喪服のストッキングの選び方は?色やデニールなどのマナーを紹介
喪服に合わせるストッキングの種類で、悩んだことのある方も多いのではないでしょうか。本記事では、喪服のストッキングの選び方やマナーについて解説します。そのほか、冬の喪服にストッキングを合わせる際の防寒対策についても取り上げているため、参考にしてください。
喪服には黒のストッキングを履くのがマナー
結論からいうと、女性が喪服に合わせるストッキングの色は、季節に関係なく「黒」が一般的です。お通夜、葬儀、法事などに喪服を着用するときは、黒のストッキングを履くのがマナーになります。お通夜で喪服を着用すると、亡くなることを予想していたという意味になるからと、あえてベージュのストッキングを履く方もいます。
しかし、お通夜の際にはベージュのストッキングは稀なため、黒一色の中でベージュは大変目立ってしまうでしょう。マナー違反だと思われないよう、喪服と一緒に黒のストッキングを用意しておくのがおすすめです。
なお、黒色には「喪に服する」「深い悲しみを表す」という意味があります。お通夜や葬儀で身に着けるものの選び方は、ストッキングに限らず「無地の黒」で揃えるのがマナーと覚えておきましょう。
喪服に合わせるストッキングの選び方
女性がお通夜や葬儀に参列する際、喪服に合わせるストッキングの選び方で気を付けなくてはならないのは色だけではありません。ここでは、喪服のストッキングの選び方について解説します。
①デニール30以下を選ぶ
喪服に合わせるストッキングは、「デニール30以下」の肌がうっすら透ける薄手のものを選ぶのがマナーです。デニールとはストッキングやタイツに使われている糸の太さを表す単位で、数字が大きくなるほど生地に厚みが出ます。喪服の場合、デニール25のストッキングが理想の厚みです。
喪服用のストッキングを購入する際、袋に入った状態では厚みや肌の透け具合が分かりにくいこともあるでしょう。ほどよく肌が透ける喪服にふさわしいとされるストッキングの厚みは、デニール30以下と覚えておきましょう。
また、喪服におすすめなストッキングのデザインは、ズレの少ない「パンスト」タイプです。しかし、夏場の暑い時期やストッキングが苦手な場合など、パンストを避けたいこともあるでしょう。そんなときには、ワンピースやスカートの裾から肌の見えない長さの「サイハイ」や「オーバーニー」タイプでも問題ありません。
②カジュアルなタイツは避ける
喪服を着用する場では、カジュアルなデザインのタイツはふさわしくないため注意しましょう。肌が透けない厚みのあるタイツだけでなく、網タイツやレースタイツ、光沢や柄の入ったタイツは避けましょう。
③伝線しにくく加工されたストッキングを選ぶ
喪服用ストッキングの選び方のコツは「伝線しにくく加工されたもの」を選ぶことです。お通夜や葬儀など黒一色の場でストッキングが伝線してしまうと、遠目からでも目立ってしまいます。またすぐに履き替えられない状況も多く、長い時間伝線したストッキングのまま過ごさなくてはなりません。
いざというときに焦らないためにも、喪服用に伝線しにくいストッキングを用意しておくとよいでしょう。
喪服でストッキングを履くときの注意点
喪服でストッキングを履く際には、色や種類以外にも注意すべきことがあります。ここでは、喪服でストッキングを着用するときの注意点について解説します。いざ喪服を着るときに焦ることのないよう、覚えておきましょう。
マニキュアを落としておく
喪服でストッキングを着用するときには、マニキュアを落とすのを忘れないようにしましょう。足元のおしゃれで、マニキュアをしている女性も多いでしょう。靴を履くから大丈夫と考える方もいるかもしれませんが、弔事では靴を脱いで畳に上がるシーンが多くあります。
喪服に合わせる薄手のストッキングでは、マニキュアが透けて見えてしまいます。肌色に近い地味な色であれば問題ありませんが、華美なデザインのものは落としておきましょう。コンビニや100円ショップなどでも除光液は購入できます。
ジェルネイルにはネイルコンシーラーを使う
ジェルネイルのように自身では落とせないネイルのときには、ネイルコンシーラーを使いましょう。ネイルコンシーラーとは、ネイルの凸凹を補正したり色を隠したりできるアイテムで、塗った後は簡単に剥がせます。喪服を着る日だけネイルの色を隠したい方におすすめのアイテムです。
ネイルコンシーラーは、足元だけでなく手のネイルにも活用できます。普段からジェルネイルをする機会の多い方は、喪服と一緒に用意しておくと安心です。
予備のストッキングを用意しておく
喪服を着用するときには、予備のストッキングも用意しておきましょう。伝線しにくい加工が施されているタイプであっても、薄手のストッキングは引っ掛けてしまうと穴が開いてしまうことがあります。
黒色のストッキングが破れてしまうとベージュのものよりも目立つだけでなく、フォーマルな場では失礼になります。予備のストッキングを持っていない場合であっても、コンビニや100円ショップで購入できます。葬儀場に到着する前に購入しておくと安心です。
手足・爪のケアをしておく
ストッキングを履く前に、手足の乾燥をケアしておくことをおすすめします。肌がカサカサしているとストッキングが引っ掛かり、伝線しやすくなってしまいます。
また、手足の指のささくれをケアし、爪は短く切ってやすりをかけ滑らかに整えましょう。ストッキングに引っ掛かりにくくなるため、伝線も起きにくくなります。
冬の喪服にストッキングを合わせる場合の防寒対策
喪服には薄手の黒色ストッキングを履くのがマナーですが、冬場のお通夜や葬儀では寒さが凌げないこともあるでしょう。ここでは、冬の喪服にストッキングを合わせる際の、防寒対策について解説します。
パンプスに靴用のカイロを入れる
冬の喪服には、パンプスの中に「靴用のカイロ」を入れることをおすすめします。指先が温かいと、足全体が温まります。このとき、間違って靴下用を購入しないよう注意してください。弔事では靴を脱いで畳に上がることも多く、靴下にカイロが付いていると目立ってしまいます。
パンプスを脱いだときも寒さを感じるという場合には「黒の靴下用カイロ」を用意しましょう。カイロが貼ってある部分はどうしても見えてしまいますが、黒いストッキングのため目立ちにくくなります。
フェイクタイツを選ぶ
冬の喪服には「フェイクタイツ」を履いて防寒対策しましょう。フェイクタイツとは、黒色とベージュの糸を重ねて編み込んだタイツです。厚手のタイツなのに透け感があり、薄手のストッキングを履いているように見えます。
フェイクタイツにはデニール250以上のものもあり、寒さに弱い方におすすめです。喪服と一緒に、夏用の薄手のストッキングと冬用のフェイクタイツを用意しておくと安心です。
黒のひざ掛けを用意する
冬の喪服用に黒いひざ掛けを持っていると、寒さに弱い方も安心です。肩から掛けてもよいですし、座ったときには膝に掛けておくと温かく過ごせます。このとき、厚手のものやマットなタイプのひざ掛けは、カジュアルな印象になってしまうためおすすめできません。
さらりとした生地で無地のもの、また女性でしたらレースのデザインもフォーマルなひざ掛けとしておすすめです。
【番外編】パンツスーツを着用する
ワンピースやスカートの喪服ではどうしても寒さを凌げないという方は、パンツスーツを選んでもよいでしょう。ただし、パンツスーツはワンピースやスカートよりもカジュアルな印象になります。喪主や親族の場合は格式高く装う必要があるため、パンツスーツの喪服はおすすめできません。
一般の参列者の場合は、パンツスーツの喪服でも問題ないでしょう。しかし、喪主やご遺族が格式にこだわる方の場合は、マナー違反と思われないためにも別の方法で防寒対策することをおすすめします。
喪服のストッキングは色以外にも注意して選びましょう
この記事のまとめ
- 喪服には「薄手の黒色ストッキング」を履く
- カジュアルなタイツや光沢のあるストッキングは避ける
- 伝線しにくい加工のされたストッキングを選ぶとよい
- マニキュアは落とし、ジェルネイルはネイルコンシーラーなどで対策する
- 念のためストッキングの予備を用意しておくとよい
- 冬の喪服には、カイロやフェイクタイツ、ひざ掛けなどで防寒対策する
喪服には故人を偲ぶという意味があり、ストッキングにもマナーがあります。訃報は突然のもので、前もって準備する時間はほとんどありません。喪服に合わせるストッキングのマナーをあらかじめ知っておき、喪主やご遺族の方に不快な思いをさせることのない服装で参列しましょう。