喪服の相場を男女別に解説!購入とレンタルの比較や選び方も紹介
葬儀や法要など、いざというときに必要となる喪服ですが、購入する場合、費用の相場はどのくらいなのか気になる人もいるでしょう。本記事では、喪服の相場について、購入した場合とレンタルした場合を比較して紹介します。購入時・レンタル時の注意点もあわせて解説します。
喪服の相場は購入かレンタルかで異なる
葬儀やお通夜などへの参列時に必要となる喪服ですが、購入するのか、レンタルするのかで金額の相場は異なります。以前は喪服を用意するには、購入するしか方法がありませんでした。
しかし、通常のスーツやワンピースに比べると喪服は着用する機会が少ない上に値段が高いこともあり、近年は喪服のレンタルサービスを利用する人も多くいます。業者によって多少相場の違いはあるものの、購入する場合と比べてレンタルの方が値段が安い傾向にあります。
相場の違いがあるとともに、購入時とレンタル時ではそれぞれ注意点もあるため、喪服にかけられる予算や自分が着用するであろう状況をイメージして選ぶことが大切です。
喪服の購入・レンタルのそれぞれのメリット
葬儀などに参列する際、喪服は購入・レンタルのどちらの方法で用意しても問題ありません。そもそも喪服を購入した場合とレンタルした場合では、それぞれどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、喪服の購入・レンタルのそれぞれのメリットについて解説します。
喪服を購入するメリットは「急な葬儀にも対応しやすい」
喪服を購しておく最大のメリットが、急な訃報で葬儀やお通夜へ参列することになっても対応しやすい点です。喪服をレンタルする場合、利用するサービスの予約状況や葬儀までの日数によっては、必要な日にすぐ用意できない場合があります。
喪服を持っていない場合は、ダークカラーのスーツなどの「略喪服」で代用することもありますが、喪主として参列するときや場の雰囲気によってはふさわしくない場合もあります。あらかじめ喪服を購入しておけば、突然の訃報でも失礼のない装いで葬儀やお通夜へ参列できます。
また購入する場合、相場はレンタルよりも高い傾向にあります。しかし、一度購入した喪服は体型・サイズが変わっていなければ長く着用できるため、何度もレンタルするよりもかかる費用が安く抑えられる点もメリットといえるでしょう。
喪服のレンタルは「手軽さ」が大きなメリット
喪服をレンタルする最大のメリットは「手軽さ」にあります。相場が購入するより安いだけでなく、状況に合わせてさまざまなデザインの喪服を選んで着用できます。
レンタル業者によっては多彩なサイズが用意されているため、体型の変化でスーツやワンピースのサイズが変わっても柔軟に対応できます。レンタルではネット注文ができる業者が多いため、店舗へ訪れる手間もありません。
また購入した喪服は次も着用できるよう、着用後はお手入れした上で収納することが大切です。対してレンタルは着用後も返却するだけでよいため、クリーニングの手間や収納スペースを確保する必要がありません。着用するシーン・頻度が限られている喪服だからこそ、必要なときだけ借りられるレンタルを利用する人は多くいるでしょう。
【男性】喪服を購入・レンタルするときの相場を比較
喪服を購入・レンタルする場合でも、男性用と女性用では相場が少しずつ違います。ここからは男性用の喪服の相場について、購入時とレンタル時で比較します。
和装の喪服の場合
和装の男性用喪服は、格式によって着物に入った紋の数や色味の違いがあります。近年はブラックフォーマルと呼ばれるスーツで葬儀やお通夜へ参列する人が多いため、女性用の和装の喪服に比べて購入・レンタルできる種類が少なく、相場も高い傾向にあります。
購入費は20万円~30万円が相場
和装の男性用喪服を購入する場合、費用は20万円~30万円が相場です。特に喪服の中で最も格式が高い正喪服の相場は高く、一から仕立てる場合や素材によっては相場が50万円とかなり高くなる傾向にあります。
略喪服の和装の場合すでに仕立ててあるものも多く、費用は2万円~5万円が相場となるため、比較的購入しやすいでしょう。
レンタル費用は2万円~3万円が相場
和装の男性用喪服をレンタルする場合の費用は、正喪服・略喪服問わず2万円~3万円が相場です。和装には長着や羽織に加えて、下駄や足袋などの小物類も用意する必要があるため、セットでレンタルする場合は相場が少し高くなることもあります。
洋装の喪服の場合
洋装の男性用喪服は正喪服がモーニングコート、準喪服はブラックスーツ、略喪服は黒やチャコールグレーのスーツが該当します。近年は洋装の喪服での参列が主流になっているためか、和装に比べると値段やデザインのバリエーションが多くあります。
購入費は3万円~10万円が相場
洋装の男性用喪服を購入する場合、3万円~10万円が相場となります。和装ほど高くはないものの、正喪服のモーニングコートは8万円~10万円と少し相場が上がるでしょう。
一般的な喪服である準喪服のブラックスーツだと、相場は3万円~5万円です。準喪服は喪主と一般参列者のどちらでも着用できるため、喪服をとりあえず一着用意しておきたい場合におすすめです。
レンタル費用は5千円~1万円が相場
洋装の男性用喪服をレンタルする場合、5千円~1万円が相場です。モーニングコートについても1万円前後でレンタルできる傾向にあります。購入する場合の相場の半額以下でレンタルできることが多く、ベルトやネクタイなどの小物類を個別で用意できれば、さらに費用を抑えられるでしょう。
【女性】喪服を購入・レンタルするときの相場を比較
女性の場合、男性に比べて和装と洋装のどちらの喪服も着用することが多いためか、購入・レンタルのどちらにおいても価格の幅が広いです。ここからは、女性用喪服の相場について、購入時とレンタル時で比較します。
和装の喪服の場合
和装の女性用喪服として着用できる着物は三種類あります。まずは五つの紋が付いた黒い着物を正喪服、無地の三つ紋または一つ紋が付いた着物を準喪服、寒色系の一つまたは三つの紋付き着物を略喪服として着用することができます。
購入費は20万円~30万円が相場
和装の女性用喪服を購入する場合、男性用喪服と同じく20万円~30万円が相場となります。正喪服や準喪服を仕立てる際に使う生地の質によっては、相場が50万円前後になる場合もあります。すでに仕立てられているものを購入する場合は5万円~10万円と少し安い相場で入手できることもあります。
レンタル費用は1万円~2万円が相場
和装の女性用喪服をレンタルする場合は、1万円~2万円が相場です。正喪服の場合でも2万5千円前後、準喪服・略喪服であれば1万円以下で借りられる傾向にあります。購入時のように一から仕立てることはないため、急に和装の喪服が必要になったときに利用しやすいでしょう。
洋装の喪服の場合
洋装の女性用喪服はスカートやワンピース、パンツスタイルなど多彩なデザインがありますが、一般的にはスカートやワンピースの方がパンツスタイルより格式が高いとされています。そのため購入・レンタルをする際には、参列時の場の雰囲気や喪主の意向をしっかり確認した上で喪服を用意することが大切です。
購入費は3万円~5万円が相場
洋装の女性用喪服を購入する場合、相場は3万円~5万円と和装に比べて安価で購入できます。正喪服・準喪服において相場にそこまで差はなく、略喪服については暗い色のワンピースやスーツを喪服の代わりに活用することもできるため、状況によってはさらに費用を抑えられる場合もあります。
レンタル費用は5千円~1万円が相場
洋装の女性用喪服をレンタルする場合、5千円~1万円が相場です。購入時と同様に正喪服・準喪服で相場にほとんど違いがありません。豊富なデザイン・サイズから選べる上、靴やアクセサリーといった小物類もまとめてレンタルできるため、できるだけ安く手早く喪服を用意したいときには洋装のレンタルがおすすめです。
喪服を購入するときの選び方のポイント
一着持っていれば急な訃報でも安心できる喪服ですが、実際に喪服を購入する場合には相場だけでなく選び方も重要です。ここからは、喪服を購入するときの選び方のポイントを解説していきます。
シンプルなデザインを選ぶ
喪服を購入する場合は、シンプルなデザインのものを選びましょう。お悔やみの場へ着ていくものであるため、過度にタイトすぎるものやワイドすぎるもの、レースや光沢のある生地を使ったものなど、デザイン性の高い服は一般的に避けるべきとされています。
また、個性的なデザインだと、ファッションの流行の変化や年齢によっては着用が難しくなる可能性もあります。着用する頻度やシーンが限られている喪服だからこそ、年齢を重ねても長く着られるデザインを選びましょう。
ゆとりのあるサイズの喪服を購入しておく
喪服を購入する際には、ゆとりのあるサイズがおすすめです。葬儀やお通夜の参列時には立ち座りをする場面が多いため、サイズがぴったりの喪服だと動きにくく感じる場合があります。また、あらかじめゆとりのあるサイズを選ぶことで、多少の体型変化にも対応できるため、一着の喪服を長く着用できます。
女性の喪服の場合はアンサンブルがおすすめ
女性用の喪服を購入する場合には、アンサンブルのものを選ぶのもおすすめです。アンサンブルはセットになっている上着やスカート、パンツなどを組み合わせてコーディネートするタイプの服です。同じ喪服でも、場の雰囲気や参列する季節に合わせた装いができるため、一年を通して着用しやすいでしょう。
喪服をレンタルするときの注意点
購入時に比べて気軽に利用できるとはいえ、喪服をレンタルする際にはさまざまな点に注意しないと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。ここからは、喪服をレンタルするときの注意点を紹介します。
早目に手配しておく
喪服をレンタルする場合は特に、早目に手配しましょう。交通状況や地域によっては配送に時間がかかる場合があるため、葬儀や法要の日直前で手配をすると当日に用意できない可能性もあります。
また、返却日が葬儀や法要の直後になっていると返却手続きが間に合わず、追加料金が発生することもあるため、到着日だけでなく返却スケジュールにも注意しましょう。
汚損・破損に対する保証制度の有無を確認しておく
レンタル喪服を利用する前は、汚損・破損に対する保証制度の有無を確認しておきましょう。レンタルした喪服はほかの利用者も着用するため慎重に扱うことが大切です。うっかり汚損・破損させると、業者によっては返却時に修理費やクリーニング代を請求される場合があります。
しかし、保証制度がある業者であれば、万が一、汚損・破損させた場合も修理費やクリーニング代が免除になる場合があります。より安心してレンタルするためにも、保証制度のある業者やサービスの利用を検討してみましょう。
ネットレンタルの場合は喪服のサイズ表記に注意する
喪服をネットでレンタルする場合、喪服のサイズ表記に注意しましょう。ネットレンタルでは、店舗で購入するときとは異なり、実際のサイズ感を確認できません。
そのため、同じサイズ表記であっても実際に着用したときにサイズが合わない場合もあります。できるだけそれぞれの喪服のサイズ表記の詳細を確認して、少しゆとりのあるものを選ぶとよいでしょう。
予算や状況に合わせて喪服を購入かレンタルのどちらにするか決めましょう
この記事のまとめ
- 喪服の相場は格式や購入・レンタルによって異なる
- 和装の購入は、男性・女性ともに20万円~30万円が相場
- 洋装の購入は、男性は3万円~10万円、女性は3万円~5万円が相場
- 和装のレンタル喪服は男性で5千円~1万円、女性で1万円~2万円が相場
- 洋装のレンタル喪服は、男性・女性ともに5千円~1万円が相場
- 喪服を購入するときは、シンプルでゆとりのあるサイズのものを選ぶ
- 喪服をレンタルするときは、レンタル期間・保証の有無を確認する
喪服は和装と洋装のどちらにするかだけでなく、服の格式や購入・レンタルのどちらの方法で準備するかなどによって、相場が異なります。本記事で紹介した注意点も踏まえた上で、予算や状況に合わせて喪服を用意しましょう。