夏の法事の服装は?男女別の選び方や暑さ対策を紹介

夏の法事の際、どのような服装で参列すればよいのか悩んでしまうという方も多いのではないでしょうか。本記事では、夏の法事にふさわしい服装を男女・子供に分けて紹介します。法事の種類別の服装やマナー、暑さ対策などについても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
夏の法事の服装の選び方

ここでは、男女・子供別に夏の法事にふさわしい服装、選び方について解説します。ただし、施主の意向がある場合は事前に案内状を確認しましょう。
【男性】夏の法事の服装
夏の法事にふさわしい男性の服装は、「ブラックスーツ」になります。法事を執り行う会場の雰囲気や施主の意向などにもよりますが、男性は喪服を着用するのが一般的です。また男性が身に着けるネクタイや靴、靴下といった小物類も、黒で統一するのがマナーになります。
男性の喪服には、白のワイシャツを合わせます。夏の法事で暑さが気になる場合には、半袖のワイシャツでも問題ないでしょう。ただし、法事の最中は上着を羽織るのが一般的なので注意が必要です。
【女性】夏の法事の服装
夏の法事にふさわしい女性の服装は、「ブラックフォーマル」になります。喪服のワンピースやアンサンブル、スカートのスーツを選ぶのが一般的です。案内状などに「平服でお越しください」とある場合は、略喪服にあたる「パンツスーツ」でも問題ないでしょう。
夏の法事の場合、女性の服装は半袖のブラックフォーマルでも構いません。ただし、法事の最中はマナーとしてジャケットやボレロ、カーディガンなど、腕の隠れる服装にしましょう。バッグやストッキングなどの小物類は、黒色のものを用意します。また女性のアクセサリーの選び方は、フォーマル度の高いパールがよいでしょう。
【子供】夏の法事の服装
夏の法事にふさわしい子供の服装は、「制服」です。夏の法事であれば、半袖の制服でも問題ありません。また、大人の場合小物の選び方は黒が一般的ですが、子供の制服の場合は制服で決められている色のものを身に着けて参列します。
制服がない場合は、黒やグレー、濃紺のフォーマルな服装を心掛けましょう。男の子の夏の法事の服装は、白シャツに地味な色合いのズボンで問題ありません。女の子の服装は、ワンピースや白シャツにスカートなどがおすすめです。大学生の場合は、大人と同じ服装が好ましいでしょう。
法事の種類別の服装

夏の法事であっても、法事の種類によって服装のマナーが異なります。ここでは、夏の法事の種類別にふさわしい服装を解説します。
三回忌までは喪服を着用する
夏の法事に参列する際、三回忌までは「喪服」の着用が一般的です。喪服には、故人との別れを悲しむ、喪に服しているという意味があります。「四十九日」「一周忌」「三回忌」の夏の法要では、喪服がふさわしいとされているのです。
また三回忌までは、家族だけでなく親族や友人を招いて法事を執り行うことも多くあります。夏の法事の参列者は略喪服であっても、遺族は喪服の着用がふさわしいという考え方もあります。
七回忌以降は略喪服を着用する
七回忌以降の夏の法事の服装は、「略喪服」でも問題ないというのが一般的な考え方です。七回忌以降の法事は家族のみで執り行うことも多く、また故人との別れを乗り越える時期であるという考え方もあり、少しずつ簡略化していく傾向にあります。
案内状に平服でとある場合は従う
三回忌よりも前の夏の法事であっても、案内状に「平服でお越しください」とある場合は、略喪服を着用しましょう。略喪服とは、黒だけでなくグレーや濃厚といった地味な色の服装のことをいいます。平服とは普段着のことではないため、ジーンズやTシャツなどカジュアルすぎる服装にならないよう注意しましょう。
夏の法事で守るべき服装のマナー

夏の法事に参列する際には、服装について気を付けなくてはいけないマナーがいくつかあります。ご遺族の方への配慮として、夏の法事のマナーについても把握しておきましょう。
華美なアクセサリーは避ける
夏の法事に参列する際、華美なアクセサリーは避けるのがマナーです。結婚指輪は、男女ともに身に着けていても問題ないでしょう。しかし、キラキラしたものなど見た目が派手なアクセサリーは、夏の法事の服装にふさわしくありません。
女性がアクセサリーを身に着ける場合は、シンプルな一連のパールネックレスや一粒のパールイヤリングがおすすめです。パールはフォーマル度が高く、悲しみや涙の象徴でもあるため、夏の法事で身に着けても問題ないとされています。
また派手なネイルも、アクセサリー同様夏の法事にはふさわしくありません。ネイルを落としたり落ち着いた色に変更しましょう。ジェルネイルなどすぐに落とせない場合は、上からベージュのマニキュアやネイルコンシーラーを塗るなど対策をしてください。
半袖の場合はジャケットを羽織る
夏の法事に参列する際には、長袖のジャケットやボレロなどを用意しましょう。夏の法事は暑いため、半袖のワイシャツやワンピースを着用することもあります。しかし法事の最中は肌の露出を控えるのがマナーなため、上着を羽織るのが一般的です。
露出度の高い服装を避ける
夏の法事で暑さが気になる場合であっても、女性は肌の露出の少ない服装を選ぶようにしましょう。胸元が大きく開いたものやノースリーブは肌の露出度が高いため、夏の法事の服装にふさわしくありません。ワンピースやスカートの丈は、膝下の長さのものを選びましょう。
また素足も、露出度が高くなりカジュアルな印象を与えてしまうため、夏の法事の服装に適しません。暑さを感じる夏の法事であっても、女性は30デニール程度の黒のストッキングを着用するのが一般的です。
バッグや靴は光沢のないものを選ぶ
夏の法事の服装では、バッグや靴にも注意が必要です。バッグは、黒でシンプルなデザインのハンドバッグがよいでしょう。エナメルなどの光沢のあるものは派手な印象になるため、避けます。
またトートバッグのようなカジュアルなデザインのものや、ショルダーバッグ、ビジネスバッグなども、夏の法事にはふさわしくありません。法事の際、男性はバッグを持たないのが一般的です。
靴は黒の革靴、パンプスが好ましいです。バッグ同様、光沢の強いものや金具のついたものは避けましょう。
殺生をイメージさせる服装を避ける
夏の法事に参列する際には、殺生をイメージさせる服装を避けるようにしましょう。バッグやベルト、靴などは革製品のものが多いですが、このとき蛇革やオーストリッチなど、見た目で革製品だと分かるものは避けるのがマナーです。
また夏の法事で着用することは少ないとは思いますが、毛皮製品も避けるようにしましょう。たとえフェイク品であっても誤解を招くことがあるため、あらかじめ身につけないようにすることが大切です。
夏の法事の暑さ・エアコンの寒さ対策

夏の法事の服装では、露出を控えたり上着を羽織るといったことに注意する必要があります。とはいえ、夏の暑さやエアコンの寒さに耐えるのは大変なことです。ここでは、マナーを守りながらできる夏の法事の服装対策について解説します。
七分袖・五分袖の喪服を着用する
夏の暑さに弱いという女性は、七分袖・五分袖の喪服を着用し対策するとよいでしょう。法事に参列しているときの半袖の喪服は、露出度が高くふさわしくないとされていますが、五分袖以上であればジャケットの着用は不要とされています。
また移動中などは半袖で過ごしたいという場合は、七分袖のジャケットやボレロがおすすめです。薄手のものや風通しのよいデザイン、ゆとりのあるサイズを選ぶと、夏の法事であっても軽やかに過ごせるでしょう。
冷却スプレーを用意する
夏の法事の暑さ対策には、冷却スプレーがおすすめです。喪服に冷却スプレーをかけておくと、法事の最中も暑さをしのげるでしょう。顔が熱くなってしまう方におすすめなのは、小さな保冷剤です。ハンカチに包み持っておくと、顔のほてりの対策になります。
ハンディファンや冷感タオルといった目立つアイテムは、夏の法事にふさわしくないため使用の際は注意が必要です。
薄手のカーディガンや羽織を用意する
エアコンの寒さに弱い場合は、薄手のカーディガンや羽織を用意しておきましょう。半袖の喪服の上に羽織れば、肌の露出を抑えることもできます。ただし、黒くて華美ではないデザインのものを選びましょう。
法事中にカーディガンを着用すること自体はマナー違反にはなりませんが、ジャケットの上に重ね着するのは避けましょう。どうしても寒い場合は、ジャケットの下にカーディガンを着用するのがおすすめです。
水分を用意する
夏の法事に参列する際には、熱中症対策のためにも水分を用意しておきましょう。お墓参りのときなど、すぐに水分補給できるようにしておくと安心です。また汗と一緒に塩分も不足することがあるため、塩飴や塩タブレットなども持っておくことをおすすめします。
夏の法事の最中に水分補給するのは難しいため、始まる前に水分補給をしておきましょう。また式場によっては、飲食物の持ち込みができない場合もあります。持ち込みができないときには、クロークやコインロッカーなどに預けておきましょう。
夏の法事では服装マナーに気を付けて参列しましょう

この記事のまとめ
- 夏の法事の男性の服装は「ブラックスーツ(喪服)」と「白ワイシャツ」が一般的
- 夏の法事の女性の服装は「ブラックフォーマル(喪服)」が一般的
- 夏の法事の子供の服装は、幼稚園や学校の「制服」が正式なマナーで、制服がない場合は黒やグレー、濃紺のフォーマルな服装を選ぶ
- 法事の種類によって、服装の種類は異なる
- 夏の法事は服装やアイテムを工夫して、暑さやエアコンの寒さの対策をする
夏の法事の服装は、故人の供養、喪に服すという意味のある「喪服」が一般的です。法事の最中は暑くても長袖の着用が一般的ですが、移動時などは半袖や七分丈でも問題ありません。
また夏の法事の際は、暑さやエアコンの寒さの対策を行いましょう。本記事で紹介した服装を参考にしながら、夏の法事にふさわしい服装で参列しましょう。

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。