親の葬儀の香典はどうする?関係性で変わる金額相場と、喪主をする場合の注意点を解説
葬儀に参列する際は香典を準備するのがマナーですが、親の葬儀でも香典を包むべきなのでしょうか。本記事では、親の葬儀の香典はどうするべきかについて詳しく解説していきます。金額相場や喪主を務める場合の注意点などもまとめていますので、参考にしてみてください。
親の葬儀では香典を包むべきか
長い人生の中では、両親の死に直面することもあるでしょう。関係性が深い身内である両親が亡くなった場合、子供は香典を包むべきなのでしょうか。
基本的に香典を包む
親が亡くなった際、基本的に子供も香典を準備することとなっています。子供が独身の場合は自身の名前で香典を包み、結婚している場合は夫婦連名で香典を包むのがマナーです。
失業中の場合や未成年は用意しなくてもよい
親の葬儀では香典を準備することが基本ですが、難しい場合は無理に香典を包む必要はないとされています。例えば、失業中や未成年などの経済的な理由で香典を出せない場合が当てはまります。
また、香典は1世帯につきひとつ出すものと決められています。そのため、亡くなった両親と同じ世帯で暮らしていた場合、葬儀の香典は準備しなくてもよいとされています。ただし、香典を準備しても問題ありません。自身の経済状況を考えながら、香典を包むか検討しましょう。
親の葬儀で包む香典の金額相場
親の葬儀で出す香典の相場は、年齢や関係性によって異なります。相場より包む金額が少なかったり多すぎたりするのはマナー違反になるため、事前に相場を確認しておきましょう。
一人で包む場合
親の葬儀で包む香典の相場は、自身の年齢によって金額が異なります。20代の場合は3万円〜10万円ほど、30代~40代の場合は5万円〜10万円ほど、50代以上の方は10万円以上を目安に包むのが一般的です。年齢を重ねるほど、葬儀で包むべき金額は高額になっていきます。
ただし、年金生活の場合、経済的に10万円以上の香典を準備するのが難しいこともあるでしょう。この場合無理に香典を包む必要はないため、自分が用意できる範囲内で香典を準備するようにしてください。
また「自分の親の葬儀だから相場よりも多めに香典を包みたい」と考える方もいらっしゃいます。しかし、相場よりも高すぎる香典を包むのは他の遺族に対して失礼にあたる可能性があります。高額になりすぎないよう配慮しましょう。
夫婦で包む場合
結婚している場合は夫婦連名で香典を出すことになります。この際の香典の金額は、1人で出す場合の1.5倍の金額を包むことが多いとされています。兄弟姉妹がいる場合は、他の兄弟姉妹と香典の金額に差がでないよう前もって相談しておくとよいでしょう。
親の葬儀で喪主を務める場合の注意点
両親が亡くなった場合、基本的に子供も香典を出すのがマナーです。しかし、葬儀の喪主を務める場合は例外です。ここからは、親の葬儀で喪主を務める際の注意点について解説します。
基本的に香典を出す必要はない
親の葬儀で喪主を務める場合、基本的に香典を出す必要はありません。喪主は弔問客への挨拶やお通夜・葬儀の日程調節、葬儀社のスタッフとの打ち合わせなど、さまざまな仕事を行います。このような役割を担う代わりに、香典は準備しなくてもよいとされることが多いです。
また、喪主は家族を代表して葬儀にかかる費用を負担することが多い立場でもあります。香典は「葬儀費用の負担を軽くするための扶助」という役割があるため、葬儀費用を支払う立場である喪主は香典を出す必要はないとされています。
喪主も香典を包む場合がある
基本的に喪主は香典を包む必要はありませんが、場合によっては香典を準備することもあります。兄弟姉妹で葬儀にかかる費用を負担すると決まった場合、喪主も他の兄弟と同じように香典を包むことが多いです。香典を出さないと他の兄弟姉妹とトラブルになる恐れもあるため、喪主は香典を出すべきなのか事前に決めておくとよいでしょう。
親の葬儀で包む香典の書き方
親の葬儀で香典を出す場合、不祝儀袋の書き方はしっかりと押さえておく必要があります。表書きや裏面などの書き方が分からないという方は、こちらを参考にしてみてください。
薄墨を使う
葬儀で準備する香典袋は、必ず薄墨を使って書くようにしましょう。薄墨には「故人を失った悲しみで文字が薄れてしまった」という意味合いがあり、弔事では薄墨を使うのがマナーです。濃い墨で表書きや氏名などを書くのはマナー違反になるため、注意しましょう。
表書き
表書きとは、お金の目的を示すために香典袋に書く文字を指します。故人の宗教や宗派によって適切な表書きが異なるため、前もってどの表書きを使用するべきか確認しておきましょう。
仏教の葬儀では、「御香料」「御香典」「御仏前」という表書きを選びます。また、「御供」「御弔料」を使用することもあります。神道では「御榊料」や「御玉串料」「御神前」などを使用しましょう。
キリスト教は宗派によって表書きが異なり、プロテスタントは「御花料」や「献花料」、カトリックでは「献花料」「御ミサ料」などが使われます。親が無宗教の場合や宗教が不明なときは「御霊前」を使いましょう。
また、表書きの下には香典を包んだ人の氏名をフルネームで書きます。結婚している場合は連名で香典を出すことになるため、中央に夫の氏名をフルネームで書いて左隣に妻の名前を記入しましょう。
中袋
香典袋には、お札を包むための中袋がついているものがあります。中袋の表面には包んだ香典の金額を記入しましょう。「1・2」といった算用数字は改ざんされる恐れがあるため、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)を使います。例えば、香典として10万円を包んだ場合、中袋の表面に「金拾萬園也」と記入します。中袋に金額を記入する欄が印刷されている場合は、そちらに金額を書きましょう。
中袋の裏面には、香典を包んだ人の氏名と住所を記入します。中袋の左下に、右から住所、氏名の順番で書きましょう。香典袋を書くときは基本的に毛筆や筆ペンを使用しますが、中袋はボールペンを使って書いても問題ありません。
親の葬儀で香典を包むときのマナー
親の葬儀で香典を出す場合、書き方以外にも守るべきマナーがあります。ここからは香典に関するマナーを詳しく解説していきますので、前もって確認しておきましょう。
金額に合わせた香典袋を使う
親の葬儀で香典を準備する場合、金額に合わせた香典袋を選ぶようにしましょう。一般的に包む金額が大きくなればなるほど、装飾が豪華な香典袋が使用されます。香典に5万円以上の金額を包む場合は、双銀の水引が10本以上ついている香典袋を使用しましょう。10万円以上の香典を包む場合は、高級和紙でできたひだ折りのある香典袋を使うのがマナーです。
水引が印刷されている香典袋は1万円未満、水引の本数が7本のものは、5万円未満の香典を包む際に使用されるものです。親の葬儀では相場が3万円以上ですので、これらの香典袋を使うのは避けましょう。また、10万円相当の香典袋に3万円を包むこともマナー違反となるため注意が必要です。
偶数や縁起の悪い数字は避ける
親の葬儀で香典を包む場合、偶数や縁起の悪い数字は避けるのがマナーです。「6」や「8」などの割り切れる偶数は「故人との縁が切れる」ことをイメージさせるため、葬儀の香典では不適切とされています。また、死を連想させる「4」や、苦を表す「9」は忌むべき数字とされているため、こちらも香典には不適切です。
新札は避ける
葬儀の香典には、新札を使用するのは避けてください。新札は前もって用意しないと手に入らないものであるため、香典で新札を包むと「故人の死をあらかじめ予想していた」という意味となってしまいます。必ず古札を使うようにしましょう。
ただし、破れていたり汚れが酷かったりするお札を使うのはマナー違反になるため、ある程度綺麗な古札を選んでください。
裏を上にしてお札を入れる
香典袋にお札を入れるときは、お札の裏を上にするのがマナーです。この入れ方には、「故人の訃報を聞き、悲しみで顔を伏せている」という意味が込められています。香典袋を裏にして中袋を開けた時に、お札の肖像画が見える状態で包みましょう。
相場やマナーを守って、親の葬儀の香典を準備しましょう
この記事のまとめ
- 親の葬儀では基本的に香典を出すが、失業中の場合や未成年、亡くなった親と世帯が一緒だった場合は出さなくてもよい
- 香典の金額相場は、自身の年齢や、一人で包むか夫婦で包むかによって異なる
- 親の葬儀で喪主を務める場合は基本的に香典を包む必要はないが、例外もあるため注意が必要
- 親の葬儀で香典を出す場合は、表書きや中袋などの書き方のマナーを守る
- 不祝儀袋は、香典の金額に合わせたものを使用する
- 偶数や縁起の悪い数字、新札などは避ける
親が亡くなった場合、基本的には香典を準備する必要があります。ただし、未成年や就業していない方、亡くなった両親と同居していて世帯が一緒の場合などは香典を出さなくても問題ありません。香典の相場は年齢や故人との関係性によって異なるため、前もって包むべき金額を確認しておいてください。
また、葬儀の喪主を務める場合は香典を出さないことが多いですが、場合によっては香典を準備することもあるため注意しましょう。本記事で紹介した香典に関するマナーや相場などをぜひ参考にしてください。