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葬儀を知る

家族葬では読経と戒名はなしでもよい?メリットや注意点をあわせて解説

家族葬では読経と戒名はなしでもよい?メリットや注意点をあわせて解説

葬儀では、僧侶による読経が行われ戒名を授かるのが一般的です。しかし、葬儀形式の多様化に伴い読経なし・戒名なしの葬儀を望む方も増えてきています。本記事では、家族葬では読経と戒名はなくてもよいのかや、注意するべき点などを詳しく解説します。

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葬儀での読経や戒名が持つ意味

家族葬で読経なし戒名なし 手を合わせる様子

仏式の葬儀では僧侶による読経が行われたり、戒名を授かったりするのが一般的です。まずは、葬儀での読経や戒名が持つ意味について解説します。読経や戒名が持つ意味を知り、どのような形式の葬儀にするか考えてみてください。

読経の意味

お通夜や葬儀、法要などで行われる読経には、故人の安らかな眠りを祈るという意味合いがあります。故人があの世で幸せになれるように願いながらお経を読み上げることで、故人が極楽浄土へと導かれると考えられているのです。僧侶が読経を行っている際は、参列者は数珠を持って故人の冥福を祈ります。

また、読経には参列者や遺族の心を癒すという意味合いもあります。お経は、この世を生きている人の迷いを払って幸せに導くためのものです。お経そのものに徳があり、葬儀で読経を聞くだけで大切な人を失った悲しみが癒えると考えられています。お経の意味や具体的な教えがわからない場合でも、読経をする意味はあるのです。

戒名の意味

仏式の葬儀では、生前に使用されていた俗名とは別に「戒名」が僧侶によって授けられます。この戒名は読経の際に読み上げられたり、葬儀や法要などで使われる位牌に刻まれたりします。

仏門に入ったことを意味する

戒名は、仏様の弟子になったことの証とされています。本来、戒名は仏教の修行を行っている僧侶が生前に授かるものでした。戒名の「戒」には、仏教の教えや仏門に入った徒が守るべき戒律という意味があります。教えや戒律を守って修行を行うため、仏門に入った僧侶に戒名を付けていたのです。

しかし現在は、戒名は亡くなった人に対して付けられるのが一般的です。仏教においては、「仏様に導かれることで、故人の魂が極楽浄土へとたどり着ける」と教えられています。仏様の導きで極楽浄土へ行くために、仏様の弟子になったことを表す戒名を付ける必要があるのです。

戒名料の相場

多くの仏教宗派では戒名にランクがあり、それぞれ戒名料の金額が異なります。例えば、一般人が授かることの多い「信士」「信女」という戒名は、30万円~50万円とされています。ランクの高い「院信士」「院信女」は、100万円前後のお布施を渡す必要があります。

▶宗派別の戒名の相場を知りたい方はこちら

家族葬は読経なし・戒名なしでもよいのか

家族葬で読経なし戒名なし 疑問のイメージ

家族葬は、読経なし・戒名なしで執り行うことが可能です。読経や戒名は、仏式独自のものです。仏式以外の形式で葬儀を執り行う場合や、宗教に縛られない自由な葬儀を希望している場合は、読経なし・戒名なしの家族葬を行っても問題ありません。宗教色のない故人らしさのある葬儀を執り行うため、読経なし・戒名なしの家族葬を選択する方も多いです。

ただし、故人が仏教の信徒であったり仏式の家族葬を希望したりしている場合は、読経なし・戒名なしという形は難しいのが現状です。仏式の葬儀においては、読経や戒名は葬儀に欠かせない大切な要素とされているためです。どうしても読経なし・戒名なしという形式を取りたいのであれば、仏式ではなく他の形式で家族葬を執り行う必要があるでしょう。

家族葬を読経なし・戒名なしで執り行うメリット

家族葬で読経なし戒名なし メリットのイメージ

上述した通り、家族葬を読経なし・戒名なしで執り行っても問題はありません。では、読経なし、戒名なしで家族葬を行うのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

故人や遺族の希望に近い式ができる

家族葬を読経なし・戒名なしで執り行うメリットとして、故人や遺族の希望に沿った葬儀ができる点が挙げられます。読経や戒名を行わないということは、仏式の葬儀で行われる儀式や決まりに縛られる必要がないということです。やらなくてはいけない儀式で手一杯になる心配がなく、遺族の希望や故人の遺志が反映された葬儀にしやすくなります。例えば、故人が生前好きだった楽曲を実際に演奏したり、DVDやビデオを流して故人を偲んだりといったことが可能です。

なお、希望に近い葬儀を執り行う場合、式で何をするか自分たちで決めていかなくてはいけません。そのため、読経や戒名がある仏式葬儀よりも準備の手間はかかります。

▶無宗教葬儀のやり方や費用についてはこちら

費用を抑えられる

読経なし・戒名なしで家族葬を執り行うメリットとして、費用を抑えられる点が挙げられます。仏式の一般葬で僧侶を招き、読経や戒名を依頼する場合、寺院に対するお布施を用意しなくてはいけません。

お布施の金額は宗派や読経の回数によって異なりますが、10万円~35万円が相場とされています。ここに戒名料やお車代、御膳料といった費用が加わるため、最終的な出費が100万円以上になることも珍しくありません。

また、四十九日や一周忌の法要の際も、僧侶にお布施を用意する必要があります。葬儀が終わっても、継続的に金銭的な負担がかかってしまいます。

しかし、仏式の葬儀を選ばない場合は僧侶に読経や戒名を頼む必要がなく、お布施も不要です。そのため、家族葬にかかる費用を大幅に抑えられるとされています。できるだけ家族葬にかかる費用を削減したいと考えている場合は、読経なし・戒名なしの家族葬を検討してみてはいかがでしょうか。

家族葬を読経なし・戒名なしで執り行う際の注意点

家族葬で読経なし戒名なし 注意のイメージ

家族葬を読経なし・戒名なしで執り行う場合、いくつかの点に注意する必要があります。

菩提寺に納骨を拒否される可能性がある

家族葬を読経なし・戒名なしで取り行った場合の注意点として、菩提寺に納骨を断られる可能性がある点が挙げられます。菩提寺とは、先祖代々からお通夜や葬儀、法要などを任せてきたお寺のことです。

読経なし、戒名なしで家族葬を執り行うということは、菩提寺の意向を無視して仏式以外の形式で葬儀を行うことになります。「仏教のしきたりに従わずに葬儀を行なった場合、納骨を受け付けない」としている菩提寺もあります。さらに、読経なし・戒名なしの家族葬を行うことで、菩提寺との関係が悪くなることもあるでしょう。

菩提寺がある状態で、どうしても読経なし・戒名なしの家族葬を執り行いたい場合は、事前に相談しておくことをおすすめします。ただし、前もって相談したとしても、菩提寺から必ず理解してもらえるわけではありません。

戒名をつけなかった場合の納骨先

もし菩提寺から納骨を断られてしまった場合、新しく別の納骨先を探す必要があります。戒名なしでも、納骨堂や樹木葬、永代供養墓などは納骨が可能な場合が多いです。読経なし・戒名なしの家族葬を望んでいる場合は、事前にどこへ納骨をするかも考えておきましょう。

周りからの理解を得られないことがある

読経なし・戒名なしの家族葬は、周りの親族からの理解を得られない可能性があります。宗教的な儀礼を重んじる方が親族にいる場合、読経や戒名のない葬儀は受け入れられない可能性が高いです。

無理に葬儀を執り行うと、後に親族トラブルに発展する恐れがあります。理解を得られるよう、葬儀の前に親族と話し合いをしておきましょう。

読経なし・戒名なしの家族葬に関する質問

家族葬で読経なし戒名なし Q&Aのイメージ

ここからは、家族葬を読経なし・戒名なしで執り行う際に多い質問に回答していきます。読経や戒名なしで行う家族葬に不安がある方は、参考にしてください。

読経なし・戒名なしだと故人は成仏できない?

成仏に関する考え方は人によって異なるため、必ずしも「読経や戒名なしでは成仏できない」とはいえません。読経や戒名が故人の成仏につながるという考え方は、あくまで仏教におけるものです。故人や遺族の成仏に対する考え方次第であるため、正解や不正解などはありません。

読経なし・戒名なしの葬儀の種類は?

読経なし・戒名なしで葬儀を執り行う場合、一般的に仏式の葬儀は行うことができません。以下の2つの葬儀形式であれば、読経なし・戒名なしで行えます。

直葬

直葬とは、お通夜や葬儀などを執り行わず火葬だけを行うという形式です。読経や戒名を必要とするお通夜や葬儀を行わないため、読経なし・戒名なしでも執り行えます。

▶直葬の費用やメリット・デメリットはこちら

無宗教葬

無宗教葬は、その名の通り宗教的な儀式にとらわれないのが葬儀形式です。読経や戒名は仏教ならではの儀式であるため、無宗教葬なら読経なし・戒名なしでも問題ありません。

メリットや注意点を押さえて、家族葬を読経なし・戒名なしで行うか検討しましょう

家族葬で読経なし戒名なし 手を合わせる様子

この記事のまとめ

  • 葬儀での読経には故人を供養したり、参列者の悲しみを癒したりする意味がある
  • 戒名は故人が仏門に入って極楽浄土へ行けるよう、仏様に導いていただくために授けられる
  • 仏式以外の形式で行われる家族葬は、読経なし・戒名なしで執り行っても問題ない
  • 読経なし、戒名なしで家族葬を執り行うことで、故人や遺族の希望に近い式ができたり、お布施にかかる費用が抑えられたりというメリットがある
  • 家族葬を読経や戒名なしで執り行った場合、菩提寺に納骨を拒否される恐れがある
  • 読経なし・戒名なしの葬儀形式として、直葬や無宗教葬が挙げられる

葬儀で行われる戒名や読経には、故人の冥福を祈ったり故人が極楽浄土へ行けるよう願ったりする役割があります。仏式の葬儀以外の形式で行われる家族葬なら、読経なし・戒名なしで執り行うことが可能です。本記事で紹介した注意点やメリットを参考にして、家族葬を読経なし・戒名なしで執り行うか検討してみてください。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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