月命日とは?基本的な意味やお供え物の、毎月の過ごし方を解説
月命日という言葉を耳にすることはあっても、正しい意味や、月命日に何を行えばよいのか分からない方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、月命日の基本的な意味や過ごし方、お供え物のマナーについて解説します。
月命日の基本的な意味とは
故人が亡くなった日と同じ日にちを意味する
月命日とは別名「月忌」とも呼ばれ、故人が亡くなった日と同じ日にちを意味します。これに対して、命日とは故人が亡くなった月日を指します。例えば、故人が亡くなった日が2020年6月1日だった場合、命日は6月1日、月命日は6月を除く毎月1日となります。命日は1年に1回ですが、月命日は11回あります。
故人が亡くなった日の翌月から始まる
月命日は、故人が亡くなった日の次の月から始まります。6月1日に故人が亡くなった場合、月命日は7月1日から始まることとなります。初めて迎える月命日は「初月忌」と呼ばれ、他の月命日よりも丁重に供養を行います。一周忌などの年忌法要に比べると大掛かりなことは行われませんが、初月忌は故人を偲ぶ一日になるでしょう。
また、月命日には年忌法要のような区切りはなく、「いつまでやるべき」「ここで終わり」という決まりはありません。月命日は故人を思い出して供養する日のため、「供養したい」という思いが続く限りは月命日を行うことをおすすめします。
月命日が31日の場合
31日が命日の場合、基本的に31日が月命日となります。しかし、2月や4月など、月によっては28日や30日までしかない月もあります。この場合、月命日をその月の最終日として供養や法要を行うことが多いとされています。
月命日の過ごし方
月命日を初めて迎える場合、どのように故人を供養すればよいか分からず悩んでしまうのではないでしょうか。そこでここからは、月命日にすることや過ごし方を解説します。
お墓参り
月命日には、お墓参りに行くことをおすすめします。お墓参りをすれば故人を思い出すきっかけになるため、故人の供養につながります。時間に余裕がある場合は、お墓の掃除をしたり、好きだった食べ物や花などをお供えしたりしましょう。
仕事が忙しかったり遠方に住んでいたりする場合は、無理に全ての月命日でお墓参りをする必要はありません。都合が合う月命日にお墓参りを行い、故人を偲びましょう。
月参りを行う
月命日には、月参りという法要を行う方もいます。月参りとは、一周忌などの年忌法要やお盆と同様に、僧侶にお経を唱えてもらって供養することです。特に、故人が亡くなってから初めて迎える月忌に月参りを行う遺族が多いです。
月参りを行うかどうかは、地域や家庭の慣習や考え方によって異なります。また、毎月の月命日で月参りを行わなくてはいけない、という決まりはありません。供養の仕方はそれぞれのため、月参りを行うかどうかは遺族で話し合って決めるとよいでしょう。
仏壇に手を合わせる
月命日には、故人を思って仏壇に手を合わせる方も多いです。お墓参りになかなか出かけられない方でも、自宅にある仏壇へのお参りは行いやすいでしょう。お花や食べ物、線香などをお供えして、手を合わせて故人を偲びます。
お墓や仏壇を掃除する
月命日にお墓や仏壇の掃除をするのもおすすめです。お墓や仏壇を綺麗にしておくことは、故人の供養につながります。
お墓の掃除は、洗剤は使用せず水洗いで行うのが基本です。墓石の上から水をかけ、スポンジや雑巾などで軽く擦って汚れを落としましょう。線香皿や花立などの金属の部品は取り外し、水で洗います。お墓の汚れを長期間放置していると汚れが取れにくくなるため、定期的に掃除することが大切です。
仏壇は木でできており、湿気が多いと傷んでしまう恐れがあります。洗剤や水などは使用せず、柔らかい布で優しく拭きましょう。このとき、装飾されている金箔や漆が落ちないよう注意してください。
月命日のお供え物のマナー
月命日には、故人のお墓や仏壇にお供え物をして供養することが多いです。月命日にはどのようなお供え物が適しているのか、しっかりと確認しておきましょう。
生花をお供えする
月命日でお供えする花は、生花を選ぶのがマナーです。生花はドライフラワーとは異なり、水を取り替えたり形を整えたりといった手入れが必要です。このお手入れを通して故人を思い出すことが、供養につながると考えられています。お供えする花の種類に特に決まりはないため、故人が好きだった花などをお供えしましょう。
殺生を連想させるものは避ける
月命日のお供え物には、殺生を連想させるようなものは避けてください。仏教では殺生を禁じているため、肉や魚などはお供え物に不向きとされています。ハムやベーコンなどの加工品も避け、お菓子類や果物などの食品を選ぶようにしましょう。
賞味期限が長い食品を選ぶ
月命日のお供え物として食品を選ぶ際は、賞味期限に注意しましょう。
生菓子などは賞味期限が短いため、クッキーやお煎餅などの焼き菓子がおすすめです。また、お供え物を後から配りやすいよう、個包装タイプのものを選んでもよいでしょう。個包装されているお菓子などを贈る際は、縁切りを避けるために奇数個のものを選ぶのがマナーです。
月命日に適したお供え物
「月命日のお供え物のマナーは分かったけれど、具体的に何を選ぶべきか迷ってしまう」という方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、月命日のお供え物におすすめの品を紹介します。
お菓子類
月命日のお供え物に何を選ぶか迷っているのなら、お菓子類がおすすめです。冷凍や冷蔵が必要なお菓子はすぐに傷んでしまう上、お供えしにくいため常温保存できるものを選びましょう。洋菓子ならゼリーやマドレーヌ、クッキーなど、和菓子なら羊羹やお饅頭、せんべいなどが適しています。
また、故人が生前好きだったお菓子を供えるのもおすすめです。
果物
果物も、月命日のお供え物として一般的な品です。果物は季節ごとに旬が変化する上、色味が鮮やかで仏壇が華やかになることから、毎月の月命日のお供え物によく選ばれています。特に、メロンやスイカ、リンゴなどの丸い果物は縁起がよいと考えられているためおすすめです。その他、故人が生前好んでいた果物を選んでもよいでしょう。
ただし、冷蔵保存が必要なものや傷みやすい果物は、お供え物には不向きなので注意が必要です。
生花
故人は花の香りや美しさを楽しむと考えられているため、生花をお供えするのもおすすめです。一般的に、紫や白、青、黄色の花がお供え物として選ばれることが多いです。
花の種類にルールはありませんが、故人が長く花を楽しめるよう日持ちのする花を選ぶとよいでしょう。和花でおすすめなのは、グラジオラスやキンセンカ、リンドウ、菊、カーネーションなどです。洋花を選ぶ場合は、百合やデンファレ、スプレーカーネーション、リシアンサスが適しています。
線香
月命日のお供え物として、線香も一般的です。仏教においては「故人は亡くなった後、仏様となり香りを食べる」と考えられています。さらに、線香の香りは周りやお供えをした人を清め、あの世とこの世を繋ぐものとされています。
月命日の過ごし方を押さえ、故人を供養しましょう
この記事のまとめ
- 月命日とは故人が亡くなった日と同じ日にちのことで、故人が亡くなった日の翌月から始まる
- 月命日には、お墓参りや月参り、お墓・仏壇の掃除などを行って故人を供養する
- 月命日のお供え物には線香やお菓子、生花などがよく選ばれる
- 食品を選ぶときは、賞味期限が長い焼き菓子や果物がおすすめ
月命日とは、故人が亡くなった日と同じ日のことであり、故人を思い出して供養するための大切な日です。月命日にはお墓や仏壇の掃除、月参り、お墓参りなどを行いましょう。また、月命日のお供え物には、賞味期限が長い食品や果物、生花、線香などがよく選ばれます。今回紹介した月命日の過ごし方やおすすめのお供え物などを参考にしながら、故人を偲びましょう。