遺骨を郵送できるのはゆうパックのみ!梱包・郵送方法や料金について解説

墓じまいや永代供養などで遺骨を他の場所に移す必要がある場合に、「そもそも遺骨は郵送できるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。本記事では、遺骨の郵送を受け付けている会社や、遺骨の郵送に関する法律、梱包・郵送方法などについて詳しく解説します。
遺骨はゆうパックでのみ郵送できる

遺骨を郵送できるのは、日本郵便が取り扱う「ゆうパック」のみです。ヤマト運輸や佐川急便など、宅配業者はほかにもありますが、いずれも遺骨の郵送は受け付けていません。遺骨の郵送が必要となった場合は、日本郵便の公式サイトを確認して準備を進めましょう。
遺骨の郵送に関連する法律

遺骨を郵送するにあたって、いくつか押さえておきたい法律があります。ここでは、遺骨の郵送に関連する法律について確認しておきましょう。
遺骨を郵送することは法律違反ではない
遺骨を郵送することは違法ではありません。埋葬場所の移動や分骨など、国内であればどこでも遺骨を送ることができます。ゆうパックを利用すれば、問題なく遺骨を郵送することができると考えてよいでしょう。
遺骨を捨てるのは違法
遺骨を郵送するのではなく、許可なく捨てたり埋葬したりするのは、違法となるため注意が必要です。法律の定めにより、遺骨の形が残ったまま遺棄することや、墓地以外の場所に埋葬することはできません。
郵送した先で自宅の庭に埋めたり、処分に困って遺棄したりすることがないようにしてください。
墓じまいが目的の場合は許可が必要
遺骨を郵送する目的が墓じまいの場合は、「改葬許可証」「埋葬証明書」「受入証明書」などが必要です。自治体によって必要な手続きが異なるため、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
書類の手続きをせずに改葬することはできないため、注意してください。
墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)厚生労働省
遺骨の郵送が必要となる場面

遺骨の郵送が必要になる場面は、主に4つあります。どのような場面で遺骨を郵送するのかを知っておきましょう。
墓じまいする場合
お墓を継承する親族がいない時や、実家のお墓から遠い場所に引っ越した場合など、お墓の管理が難しくなることも少なくありません。
先祖代々のお墓は複数の遺骨が納められていることが多いため、一度に運べる郵送サービスの利用が向いています。
永代供養を依頼する施設へ送る場合
永代供養とは、お寺や霊園の施設内で遺骨を供養してもらう方法です。墓じまいと同様に、お墓の管理が難しい場合などに選ばれることが多いです。なお、最近では郵送での遺骨の受け入れをしているお寺や施設が増えてきています。
手元供養をする場合
身近な場所で手元供養をする時にも、遺骨の郵送を利用できます。遠方で葬儀や火葬を行ったあとに遺骨や遺骨の一部を自宅で保管したい場合などが挙げられます。
粉骨や散骨をする場合
粉骨や散骨業者に遺骨を送る際も郵送できます。遺骨をそのまま捨てるのは違法となりますが、形が残らないようにして許可された場所に散骨することは可能です。粉骨や散骨をするところまで運ぶのが難しい場合、郵送を利用しましょう。
遺骨を郵送する準備

遺骨を郵送する場合、しっかりと梱包することが大切です。ここでは、遺骨を郵送するまでに必要な準備について詳しく解説します。
大きさに合った箱を用意する
遺骨を郵送する際は、遺骨や骨壷の大きさに合った頑丈な箱を用意します。一度使用した段ボールは、湿気を帯びていたり折れやすくなっていたりと不安定な場合があるため、新しい段ボールを用意するのがおすすめです。
また、インターネットで送骨キットを販売している場合があるため、利用するのもよいでしょう。
遺骨を梱包する
段ボールの用意ができたら、遺骨を梱包しましょう。梱包に必要な物は、以下のとおりです。
遺骨を梱包する材料
- 段ボール
- ガムテープ
- 遺骨や骨壺を包むためのビニール袋
- 緩衝材
- タオル
緩衝材は段ボールの中で遺骨や骨壺がずれたり破損したりしないよう、クッション性のあるものが望ましいです。また、郵送中に骨壺が動かないよう、骨壺の下に敷くタオルも準備しておくと安心です。
遺骨の梱包手順
遺骨は、以下の手順で梱包します。
遺骨の梱包手順
- 遺骨や骨壺の水気を拭き取る
- 遺骨や骨壺にしっかりとガムテープで封をする
- 上からビニール袋で包む
- 段ボールに入れてまわりに緩衝材を敷き詰める
- 必要書類があれば同封して段ボールの蓋をガムテープで留める
長くお墓に入っていた遺骨は、水分で濡れている場合があります。水気がある場合は梱包前にしっかりと拭き取り、清潔な状態で郵送しましょう。
遺骨を郵送する際の料金と手続き方法

遺骨を梱包して郵送の準備ができた後は、日本郵便に引き渡ししましょう。ここでは、遺骨を郵送する際の料金と手続き方法を詳しく解説します。
①郵送取扱店に持ち込む
梱包した遺骨は、日本郵便か日本郵便の荷物を引き受けているコンビニエンスストアへ持ち込んで郵送をお願いします。念のために荷物の内容が遺骨であることを伝えて、破損に気を付けて慎重に取り扱ってもらえるようにしましょう。
②伝票に遺骨と記入する
伝票の品名の欄には「遺骨」と記入してください。取り扱い注意のために「われもの注意」「下積み厳禁」「逆さま厳禁」の3つの項目にチェックを入れ、破損注意の専用シールを貼ってもらうようお願いします。
③料金を確認して支払いする
最後に荷物を送るための料金を確認し、支払いをして遺骨の郵送が完了です。郵送の料金は、荷物のサイズ、重さ、届ける場所までの距離によって異なります。おおよその料金は、段ボール(骨壺)1つにつき、2,000円前後と考えておくとよいでしょう。
遺骨を郵送する際の注意点

最後に、遺骨を郵送する際の注意点を解説しますので参考にしてください。
郵送中に紛失した場合に遺骨が戻る保証はない
遺骨は一般の荷物と同様の扱いとなるため、万が一紛失した場合に手元に戻る保証がありません。遠方に住んでいる場合や仕事の状況により直接遺骨を持ち込むのが難しい場合は、ゆうパックでの郵送が便利です。一方で、遺骨は唯一無二のものであるため、郵送のリスクを理解した上で送るようにしましょう。
海外には郵送できない
ゆうパックで遺骨を郵送できる範囲は国内までとなり、海外には郵送できません。海外へ遺骨を送る方法は、専門業者に委託するか自分で直接持っていくかの二つです。国際線の飛行機への持ち込みは可能ですが、移送先の国の法律に則った対応が必要となるため注意してください。
ゆうパックのセキュリティサービスを利用する
遺骨を郵送する際、ゆうパックの「損害賠償制度」を利用するのがおすすめです。荷物を送るための料金に追加で420円を支払うと、万が一荷物が破損したり届かなかったりした場合に50万円までの保証を受けられます。
ただし、遺骨は値段が付けられないものであるため、料金面の保証はあっても紛失した場合は手元に戻らないことをあらかじめ心得ておきましょう。
家族間で相談した上で郵送するかを決める
遺骨の郵送は、家族間でしっかりと相談した上で決めるようにしましょう。破損や紛失といった郵送中のリスクも考慮し、関係者全員が納得してから決めると安心です。
遺骨を郵送する際は事前に必要書類や梱包方法を確認してゆうパックで送ろう

この記事のまとめ
- 遺骨はゆうパックでのみ郵送ができる
- 遺骨の郵送は違法ではないものの、許可のない移送や埋葬は法律違反となる可能性がある
- 遺骨の郵送には、遺骨を破損したり紛失したりといったリスクがある
- 家族間で話し合い、全員が納得してから遺骨を郵送するのが望ましい
遺骨の郵送には、ゆうパックの郵送サービスを利用すると便利です。しかし、郵送には破損や紛失のリスクも伴うため、注意点を理解した上で送るようにしましょう。また、目的によっては事前の書類準備や手続きも必要です。
家族でよく話し合い、全員が納得する方法で大切な遺骨を運んでください。

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。