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無宗教葬儀とは?やり方・流れ・費用・注意点をまとめて解説

無宗教葬儀とは?やり方・流れ・費用・注意点をまとめて解説

無宗教葬儀とは、名前の通り宗教にとらわれることなく行う葬儀のことです。具体的にどのような流れで行われるのか、一般的な宗教葬との違いは何か気になる方もいるでしょう。本記事では、無宗教葬儀の内容ややり方、流れ、費用などを解説します。

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無宗教葬儀とは

「無宗教葬儀」という言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容までは分からないという方も多いのではないでしょうか。まずは、無宗教葬儀について詳しく解説します。

そもそも無宗教とは

無宗教とは、キリスト教や仏教、神道など特定の宗教・宗派を信仰していないことを意味します。日本は、クリスマスや神社・寺院への参拝などさまざまな宗教観が浸透している国です。特定の宗教を信仰するという価値観が他の国と比べて薄く、「自分は無宗教だ」と考えている人は少なくありません。しかし実際は、ご先祖代々葬儀を行う宗教が決まっていたり、両親が特定の宗教を信仰していたりする場合が多いとされています。

無宗教葬儀の定義・意味

無宗教葬儀とは、特定の宗教・宗派の思想や儀礼にとらわれずに行われる葬儀形式を意味し、「自由葬」とも呼ばれています。宗教に基づく決まりごとに関係なく、自由にプランを決められるのが特徴です。

お別れ会のような形式にしたり、明るい雰囲気で故人を送り出したりと、演出や設営を好きなようにアレンジできます。一般的な宗教葬で行えないようなこともできるため、葬儀内容を自由に考えたいという方にも選ばれています。

無宗教葬儀のメリット・デメリット

無宗教葬儀にはさまざまなメリットがある一方、デメリットもいくつか存在します。こちらでは、無宗教葬儀のメリット・デメリットについて紹介します。後悔のない葬儀を行うためにも、しっかりと把握しておきましょう。

無宗教葬儀のメリット

無宗教葬儀のメリットは、大きく分けて以下の三つが挙げられます。

葬儀内容を自由に決められる

無宗教葬儀の大きなメリットが、葬儀内容を自由に決められる点です。無宗教葬儀は自由葬と呼ばれることからも分かる通り、宗教的な儀礼に縛られることがありません。そのため、遺族や故人の希望に近い葬儀を執り行えるのが魅力です。

信仰している宗教を問わず誰でも参列できる

宗教・宗派によっては、他宗教の葬儀に参列できない場合があります。しかし、無宗教葬儀であれば誰でも参列可能です。そのため、家族や親族間で信仰している宗教が異なる場合に選ばれることもあります。

費用を抑えられる

無宗教葬儀のメリットに、聖職者へのお礼を準備する必要がない点が挙げられます。仏式の葬儀では僧侶、神式の葬儀では神主などを招いてお経や祝詞を唱えてもらうため、そのお礼としてお布施を用意しなくてはいけません。

しかし、無宗教葬儀の場合はこのような聖職者を招いて行う儀礼がないため、お礼のお金を準備する手間や負担が省けます。また、仏教の習わしである戒名や法名をつけていただく必要もないため、戒名料・法名料も発生しません。その分、一般的な宗教葬に比べて費用を抑えやすい傾向があります。

無宗教葬儀のデメリット

ここまで無宗教葬儀のメリットを解説してきましたが、以下のようなデメリットもあります。無宗教葬儀を検討している方は、こちらのデメリットも理解しておきましょう。

準備に手間がかかる

無宗教葬儀は宗教葬と比べて準備が大変です。宗教葬の場合、式の流れや形式にある程度の決まりがあります。そのため、葬儀社に「この形式で葬儀を行いたい」と依頼すれば、大まかな葬儀の内容を決めてもらえます。しかし、無宗教葬儀の場合は形式がほとんど決まっておらず、全て自分たちで内容を決めて準備しなくてはいけません。通常の葬儀に比べて準備に手間や時間がかかることを覚えておきましょう。

周囲からの理解を得られない場合がある

無宗教葬儀のデメリットとして、親族や家族、参列者からの理解が得られないことがある点が挙げられます。無宗教葬儀は比較的新しい葬儀形式のため、まだまだ浸透しているとはいえません。また、家族や親族が宗教葬にこだわりを持っていることもあるでしょう。無宗教葬儀を行う際には、無宗教葬儀についての説明や故人の意向などを説明する必要があります。

菩提寺とトラブルになる恐れがある

ご先祖代々お世話になっている菩提寺がある場合、トラブルになる恐れがあります。菩提寺があるにも関わらず、仏式の葬儀でなく無宗教葬儀を選ぶ場合、その後の法要やお墓への納骨を菩提寺から拒否される可能性があります。菩提寺があるものの無宗教葬儀を希望する場合は、事前に菩提寺に相談しておきましょう。

無宗教葬儀の演出例

無宗教葬儀は形式が決まっていないため、何をすればよいか迷う方もいるでしょう。そこでここからは、無宗教葬儀のやり方の例を解説します。

スライドショーで故人との写真や動画を流す

無宗教葬儀のやり方として、スライドショーで故人が写った写真や動画を流す方法もおすすめです。故人が写っている映像や画像を見ることで思い出が鮮明に蘇り、故人を偲ぶきっかけになります。参列者同士で故人とのエピソードを語り合ったり、知らない故人の一面を知れたりと貴重な時間になるでしょう。お通夜や葬儀の途中だけでなく、式が始まる前や会食中に動画を流すこともあります。

故人の持ち物や思い出の品を展示する

無宗教葬儀のやり方のひとつとして、故人の持ち物や思い出の品を展示することが挙げられます。故人が好きだったものや愛用していた品、写真などを展示することで故人との思い出を鮮明に思い起こしていただけます。家族や親族、友人同士で故人を偲ぶきっかけにもなるでしょう。

故人が好きだった音楽を自由に流したり演奏したりする

故人が好きだった音楽を流したり、演奏したりして見送るという形式もおすすめです。楽器を演奏できる参列者が生演奏を行ったり、参列者に歌詞カードを配って合唱したりすることができます。身近に楽器を演奏できる方がいない場合は、専門業者に生演奏を依頼するとよいでしょう。葬儀中はもちろん、会食中に曲を流すことも可能です。

無宗教葬儀の流れ

ここからは、無宗教葬儀の流れを紹介します。無宗教葬儀はどのような内容を行ってもよい自由葬であるため、こちらで紹介する流れはあくまでも一例です。

①参列者・遺族の入場

まず、葬儀に参列する方や遺族が会場に入場します。あらかじめ座る席が決まっている場合は、前もって席を案内する係を配置しておきましょう。入場時にバンドに生演奏をしてもらったり、故人とゆかりのある曲を流したりすることもあります。

②開式の挨拶

参列者と遺族が入場して着席したら、司会者や遺族の代表が開式の挨拶を行います。葬儀の開始案内と合わせて、無宗教葬儀を選んだ理由や故人とのエピソードなどを述べるのがおすすめです。この後の式の進行に影響が出ないよう、3分ほどの長さにまとめましょう。

③黙祷

開式の挨拶が終わったら、司会者の合図で黙祷を行います。無宗教葬儀には、仏式の葬儀とは異なり僧侶による読経がありません。故人を偲ぶ時間を作るため、読経の代わりに黙祷を行うことが多いです。黙祷では目を閉じて軽くうつむき、故人との思い出を振り返りましょう。

④弔電の紹介

弔電が届いている場合は、届いた弔電の内容を司会者が読み上げます。弔電の数が多い場合は、内容を読み上げずに名前のみの紹介とすることもあります。

⑤故人の経歴紹介

故人の経歴紹介が行われることもあります。故人がどのような人生を歩んでいたのか、どういった人柄だったのかが語られます。

⑥スライドショー

故人との思い出をまとめたスライドショーを流すことも多いです。スライドショーを流すことで故人との思い出を共有でき、参列者全員で故人を偲ぶことが可能です。

スライドショーを作成する場合は、家族や親族だけでなく故人の友人から写真・動画を集めておくとよいでしょう。スライドショーを作れる方が家族にいない場合は、業者に作成を依頼するのがおすすめです。

⑦献奏

故人との思い出の曲や好きだった歌を献奏することもあります。参列者やバンドに依頼して生演奏をしたり、CDをかけたりと献奏の形式は自由です。ただし、葬儀社や斎場によっては曲をかける機材がなかったり、生演奏を禁止していたりする場合があります。献奏を予定している場合は、前もって葬儀社に「生演奏をしてもよいか」「曲を流す設備はあるか」などを確認しておきましょう。

⑧感謝の言葉

感謝の言葉では、参列者が故人にこれまでのお礼を述べます。参列者を代表してひとりが挨拶をすることもあれば、複数人が感謝を述べることもあります。規模や参列者が少ない家族葬の場合は、全員で一言ずつ声をかける時間を設けてもよいでしょう。

感謝の言葉には、「冥福」「成仏」といった宗教に関連する言葉や、「くれぐれも」「重ね重ね」など不幸の繰り返しを連想させる重ね言葉を使わないよう注意しましょう。

⑨献花

無宗教葬儀では、仏式の葬儀で行う「焼香」の代わりに、故人に花を手向ける「献花」を行うことが多いです。故人の顔を見ながら花を手向け、故人の安らかな眠りを願うための時間となります。

一般的にはカーネーションや菊などが選ばれますが、故人が好きだった花を使用しても問題ありません。ただし、棘のある花や毒を持った花などは一般的に葬祭の場ではタブーとされているので、無宗教葬儀であっても避けたほうが無難です。

⑩閉式の言葉

最後に、司会者や代表が閉式の挨拶をします。ここでは葬儀に参列してもらったことや、滞りなく式を行えたことに対するお礼を述べます。挨拶は長くなりすぎないよう、3分ほどでまとめるようにしましょう。

⑪出棺・火葬

閉式の挨拶が終わったら、会場から棺を運び出して霊柩車に乗せる「出棺」に移ります。出棺後は火葬場へ移動し、故人のご遺体を火葬します。規模が小さい葬儀や家族葬の場合は、参列者全員で火葬場に向かうこともあるでしょう。また、火葬の後に会食を行うこともあります。

無宗教葬儀の費用

無宗教葬儀の費用は、葬儀の内容によって大きく異なります。ここからは、無宗教葬儀の費用を紹介します。

無宗教葬儀の費用相場

無宗教葬儀の費用相場は、どのような内容を行うかによって大きく異なります。シンプルな内容であれば数十万円ほどに抑えることも可能ですが、スライドショーや音楽の生演奏などさまざまな内容を盛り込んだ場合は100万円〜200万円ほどになることもあります。

無宗教葬儀の費用の内訳

無宗教葬儀の主な費用の内訳は、以下の通りです。

  • 斎場の利用料
  • 火葬場の利用料
  • ご遺体の搬送・保全費用
  • 棺代
  • お花代
  • 供物代
  • 遺影写真制作費
  • 司会者などの人件費人件費
  • 霊柩車などの車両費車両費
  • 香典返しや会葬礼状費
  • 会食費

葬儀で行う内容やプランによっては、追加で料金がかかる場合もあります。

▶葬儀費用の内訳と費用の相場はこちら

無宗教葬儀を行うときの注意点

ここからは、無宗教葬儀を行う際の注意点について解説していきます。

事前に親族の了承を得る

無宗教葬儀を行う場合は、前もって親族の了承を得るようにしましょう。無宗教葬儀は比較的新しい形式であるため、葬儀の内容に納得しない方もいます。前もって家族や親族に話を通しておき、トラブルを避けましょう。

葬儀の内容を考える必要がある

無宗教葬儀では、葬儀の内容を自分たちでしっかり考える必要があります。自由に内容を選べる自由葬だからこそ、きちんとプランニングをしていないと納得のいく葬儀にはなりません。何をやりたいか、どのように故人を送りたいか、流れをしっかり計画しましょう。

菩提寺とのトラブルを防ぐ

無宗教葬儀を行う場合、菩提寺とのトラブルに注意が必要です。宗派によっては、教えに合わせた葬儀形式でないと納骨を認めない寺院もあります。場合によっては法要を執り行えなくなることもあるため、念頭に置いておきましょう。

無宗教の葬儀を行う際は、メリット・デメリットや注意点を踏まえましょう

この記事のまとめ

  • 無宗教葬儀は決まった宗教の儀礼にとらわれずに行う葬儀で「自由葬」とも呼ばれる
  • 無宗教葬儀のメリットは、葬儀内容を自分で決められる、信仰宗教を問わず誰でも参列できることがあげられる
  • 無宗教葬儀の演出として、故人の持ち物や思い出の品を飾る、故人が好きだった曲を流すなどがある
  • 無宗教葬儀内容によって、葬儀の費用は大きく変動する無宗教葬儀内容によって、葬儀の費用は大きく変動する

無宗教葬儀は、宗教的な儀礼や決まりごとにとらわれずに行う葬儀を意味しています。内容に制約がほとんどなく、信仰している宗教を問わず行えるのが特徴です。自由に内容や流れを決められる一方、前もって親族の了承を得なくてはいけなかったり、葬儀内容を自分で考える必要があったりするため、周囲の方に相談をしてから執り行いましょう。

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