カナダ移住の方法とは?費用やビザ申請、永住権取得について徹底解説
「将来は海外で暮らしたい」と考えている方の中には、カナダへの移住を検討している人もいるのではないでしょうか。本記事ではカナダ移住の方法について詳しく解説していきます。ビザの申請方法やカナダ移住のメリット・デメリットについても解説しているため、参考にしてください。
カナダへ移住するメリット
カナダへの移住には、具体的にどのような利点があるのでしょうか。まずは、カナダへ移住するメリットを三つ紹介します。
学費や医療費が安い
カナダへ移住する大きなメリットとして、学費や医療費の安さが挙げられます。州にもよりますが、基本的にカナダの義務教育期間は6・7歳〜16歳と長めです。小学校から高校までの期間は、公立高校の学費は無料となっています。
また、大学進学にかかる学費も日本に比べるとかなり安く、費用を抑えられます。奨学金や補助金の制度も充実しているため、カナダで子供の教育を考えている方にとって嬉しい魅力といえます。
また、カナダは医療費が安い国です。カナダは国民皆保険制度が採用されている国ですが、日本とは異なり国民健康保険料の支払い義務や医療費負担がありません。全て税金から医療費が出るため、診察を受けるのは基本的に無料です。ただし、薬を購入する代金や眼科、歯科など自己負担となるものも存在します。
豊かな自然の中で暮らせる
豊かな自然の中で暮らせるというのも、カナダに移住するメリットの一つでしょう。カナダには自然が多く残っており、場所によっては緑を身近に感じながら生活ができます。「自然に囲まれて暮らしたい」という方にとっては嬉しいポイントなのではないでしょうか。
さまざまな文化に触れられる
カナダへ移住すれば、さまざまな文化に触れられるというメリットが得られます。カナダは世界有数の移民大国であり、さまざまな国から人々が集まっています。カナダ人だけでなく、他の国の方とも交流ができるため、いろんな文化に親しめるでしょう。
カナダへ移住するデメリット
カナダ移住には、上述した通りさまざまなメリットがあります。しかしその一方で、いくつかデメリットもあるため注意が必要です。カナダへの移住を検討している方は、こちらで紹介するデメリットにも目を通しておきましょう。
税金が高い
カナダへ移住するデメリットとして、税金の高さが挙げられます。カナダは公的サービスが整備されている代わりに、日本よりも税金が高めです。住む州によって税率は異なり、高い所で消費税は15%近くになります。
カナダ放送協会によると、カナダの家計の約4割は税金に充てられているとされています。今後も税金は上がっていくと予測されています。
都市部は家賃が高い
都市部は家賃が高いというのも、カナダに移住する際のデメリットです。バンクーバーやトロントといった大都市では、アパートの家賃が日本円でいうと1LDKで22万円ほどかかるとされています。広い家に住むとなると、さらに費用がかさむでしょう。
ただし、田舎や郊外では家賃が安く、手頃な価格で広い住宅に住めます。なるべく家賃を抑えたいのであれば、小さな町や郊外に移住するとよいでしょう。
医療機関が混雑している
カナダへ移住するデメリットに、医療機関が常に混雑していることが挙げられます。メリットの部分で紹介しましたが、カナダでは医療費が基本的に無料です。そのため多くの人が医療機関を訪れることから、診察までに5〜6時間かかることも珍しくありません。
また、カナダと日本では病院のシステムが異なります。日本では風邪を引いたら内科へ、体が痛い時は整形外科へといったように、症状にあわせて専門医を訪れるのが基本です。しかしカナダでは、すぐに専門医にかかることができません。まずはクリニックや一般外来で状態を診てもらい、必要に応じて専門医や病院が紹介されるという仕組みです。
体調が悪くても専門医に診てもらえるのが数ヶ月先になる、ということは日常茶飯事です。健康面の不安がある方にとって、専門医を受診できるまで長くかかることはデメリットです。
カナダ移住に必要なビザの種類
カナダへ移住するためには、ビザを取得する必要があります。ここからは、カナダ移住に必要となるビザの種類と、取得条件について解説していきます。
エクスプレスエントリー
カナダ移住に必要なビザとして、エクスプレスエントリーが挙げられます。エクスプレスエントリーとは2015年に導入された新しいシステムです。申請者がプロフィールを登録するとカナダ移民局によって点数がつけられ、高得点者に永住権申請の権利が与えられます。
スタートアップビザ
スタートアップビザは、カナダでビジネスを展開したい海外の起業家を対象にしたビザです。事業を立ち上げてカナダ人の雇用を創出できる方が申請の対象になります。スタートアップビザを取得するには、指定団体からの支援書、高い語学力、自己資金といった条件が課せられます。
ポスグラビザ
ポスグラビザはカナダの学校を卒業した後に申請できる就労ビザで、一定の条件を満たしている学校を卒業した後、学校に通っていた期間と同じ期間のビザが発行されます。どの学校でも取得できるわけではないので注意が必要です。
カナダの永住権取得方法
ここからは、カナダの永住権を取得する方法を紹介していきます。カナダに永住したいと考えている方は、こちらの方法を参考にしてみてください。
結婚移民
カナダへ移住する方法として、結婚移民(コモンロー)が挙げられます。カナダに留学しているときに恋人ができた、日本で出会ったカナダ人と結婚した、といったケースでは、結婚移民という形で永住権を取得します。
カナダでは、基本的に永住権を取得するには英語テストに合格しなくてはいけません。しかし、結婚移民のみ英語テストが免除になるため、英語を話せない人でも永住権を申請できます。突出したスキルも必要ないため、かなりハードルが低い方法といえるでしょう。
ただし、永住権が受理されるまでの期間は他の方法に比べると長めなので注意が必要です。また、偽装結婚ではないことを証明するために過去1年以上同居していた証拠を提出する必要があります。
頭脳系移民
カナダで永住権を取得する方法に、頭脳系移民(エデュケーション)があり、大学院で修士号または博士号を取得している高学歴の学生のみが申請できます。カナダでは、海外の学歴が高い学生を国内に引き止めようとする動きが盛んです。そのため、学歴が高い学生は比較的簡単に永住権を取得できるでしょう。
技能系移民
技能系移民(スキルドワーカー)も、カナダで永住権を取得する方法の一つです。技能系移民を得るには、IELTSというテストに合格しなくてはいけません。加えて、政府が指定した職種で一年以上の就労経験が求められます。この職種とは、レストランのシェフや学校の教員、美容師といった手に職を持っていてスキルがあると定められているもののみです。
申請条件は厳しいですが、その分受理されるまでの期間は短いとされています。
家族移民
カナダへ移住する方法に、家族移民(ファミリースポンサーシップ)という方法もあります。両親や兄弟などがカナダの永住権を取得している場合、3親等までの親族はカナダの永住権を申請可能です。すでにカナダに住んでいる市民権保持者もしくは永住権保持者が、スポンサーとして親族を呼ぶという形式です。
犯罪歴がないことやスポンサーの収入が一定以上あることなど、申請にはさまざまな条件が課されます。
州政府移民プログラム
州政府移民プログラム(PNP)で永住権を申請する方法もあります。カナダ連邦政府だけでなく、州政府もその州独自の移民プログラムを準備しています。
例えば、石油の原産地であるエドモントンでは、エンジニアの方は簡単に永住権が申請できます。ケベック州ではフランス語が主となっているため、フランス語のレベルが高い人には条件が優しい永住権プログラムを提供しています。このように、州によってさまざまなプログラムが行われているため、一度チェックしてみるとよいでしょう。
カナディアン経験移民
カナディアン経験移民(CEC)は、カナダで働いた経験や学歴がある人が申請できるプログラムです。ワーキングホリデービザで働いていた期間の功績が認められれば、会社から一般の就労ビザが発行されます。そのビザから永住権を申請する、といった流れになります。長期間カナダで働いている場合は、この方法を使って永住権を取得する方が多いでしょう。
カナダへ移住する際にかかる費用
カナダへ移住するためには、ビザや永住権の申請費用、航空券代、旅行保険、パスポート申請代などがかかります。移住の時期や移住先によっても異なりますが、移住費用は約20万円〜35万円になるでしょう。これに加えて現地での生活費も必要になるため、資金はしっかり準備することをおすすめします。
ビザの取得条件や申請方法などを参考に、カナダへの移住準備を進めましょう
この記事のまとめ
- カナダ移住には、学費や医療費が安い、豊かな自然の中で暮らせる、さまざまな文化に触れられるというメリットがある
- メリットがある一方、税金が高い、都市部は家賃が高額になる、医療機関が混雑しているというデメリットもある
- カナダ移住に必要なビザの種類として、エクスプレスエントリー、スタートアップビザ、ファミリースポンサーシップ、ポスグラビザが挙げられる
- カナダの永住権を取得するには、結婚移民、頭脳系移民、技能系移民、家族移民、州政府移民プログラム、カナディアン経験移民といった方法がある
- カナダ移住には、約20〜35万円の費用がかかる
カナダは世界の中でも有数の移民大国であり、さまざまな国から人が集まっています。永住権が比較的申請しやすく、移住のハードルは低めだといえるでしょう。本記事で紹介した永住権取得の手続き方法や移住のメリット・デメリットを参考に、準備を進めてください。