お墓に供える花の種類は?おすすめの花や一般的な選び方や気をつけるポイントを紹介
お墓参りの際はお墓に花をお供えしますが、どのような種類の花を選ぶべきか迷った経験はありませんか?本記事では、お墓に供える花の種類やおすすめの花、一般的な選び方を解説します。お供えするべきでない花についてもまとめているので、参考にしてみてください。
お墓に花を供える理由
お墓参りをするときには花が欠かせませんが、なぜ花をお供えするのでしょうか?まずは、お墓に花を供える理由について解説します。
故人のため
お墓に花をお供えすると、故人が花の香りや見た目の美しさなどを感じて楽しむとされています。また、亡くなった人のために花を選んで供えることには、故人を思い出して感謝するという意味が込められています。故人を偲びながら、亡くなった人が好きだった花を選ぶとよいでしょう。
さらに、花は厳しい自然の中で育って咲くため、強い生命力の象徴とされています。お墓に花を供えることには、故人の新生や転生を願うという意味もあると考えられています。
仏様のため
仏様は故人と同じく、花の香りや見た目の美しさを好むとされています。お墓に花を供えることで、仏様に日頃の感謝を伝えられると考えられているのです。
また、仏様へのお供え物の基本である「五供(ごくう)」に花が含まれているのもお墓に花をお供えする理由の一つです。仏様は食べ物の代わりに香りを召し上がるとされています。そのため、香りのよい花をお供えする慣習が生まれました。
自分自身のため
お墓に花を供えることには、お墓参りをする自分自身のためという意味もあります。お墓を綺麗に掃除して花を供える行為を通して、故人を失った悲しみを癒し、穏やかな気持ちになるとされています。また、花を供えて心を清めることにより、仏教の教えを守る気持ちが育まれるとも考えられています。
お墓に供える花の選び方
お墓参りで供える花の種類に決まりはありません。そのため、どのような花を選ぶべきか迷う人も多いのではないでしょうか?ここからは、お墓に供える花の選び方を紹介していきます。
故人が好きだった花を選ぶ
お墓に供える花には、故人が生前好きだった花の種類を選ぶとよいでしょう。お墓参りには、故人を偲んで感謝を伝えるといった意味合いがあります。
故人が好きだった花を選ぶことで、故人を偲ぶことにつながるでしょう。故人が好きだった花の種類が分からない場合は、故人が好きだった色の花を選ぶのもおすすめです。
千円ほどの予算で選ぶ
お墓参りで供える花は、一般的に千円程度の予算で選ぶことが多いです。相場を把握しておけば、お墓に供える花を選びやすくなります。
ただし、花の価格はお彼岸やお盆の時期は高くなる傾向にあります。お彼岸・お盆の時期にお墓参りをする場合、少々予算を超える可能性も考えておきましょう。
花の金額相場が分からない場合、花屋で予算を伝えれば予算の範囲内でおすすめの花を見繕ってもらえるでしょう。
花びらが散りにくいものを選ぶ
お墓に供える花には、花びらが散りにくい種類を選ぶとよいでしょう。枯れたときに花びらが散る花を供えると、お墓が汚れてしまう可能性があるためです。
花びらが散りやすい花としては、主にサザンカや椿などが挙げられます。特に椿は枯れると花ごと落ちてしまうため、「首が落ちることを連想させる」ということから、お墓に供える花として不向きと考えられています。
また、花粉が飛びやすい花もお墓に供える花としては向いていないため注意しましょう。花粉が飛ぶ花を供えると、お墓参りに訪れた人の服を汚してしまう恐れがあるためです。どうしても花粉が飛びやすい花を選びたい場合、あらかじめ花粉を取り除いておくとよいでしょう。
造花でも問題ない
お墓に供える花には生花を選ぶべきと考える人もいるのではないでしょうか。しかし、造花をお墓にお供えしても問題ありません。
お墓参りで供える花は、色味や状態の良さが長く続くものを選ぶのが一般的です。造花は生花とは異なり、枯れることなく美しい状態を維持できるのが特徴です。特に夏場は生花が枯れやすく、すぐに状態が悪くなってしまうため、造花が好まれる傾向にあります。
お墓が遠方にあり、枯れた花の片付けになかなか行けない場合などの際にも造花がおすすめです。ただし、宗派や地域によっては「生花を供えるべき」「造花を供えるのは避けたい」と考えられていることもあります。造花を選んでもよいか分からない場合、前もって墓地の管理者やお寺に確認しておくと安心です。
お墓に供えるおすすめの花
ここからは、お墓に供えるのにおすすめの花を紹介します。お墓参りに適した花の種類や選ばれている理由などを解説します。
カーネーション
カーネーションは母の日の贈り物としてよく選ばれている種類の花ですが、お墓参りにもおすすめです。カーネーションは一年を通して生産されているため、どの時期でも手に入りやすいです。色の種類が多く綺麗なカラーが多いことや、日持ちがする点なども、カーネーションが選ばれる理由の一つといえます。
母の日には赤色のカーネーションを、亡くなった母親には白いカーネーションを贈るという慣習もあります。カーネーションの色選びに悩んだら、白色を選ぶとよいでしょう。
菊
お墓にお供えする花として代表的なのが菊です。菊は花びらが散らないため、枯れてもお墓を汚す心配がありません。季節を問わず一年中生産されているため、価格の大きな変動がなく安定して入手できるのもメリットの一つです。
菊は白や赤、黄色、ピンクなどカラーバリエーションが豊富です。さまざまな色の菊を花束にしてもよいですし、故人が好きだった色の菊を一輪お供えするのもおすすめです。色選びに迷ったら、「ご冥福をお祈りします」という花言葉を持つ白色の菊を選ぶとよいでしょう。
ミソハギ
ミソハギは、お盆の時期のお墓参りでよく選ばれている花の一種です。ミソハギは7〜8月に咲く花であるため、季節の花としてお盆の時期にお供えされるのです。また、ミソハギは身を清める役割を持つ神聖な植物としても知られています。お墓参りをした人の心や身を清められることから、お墓にお供えするのに適した花と考えられています。
リンドウ
リンドウも、お墓参りにおすすめの花です。茎がしっかりとしており傷みにくく枯れにくいため、お墓に供えるのに適しているとされています。一輪で凛とした姿で咲く様子もリンドウが好まれる理由の一つです。
リンドウは、7〜9月に開花する種類の花で、一般的にお盆の時期やお彼岸のお墓参りに供える花としてよく選ばれています。
グラジオラス
お墓に供える花選びに迷っているのなら、グラジオラスもおすすめです。グラジオラスは6〜9月に咲く花であり、暑さに強いため、お盆やお彼岸に供える花としてよく選ばれています。
吸水性が高く、夏場でも日持ちする点もグラジオラスの魅力です。紫やオレンジ、ピンク、黄色など色味も豊富なため、故人が好きだった色の花が見つかるでしょう。見た目が華やかになる色味の取り合わせを考えて、花束を作るのもおすすめです。
蓮
蓮は仏像の台座として多く見かける、仏教と深い関わりを持つ花です。そのため、お墓参りの花としてよく選ばれています。また、蓮はお盆の時期である7〜8月に咲く花です。お盆の季節の花を供えたいときに、蓮を選ぶのもよいでしょう。
スターチス
スターチスは、春からお盆の時期にかけてのお墓参りにおすすめの花です。色の種類が豊富なため、故人の好きだった色を選びやすいです。また、スターチスはドライフラワーとしてもよく使われており、水分が少なくても枯れにくく日持ちする花です。枯れても花びらが散りにくいため、夏場の暑い時期のお供えとして適しています。
お墓に供える花を選ぶときの注意点
お墓に供える花に決まりはありませんが、中には選ぶべきでない花もあります。お墓で供える花を選ぶ際は、こちらで紹介するポイントに注意しましょう。
トゲのある花は避ける
トゲのある花は、お墓に供えるのには不向きとされています。トゲがある花を選ぶと、花を供える際や片付けをするときにケガをする恐れがあるためです。「故人や先祖にトゲのある花をお供えするのは失礼にあたる」と考えることもあるため、バラやアザミといったトゲのある花は避けましょう。
毒のある花はお供えしない
お墓に供える花を選ぶ際、毒を持っている花は選ばないよう注意してください。毒のある花をお供えすると、お供えする本人やお墓参りに来た人などに危険が及ぶ恐れがあるためです。周囲の人を危険に晒さないためにも、スズランや水仙、彼岸花などを供えるのは避けましょう。
香りが強い花は避ける
香りが強すぎる花もお供えには不適切と考えられているため、注意が必要です。香りが強い花をお供えすると、香りにつられて虫が集まってしまうことが理由です。クチナシや百合などの香りが強い花は、お墓に供えないようにしましょう。
ツル科の花は避ける
クレマチスや朝顔など、ツル科の花も控えるべきでしょう。ツル科の花は、何かに巻きついて成長をする特性があります。予想していなかった方向へ成長し、隣のお墓に巻きついてしまう可能性もあります。周囲への迷惑を考え、ツル性の花は選ばないようにしてください。
お墓参りで花を供えて故人を偲びましょう
この記事のまとめ
- お墓に花を供えるのは、故人や仏様、そして自分自身のためという理由がある
- お墓に供える花を選ぶ際は、故人が好きだった花や予算などで選ぶとよい
- お墓参りで供える花としては、カーネーション・菊・ミソハギ・リンドウ・グラジオラス・蓮・スターチスなどが選ばれている
- トゲのある花や毒のある花、香りが強すぎる花は、お墓に供えるのには不向き
- 花粉が飛びやすいものや、花びらが散りやすいものも避けた方がよい
お墓に花を供えるのには、故人や先祖の供養や、仏様のためという意味のほか、残された遺族のためという意味合いもあります。基本的に「この花を選ぶべき」という決まりはないため、故人が好きだった花をお供えして、故人を偲びましょう。