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健康・カラダのこと

デイケア、デイサービスとは?基本的な内容からそれぞれの違いまで徹底解説

デイケア、デイサービスとは?基本的な内容からそれぞれの違いまで徹底解説

デイケアとデイサービスの違いはご存知でしょうか?どちらも介護保険制度の通所型サービスのため混同している方が多いのですが、実態は大きく異なります。本記事では、デイケアとデイサービスの基本的なサービス内容から細かな違いまで解説します。

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監修者 SUPERVISOR
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級 池田 正樹

東北公益文科大学卒業。その後、介護保険や障害者総合支援法に関する様々な在宅サービスや資格講座の講師を担当した。現在は社会福祉法人が運営する特別養護老人ホームの生活相談員として、入居に関する相談に対応している。在宅・施設双方の業務に加えて実際に家族を介護した経験もある。高齢者介護分野のみならず、障がい者支援に関する制度にも明るい。

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デイケアとは

デイケアは、「通所リハビリテーション」が介護保険法上の正式名称です。病院や診療所、介護老人保健施設などに併設されており、リハビリテーションや医療的なケアを実施するためのスタッフが多く配置されています。

目的

デイケアは、リハビリテーションや医療的ケアによって日常生活に必要な能力の維持や向上を目指すのが主な目的です。

理学療法や作業療法などにより、心身機能の維持や回復を目指します。入浴や食事の介助なども実施されますが、それらの支援もリハビリテーションの一環として行われます。

対象者

デイケアは、以下の条件に当てはまる人が対象です。

デイケアの対象者

  • 要支援1~2、要介護1~5のいずれかの要介護認定を受けている人
  • 医師が必要性を認めた人
  • ケアマネジャーが必要性を認めた人
  • リハビリテーションによって維持・改善が期待できる人

デイケアの対象者は要支援1以上であり、認知症の有無は問いません。「リハビリによって心身機能の維持改善を図る必要性がある」とケアマネジャーが判断した場合に、医師へ必要性を確認します。その後、サービス担当者会議において必要性を最終判断し、ケアプランに記載することで利用が可能になります。

主なサービス内容

デイケアの主なサービスは、以下の通りです。

デイケアのサービス内容

  • 医療系の専門職によるリハビリテーション
  • 送迎
  • 健康チェック
  • 身体介護(入浴・食事・排泄など)
  • 認知症ケア
  • レクリエーション
  • 生活相談
  • 医療的ケア

デイケアは、医師の指示に基づくリハビリテーションが主体の介護施設です。そのため、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職が配置されています。

送迎・健康チェック・身体介護・認知症ケアなどの基本的な支援に加え、医療施設に併設されている強みを活かした医療的なケアも行っています。

デイサービスとは

デイサービスは「通所介護」が介護保険法上の正式名称です。単独運営している場合と他の介護施設に併設している場合があります。また小規模が特徴の「地域密着型通所介護」、認知症に特化した「認知症対応型通所介護」が存在し、種類豊富な点が特徴です。

目的

デイサービスは、介護施設に通うことで閉じこもりの防止や心身機能の維持を目指し、加えて利用者家族の介護負担軽減を図ることが主な目的です。

家族に代わって介護を行いつつ、要介護者本人を定期的に外出させることで他者との交流や社会参加の機会を与えることができます。

対象者

デイサービスは、以下の条件に当てはまる人が対象です。

デイサービスの対象者

  • 要介護1〜5の要介護認定を受けている人
  • ケアマネジャーが必要性を認めた人
  • 閉じこもり防止と家族の負担軽減が必要な要介護者

デイサービスは要介護1以上の人が対象で、一部の事業所を除いて認知症の有無は問いません。ケアマネジャーが閉じこもり防止や他者との交流、家族の負担軽減が必要だと認めた場合に利用できます。実際に利用する場合、サービス担当者会議で必要性を確認した上でケアプランに組み込まれます。

なお、デイサービスの種類によっては住所や認知症の有無などの要件を満たす必要があります。また、65歳以上の高齢者が自身の健康状態をチェックできる「基本チェックリスト」に該当した人や要支援1・2の場合は、市区町村独自の「通所型サービス」が利用できます。

利用要件の詳細は、担当のケアマネジャーに問い合わせてみましょう。

主なサービス内容

デイサービスの主なサービスは、以下の通りです。

デイサービスのサービス内容

  • 送迎
  • 健康チェック
  • 身体介護(入浴・食事・排泄など)
  • 認知症ケア
  • 機能訓練
  • レクリエーション
  • 生活相談

デイサービスでは、種類を問わず利用者の日常生活動作の介助や認知症ケア、交流支援、社会参加が主となります。心身の状況に応じた介護を受けつつ、他者との交流支援や通所先で自身の役割を持つことで、生活意欲の向上を目指します。一部の施設では、医療ケアに対応している場合もあります。

またデイサービスには、日々の暮らしにハリや刺激を持ってもらえるような支援を実施することで外出意欲を引き出す役割があります。利用者家族が介護から離れる時間を確保することで、家族のリフレッシュや負担軽減にもなります。

デイケアとデイサービスの違い

デイケアとデイサービスは一見似ていますが、定義や対応内容、事業所の種類などに違いがあります。

デイケアとデイサービスの違いを表にまとめましたので、目を通してみてください。

デイケア

デイサービス

目的

心身機能の維持・改善

・閉じこもり防止

・社会参加

・家族の負担軽減

対象者

・要支援1~2

・要介護1~5

医師の指示が必要※1

要介護1~5

通常のデイサービスの場合※1

料金※2

757~1,369円/回

655~1,142円/回

サービス内容や人員配置

・リハビリが中心

・リハビリの国家資格保有者を必ず配置

・医療的ケアに対応できるスタッフや介護職員を配置

・介護やレクリエーションが中心

・機能訓練は看護師が担う場合が多い

・介護職員の配置が中心で、専門的な医療的ケアは難しい

※1 令和4年10月現在(最新版)
※2 要介護1~5で、それぞれ通常規模事業所を7~8時間利用した場合
※2 1単位=10円かつ、自己負担割合が1割の場合

ここからは、項目ごとのデイケアとデイサービスの違いについて紹介します。

目的の違い

デイケアの主な目的は、リハビリテーションにより利用者の心身機能の維持・回復を目指すことです。身体介護や認知症対応は、リハビリテーションの一環として行われます。

一方、デイサービスは閉じこもり防止と家族の介護負担軽減が目的です。心身機能の維持と共に、要介護者の外出支援や社会参加の促進を行います。

対象者の違い

デイケアは、介護予防や心身機能の維持回復という観点から、対象者が要支援1~2、要介護1〜5までと幅広いのが特徴です。利用にあたっては、主治医に判断を求めて必要性を認められなければなりません。なお、要介護認定がされていない人や介護申請をしていない人は利用できません。

一方、デイサービスは、基本的に要介護1~5の人が対象です。ただし、事業所が「通所型サービス(総合事業)」の指定を併せて受けている場合は、要介護1に満たない人でも同じ施設に通える場合があります。またデイサービスの種類によっては、他に利用条件が設定されている場合もあるため注意しましょう。

料金の違い

デイケアやデイサービスの料金は、多くの場合デイケアの方が割高です。デイケアは専門的なリハビリテーションを提供するためのスタッフや設備を備えていることに加え、デイサービスと同等の介護設備を整える必要があるためだと考えられます。

なお、事業所の規模(1日当たりの受け入れ人数)や要介護度、滞在時間、事業所の人員体制などにより料金が変わる点は、デイケアとデイサービスのどちらにも共通しています。

特にデイサービスの場合は、「地域密着型」や「認知症対応型」など種類の違いによっても料金に差があるため注意しましょう。

サービス内容や人員配置の違い

デイケアは医学的なリハビリテーションを提供するのが中心であるため、介護職員や看護師に加えて理学療法士・作業療法士などの医療系スタッフが充実しています。また、医師の配置義務があるため、医療的ケアの必要性がある人も利用可能です。

一方、デイサービスには医師や理学療法士・作業療法士の配置義務がありません。そもそも主なサービス内容が医療の提供ではなく、身体介護や認知症ケア、機能訓練、交流促進、社会参加となっているためです。デイサービスでは、特に各種ケアやレクリエーションに力を入れています。

なお、リハビリテーションと機能訓練は、表現が違うだけではありません。理学療法士や作業療法士、言語聴覚師といった専門職が医師の指示で行うのがデイケアのリハビリテーションです。一方、デイサービスで行う機能訓練は看護師や柔道整復師が独自に計画を立てて実施される点で、リハビリテーションと差別化されています。

デイケアのメリット・デメリット

デイケアを利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

デイケアのメリット・デメリット

メリット

デメリット

・医師や看護師など医療系スタッフが充実している

・専門的なリハビリを受けられる

・医療的ケアにも対応

・レクリエーションや季節ごとの行事が少ない傾向にある

・入浴や食事がない事業所もある

・比較的料金が高い

デイケアのメリット

先述した通り、デイケアは医師や看護師をはじめ、理学療法士や作業療法士などの配置が義務付けられています。これは、医学的知見に基づく専門的なリハビリテーションを提供する必要があるためです。

医療機関や介護老人保健施設に併設されているため、医療的なケアの体制も整っており体調が不安定な人でも無理なく利用できます。

デイケアのデメリット

デイケアはリハビリが中心であるため、事業所によってはレクリエーションや季節ごとの行事に力を入れていない場合があります。人件費が高い医療系スタッフが多くいるため、利用料金はデイサービスよりもデイケアの方が高くなっています。

デイサービスのメリット・デメリット

デイサービスを利用するメリット・デメリットは、以下の通りです。

デイサービスのメリット・デメリット

メリット

デメリット

・個別性の高いケアが期待できる

・重視するケアの内容で事業所を選択できる

・比較的料金が安い

・専門的なリハビリに対応していない

・医療系スタッフが手薄である

・医療的ケアを主体としていない

デイサービスのメリット

デイサービスは介護に特化しているため、利用者の状態に合わせた個別的なケアを受けられる体制が整っています。また、「機能訓練特化型」「認知症患者専門」「少人数で重度でもOK」など、事業所ごとに特徴があります。幅広い選択肢から選べて、1回当たりの料金がデイケアより安いのもメリットです。

デイサービスのデメリット

デイサービスに配置義務がある医療系のスタッフは、看護師(准看護師でも可)のみです。そのため、デイケアのような専門的なリハビリは体制的に難しい傾向にあります。また、医療機関と併設されていないため、痰吸引や経管栄養、体調が不安定な人については対応しきれない場合があります。

デイケアが向いている人・デイサービスが向いている人

最後に、デイケアとデイサービスのどちらを選べばよいのか悩んでいる人に向けて、選び方を紹介します。

デイケアが向いている人

デイケアは、退院直後や体調が不安定な人、リハビリに意欲がある人、心身機能が改善する可能性が高い人に向いています。医療的ケアが必要でデイサービスから断られてしまうような場合でも、デイケアであれば利用できる可能性があります。ただし、認知機能に課題があってリハビリの効果が期待できない人の場合は、デイケアよりデイサービスを選ぶとよいでしょう。

デイサービスが向いている人

デイサービスは、要介護度の高い人やリハビリよりも友達作りや交流、楽しく過ごせる場所を希望している人に向いています。事業所ごとにさまざまな特徴があるため、担当のケアマネジャーに相談してみるとよいでしょう。

ただし、デイサービスは医療系のスタッフが手薄です。医療的ケアやリハビリを求める人は、デイケアを選びましょう。

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条件を満たせば併用も可能

デイケアとデイサービスは目的やサービス内容が異なるため、条件を満たせば併用も可能です。

「要介護1以上であること」「併用の必要性をケアマネジャーが認めて医師に相談し、後に医師も必要性を認め、最終的にサービス担当者会議において必要性を判断してケアプランに記載すること」という条件を満たす必要があるため、併用を希望する方はケアマネージャーに相談してみましょう。

デイケアとデイサービスの違いを理解して、自分に合ったサービスを利用しましょう

この記事のまとめ

  • デイケアとデイサービスには、主な目的やサービス内容、事業所の種類などに違いがある
  • デイケアは、リハビリテーションによって日常生活に必要な能力の維持や向上を目指すのが主な目的
  • デイケアの主なサービス内容は、リハビリテーションや送迎、健康チェックなどの基本的な支援に加え、医療施設に併設されている強みを活かした医療的なケアにも対応できる
  • デイサービスは、介護施設に通うことで閉じこもりの防止や心身機能の維持を目指し、利用者家族の介護負担軽減を図ることが主な目的
  • デイサービスの主なサービス内容は、種類を問わず利用者の日常生活の介助や認知症ケア、交流支援・社会参加が主である
  • デイケアは、退院直後や体調が不安定な人、リハビリに意欲がある人や改善可能性が高い人に向いている
  • デイサービスは、介護の依存度が高い人やリハビリよりも友達作りや交流、楽しく過ごせる場所を希望している人に向いている

デイケアは専門的なリハビリが得意で、デイサービスは高齢者の閉じこもり防止や家族の介護負担軽減が目的です。通所系サービスを利用したい場合は、それぞれの特性を踏まえて本人の希望や心身状況を担当のケアマネジャーに伝え、どの事業所を利用するのがよいかを相談するようにしましょう。

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