一緒に行動することになったミゲルは、音楽コンテストに初めて出場し、それがきっかけで憧れのデラクルスの開催するパーティーに参加することになりました。そこで親睦を深めるミゲルとデラクルスでしたが、ミゲルはひょんなことから彼がヘクターを毒殺した過去を知ってしまいます。

事実を知られたデラクルスはミゲルとヘクターを洞窟に閉じ込めます。2人は喧嘩をしますが、そこでなんとヘクターはミゲルのひいひいお爺さんだということがわかり、2人は協力することにしました。

なんとか洞窟から逃げ出し、デラクルスに一泡吹かせることに成功したミゲルはヘクターのおかげで無事生者の世界に戻ってきました。そして、ヘクターの娘でありミゲルのひいお婆さんであるココに、ヘクターが作った曲「リメンバー・ミー」を歌うと、ココは父であるヘクターを思い出したのです。

1年後の死者の日、ミゲルの家は音楽で溢れていました。死者の世界へ渡ったココと再会を果たしたヘクターが、一家の楽しそうな生活を見守っていたのです。

みどころ

音楽の表情

先述したとおり、アカデミー賞で主題歌賞を受賞した主題歌「リメンバー・ミー」。劇中で何度も歌われる曲ですが、アップテンポやスローテンポにアレンジされ主人公ミゲルの心情によって様々な表情を見せてくれます。

そして、クライマックスの大円団は映画史に残る名シーン。そこで歌われる「リメンバー・ミー」を聴いて、涙しない人はいないのではないでしょうか。曲と映画が伝えようとしているメッセージが見事にマッチした瞬間だからこそなせるカタルシスを感じられる名シーンです。

また、本作の影の主役である音楽からは、並々ならぬ気合が感じられます。すべての音楽がメキシコ人音楽家達によって、メキシコ産の楽器を使用して、映画の舞台であるメキシコでレコーディングされました。

そしてメキシコ各地の伝統音楽を使用しており、「メキシコ出身者が聴けば故郷を思い出す」ように作ったのです。例えば、ロバの顎の骨を使った楽器”キハーダ”を使った音楽、メキシコの有名なグループ「マリンバ・ナンダヤパ」による演奏、「ソン・ハローチョ」と言われる伝統民族の音楽スタイルなどを用いており、随所にメキシコの匂いがするように、細かく演出されています。

先祖愛

家族愛を描いた作品はたくさんありますが、この作品は曽祖父母にまで感謝と愛を込めている点が珍しい作品です。「曽祖父母がいてくれたから、今の自分がいる」という、当たり前すぎて考えることがなかったことを強く実感させてくれる映画です。

また、死者の国を冒険するにあたって、ミゲルは多くの亡くなった親族とも巡り合うのです。遺影でしか見たことのなかったひいひいお婆さんや、その親族などと出会って、家族の秘密や家族のあるあるなどを語り明かし、親密になっていくのです。

鑑賞後は、多くの先祖が繋いでくれた命のリレーを、今度は自分が子孫に繋いでいきたいと心を新たにする人もいるでしょう。観終わったあと、きっとご自身の家系図を調べてみたくなるはずです。

息を呑む映像美

この作品を語る上で欠かせないのが圧倒的な「映像美」です。暗く禍々しい死者の国というイメージを一変させる狙いがあるのか、本作品では色鮮やかでキラキラ眩しく輝く世界が全面的に押し出されています。

作品のテーマとして死を扱っている以上、暗い雰囲気なのではと思われがちですが、本作はとにかく陽気で幻想的な世界観が特徴の映画です。街は色とりどりの装飾品でデコレーションされ、住宅の玄関には多くの花が飾られているなど、細かい美術にまでこだわりを感じられます。

豪華な吹替陣

ディズニー・ピクサーの吹替といったら豪華な俳優陣が思い浮かぶかもしれませんが、本作もヘクター役には藤木直人、ママ・イメルダには松雪泰子、実在した芸術家であるフリーダ・カーロ役に渡辺直美といった豪華な芸能人を起用しています。

しかし肝心の主役のミゲルには、当時無名だった石橋陽彩が起用されました。彼は本作が声優デビューであり、それまで目立った芸能活動はしていなかったため、世間からは驚きの声が聞こえました。ただ、彼の「リメンバー・ミー」の歌声は、それらの声も一蹴しました。圧倒的な歌声に誰もが聞き惚れ、吹替版をオリジナル版に引けを取らない名作に押し上げたのです。

まとめ

ここまで見どころを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。この映画を観たくなった人も多いはずです。

本作は映画としての完成度が非常に高く、全編ラテン・ミュージック一色で陽気で楽しい気持ちになります。さらに「死者の国」を舞台装置として終わらせるのではなく、家族、先祖への感謝と愛を最大限に感じられる背景にして物語に深みを与え、圧倒的な映像クオリティで単純に視覚だけでも楽しめるようにさせた監督の手腕はすごいの一言。

小さい子から年配の方まで誰もが心から楽しめて、満足できる一本です。最高の映像体験が待っていますので、是非ご鑑賞ください。きっと先祖に会ってみたくなりますよ。

作品情報

公開年

2017年

監督

リー・アンクリッチ

キャスト

アンソニー・ゴンザレス

ガエル・ガルシア・ベルナル

ベンジャミン・ブラット

アラナ・ユーバック

アルフォンソ・アラウ

リメンバー・ミー
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