香典の代理をお願いしても大丈夫?頼み方や香典袋の書き方、渡すタイミングなど徹底解説
故人のためにお供えする「香典」ですが、やむをえない事情で葬儀当日に参列ができないという人もいるでしょう。そんなときには、香典の代理を検討してみませんか?本記事では、香典の代理について解説します。香典袋の書き方、代理人として参列する場合の流れも紹介しますので、ぜひご覧ください。
香典の代理をお願いしても大丈夫?
葬儀当日に御霊前へ供える香典ですが、仕事の都合や体調不良などの事情からどうしても葬儀に参列できない場合もあるでしょう。その際、香典は代理をお願いしても問題ありません。
その理由として、葬儀は突発的に起こる出来事のため、タイミングが合わず葬儀に参列できないというのも仕方がないと考えられています。葬儀当日に代理人を立てて香典を渡してもらうことで、自分が参列できなくても弔意を伝えられるでしょう。
香典の代理をお願いする場合の香典袋の書き方
代理人の役目はあくまで、預かった香典を依頼主の代わりに渡すことです。当日に受付でスムーズに香典を渡せるように、香典袋は依頼主が記入しましょう。
しかし、代理人を立てる場合の香典袋の表書きは、本人が参列する場合と書き方が違う点もあります。ここからは、香典の代理をお願いする場合の香典袋の書き方を解説します。
表書きは故人の宗教・宗派に合わせて記入する
香典を送る際の名目を記載する「表書き」は、故人の宗教・宗派に合わせて異なります。表書きは袋の表面上部中央に記載し、仏式の場合は「御仏前」あるいは「御霊前」、神式の場合は「玉串料」「御榊料」と記入しましょう。
故人が信仰していた宗教がキリスト教の場合、基本的には香典の考え方はなく、白い生花をお供えするのが一般的です。しかし、生花の代わりに金銭を香典として渡す場合には「御花料」と記載します。
同じキリスト教でも、カトリックでは「御ミサ料」、プロテスタントであれば「忌慰料」と記入する場合もあります。故人の宗派が分からない場合や書き方に困ったときには、宗教問わず一般的に使われている「御霊前」と記載するとよいでしょう。
中袋には依頼主の住所・氏名を記入する
香典袋に中袋がある場合には、依頼主の情報を書きます。表面に香典の金額、裏面に自分の名前と住所・郵便番号を記入しましょう。
香典袋に書く金額は、1万円であれば「金 壱万圓」といったように、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)の漢字を使って書きます。これは、金額が改ざんされることを防ぐためという理由があります。
表書きには「代」または「内」と小さく記載する
香典を代理で渡してもらう場合の香典袋には、依頼主の名前の左下に「代」または、配偶者が代理として参列する場合は「内」と記載します。代理人を立てて香典を渡す場合、受付の人や故人の家族に代理人を立てたことが分かるようにしておく必要があります。
そこで、代理であることを表す「代」または「内」と小さく記載しておくことで、代理人を立てたことが分かりやすくなります。
香典の代理をお願いする場合のポイント
香典の代理をお願いすることは問題ありません。しかし、葬儀当日に思わぬトラブルにつながらないためにも、会社や家族の代表者などを代理人とする場合のマナーを踏まえておきましょう。ここからは、香典の代理をお願いする場合のマナーを紹介します。
ご遺族にあらかじめ代理人を立てることを伝えておく
葬儀を執り行うにあたって、ご遺族は故人が生前にお世話になった人本人が来ることを想定しています。そのため、事前連絡もなしに代理人を立てた場合、葬儀当日の記帳時やお通夜、お礼を渡す際などに故人の家族が困ってしまう場合があるのです。
また、依頼主と代理人は知人であったとしても、故人のご遺族と代理人が初対面であるという場合もあります。そのため、代理を立てる際には葬儀の日より前にあらかじめ「当日は参列できないため、香典は代理人が持参します」という旨をご遺族に連絡しておきましょう。
香典の金額に注意する
代理人を立てる場合も、本人が参列するときと同じように包む金額に注意してください。「死」や「苦」を表すとして縁起が悪いとされている「四」や「九」の数字は、避けるのが一般的です。
また、代理人を立てた場合でも、香典の相場は本人が参列した場合と同じで問題ありません。
関係が近い人に代理人を頼む
誰かに香典の代理をお願いする場合、状況に合わせて家族や会社の人などといった自分と関係が近い人に依頼することをおすすめします。
代理をお願いしやすいのはもちろんですが、葬儀後にもらったお礼の受け渡し・トラブルの対処がしやすいといったメリットがあります。頼み方は電話でも直接会って相談するやり方でも問題ありません。双方に負担がかからない頼み方でお願いしてみましょう。
代理を頼めなかった場合に香典を渡す方法
葬儀は突発的に起こるものであるため、依頼するタイミングによっては代理をお願いできない場合もあります。ここからは、代理を頼めなかった場合の香典の渡し方を紹介します。
香典を郵送する
どうしても当日に参列できず、代理も頼めなかった場合には、香典を郵送する方法がおすすめです。郵送する際は必ず現金書留用の封筒を使い、添え状となる手紙・金銭を包んだ香典を入れて郵便局の窓口へ渡しましょう。
お通夜・葬儀当日に間に合う場合には、日付に余裕を持って斎場へ直接香典を郵送します。葬儀のタイミングと合わない場合には、葬儀後に喪主宛で郵送しましょう。その場合、葬儀直後のタイミングではご遺族の負担になってしまう可能性もあるため、葬儀後2~3日、遅くても1週間以内に到着するように手配するのがおすすめです。また、香典を郵送したことをあらかじめご遺族へ連絡しておきましょう。
弔問して香典を直接渡す
葬儀やお通夜に参列できなくても後日ご遺族のもとへ訪問できる時間があるなら、弔問して香典を直接渡すのも渡し方の一つです。弔問する前に、ご遺族に弔問に伺いたい旨を伝えるとともに、訪問の日時について確認しておきましょう。
また、ご遺族によっては故人との関係性が分からない場合があります。確認の電話をする際には、故人との関係性について詳しく伝えることも大切です。
弔問時に持参する香典の表書きは、四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」とするのが一般的です。
香典の代理をお願いされたときの当日の流れ
突然自分が香典の代理を頼まれた場合、当日どのようにふるまえばよいか不安になってしまう人もいるでしょう。ここからは、香典の代理をお願いされたときの当日の流れをご紹介します。香典の渡し方・記帳の仕方なども解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
①事前に依頼主のフルネーム・住所を確認する
香典の代理をお願いされた場合には、受付での記帳時・香典を渡す際などに誰の代理なのかがしっかり分かるように、事前に依頼主のフルネーム・住所を確認しておきましょう。会社の代表として参列する場合は、会社の住所や依頼してきた人の名前を確認しておいてください。
②香典を用意する
さまざま事情で依頼主が香典を用意できなかった場合には、葬儀へ参列する代理人が香典を用意しなくてはいけません。依頼者のフルネームを表書きに記載し、前述した書き方も参考にしながら必要事項を正しく記載した香典袋を準備しましょう。
③当日の受付で代理人だと伝える
当日は葬儀の会場に到着したら受付へ行き、お悔やみの挨拶とともに誰の代理で参列するかを伝えてください。また、その際に本人の欠席理由についても簡潔に伝えておきましょう。地域や会場によっては、芳名帳への記帳より先に香典を渡す場合もあります。
④芳名帳へ記入をする
代理人であることを伝えたら、芳名帳へ記帳します。芳名帳は参列者の名前と住所を記帳する帳簿のことで、香典のお礼を渡すときの住所確認や参列者の確認などに使われます。
依頼主のフルネームと住所を記帳したら、名前の下に「代」と小さく記載します。配偶者の代理で参列する場合は「内」と書きましょう。場合によっては代理人の名前の記入をお願いされることもあるため、その際には自分の名前も記載してください。
⑤香典を渡す
芳名帳への記帳が完了したら「御霊前へお供えください」という一言とともに、持参した香典を渡しましょう。香典を持参する際には袱紗に包み、渡す際には袱紗から香典を取り出します。受け取る相手側が表書きを読めるように、香典袋の向きを変えてから両手で渡しましょう。
⑥香典返しを依頼主へ渡す
香典返しが受付完了後に渡される「当日返し」の場合、代理人が本人に代わって香典返しを受け取ることもあります。その場合、香典返しは一度代理人が預かっておいて、後日依頼主へ直接渡すようにしてください。
参列が難しいときには香典の代理をお願いすることも検討しましょう
この記事のまとめ
- 葬儀は突発的な出来事であるため、香典の代理をお願いするのは問題ない
- 香典の代理をしてもらう場合、表書きは故人の宗派に合わせるとともに、依頼主のフルネームの左下に「代」または「内」と記載する
- あらかじめご遺族に代理人を立てることを伝えておく
- 香典の代理が頼めない場合は、郵送・弔問時に直接渡すなどの方法がある
- 代理人として当日参列する際には、依頼主の情報を確認の上、代理人であることを受付で伝える
さまざまな事情で葬儀への参列が難しいときでも、香典の代理をお願いすることで故人やご遺族へお悔やみの気持ちを届けることができるでしょう。今回ご紹介した頼み方や香典袋の書き方を踏まえて、香典の代理をお願いすることも検討してみてください。