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葬儀のあと

神式(神道)の五十日祭とは?儀式の意味・準備・流れなど徹底解説

神式(神道)の五十日祭とは?儀式の意味・準備・流れなど徹底解説

神式(神道)では故人が亡くなった後、五十日祭を行います。しかし、実際にどのような儀式なのかよく分からないという人も多いでしょう。本記事では、五十日祭の意味と準備、流れなどを分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。

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神式(神道)の五十日祭とは

神式(神道)の五十日祭とは、故人が亡くなってから50日目に行う儀式のことです。

五十日祭は神葬祭(神式の葬儀)のように神職を招いて行われる大事な儀式です。仏式の四十九日法要は故人が極楽浄土に向かえるようお祈りをしますが、神式の場合、五十日祭をもって、故人は家を守る守護神となり、神棚(祖霊舎)に迎えられます。

神式では、五十日祭までは忌中となり、五十日祭を終えたら忌明けとなることもあわせて覚えておきましょう。

五十日祭にあたって必要な準備

神式(神道)の五十日祭は故人が家の守護神となる大事な儀式であり、神職や参列者を招いて行うため事前にしっかり準備をしておく必要があります。初めて五十日祭の施主を任された方は、しっかり確認しておきましょう。

日程・会場の決定

まず最初に、五十日祭を行う日程と会場を決定する必要があります。五十日祭の日程は、参列者が集まりやすいように50日目よりも前の週末や祝日に設定されることが多いです。

五十日祭の会場は、自宅または斎場が一般的です。神葬祭(神式の葬儀)を行った会場と同じであれば、打ち合わせもスムーズになり参列者も再び集まりやすいこともあるでしょう。

打ち合わせ

続いて、神職に予定している日程と会場を伝えて、打ち合わせを行います。希望の日程で五十日祭が行えるよう、神職へ早めに連絡をしておくのがおすすめです。何か分からないことがある場合は打ち合わせの際に相談しておくと準備がスムーズに進むでしょう。また、斎場で行う場合は、斎場のスタッフともあわせて打ち合わせが必要です。

案内状の送付

五十日祭の参列をお願いするために、日時や場所、出欠確認、返信期日を記載した案内状を参列者に送付します。案内状は、返信用の往復はがきを使用するのが一般的です。

五十日祭は遺族、親族、故人の友人知人などが参列することが多いですが、家族のみの参列でも問題ありません。家族のみの場合には案内状を送付せず、電話連絡でもよいでしょう。

いつまでに案内状を送るべきといった決まりはありませんが、五十日祭が行われる1か月前には案内状を送付しておくと、参列者が予定を調整しやすいです。

祭壇の準備

五十日祭当日には祭壇を準備しておく必要があります。急に用意することが難しいものもあるため、余裕をもって準備することが大切です。準備物や祭壇の飾り方については、以下を参考にしてください。分からない場合は、神職や斎場のスタッフに相談してもよいでしょう。

祭壇に必要な準備物

  • 八足の三段棚
  • 白い布(三段棚に合うサイズのもの)
  • 故人の遺骨・遺影
  • 霊璽(れいじ)
  • 供物を乗せる紙・お皿
  • 三方(神饌(しんせん)という供物を乗せる台)
  • 徳利・お酒
  • 水器
  • 榊立て・榊
  • 火立て・ロウソク
  • 供物

祭壇の飾り方

  1. 八足の三段棚に白い布を被せる
  2. 上段に故人の遺骨と遺影を置く
  3. 中段の中央に霊璽、両端に榊を入れた榊立てを置く
  4. 下段の両端にロウソクを立てた火立てを置く
  5. 中段と下段の隙間に三方と紙・お皿を置き、供物を置く

祭祀料の用意

五十日祭の儀式を行っていただいた神職に対して、お礼の意味で渡すのが祭祀料(さいしりょう)です。仏式の葬儀や法要などで僧侶に渡すお布施と同じと考えると分かりやすいでしょう。

五十日祭における祭祀料の相場は3万円~5万円です。五十日祭と同時に納骨も行う場合には、5万円~7万円となります。

祭祀料を包む封筒は郵便番号欄などがない白無地の封筒です。表書きには濃い黒墨を使って「御祭祀料」または「御礼」などと記載します。香典とは異なり感謝を伝えるためのお金ですので、薄墨を使わないよう注意しましょう。

▶祭祀料の封筒の書き方はこちら

五十日祭の流れ

ここからは、神式(神道)の五十日祭の流れを紹介します。

①合祀祭

合祀祭(ごうしさい)とは、故人の御霊を仮霊舎(かりみたまや)から祖霊舎(それいしゃ)に移す儀式です。

本来であれば五十日祭と百日祭(故人が亡くなって100日目に行う霊祭)の間の夜間に行う儀式ですが、近年では五十日祭よりも前または五十日祭当日に行われることも多くなっています。

②献饌

献饌(けんせん)とは、祭壇や墓前に供物を捧げる儀式のことです。供物には、お酒や米、塩、海産物、乾物、故人の好きだった物などを用意します。

参列者が供物を用意する場合には、果物の盛り合わせやお菓子などを選ぶとよいでしょう。また、供物ではなく「御供物料」として現金を用意することも増えています。

③祝詞奏上

祝詞奏上(のりとそうじょう)とは、神職が祝詞を神様に読み上げる儀式のことをいいます。神様に対して、感謝や敬意を伝えるために行う儀式です。仏式における僧侶の読経にあたるものと考えると分かりやすいでしょう。

④玉串奉奠

玉串奉奠(たまぐしほうてん)とは、玉串(榊に紙垂(しで)と呼ばれる紙片を付けたもの)を神様に捧げる作法のことです。仏式における焼香やキリスト教式における献花にあたります。

参列者は神職や斎場スタッフから玉串を受け取り、神職や施主、ご遺族に一礼、玉串案(玉串を置く台)に一礼したのち玉串案に置きます。玉串を捧げた後は二礼・二拍手・一礼(拝礼)を行いますが、このときの拍手は音を鳴らさない「忍び手」で行うため注意が必要です。

詳しい作法や流れが分からない方は事前に確認しておきましょう。また、玉串奉奠は施主・遺族・親族・友人知人の故人の血縁に近い順に行うのが一般的です。

▶神式の法要で押さえておきたい作法はこちら

⑤直会

神饌(しんせん・供物のこと)を祭壇から下げ、参列者でお神酒や供物をいただく儀式を直会(なおらい)といいます。神饌をいただくことで神様の力を分け合い、神様と結びつくことができると考えられているため、仏式における会食よりも重要な意味を持つのが特徴です。

直会は、故人について参列者同士で語り合える場でもあります。故人の思い出話などに花を咲かせながら時を過ごしましょう。

⑥納骨

故人のお墓の準備ができている場合は、五十日祭当日に納骨が行われることもあります。前述の通り、五十日祭と同時に納骨を行う際には祭祀料の相場は5万円~7万円となるため覚えておきましょう。

⑦清祓いの儀

清祓いの儀(きよはらいのぎ)は、神棚や祖霊舎に行っていた神棚封じを取り外す儀式です。この儀式をもって忌明けとなります。

神棚封じは自宅にある神棚や祖霊舎に死の穢れが移らないように白い半紙を貼り付けることを指し、故人の死後、帰幽報告(きゆうほうこく)の儀式の際に行うものです。その半紙を清祓いの儀で取り外します。

清祓いの儀は本来であれば五十日祭の翌日に行う儀式でしたが、最近では五十日祭当日に行われることも増えています。いつ行うべきか迷った際は、神職に相談してみるとよいでしょう。

五十日祭に参列する場合の注意点

最後に、神式(神道)の五十日祭における注意点について紹介します。初めて神式の儀式に参列する方などは、ご遺族に不快な思いをさせないためにも確認しておいてください。

五十日祭の服装

五十日祭の服装については、仏式の葬儀や法要に参列する際と同じく準喪服の着用が一般的です。仏式との大きな違いは、数珠を持参しないことです。仏式の葬儀や法要に慣れている場合にはつい準備してしまいがちですが、神式の儀式には持って行かないよう注意してください。

以下では、男女別の準喪服について解説します。

男性の場合

男性の準喪服は、光沢や柄のない無地のブラックスーツと白いワイシャツです。ネクタイも光沢のない黒無地のものを着用します。ベルトや靴についても黒色を選んでください。本革であれば一目で動物製の皮と分かるようなヘビ革やワニ革などの素材は避けましょう。

女性の場合

女性の準喪服は、光沢や柄のないブラックフォーマルです。露出は避け、肩の出ないものや、スカートの場合は膝が隠れるものを選びます。靴は光沢や装飾のないパンプスを着用し、ヘビ革やワニ革など殺生を連想させる動物製の皮と分かるものは避けましょう。

ストッキングは、黒ストッキングを着用します。伝線すると目立つため、予備の黒ストッキングを持っておくと安心です。

また、アクセサリーについては一般的に結婚指輪以外身に着けません。最低限何かを身に着ける場合は、真珠の一連ネックレスや、真珠が一粒ついたピアスまたはイヤリングを着用します。

五十日祭の玉串料

玉串料とは

玉串料とは、神前に捧げるお金のことをいいます。参列者が神式の儀式に参列する際に持参するお金も玉串料の一つで、仏式における香典にあたるものです。

玉串料の相場

玉串料の相場は、仏式の香典の相場と大きな違いがありません。故人との関係や自身の年齢によっても異なりますが、五十日祭における玉串料の相場は以下の通りです。

五十日祭における玉串料の相場

  • 故人が親の場合…1万円~5万円
  • 故人が兄弟姉妹の場合…1万円~5万円
  • 故人が祖父母の場合…1万円~3万円
  • 故人が叔父・叔母・そのほかの親族の場合…5千円~3万円
  • 故人が友人知人の場合…3千円~1万円(親しい場合にはさらに多く包むことも)

封筒の種類と書き方

香典としての玉串料の封筒は、黒白の水引(関西は黄白の場合も)で無地のものを使用します。蓮の花や十字架がデザインされているものは仏式・キリスト教式のため神式の不祝儀袋には選ばないようにしましょう。

神式の五十日祭のおける表書きは、「玉串料」「御玉串料」「弔慰金」などと記載します。神道では故人は亡くなって50日後に神様になるという考え方のため、死後50日間は「御霊前」も使えます。一方「御神前」の表書きは、神式の式年祭以降に使える表書きとなるため、五十日祭においては使用を避けましょう。

▶玉串料の詳しい書き方はこちら

神式(神道)の五十日祭は仏教の四十九日法要にあたる大切な儀式のこと

この記事のまとめ

  • 神式(神道)の五十日祭とは、故人が亡くなってから50日目に行われる儀式
  • 五十日祭の準備には日程・会場の決定や案内状送付、祭壇の準備などがある
  • 初めて五十日祭に参列する場合は、流れを事前に確認しておくと安心
  • 五十日祭に参列する際には準喪服を着用する
  • 五十日祭に参列する際には黒白の水引がついた封筒に玉串料を持参する

神式(神道)の五十日祭とは、故人が家を守る守護神となる重要な儀式です。いつ行うのか、どのような流れで行うのかなど、分からないことがある場合はぜひ本記事を参考にしてください。

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