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健康・カラダのこと

親の介護をしながら出来る仕事とは?両立のコツや支援制度についても解説

親の介護をしながら出来る仕事とは?両立のコツや支援制度についても解説

親の介護をしていると、介護離職が頭をよぎることもあるでしょう。ただ、仕事を辞めてしまうと自身の将来にとってデメリットになることもあります。本記事では、介護と仕事を両立するコツや、やむを得ず仕事の制限が必要になった場合でも辞めずにすむ支援制度、介護をしながらでも出来る働き方について紹介します。

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働きながら親の介護をする人が増えている

日本の高齢化率は令和4年9月現在で、29.1%となっています。必然的に介護を必要とする高齢者数も年々増加し、親の介護はさまざまな方面から社会問題として捉えられています。特に現役世代の将来的なリスクになりかねないのが、在宅介護による介護離職です。

令和4年 総務省統計局 (総務省)

ビジネスケアラーの現状

ビジネスケアラーとは、主に仕事に就きながら在宅介護をしている人のことを指します。経済産業省の資料によると、家族を介護している人のうち、約40%がビジネスケアラーであるといわれています。

令和6年 介護政策 (経済産業省)

介護者にとって、親の介護はとても大変なことです。特に仕事をしながらの介護は、なにかトラブルがあったときに仕事を休まなければならなくなります。勤務先の都合で融通が利かないこともあるため、仕事と介護の両立に限界を感じることもあるでしょう。

親の介護を理由に仕事を辞めるのは避けるべき

ビジネスケアラーをしていると、仕事と介護との板挟みで退職を考える場合があります。しかし、親の介護を理由に仕事を辞めるのは避け、出来るだけ継続するための方法を考えるのが得策です。なぜなら、介護離職にはさまざまなデメリットがあるからです。

介護離職のデメリット

介護離職のデメリットは、大きく以下の四つです。

介護離職の主なデメリット

  • 仕事や収入がなくなる(減少する)
  • キャリアが絶たれ、再就職が難しくなる
  • 心身的なストレスが介護者に集中する
  • 孤立しやすくなる

親の介護のために仕事を辞めると時間や心の余裕ができると考える方もいるでしょう。しかし実際には、介護期間のさまざまなストレスが一身にふりかかるだけでなく、その後の生活にも悪影響があります。

特に介護期間が長引いた場合、経済的不安に直面するだけでなく、第一線から離れる期間が長ければ長いほど再就職が困難になる可能性があります。その後の自分自身の人生のためにも、介護離職は出来るだけ避けましょう。

▶︎親の介護で離職したらどうなる?

親の介護と仕事を両立出来るようにするためのコツ

親の介護と仕事を両立するために、四つのポイントを紹介します。

支援制度を確認しておく

政府は介護離職を経済的損失を招く社会問題として捉え、さまざまな支援制度を整備しています。それに加えて自治体や勤務先でも独自の取り組みを実施している場合もあります。親に介護が必要になりそうだと感じたら、出来るだけ早く所属先の実施している制度を確認しておきましょう。

なお、国が実施している仕事と介護を両立出来るようにするための支援制度は、次の章で詳しく紹介します。

日頃から職場に親の状況を伝えておく

親の状況は、日頃から仕事の仲間や上司などに伝えておきましょう。いざというときに相談に乗ってもらえるだけでなく、急に仕事を休まなければならなくなったときなどに理解を得やすくなるでしょう。気軽に話せる環境をあらかじめ整えておくことで、安心して仕事に打ち込めることにもなります。

親に介護が必要になった時点で勤務先に報告する

親に介護が必要になったら、出来るだけ早く勤務先に報告しましょう。親の介護が始まると仕事の融通を利かせてもらったり、休んだりする必要に迫られるときがあります。勤務先に知らせておくことで、その後の勤務調整などがスムーズになるでしょう。

あわせて、職場から受けられる支援制度も確認しておくと安心です。

親の介護だけでなく、自分の時間も確保する

親のためと思って介護に全力を注ぐのは素晴らしいことですが、自分の時間をしっかり確保することも重要です。介護のことに集中しすぎると心身共に疲弊してしまい、気付いたら社会的に孤立することにもなりかねません。定期的にリフレッシュする時間を取ったり、地域住民や知人たちと交流を図ったりする時間も持ちましょう。

親の介護と仕事が両立出来るようにする支援制度

親の介護が始まったら、仕事と両立するための支援制度を活用しましょう。実際に活用出来る制度を三つ紹介します。

勤務先の支援制度

親の介護が始まったら、勤務先の支援制度が利用できます。国の政策では、各企業に支援制度整備を義務化しているからです。具体的には、親の介護のために休暇を与える・夜勤を免除するなどです。

勤務先の就業規則を確認したり、労務管理担当者に問い合わせたりして支援制度を活用しましょう。

各企業に義務化されている支援制度については、次の章で詳しく紹介します。

介護保険サービス

介護保険制度は、「介護の社会化」を目標に始まった公的保険制度です。原則65歳以上で何らかの支援が必要な方が利用でき、全7段階の要介護認定を受けることでレベルに応じた介護サービスを利用できます。親の介護と仕事を両立出来るようにすることも介護保険制度の大きなメリットです。積極的に活用しましょう。

令和3年 介護保険制度の概要 (厚生労働省)

公的減免制度

親の年金収入や貯蓄が心もとない場合は、公的な減免制度を活用しましょう。例えば介護保険施設入所時の費用を抑える「負担限度額認定制度」や、一定の上限を超えた場合に介護サービス利用料の一部が還付される「高額介護サービス費」などがあります。詳しくは自治体の窓口に問い合わせてみましょう。

会社が整備している両立支援制度

国の制度のもとで会社が整備している両立支援制度は、全部で七つあります。会社によって対応している内容が異なる場合もあるため、労務担当者や上司とよく相談して利用しましょう。

介護休業

介護休業とは、親の介護のために仕事を休める制度です。特徴は以下の通りです。

介護休業の特徴

  • 家族一人につき3回、通算93日まで利用できる
  • 一定の要件を満たす場合は給付金が受け取れる
  • まとまった日数休みが必要なときに利用できる

介護休業とは (厚生労働省)

介護休暇

介護休暇とは、短期間介護のために休みを取ることが出来る制度です。特徴は以下の通りです。

介護休暇の特徴

  • 対象家族一人の場合は年5日、二人以上の場合は年10日取れる
  • 時間単位で取れる
  • 親のため単発的に仕事を休みたいときに利用出来る

介護休暇とは (厚生労働省)

所定外労働の制限

所定外労働の制限とは、親の介護のために残業を断ることが出来る制度です。残業できない分、収入が少なくなってしまいますが、定時で確実に仕事を終えることが出来ます。

所定外労働の制限(残業免除)とは (厚生労働省)

時間外労働の制限

時間外労働の制限とは、1日8時間(週40時間)以上仕事をしなくてすむように出来る手続きです。これにより、24時間/1ヶ月・150時間/1年を超える時間外労働が制限されます。

時間外労働の制限とは (厚生労働省)

深夜業の制限

深夜業の制限とは、午後10時〜午前5時までのいわゆる深夜業の免除を受けることが出来る制度です。夜勤がある仕事をしている場合に夜勤しなくてよくなるため、安心して親の介護が出来るでしょう。

深夜業の制限とは (厚生労働省)

所定労働時間の短縮など

所定労働時間の短縮とは、親の介護でフルタイムの仕事が難しい場合に、下記のいずれかの措置を受けることが出来る制度です。

短時間勤務等の措置

  • 短時間勤務
  • フレックスタイム
  • 時差出勤
  • 介護費用の助成

勤務先によって詳細は異なるため、詳しくは勤務先にご確認ください。

短時間勤務等の措置とは (厚生労働省)

親の介護と仕事の両立に活用出来る介護保険サービスの種類

介護保険で利用出来るサービスは、全26種類・54サービスと多岐にわたります。そこで、独自に七つに分類して分かりやすく紹介します。介護保険サービスを上手に利用して、親の介護と仕事を両立出来るようにしましょう。

①ケアプランを作るサービス

ケアマネジャーなどの資格を持つ専門職が、介護相談から介護サービス利用に必須のケアプラン作成まで総合的に支援してくれます。介護のことで困ったら、まずはケアマネジャーがいる最寄りの「地域包括支援センター」か「居宅介護支援事業所」に相談しましょう。

②訪問系サービス

訪問系サービスでは、自宅に専門職が訪問し、さまざまなサービス提供を受けられます。身体介護や家事援助を受けられる「訪問介護」や、看護師から専門的な医療ケアを受けられる「訪問看護」、医師や薬剤師などから療養上の指導を受けられる「居宅療養管理指導」などがあります。

▶︎訪問介護で受けられるサービスはこちら

③通所系サービス

通所系サービスとは、施設に日帰りで通い、介護やリハビリを受けられるサービスです。主に閉じこもり防止やレスパイトを目的とした「通所介護」、医療系の専門職からリハビリを受けられる「通所リハビリテーション」があります。ほかにも認知症特化型や、アットホームな雰囲気が魅力の小規模な通所介護もあります。

▶︎デイケア、デイサービスについてはこちら

④短期入所サービス

短期入所サービスとは、一時的に介護施設に入所し、日常生活全般の支援を受けられます。親を介護する家族の負担軽減やお互いの気分転換を図るためにも利用出来るサービスです。介護重視の「短期入所生活介護」と、医療系の施設(介護老人保健施設など)に併設された「短期入所療養介護」の2種類があります。

⑤環境整備を目的としたサービス

環境整備を目的としたサービスには、以下のようなものがあります。

環境整備を目的としたサービス三つ

  • 通常は高額な介護用品を安価でレンタル出来る「福祉用具貸与」
  • レンタルになじまない入浴・排泄などに関する用具を購入した際に給付金がもらえる「特定福祉用具販売」
  • 特定のバリアフリー化工事をした際に給付金がもらえる「住宅改修」

福祉用具貸与 (厚生労働省)

特定福祉用具販売 (厚生労働省)

介護保険における住宅改修 (厚生労働省)

⑥複合型のサービス

複合型のサービスは、複数のサービスを同じ施設・同じ職員が提供出来る点が特徴です。基本的な複合サービスである訪問・通所・短期入所の機能を持つ「小規模多機能型居宅介護」と、さらに訪問看護の機能を加えた「看護小規模多機能型居宅介護」の2種類です。

⑦施設系サービス

介護保険制度では、特徴が異なる老人ホームも整備されています。

主な施設系サービス

  • 安価で看取りまで出来る「特別養護老人ホーム」
  • 在宅復帰を目的にリハビリが出来る「介護老人保健施設」
  • 長期療養が出来る「介護医療院」
  • 認知症専門の小規模施設「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」

【番外編】介護保険外の老人ホーム

介護保険サービス適用外の老人ホームは、ニーズに合わせた幅広い選択肢があるのが特徴です。サービス内容や経営方針も施設によって異なり、介護保険の施設と比較すると競争率も低めです。例えば「住宅型有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「ケアハウス」などがあります。

費用重視のシンプルな施設から入居一時金が何千万円もする富裕層向けの高級老人ホームまで、入居希望者の希望に合わせた施設探しが可能です。介護保険施設が空くまでの待機場所として利用できる施設もあるので、施設探しの際は介護保険外の老人ホームも選択肢に入れるとよいでしょう。

▶︎介護施設でかかる費用はこちら

親の介護をしながらでも出来る仕事

親の介護のために離職することは、望ましくありません。ここまで紹介した支援制度を活用しても親の介護と仕事が両立出来る自信がなくなったときは、別の仕事に切り替えて親の介護との両立を図るという方法もあります。

派遣

派遣のメリットは時給が高いことです。派遣は副業も出来る場合が多いため、在宅でも出来る副業と組み合わせると効率的に収入を得ることができます。

パート・アルバイト

派遣以外の仕事としては、パートやアルバイトもおすすめです。仕事時間に融通が利きやすいだけでなく、親にトラブルがあったときも比較的休みを取得しやすい点が魅力です。在宅でも出来る仕事を探すのもよいでしょう。

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ワークライフバランスへの取り組みに優れた会社の仕事

派遣やパートなどでは収入面で不安な場合、ワークライフバランスを意識した取り組みが充実している会社に転職するのも一つの手です。ワークライフバランスのとれた会社なら親の介護と仕事の両立が出来る可能性があります。

専門家と相談しながら仕事と介護の両立を目指しましょう

この記事のまとめ

  • 介護離職は出来るだけ避け、介護と仕事を両立出来る方法を探す
  • 親の介護に備え、日頃から職場に親の状況を伝えておく
  • 介護保険制度を利用すれば仕事と介護の両立に活用できる
  • 勤務先の支援制度を利用して、両立を目指す
  • 派遣・パート・在宅で出来る仕事などに切り替える方法もある

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親の介護はいつか終わりを迎えます。しかし、介護離職は親の介護が終わった後のデメリットが大きいため、おすすめできません。親の介護が終わってもあなた自身の人生はまだまだ続きます。各種支援制度を活用して、仕事と介護を両立をしながら乗り切る方法をみつけていきましょう。

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