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一周忌を身内だけで行う際の香典はどうする?流れと注意点を解説

一周忌を身内だけで行う際の香典はどうする?流れと注意点を解説

一周忌は故人が亡くなって1年目の節目に行われる法要であり、特に大切な法要の一つです。この一周忌が身内だけで行われる場合、香典はどうすればよいのでしょうか。本記事では、一周忌を身内だけで行う際の香典の対応やマナーなどを解説します。

一周忌を身内だけで行うことはある?

身内だけの一周忌の香典 手を合わせる様子

一周忌法要は故人が亡くなってから1年目に行われる法要であり、比較的大きな規模で執り行うことが多いです。節目となる大切な法要ですが、身内のみで一周忌を執り行っても問題ありません。「日程を調整するのが難しい」「なるべく費用を抑えたい」といった理由から、身内のみで一周忌を行うことも増えてきています。

ただし、「最初の年忌法要である一周忌はたくさんの参列者を招いて行うもの」という考え方もあります。そのため、身内だけで一周忌を行う場合は、事前に周囲に相談しておくことをおすすめします。

▶一周忌を身内のみで行う場合はこちら

一周忌を身内だけで行う場合の香典はどうする?

身内だけの一周忌の香典 香典袋

身内だけで行われる一周忌法要に参列する場合、香典はどうすればよいのでしょうか。ここからは、一周忌を身内だけで行う場合の香典の対応について解説します。

一般的には持参する

一周忌を身内だけで執り行う場合でも、香典を持参するのが一般的です。香典に新札を用いるのはマナー違反となるため、汚れの少ない古札を使用します。香典袋の表書きは宗教・宗派に応じて変えるようにしてください。

一般的には受付で香典を渡しますが、身内だけの一周忌の場合は受付が設けられていないこともあります。その場合は、施主やご遺族、世話役などに直接香典を渡しましょう。自宅で一周忌法要が執り行われる場合は、仏前にお供えする形で渡すこともあります。

香典の相場

身内だけで行われる一周忌の香典の相場は、故人との関係によって異なります。故人が自身の両親や兄弟姉妹の場合は、1万円〜5万円が相場とされています。祖父母の一周忌では、5千円〜3万円を準備するとよいでしょう。

香典辞退を伝えられた場合は持参しない

身内だけで一周忌を執り行う場合、香典を辞退する場合も多いです。香典辞退を伝えられた場合は、香典を持参しないようにしましょう。香典を辞退する理由としては、「香典返しの負担を減らしたい」「参列者に負担をかけたくない」といったご遺族の意向があります。無理に香典を渡すことは相手に迷惑となってしまうため、ご遺族の意向を優先しましょう。

▶一周忌の香典について詳しくはこちら

一周忌を身内だけで行う場合の注意点

身内だけの一周忌の香典

故人の友人や知人などを招かず、一周忌を身内だけで行うことになった場合、いくつかの点に注意する必要があります。こちらで紹介する一周忌を身内だけで行う場合の注意点を参考にして、相手に失礼のない対応を心がけましょう。

一周忌に招かない人にも事前に知らせる

一周忌を身内だけで執り行う場合、法要に招かない人にもその旨を事前に知らせておきましょう。葬儀に参列した故人の知り合いや友人の中に、一周忌に参列しようと考えている方がいる可能性があります。

身内のみで一周忌を執り行うことになったことを前もって連絡をしておくことで、トラブルを避けられるでしょう。一周忌に招かない人への連絡は、電話やメールなどで問題ありません。

法要後に挨拶状を送る

一周忌を身内だけで行う場合、法要が終わった後に法要に招かなかった人に挨拶状を送りましょう。挨拶状には、「家族や親族のみで一周忌を無事に取り行った」という旨の報告を記載します。

挨拶状は、法要が終わってから1ヵ月以内に郵送で送ります。挨拶状を送った相手から御仏前やお供え物が送られてくることもあるため、その場合はお返しをしてください。

身内だけで行う一周忌の流れ

身内だけの一周忌の香典 数珠

一周忌を身内だけで行う場合も、通常の一周忌とほとんど流れは変わりません。ここからは、身内だけで行う一周忌の流れや必要な準備について紹介します。

①一周忌法要の日時を決める

身内だけで一周忌を行う場合、まずは法要の日時を決めましょう。身内が集まることができる日を確認し、そこから日時を決定します。

一周忌の法要は故人の命日の一年後に行われるのが一般的ですが、ちょうど一年後では参列者同士の日程が合わない場合もあるでしょう。この場合は、命日よりも前に法要を執り行います。命日より後に一周忌法要を行うと、故人に「命日を忘れられた」と感じさせてしまう恐れがあるためです。

②会場を手配する

一周忌法要の日時が決まったら、会場を手配します。一周忌法要は寺院や葬儀社の斎場で行うことが多いですが、身内のみの場合は自宅で執り行う場合もあります。参列者の人数や規模、費用などを考えて、法要を執り行う会場を決めましょう。

また、斎場や寺院などで一周忌法要を執り行う場合は、会場までの交通手段についても考える必要があります。最寄駅から会場までが遠い場合は、バスやタクシーなどを手配するのがおすすめです。

会食を行う場合は手配する

会食の席で参列者と共に故人を偲ぶことは、供養につながると考えられています。そのため一周忌法要では、参列者を招いて会食が開かれることが多いです。法要後に会食を行うのであれば、事前に会場や料理の種類などを決めておく必要があります。
法要会場から会食会場が離れている場合は、バスやタクシーなどの手配も行います。

③寺院へ連絡をする

法要の日時や会場が決まったら、寺院に連絡をします。一周忌法要では、故人の供養のために僧侶を招いて読経をしてもらう必要があります。菩提寺がある場合は菩提寺へ、そうでない場合は近くの寺院に連絡し、読経を依頼しましょう。

お盆の時期は読経の依頼が多くなり、僧侶の都合がつきにくくなります。お盆近くに一周忌法要を執り行う場合は、2ヵ月〜3ヵ月前には寺院に連絡しておきましょう。それ以外の時期でも、遅くても1ヵ月前までには僧侶に読経を依頼しておくことをおすすめします。

④参列者に連絡する

次に、参列者へ連絡を行います。身内のみで一周忌法要を行う場合は、関係が近い親族まで呼ぶのか、それとも近しい家族のみなのかを決めておく必要があります。家族間できちんと話し合いができていないと、後にトラブルになる恐れがあるため注意してください。事前に家族で話し合い、どこまで一周忌に招待するか明確にしておきましょう。

参列者が明確に決まったら、漏れがないように注意しながら案内状を送ります。案内状は、出欠の確認がしやすいように往復ハガキで送るのが一般的です。ただし、ごく近しい身内のみで一周忌を行う場合は、ハガキではなく電話やLINEなどのチャットアプリ、メールでの連絡でも問題ありません。もし香典を辞退するのであれば、この段階で参列者に伝えておきましょう。

⑤返礼品やお布施を用意する

一周忌に参列する人数が確定したら、返礼品を手配します。一周忌法要に参列する方は香典やお供え物を持参してくれるため、そのお返しを準備する必要があります。人数分よりも少し多めに返礼品を準備して、法要当日にお返しを手渡しましょう。返礼品には、お茶やコーヒー、お菓子、タオル、石鹸、カタログギフトなどがよく選ばれます。

返礼品とあわせて、お布施の準備も必要です。お布施とは、読経をしていただいたことに対するお礼として寺院の僧侶に渡す金銭のことです。お布施は一周忌法要が終わった後に僧侶に渡すことになるため、当日慌てないよう前もって準備しておきましょう。

身内だけの一周忌に関するマナー

身内だけの一周忌の香典 マナーのイメージ画像

ここからは、身内だけの一周忌に関するマナーについて解説します。遺族側と参列者側それぞれのマナーをまとめているため、確認しておきましょう。

遺族側のマナー

身内だけで一周忌を執り行う際、遺族はお布施やお車代、御膳料に関するマナーに注意しましょう。

お布施

一周忌法要で僧侶に渡すお布施は、読経に対するお礼という意味合いがあります。お布施の相場は3万円〜5万円ですが、住んでいる地域や寺院によって金額が異なるため、あらかじめ確認しておくとスムーズです。お布施は新札で準備して封筒に入れ、表書きは濃い墨で書くようにしましょう。

お車代・御膳料

状況によっては、お車代と御膳料の準備も必要です。寺院ではなく斎場やセレモニーホール、自宅などで一周忌を行う場合、交通費としてのお車代を渡すことになります。また、僧侶が会食に参加しない場合は食事代として御膳料をお渡しします。お車代と御膳料の相場はそれぞれ5千〜1万円ほどで、別々の封筒に入れて渡します。

▶一周忌のお布施、お車代・御膳料についてはこちら

参列者側のマナー

身内だけの一周忌に参列者側で参加する場合、服装やお供え物に関するマナーに注意が必要です。

服装

身内だけの一周忌法要に参列する場合、服装は喪服を着用するのが一般的です。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを着用して参列しましょう。ただし、遺族側から「平服でお越しください」といった案内があることもあります。この場合は、ご遺族からの案内に従いましょう。

▶身内だけで行う一周忌の服装について詳しくはこちら

お供え物

身内だけの一周忌法要に参列する場合、香典に加えてお供え物を持参するのが一般的です。お供え物にはお菓子や線香、ロウソク、花、飲み物などが選ばれます。お供え物の相場は3千〜5千円とされているため、予算に合わせて品物を選びましょう。

一周忌を身内だけで行う場合も、香典は持参するようにしましょう

身内だけの一周忌の香典 香典

この記事のまとめ

  • 一周忌法要を身内だけで行うことはある
  • 一周忌法要を身内だけで行う場合も、香典は持参する
  • ご遺族から香典辞退を告げられた場合は、持参しない
  • 一周忌に招かない人にも法要を行うことを事前に知らせておき、法要後には挨拶状を送る
  • 身内だけで行う一周忌は、日時の決定、会場や会食の手配、寺院や参列者への連絡、返礼品やお布施の用意といった流れで準備する
  • 読経を依頼する僧侶には、お布施やお車代、御膳料を渡す

一周忌は故人の友人や付き合いがあった知人などを招いて大規模に行われることが多いですが、身内だけで執り行われることも珍しくありません。身内だけで一周忌を行う場合も、香典は持参するのがマナーです。他にもさまざまなマナーや準備するべきことがあるため、本記事を参考にして確認してみてください。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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