オランダ移住のメリット・デメリットとは?かかる費用やビザの条件も解説
ヨーロッパの中でもオランダは日本人に人気の移住先です。オランダで働きたい、オランダに住んでみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、オランダ移住のメリット・デメリットや費用、ビザ取得の条件について紹介していきます。
オランダへ移住するメリット
オランダへの移住を検討している方が気になっているのが「どのようなメリットがあるのか」という部分ではないでしょうか。まずは、オランダへ移住することで得られるメリットについて詳しく紹介していきます。
公共交通機関が正確
オランダに移住するメリットとして、バスや電車といった公共交通機関が正確である点が挙げられるでしょう。他の国だと、バスや電車が時刻表通りに来ないことが多いといわれています。しかしルールを大事にするオランダの場合は、公共交通機関がダイヤ通りに運行しています。正確な時刻表に慣れている日本人にとって、ほとんどストレスを感じることなく生活できるでしょう。
教育制度が充実している
教育制度が充実しており子育てがしやすいのもオランダ移住の大きなメリットです。オランダは、ヨーロッパの中でも特に教育制度が充実している国です。オランダの義務教育は4歳〜18歳で、私立・公立を問わず学費が無料です。小学校が選択制なのも特徴で、子どもの特性に合った学校を選ぶことが可能です。子供に合った学校を選びたい、お金の心配をせずに教育を受けさせたいという要望を叶えられるでしょう。
他の国にアクセスしやすい
オランダへの移住には、他の国にアクセスしやすいというメリットもあります。オランダからヨーロッパの他の国までは、飛行機で3時間以内に到着できます。車や電車で外国にアクセスすることも容易で、周りの国へ気軽に遊びに行けます。旅行好きな方にとって、このアクセスの良さは大きな魅力といえるのではないでしょうか。
オランダへ移住するデメリット
上述した通り、オランダ移住にはたくさんのメリットがあります。一方で、移住する上でのデメリットもあるため注意が必要です。こちらでは、オランダへ移住するデメリットを五つ紹介します。オランダへの移住を検討している方は、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
物価が高い
オランダへ移住するデメリットとして、まず物価の高さが挙げられるでしょう。オランダでの物価は日本の1.5倍以上ともいわれており、食材や日用品など全てが高めです。人的サービスも高く、救急車を呼んだりワクチンを接種したりするのに高額なお金がかかります。
雨が多い
オランダへ移住する上で天候には気をつけましょう。オランダは雨が多い国で、晴れている日は1年のうち数日しかないといわれています。風も強く、気温以上に寒さを感じるでしょう。
また、オランダは緯度が高いため夏と冬では日が出ている時間が大きく異なります。夏は5時〜22時頃の約17時間日が出ているのに対し、冬は9時〜16時までの7時間ほどしか日が出ていません。日本と異なる天候に戸惑いを覚える日本人も多いです。
役所や病院に行くには予約をとる必要がある
オランダでは、役所や病院に行く際に予約を取る必要があります。日本のように、すぐに役所で手続きをしたり病院を受診したりできるわけではありません。役所や病院が混んでいる場合、長くて数ヶ月待つことになります。役所や病院へすぐにいけない点は、日本人が戸惑うポイントの一つです。
住む場所を見つけるのに苦労する
オランダへ移住するデメリットとして、住む場所を見つけるのに苦労することが挙げられます。オランダでは住居の需要の高まりに対して供給が追いついておらず、空き部屋がほとんどありません。住宅の価格も高く、引っ越しにお金もかかります。
お店が閉まる時間が早い
オランダは、お店が閉まる時間がかなり早めです。日本のような24時間営業のスーパーやコンビニはほとんどなく、夜まで営業している店はほとんどありません。日曜日を休みにする店も多く、不便を感じることもあるでしょう。
オランダ移住におすすめの都市
オランダには多数の都市があるため、どこへ移住すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。ここからは、オランダ移住を検討している日本人におすすめしたい都市を三つ紹介します。それぞれの都市の魅力も解説しているため、住居探しの参考にしてみてください。
アムステルダム
オランダへ移住するのであれば、アムステルダムがおすすめです。アムステルダムはオランダの首都で最も人口が多く、公共機関やお店が充実しています。観光名所が多い上、ヨーロッパ各国へのアクセスも非常によく、充実した日々を過ごせるでしょう。
ロッテルダム
ロッテルダムは、オランダでアムステルダムに次いで人口が多い都市です。他の都市とは街の雰囲気が異なり、個性的かつ現代的な建築物が多く立ち並んでいます。アーティストやデザイナー、建築家が多く住んでいる都市でもあるため、クリエイティブな職業に就く方にもおすすめです。
デンハーグ
デンハーグも、オランダへ移住する方におすすめしたい人気都市です。デンハーグはさまざまな国際機関が集まっている行政都市です。アムステルダムに比べると観光客が少なく、家賃も安めであるため、住みやすいと感じる方が多いです。
オランダ移住でかかる費用
オランダ移住にかかる費用は、働き方によって異なります。フリーランスもしくは現地で起業する場合、航空券の代金、引越しまでのホテル代、ビザ申請費用に加え、会社の登記費用などがかかります。少なくても100万円は準備しておく必要があるでしょう。
被雇用者として移住する場合、健康保険やビザ申請料などを会社が持ってくれることが多いため、お得に移住が可能です。雇用条件にもよりますが、片道10万円ほどの航空機代と住宅に引っ越す前のホテル代のみで移住ができるケースも多いです。被雇用者の場合は、引越し費用として50万円ほどを準備しておくとよいでしょう。
オランダ移住に必要なビザの種類と条件
日本人がオランダへ移住する場合、ビザを取得する必要があります。ここからは、オランダ移住に必要なビザの種類と、申請条件について解説していきます。自分の状況とビザの条件を照らし合わせて、どのビザを申請するか考えてみましょう。
オランダ起業ビザ
オランダへ移住して起業する場合、オランダ起業ビザを申請しましょう。オランダ起業ビザには年齢制限がない上、申請者の家族も一緒に移住できます。申請に必要な条件は、以下の通りです。
オランダ起業ビザの申請条件
- 日本国籍であること
- オランダで住所を確定し、住民登録を行うこと
- 犯罪歴や不法滞在歴がなくオランダにとってリスクとなる人物でないこと
- オランダで事業の登録を行い、最低でも4,500ユーロの投資を行うこと
雇用ビザ
オランダの会社で働く場合、雇用ビザで移住することになります。オランダの雇用ビザの申請には、申請者が企業の業務運営に欠かせない人材であること、研修生であること、企業が、ビザの申請基準を満たす給与総支給額を申請者に提供することなどが挙げられます。雇用ビザの申請は本人しかできず、代理申請は不可のため注意が必要です。
オランダへの移住の流れ
ここからは、日本人がオランダへ移住するまでの流れを解説していきます。いざ移住する際に慌てないよう、あらかじめ流れや準備するものを押さえておきましょう。
①起業・就職の準備
まず、オランダで起業もしくは就職する準備をします。現地で就職を希望する場合、インターネットで求人を探したり、知り合いに紹介してもらったりして仕事を探します。就職先が決まったら、その会社からビザを発行してもらいます。現地で起業する予定の方は、移民局に各種書類を提出して登記を行います。オランダへ移住するには、起業もしくは就労をする必要があります。そのため、起業や就労の予定がない方は移住できません。
②入国
仕事が確保できたら、オランダに入国します。ビザがない状態でも、日本人であれば入国が認められています。90日以内であれば、移住の準備のためにオランダに入国しても問題ありません。
③物件を探す
オランダに入国したら、物件を探しましょう。オランダへ移住する上でハードルが高いのが、物件探しです。オランダは物件の数が少ないため、空き部屋ができてもすぐに埋まってしまいます。
また、オランダで起業する予定の場合、信用力に欠けるとみなされて入居審査に通らない恐れもあります。収入額を伝えるなどして、きちんと家賃が払えることを証明すると交渉が上手くいきやすいです。
④申請書類の提出
物件が無事に決まったら、ビザの申請のための書類を提出します。必要な書類は以下の通りです。
オランダ移住に必要な申請書類
- パスポートのコピー
- 家族関係の証明書
- オランダの物件契約証明書
- 申請書
- カラーの証明写真
ビザの条件やメリット・デメリットを参考にオランダ移住を検討しましょう
この記事のまとめ
- オランダへ移住するメリットとして、公共交通機関が正確、子育てがしやすい、他の国にアクセスしやすいなどが挙げられる
- オランダ移住には、物価が高い、雨が多い、役所や病院に行くのに予約が必要、住む場所を見つけるのが大変、お店が閉まる時間が早いといったデメリットもある
- オランダに移住するなら、アムステルダム、ロッテルダム、デンハーグなどの都市がおすすめ
- オランダ移住には、少なくとも100万円ほどの費用がかかる
- オランダ移住には起業・就労をする必要がある
- オランダへ移住する流れとしては、①起業・就職②入国③物件探し④申請書類の提出となる
オランダへの移住にはさまざまなメリットがある一方、病院や役所に行きにくい、物価が高いといったデメリットもあります。メリットだけでなくデメリットも把握した上で、移住するか否かを検討しましょう。移住を決めたのなら、本記事で紹介した内容を参考にしながら費用の準備やビザの申請、住居探しといった準備を進めてみてください。