おひとりさま終活でやるべきこと7選!老後のリスクに備えた早めの対策と手続きをご紹介
終活をすることで、老後や亡くなった後の不安が解消し、これからの人生を充実させられます。しかし、「おひとりさまの終活では何をすればよいか分からない」という方もいるでしょう。そこで本記事では、おひとりさま終活でやるべきことを解説していきます。
おひとりさまでも終活は必要なのか
「おひとりさまでも終活は必要なの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。結論から言うと、おひとりさまでも終活は必要です。
ひとり暮らしの高齢の方には、病気や怪我などで意思表示が難しくなったり、身の回りのことができなくなったりするリスクがあります。手助けしてくれる身内がいないからこそ、終活をしていざというときのために備えておく必要があるのです。元気なうちに終活を行い、老後のリスクへの対策を行いましょう。
おひとりさまの老後のリスク
リスクに備えるために終活が必要だと先述しましたが、おひとりさまにはどのようなリスクがあるのでしょうか。ここからは、おひとりさまの老後のリスクについて解説していきます。
終末期医療の希望が伝わらない
おひとりさまの場合、終末期医療の希望が伝わらないというリスクがあります。身内が傍にいる場合、家族が医療機関に医療についての希望を伝えてくれます。しかし、おひとりさまの場合は本人の意思が伝わらず、生死に関係する意思決定が必要になったときに混乱を招く恐れがあります。
高齢になると、病気の悪化や怪我などで意思表示ができなくなるリスクが高まります。健康なうちに終活を行い、終末医療に関する意思表示をしておく必要があるでしょう。
孤独死のリスクがある
孤独死も、おひとりさまの老後のリスクです。近所付き合いや遠方の家族とのつながりがほとんどない方の場合、孤独死のリスクが高まります。病気や怪我などで倒れてしまい、何日も気づかれずに亡くなってしまうということも珍しくありません。特に冬場は孤独死する人が増えるため、注意が必要です。
入院の手続きに困る
老後のおひとりさまのリスクとして、入院の手続きに困る点が挙げられます。例えば、体調を崩して検査や手術をすることになると、保証人によるサインが必要です。身内の協力がないと入院ができないため、本人が困るだけでなく病院側にも迷惑をかけてしまいます。また、緊急入院になった場合、洗面道具や着替えといった必要なものを揃えられず困ることもあるでしょう。
体の異変に気付きにくい
おひとりさまの場合、体の異変に気付きにくいというリスクもあります。身内と一緒に暮らしている場合、家族が体調不良に気づいてくれることがあります。しかし、おひとりさまの場合は体の異常に気づいてくれる人がいないため、自分で病院を受診したときには病気が進行していることが多いのです。
おひとりさま終活のメリット
「おひとりさまにリスクがあることは分かったけれど、終活の必要性がいまひとつ分からない」という方もいるのではないでしょうか。そこでここからは、おひとりさまが終活を行うメリットを解説していきます。
死後の不安を解消できる
おひとりさま終活を行うことで、死後の不安を解消できるメリットがあります。おひとりさまは、「自分のお墓はどうなるんだろう」「葬儀はどうするべきだろうか」などの悩みを抱えがちです。早めに終活を行って葬儀やお墓について決めることで、こういった不安が解消され、充実したセカンドライフを送れるようになるでしょう。
これからの人生について考え直せる
終活を行うことで、これからの人生について考え直せるというメリットもあります。終活を通してこれまでの人生を振り返ることで、「今後どのように生きたいか」を考えるきっかけが生まれます。
「元気なうちに旅行を楽しみたい」「親しい友人と会いたい」など、やりたいことが見つかる可能性も高く、これまでの人生を見直して今後の生活を豊かに過ごすためにも、ぜひ終活を始めてみてください。
財産を残したい人に相続できる
おひとりさまが終活を行うメリットとして、財産を残したい人に相続できるという点も挙げられます。法定相続人がいないと、財産の行き場がなくなってしまいます。
そのためおひとりさまの場合、株や不動産、預金などの遺産を誰に引き継いでもらうか、あらかじめ決めておかなくてはなりません。きちんと終活を行って相続手続きや財産についての決定をしておき、遺産を残したい人を決めておきましょう。
おひとりさま終活でやるべきこと
スムーズに終活を進めるためには、何をするべきなのか・どのような準備が必要なのかを把握しておくことが大切です。ここからはおひとりさまの終活でやるべきことを解説していきます。
医療や介護の準備
おひとりさまが病気や怪我などで意思表示ができない状態になった場合、介護や医療に関する希望が伝わらないこともあります。いざというときのために、終末医療の希望や入居したい老人ホームなどを決めておきましょう。また、自分の希望をエンディングノートに書いたり、親しい友人や任意後見人に伝えておいたりすることもおすすめです。
高齢者の見守りサービスへの申し込み
おひとりさま終活の一環として、高齢者の見守りサービスへの申し込みも行っておきましょう。自治体では、訪問員がおひとりさまの高齢者の元を定期的に訪れる「見守りサービス」を行っています。安否確認や買い物の依頼、困っていることへの相談などにも無料で対応しているため、利用を検討してみてください。
また、見守りサービスを実施している民間企業もあるため、内容を比較して選ぶのもおすすめです。ただし、民間企業の見守りサービスは、月額料金がかかるため注意が必要です。
住まいの見直し
おひとりさま終活では、住まいの見直しも行いましょう。高齢になると身体機能や判断能力が低下し、怪我をするリスクが高まります。自宅に手すりをつけたり、床をバリアフリーにしたりするなど、老後の生活に合わせて対策を行いましょう。住みやすい環境を整えておけば、怪我をするリスクを軽減できます。
また、今後自宅の管理ができるか不安な方は、自宅を売却してマンションやアパートに引っ越すことも考えておきましょう。高齢者向け住宅や、老人ホームへの入居も検討しておくことをおすすめします。
身辺整理
身辺整理とは、身の回りのものを整理して家を片付けることです。これから使うものと処分するものを分けて不用品を処分すれば、自宅が片付いて暮らしやすくなります。ものだけでなく、使っていないクレジットカードやキャッシュカード、デジタルデータなども整理整頓しておきましょう。
エンディングノートを書く
エンディングノートとは、終活に関する自分の意見をまとめておくノートです。遺産の情報や身元保証人、遺言書の有無などを書き記しておくことで、あなたが亡くなった後の手続きがスムーズに行えるようになります。
エンディングノートに書いておきたい内容
- 自分の基本情報
- 財産・遺産について
- 緊急時の連絡先
- 遺言書の有無
- 身元保証人について
遺言書の作成
おひとりさまの終活を進める際は、遺言書も作成しておきましょう。遺言書を作成していない場合、法定相続人がいなければ財産は国のものとなります。お世話になった人に遺産を渡したいと希望していても、遺言書がないとあなたの希望が通らないことがあります。遺贈を考えているのなら、必ず遺言書を作成しておきましょう。
お墓や葬儀について検討する
お墓や葬儀についても考えておきましょう。葬儀の形式や内容の希望がある場合、事前に葬儀社と契約しておくことが可能です。お墓に関しては、お寺がお墓を管理してくれる「永代供養」を選ぶ方が多いです。
おひとりさま終活を手助けする制度
おひとりさまの場合、入院や死後の手続きなどを身内ではなく専門家にやってもらう必要があります。こちらでは、おひとりさま終活を手助けする制度をご紹介します。
生前事務委任契約
生前事務委任契約とは、生活支援や財産の管理などをサポートしてもらうための契約です。病院への付き添いや入院の際に必要な手続き、銀行口座の管理など、さまざまな業務を任せられます。代わりに行ってほしい業務があるのなら、生前事務委任契約を検討してみてください。
任意後見契約
任意後見契約とは、契約者の判断能力が低下した際、財産管理や生活支援などを任意後見人に代行してもらう契約です。契約者本人が自由に後見人を選べることや、任意後見人の報酬が確保されているというメリットがあります。手続きには時間と手間がかかるため、任意後見契約を検討している方は早めに準備を始めましょう。
死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、あなたが亡くなった後の手続きを任せる契約のことです。役所への死亡届の提出や入院費の精算、葬儀・お墓に関する事務などを依頼できます。身寄りがない方にとって非常に重要な制度なため、利用を検討しておきましょう。
家庭裁判所への申し立ては必要なく、委任者と受任者が内容を公正証書化するだけで手続きは完了するため、時間はかかりません。また、死後に必要な手続きの中には複雑なものも多いため、弁護士や行政書士など手続きに慣れた専門家に依頼することをおすすめします。
おひとりさま終活でやるべきことを押さえ、老後に備えましょう
この記事のまとめ
- おひとりさまでも終活をする必要がある
- おひとりさまの場合、終末期医療の希望が伝わらなかったり、孤独死の危険性が高かったりといったリスクがある
- 終活をすることで死後の不安を解消でき、これからの人生について考え直すきっかけが生まれる
- おひとりさま終活では、医療や介護の準備・高齢者見守りサービスへの申し込み・身辺整理・住まいの見直しなどを行うとよい
- おひとりさま終活を行う場合、生前事務委任契約、委任後見契約、死後事務委任契約などの制度を利用するのがおすすめ
おひとりさまの方が終活に関する準備を進めておくことで、老後や死後への不安が解消され、今後の人生が充実したものになります。終末期医療や介護、お墓、葬儀に関する希望をまとめたり、身辺整理を進めたりと、できることから終活を始めてみてください。また、生前事務委任や死後事務委任などの制度を活用することも検討しておきましょう。
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