七回忌法要に適した服装とは?家族だけの場合や持ち物についても解説
仏教において重要な意味を持つ七回忌法要に参列する際、当日の服装選びに悩む人は多いでしょう。本記事では、七回忌法要にふさわしい服装について男女・子供別に解説します。当日に必要な持ち物も解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
七回忌法要とは
七回忌法要とは故人が亡くなってから6年後の祥月命日に執り行われる年忌法要のことです。
仏教において「七」という数字は「六道」と呼ばれる六つの苦しみ・迷いの世界を超える数字であるとされています。故人の魂がお釈迦様のもとで積んだ修行によって、六道の輪廻から抜け出し、悟りに至ったことを表す数字と考えられているため、七回忌法要は年忌法要における一つの区切りとして大切にされてきました。
七回忌法要の内容は一般的にほかの年忌法要と同じですが、葬儀から年月が経っているため、故人の家族や親戚など身内のみが参列して執り行うことが多いです。また、喪主の意向によっては、七回忌以降の法要をまとめて自宅や会場などで執り行う場合もあります。
「七回忌」という言葉から「亡くなってから7年後」と勘違いされやすいですが、年忌法要の数え方では、故人が亡くなった日が一回忌になります。満6年の命日が「亡くなった日を含めて7回目」となり、七回忌となります。
七回忌法要の服装の一般的な考え方
七回忌法要では、一周忌までとは参列時の服装の考え方が異なります。ここからは、七回忌法要における服装の一般的な考え方を紹介します。服装選びに悩んだときは参考にしてみてください。
七回忌は略喪服(平服)を着用することが一般的
七回忌法要に参列する際は、一般的に略喪服(平服)を着用します。一般的に法要に参列する際の服装は、葬儀から年月が経過するほど簡略化されます。
そのため、喪に服す時期である一周忌までであれば家族や親戚も喪服を着用しますが、喪が明けてから執り行う七回忌の服装については、少し格式を落とした「略喪服」を着用するのが一般的です。なお、案内状などに「平服」と書かれていても、普段着ではない点に注意しましょう。
家族だけで七回忌法要を行う場合も略喪服(平服)を着用
故人の家族や親戚だけで執り行う七回忌法要でも、一般的な七回忌法要と同じく略喪服(平服)を着用します。しかし、喪主や家族の意向によっては和やかな雰囲気で七回忌法要を行うために、あえてカジュアルな服装を指定する場合もあります。
なお、カジュアルな服装での出席はあくまで「喪主や故人の家族や親戚の意向によっては可能」という点であることに注意が必要です。また、カジュアルな服装での出席が可能であっても、七回忌法要がお悔やみの場であることを踏まえて当日の服装を考えるとよいでしょう。
【男女・子供別】七回忌法要の服装の選び方
一周忌法要に比べると服装の格式を落とす傾向にある七回忌法要ですが、当日は性別や年齢に合った服装を選ぶことが大切です。ここからは、七回忌法要にふさわしい服装について、男性・女性・子供別に解説します。
男性の服装はダークスーツ
七回忌法要における男性の服装は、いわゆる「ダークスーツ」と呼ばれる、黒や濃紺、グレーなどの暗い色のスーツを着用するのが一般的です。スーツに合わせるシャツは白の無地を選び、靴下やネクタイ、ベルトなども地味な色で揃えるようにしましょう。
なお、ネクタイのデザインについては、七回忌にもなると主張が控えめなチェック柄・ストライプ柄程度であれば問題ないとされています。しかし、喪が明けているとはいえお悔やみの場であるため、できるだけシンプルなデザインを選ぶことが大切です。
女性の服装は暗い色のアンサンブルやワンピース
女性の七回忌法要の服装は、黒や濃紺などの暗い色のアンサンブルやワンピースを着用するのが一般的です。バッグやパンプスの色も服装に合わせて選ぶことでコーディネートに統一感を出せます。パンプスについては、七回忌法要中にヒールの音が響かないように、3~5cmの太いヒールのものを選ぶことをおすすめします。
なお、一般的に七回忌法要ではスカートだけでなく、パンツスタイルでも問題ないとされています。服装選びでスカートとパンツのどちらにすべきか迷った場合は、喪主や家族の意向に合わせましょう。
子供は制服または黒・紺を基調とした服装
七回忌法要における子供の服装は、学校指定の制服があればそのまま着用して問題ありません。制服がない場合は、大人と同様に黒や濃紺などの暗い色の服装を心がけましょう。
男の子の場合は、ブレザーとズボンに白の襟付きのシャツを合わせます。女の子の場合はブレザーとスカートの組み合わせ、またはワンピースを着用するのが一般的です。
靴については黒や濃紺の革靴が一般的ですが、用意できない場合はスニーカーでも問題ありません。なお、スニーカーを着用する場合もシンプルなデザインを心がけ、キャラクターものや派手なデザインのものは避けるようにしましょう。
七回忌法要の服装・身だしなみについての注意点
七回忌法要では服装に加えて、細かな身だしなみにも注意しなければいけません。ここからは、七回忌法要の服装における注意点について解説します。ほかの参列者へ失礼がないように、服装選びの際はぜひ確認しておきましょう。
アクセサリー類は華美にならないようにする
七回忌法要の服装に合わせるアクセサリーは華美にならないように注意しましょう。洋装の場合はイヤリングやネックレスなどのアクセサリーを身に付けられますが、あくまでお悔やみの場であるため、派手にならないようにイヤリングとネックレスのどちらか一方だけを着用するなどの配慮が大切です。
イヤリングやネックレスは、輝きや装飾が控えめな真珠やカット加工なしのオニキスなどを選ぶことをおすすめします。指輪については一般的に婚約指輪のみが認められており、華美なデザインの指輪は避けるべきとされています。
男性の服装に合わせるアクセサリーについては、婚約指輪と落ち着いた色の時計であれば着用が可能です。ネクタイピンやカフスボタンなどの装飾品については、七回忌法要では着用しないことが望ましいとされています。
ワンピース・スカートには黒のストッキングを着用する
女性が七回忌法要の服装としてワンピースやスカートスーツを選ぶ場合は、黒のストッキングを着用するのが一般的です。法要の場では肌を露出させることは避けるべきとされているため、素足でスカートを着用することも望ましくありません。
ストッキングの厚さについては分厚すぎるとカジュアルな雰囲気になることから、30デニール程度の厚すぎないものを選ぶことをおすすめします。
冬であればコートの色・素材にも注意する
冬に行われる七回忌法要であれば、男性・女性問わず服装に合わせるコートの色や素材にも注意しましょう。特にファー素材や毛皮が使われているものは、殺生を連想させることから法要の場では避けるべきとされています。また、裏地についても移動時にカサカサ音がしない素材のものを選ぶことが大切です。
色については服装に合わせて、黒や濃紺などの暗い色で揃えれば問題ありません。カジュアルなデザインや華美な柄のものは避け、落ち着いたデザインのものを選びましょう。
当日のメイクは片化粧にする
七回忌法要の当日は服装だけでなく、メイクも落ち着いた印象の「片化粧」が一般的です。片化粧とは必要最低限のメイクのみを施した薄化粧のことを指します。明るい色やラメなどが入った化粧品は使わないようにしましょう。
髪の毛はしっかりまとめ、暗い色に戻しておく
七回忌法要当日のヘアスタイルについては、しっかり髪をまとめ、可能であれば暗い色に戻しておくことが大切です。一般的に葬儀や法要などの場においては黒髪であることが望ましいとされています。
しかし近年はヘアカラーなどをしている人も多いことから、派手な髪色でなければ必ずしも黒に戻す必要はありません。スプレーなどで一時的に黒髪や暗い色の髪へ戻せる場合は、できるだけ髪色を戻しておくことをおすすめします。
七回忌法要に参列する場合の持ち物一覧
七回忌法要では服装だけでなく、当日の持ち物もしっかり確認しておくことが大切です。ここからは、七回忌法要に参列する際に用意しておくべき持ち物について紹介します。
香典・袱紗
七回忌法要に招待された場合には香典と、香典を渡す際に使う袱紗(ふくさ)を用意しましょう。地域によって違いがありますが一般的に香典の袋は、双銀または黒白の結び切りの水引が用いられているものを使います。表書きについては「御仏前」と記載することが多いですが、故人の宗派に合わせることが大切です。
香典の金額については故人との関係によって違っており、両親や兄弟であれば1万円~3万円、祖父母や親族であれば5千円〜1万円が目安です。袱紗については紫色や紺色、うぐいす色などの暗い色を選ぶのが一般的とされています。
数珠
七回忌法要をはじめ、仏式の葬儀や法要においては数珠も必須です。故人と同じ宗派であれば自分用の数珠を持参しましょう。なお、仏教以外の宗教を信仰しているといった理由で数珠がない場合は、無理に新しく数珠を用意する必要はありません。
しかし、法要や葬儀へ参列することが多い人や、数珠がないことが気になる場合には「略式数珠」と呼ばれる、宗派を問わず使える数珠を用意しておくとよいでしょう。
御供物
七回忌法要に参列する際は、当日に御供物を持参するとよいでしょうことも可能です。日持ちするもの・常温保存ができるものなどが一般的であり、生ものなどの腐りやすい食べ物は避けるべきとされています。持参した際は必ず施主へ手渡しし、喪主や施主から仏壇にお供えしてもらいましょう。
予備のストッキング(ワンピース・スカートの場合)
七回忌法要当日の服装にワンピースやスカートスーツを着用する場合には、予備のストッキングも準備しておきましょう。ストッキングが破れたままで法要に参列することは、ほかの参列者へ不快感を与えてしまいます。あらかじめ予備を用意し、破れたときにすぐ取り替えられるようにしておきましょう。
七回忌の服装には略喪服を着用しましょう
この記事のまとめ
- 「七回忌」は喪が明けた後の法要であるため、略喪服を着用するのが一般的
- 男性はダークスーツ、女性は暗い色のアンサンブル・ワンピースを着用する
- 女性の場合はパンツスタイルでの参列も可能
- 子供は制服か暗い色のブレザーとズボン(またはスカート)を着用する
- 服装に合わせるアクセサリーは華美にならないようにする
- 冬の法要で着用するコートは落ち着いた色・柄を選ぶ
喪明け以降に行う七回忌法要では、一周忌までと比べて葬儀から年月が経っているため、服装の格式を少し下げる傾向があります。しかし、あくまでお悔やみの場であるため、場の雰囲気に合った服装やコーディネートを考えることが大切です。本記事で紹介した選び方も参考にしながら、七回忌法要の服装を考えてみてください。