お墓参りに行ってはいけない日とは?行くべきタイミングや時間帯も紹介

ご先祖を供養するために行うお墓参りですが、行ってはいけない日はあるのでしょうか。本記事では、お墓参りに行ってはいけない日や、行くべきタイミングについて解説します。お墓参りの持ち物や流れもあわせて紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。
お墓参りに行ってはいけない日や時間帯

お墓参りをする際、行ってはいけない日や時間帯はあるのでしょうか。まずは、お墓参りに行ってはいけない日や時間帯について解説します。
一般的にはいつ行ってもよいとされる
お墓参りはいつ行っても問題ないとされています。どのタイミングで行くのかよりも、故人やご先祖を供養する気持ちが何より重要とされています。故人に会いたい日や都合が合うときなどにお墓参りをするとよいでしょう。
お墓参りに行ってはいけない日
お墓参りに行ってはいけない日は、一般的にありません。ただし、地域によっては年末年始や正月のお墓参りには行ってはいけないと考えられています。お墓参りに行ってはいけない日があるか気になる方は、お住まいの地域の方に確認しておきましょう。
お墓参りを避けるべき時間帯
お墓参りは夜間の時間帯を避けた方がよいとされています。霊園や寺院の閉園時間があったり、足元が暗く怪我の恐れがあったりするのが理由です。安全面や霊園の決まりを考慮して、明るい時間帯にお墓参りをするのがおすすめです。
お墓参りに行くべきタイミング

一般的にお墓参りにはいつ行っても構わないとされていますが、特にお墓参りに行った方がよい日があります。ここからは、お墓参りに行くべきタイミングについて解説します。
祥月命日
お墓参りに行くべきタイミングとして、祥月命日(亡くなった月日、いわゆる命日)が挙げられます。仏教では、祥月命日はお墓参りに行くのにふさわしい日とされているからです。祥月命日にはお墓参りに行き、故人を供養するとよいでしょう。
月命日
月命日も、お墓参りに行くべきタイミングとされています。月命日とは、故人が亡くなった日を指します。例えば、命日が4月10日であれば月命日は4月10日を除く毎月10日となります。
お彼岸
お墓参りに行くべきタイミングに、お彼岸が挙げられます。お彼岸とは、春と秋の2回、お墓参りやお供えをしてご先祖を供養する行事のことです。春は春分の日を中心とした前後3日間、秋は秋分の日を中心とした前後3日間を含んだ7日間を指します。
お墓参りでは墓石や周りの掃除を行い、ご先祖への感謝の気持ちを表します。
お盆
お盆もお墓参りに行くべきタイミングの一つです。お盆は、あの世へ行った故人が帰って来る時期とされています。迎え盆と送り盆でお墓参りを行い、故人を送り迎えしましょう。
節目の日
節目となる日もお墓参りに適したタイミングです。例えば故人の誕生日や入学、結婚など、亡くなった方へ伝えたいことがある時が当てはまります。
お墓参りに適した時間帯

夜間のお墓参りは避けるべきとされていますが、いつお墓参りに行くのがよいのでしょうか。ここからは、お墓参りに適した時間帯を紹介します。
明るい時間帯
お墓参りは明るい時間帯に行くようにしましょう。霊園や寺院によっては、墓地の閉園時間が決まっている場合があるためです。なるべく午前中、もしくは午後の早い時間にお墓参りをしましょう。
「ついで参り 」は避ける
お墓参りをする際は、「ついで参り」にならないようにしてください。ついで参りとは、何かの用事のついでにお墓参りをすることです。お墓参りは何よりも優先されるべきことと考えられており、ついで参りは故人に対して失礼にあたるからです。
お墓参りに必要な持ち物

お墓参りに行く前に、何を準備しておくべきか確認しておきましょう。ここからは、お墓参りに必要な持ち物を紹介します。
掃除道具
お墓参りに必要な持ち物として、掃除道具が挙げられます。お墓に到着したら、まずお墓の掃除をする必要があるためです。タオルやスポンジ、墓石用の洗剤、ブラシ、ゴミ袋、軍手などを持っていきましょう。霊園や寺院によっては掃除道具の貸し出しをしている所もありますが、貸し出しがない場合は自分で用意が必要です。
手桶・柄杓
お墓参りに行く際は、手桶と柄杓を持参してください。手桶は汲んだ水を入れるときに、柄杓は桶から水をすくうときに使用します。お墓の掃除をしたり、墓石に水をかけたりする際に使用するため、忘れずに持っていきましょう。
霊園や墓地によっては手桶や柄杓が貸し出されていますが、自分で準備しておいた方が安心です。仏具店やホームセンターなどで購入し、事前に用意しておくことをおすすめします。
数珠
お墓参りには、数珠も持参するようにしましょう。お墓参りでは、数珠をかけて手を合わせるのが一般的な作法とされています。もし数珠を持っていない場合は、数珠なしでも問題ありません。ただし、数珠の貸し借りはしてはいけないとされているため、他人から貸してもらうのは避けましょう。
線香・ロウソク
お墓参りに必要なものとして、線香やロウソクが挙げられます。ロウソクには、火をつけることで故人やご先祖に来訪を知らせるという意味があります。線香に火をつけるときに使われるものでもあるため、忘れないよう持参しましょう。
線香には、故人に香りを召し上がっていただいて供養する、という意味があります。線香もお墓参りに欠かせないもののため、忘れないようにしてください。
マッチ・ライター
お墓参りの際には、マッチやライターを持参しましょう。マッチ・ライターは、ロウソクに火を灯す際に使用します。お墓は屋外にあるため、風雨があたっている環境でも火がつきやすいものを選びましょう。風除けがあるライターや、火力が強く消えにくいものがおすすめです。
花
お墓参りの際は、花も持参しましょう。仏教では、亡くなった人は花の香りを楽しむと考えられています。故人が好きだった花や季節の花をお供えして、故人を偲びましょう。
ただし、花びらが散りやすいものや花粉がついている花、トゲや毒を持つ花などは、周りのお墓を汚してしまう可能性があります。故人が好きな花だったとしても、こういった花は選ばないように注意が必要です。
お供え物
お墓参りに必要な持ち物として、お供え物もあります。飲食物や故人に縁のある品物などを持参し、墓前にお供えをして供養します。食べ物をお供えする場合は封を切り、お盆や半紙の上に乗せるのが作法です。墓石に直接食べ物を置くと、汚れやシミの原因になるため避けてください。
お墓参りの流れ

ここからは、お墓参りの流れについて紹介します。どのような手順でお墓参りをするべきか分からない方は、こちらを参考にしてください。
①お墓を掃除する
最初にお墓の掃除を行います。お墓の周りを掃除した後、墓石を洗う流れです。墓石を洗う際は、柔らかい素材のタオルやスポンジを使うとよいでしょう。
②水鉢に水を入れる
お墓の掃除が終わったら、水鉢に水を入れます。水鉢に雨水や枯葉などが溜まっている場合は取り除き、きれいな浄水を注ぎましょう。
③お供え物を供える
次に、お供え物を墓前に供えます。お盆や半紙などを敷き、その上にお供え物を乗せましょう。直接墓石の上にお供え物を置くと、墓石が汚れてしまう可能性があるため避けてください。
④線香をあげる
お供え物を供えたら、線香をあげます。お墓に滞在できる時間が短い場合は、短い線香を選ぶのがおすすめです。
⑤故人と関係が深い人からお参りする
線香をあげた後は、故人との関係が深い人からお参りします。まず故人の配偶者、子供、親族と続きます。家族全員で揃って手を合わせても構いません。
⑥後片付けをする
お参りが終了したら、後片付けを行います。お供え物はそのままにせず、回収して持ち帰ります。霊園や寺院にゴミ箱がない場合は、ゴミをきちんと持ち帰りましょう。
お墓参りの際に気をつけるべきこと

ここからは、お墓参りをする上で気をつけるべきことやその理由を解説していきます。お墓参りのルールをきちんと守り、故人やご先祖を供養しましょう。
お墓にジュースやお酒をかけない
お墓参りを行う際、墓石にジュースやお酒をかけないようにしてください。お墓に水以外の飲み物をかけると、変色やシミ、サビ付きの原因になる恐れがあるためです。ジュースやお酒類をお供えしたい場合は、別の器に注いでお墓の前に置くようにしましょう。
お供え物は放置しない
お墓参りでお供えしたお供え物を放置するのは避けましょう。お供え物をそのままお墓の前に置いていくと、動物によって荒らされる恐れがあるためです。腐敗により周囲のお墓の迷惑にもなるため、忘れずに持ち帰るようにしてください。食べ物をお供えした場合は、お墓の前でいただくことも可能です。
火を消してから帰宅する
火を消してから帰宅することも重要です。線香やロウソクにつけた火をそのままにしておくと、帰宅後に火が燃え広がり火事になる恐れがあります。
寺院墓地では、本堂へのお参りを忘れない
寺院墓地の場合は、お墓だけでなく本堂へのお参りも忘れないようにしましょう。墓地に到着したら、まず本堂へ赴いて挨拶をしてください。
お墓参りに行ってはいけない日はなく、故人やご先祖を供養する気持ちをもって行きましょう

この記事のまとめ
- お墓参りには、一般的にいつ行ってもよいとされている
- お墓参りに行くべきタイミングとして、祥月命日、月命日、お彼岸、お盆、節目の日などがある
- お墓参りは明るい時間帯にすませ、ついで参りは避ける
- お墓参りには、掃除道具や手桶・柄杓、数珠、線香・ロウソク花、お供え物などを持参する
- お墓参りは、お墓の掃除、お供え物のお供え、線香をあげる、お参り、後片付けの順番に行われる
- 墓石にジューズやお酒をかけたり、お供え物や火を放置したりしないよう注意する
お墓参りに行ってはいけない日はなく、どのタイミングで行っても問題ありません。ただし、暗い時間帯やついで参りは避けるべきとされています。本記事で紹介したお墓参りのマナーや流れなども参考にしつつ、故人を供養しましょう。