喪中とは?忌中・喪中にやってはいけないこと、タブーやマナー、正月の過ごし方を解説
喪中期間の過ごし方や、やってはいけないタブーについて知りたいですか。本記事では、結婚式や正月のお祝いなど喪中に避けるべき7つの事柄と、「喪中」と「忌中」の期間や過ごし方の違いを詳しく解説します。さらに、年賀状や初詣など年末年始特有の注意点から、問題ないとされる行事や贈答品まで網羅しました。マナーを守って故人を偲び、周囲に失礼のないよう過ごすためのポイントが丸わかりの完全ガイドです。
喪中とは?忌中との違いも解説
喪中(もちゅう)とはどのような意味なのでしょうか。似たような言葉として「忌中(きちゅう)」も存在しますが、両者の違いが分からない人も多いでしょう。まずは、喪中の定義や忌中との違いを解説します。
喪中とは?意味を解説
喪中とは、故人の死を悼み、派手な行動を慎んで過ごす期間です。故人との別れを受け入れ、悲しみから立ち直るための期間と捉えてもよいでしょう。喪中の間は、お祝い事や派手な遊び、旅行、大きな買い物は避けたほうがいいとされています。
喪中が適用されるのは、一般的には二親等までと考えられています。父母や祖父母、姉弟、孫が亡くなった際には喪中に該当しますが、伯父・伯母、従兄が亡くなった際には基本的に喪中にはなりません。
喪中はいつまで続く?期間を解説
喪中が続く期間はいつからいつまでなのでしょうか。故人との関係によっても異なりますが、約1年間、最長でも13ヵ月といわれています。両親や子供、配偶者が亡くなった際には、一周忌法要を迎える12~13ヵ月が喪中とされています。
一方、祖父母や兄弟が亡くなった際は3~6ヵ月が喪中期間となります。
上記であげた期間はあくまで目安です。いつまでを喪中とするかは遺族の意向で決めても問題ありません。
忌中とは?喪中と忌中の違い
喪中と忌中はいずれも近親者が亡くなった際の服喪期間を意味している言葉ですが、期間に明確な違いがあります。忌中とは、故人が亡くなったときから四十九日を迎えるまでの期間を指します。
仏教では「四十九日(49日)」、神道では「五十日祭(50日)」までが忌中で、慎ましく過ごします。喪中は続柄によって最長約1年間続きますが、50日が明ける「忌明け(きあけ)」を境に制限がかなり緩和されます。
忌中は喪中よりもやってはいけないことが多いです。記事の後半では、忌中にやってはいけないことを紹介しているため、喪中との違いを知りたい場合は確認しましょう。
喪中(約1年間)にやってはいけないこと七つ
ここからは、喪中にやってはいけないことを紹介します。基本的な事柄から見落としがちなことまで幅広く挙げていきます。しっかりと目を通しておきましょう。
神社での参拝
喪中にやってはいけないことの代表的な例が、神社での参拝です。神道では死は穢れと捉えられているため、神社に赴いて穢れを持ち込むことはタブーとされています。特に、穢れがあると捉えられている忌中は、神社への参拝は避けるべきです。
忌明けであれば問題ないと捉えている場合も多いですが、神社の方針によっては喪中の間は立ち入りを禁止している場合があります。喪中期間に神社へ行く予定がある場合は、該当する神社の方針を確認しておくとよいでしょう。
お正月のお祝い事
喪中にやってはいけないこととして、お正月のお祝いが挙げられます。年賀状を送らないこと以外に、お正月飾りやおせち料理の準備も控えるようにします。
前述した通り、神社へ立ち入ることもやってはいけないことに含まれるため、一周忌を迎えるまでは神社に初詣に行くことも控えましょう。
結婚式の開催・出席、入籍
喪中期間中の結婚式の開催や出席については、明確な決まりがあるわけではなく、その考え方は多様です。現代では、本人や家族の心情を尊重し、柔軟な対応を選ぶことも増えています。
そのため、結婚を考えている場合の入籍については、お祝い事ではないため喪中を気にせずに行うことが可能とされています。結婚式の開催を検討する場合は、一周忌法要を終えてからとするなど、時期をずらすことも選択肢の一つです。
友人の結婚式に招待された際も、新郎新婦に喪中であることを伝え、欠席することも一つの選択肢です。ただし、近年はそこまで気にしないというご家庭も多いため、参列に迷ったときは新郎新婦に相談してみるのが良いでしょう。
旅行やレジャーなど
喪中にやってはいけないこととして、旅行やレジャー参加が挙げられます。出かけること自体は気分転換にもなるため、すべて控えなければならないというわけではありませんが、遠方に出掛ける旅行は自粛した方がよいでしょう。
明治時代に定められていた服忌令でも、「旅行は娯楽にあたるため喪中は避けるべき」とされていました。遺族の中には不謹慎、非常識であるという考えを持っている場合もあるため、やむを得ない事情がない限り旅行は自粛しましょう。
新築の購入やリフォーム
喪中にやってはいけないこととして、新築の購入やリフォームなどが挙げられます。住宅購入は祝い事として捉えられるため、喪中にはふさわしくないとされています。
すでに契約がすんでいる場合は喪中だからといってキャンセルすることはできませんが、契約がすんでいない場合は一周忌法要が終わるまで待つのも一つの方法です。なお、引っ越し自体は喪中にやってはいけないことには含まれません。
金額の大きな買い物
車や高価なアクセサリーなど金額の大きな買い物も、喪中にやってはいけないことに該当します。所有していた車が破損したなど生活必需品としてやむを得ず購入する場合を除き、大きな買い物をするのは控えた方がよいでしょう。
状況によっては「保険金を使って買い物をしたのでは?」と悪い噂が立ってしまう場合があります。誤解を生まないためにも、喪中は金額の大きな買い物は控えるのが無難です。
飲み会や宴会への参加
喪中期間は、忘年会や新年会、歓送迎会といった飲み会や宴会へのご参加もできる限り控えるのが望ましいとされています。
喪中は故人を偲び、身を慎んで静かに過ごす期間であるため、華やかな催しへのご出席はふさわしくないと考えられるためです。
ただし、お仕事の関係でどうしてもご参加しなければならない場合は、事前に周囲へ事情を説明した上で、節度を保って早めに退席するなどのご配慮をするとよいでしょう。
ご自身の気持ちを一番に考え、無理のない範囲でご判断ください。
喪中におけるお正月の過ごし方と注意点
喪中期間のお正月は何かと制限が多いため、どのように過ごすべきなのか疑問に思っている人も多いでしょう。ここからは、喪中におけるお正月の過ごし方や注意点、控えたほうがよいこと、どこまで控えるべきなのかなどを紹介します。
「あけましておめでとう」の新年の挨拶は控える
お正月の定番でもある「あけましておめでとうございます」の新年の挨拶は控えましょう。「おめでとう」という言葉はお祝い事として捉えられるため、派手な行動を慎むべき喪中にはふさわしくありません。
もし職場や近所の方から挨拶をされたら、「今年もよろしくお願いします」と返すとよいでしょう。「よろしくお願いします」という表現であれば、お祝い事とは関係なくなるため使っても問題ありません。
年賀状は出さない
喪中にやってはいけないことの代表例が、年賀状を出すことです。基本的に2親等以内の親族が亡くなった際には年賀状は控えるようにしましょう。
ただし、故人との関わりがない仕事上のお付き合いの方には年賀状を送る場合もあります。職場の方針として年賀状を送る場合は、身内が亡くなったからと言って自粛する必要はありません。
喪中はがき(年賀欠礼状)を送る
喪中で新年の挨拶ができない場合、年内に喪中はがきを送るのが一般的です。喪中はがきとは、身内に不幸があったことを知らせて年賀の挨拶を控えることを伝える便りです。喪中はがきは、基本的に10月半ば~11月末まで、遅くとも12月初旬までに送る必要があるため注意しましょう。
また、喪中はがきは年賀状のやりとりをしている全員に送るのが一般的です。ただし、互いに喪中である親族には送る必要はありません。
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喪中はがきが間に合わない場合や返事には寒中見舞いを出す
喪中はがきを出すのが遅れてしまい、相手から年賀状が届いてしまった場合や、喪中はがきを送っていない方から年賀状を受け取った場合は、寒中見舞いとしてお返事を出すのが一般的です。
また、喪中はがきを受け取った側も、年賀状の代わりに寒中見舞いを送ってお悔やみの言葉を伝えることができます。
寒中見舞いは、松の内が明けてから節分(2月4日頃)までの間に送るのが一般的とされています。
お互いの健康を気遣う言葉とともに、新年のご挨拶ができなかったお詫びを丁寧にお伝えしましょう。
初詣は神社へ行かない
喪中にやってはいけないこととして、神社への初詣が挙げられます。新年であっても喪中期間は神社への初詣は控えましょう。
ただし、初詣自体は行ってもよいため、お寺への初詣であれば基本的に問題はありません。喪中期間のお正月は神社への参拝は避け、お寺に赴き、ご先祖へ新年の挨拶をしてみるのもよいでしょう。
お正月飾りは控える
お祝い事を自粛する喪中では、門松やしめ縄、鏡餅などのお正月飾りも控える必要があります。お正月飾りは、いずれも神様をお迎えするためのものです。神道では死は穢れと捉えられているため、喪中に神様をお迎えするのはふさわしくありません。
喪中の間は神様をお迎えするのは控え、お祝い事をせずに静かに過ごすようにしましょう。
お年玉の渡し方にも注意
お正月はお年玉を渡すのが定番ですが、喪中期間は渡し方に注意が必要です。お年玉には神様からの贈り物という意味が込められているため、神事を避ける喪中にはふさわしくありません。また、お年玉を入れるポチ袋には「あけましておめでとう」と記載されていることも多く、お祝いらしさが出てしまいます。
とはいえ、お年玉を渡さないのは楽しみにしている子供たちをがっかりさせてしまうため、全面的にやめる必要はありません。喪中の間は、お年玉を「お小遣い」という名目で渡す方法が好ましいです。渡すときは、お年玉用のポチ袋ではなくシンプルな封筒で渡すとよいでしょう。
喪中にやっても大丈夫なこと
喪中はやってはいけないことが多くある一方、この期間に行っても問題ないことも存在します。「これはやってはいけないのか?」と判断に迷うことがあった際には、ぜひ確認してみてください。
お正月以外の年中行事
喪中では、お正月以外の年中行事は通常通り行っても構いません。節分やひな祭り、こどもの日、クリスマス、バレンタインなどの季節の行事も、喪中だからといって控えなくても大丈夫です。同様に、家族の誕生日のお祝いや運動会や遠足、入学式、卒業式などの子供の行事も自粛する必要はありません。
ただし、派手な遊びは控えるべきという風潮があるため、あまり派手なパーティーなどは開かないようにしましょう。
人生の節目にあたるお祝い
喪中でも、人生の節目にあたるお祝いであれば行っても問題ありません。たとえば、お宮参りや七五三、成人式、出産祝いなどは、その年にしかないお祝い事であるため時期をずらさなくてもよいです。入学祝いなどもよいでしょう。
ただし、忌明け前は神社へのお参りができないため、忌中にお宮参りや七五三が重なってしまった場合は、時期をずらすか写真撮影だけにする方法があります。
忌明け後にお寺への参拝
喪中に避けることとして神社への参拝を挙げましたが、お寺への参拝であれば問題はありません。仏教は神道とは異なり、死を穢れとは捉えていません。むしろお寺への参拝はご先祖への挨拶と考えられるため、忌中・喪中問わず歓迎されています。
神社にお参りをしたいけど喪中で立ち入れないという場合は、お寺への参拝を検討してみてはいかがでしょうか。
例年通りのお中元やお歳暮の贈答
喪中に控えるべきことに年賀状の送付が含まれていますが、お中元やお歳暮に関しては喪中でも送って構いません。熨斗(のし)紙や水引もいつも通りでよいです。お中元やお歳暮はお祝いの品ではなく、日ごろの感謝の気持ちを伝えるための品です。ただし、忌中に送るのは不適切となるため注意しましょう。
忌中にやってはいけないこと
ここまで喪中にやってはいけないことをご紹介しましたが、四十九日を迎える前の忌中でやってはいけないことは下記のとおりです。
なお、喪中と共通する項目は省いています。
忌中にやってはいけないこと
- 神棚を開ける
- 香典返しをする
- お中元・お歳暮を贈る
- 七五三、お宮参り
- 飲み会などの遊び
身内が亡くなったときの会社での対応
身内が亡くなった際は、お葬式や各種手続きの手配だけでなく、ご自身の仕事関係の対応も必要になります。
勤務先の会社へ適切に報告し、必要な忌引き休暇を取得して、無理なくお葬式や関連する手続きを進める必要があります。
速やかに職場へ連絡し忌引き休暇を取得する
身内の不幸を知ったら、まずは直属の上司へ速やかに連絡することが求められます。故人様の氏名やご自身との関係、ご葬儀のおおまかな日程などを簡潔に伝え、忌引き休暇の申請を行いましょう。
忌引き休暇の期間は会社ごとの規定や故人様との関係によって異なりますが、一般的には、配偶者や父母などの1親等の場合は7日間、兄弟姉妹などの2親等の場合は3日間が目安とされています。休暇明けに出社した際は、上司や関係者に挨拶をし、休暇中のフォローに対する感謝の気持ちを伝えることも忘れないようにしましょう。
喪中に関するよくある質問(FAQ)
喪中に関するよくある疑問について、専門的な視点からお答えします。
Q. 神棚へのお参りは?
A. 神道において死は穢れとされるため、忌中の間は神棚の前面に白紙を貼る「神棚封じ」を行い、お参りや立ち入りを控えます。忌明け後は通常通りお参りしても問題ありません。
Q. 喪中の範囲は?親から何親等まで?
A. 一般的には2親等までが目安です。配偶者や父母、子供、兄弟姉妹、祖父母(孫)が亡くなった際に喪に服します。3親等にあたる親族には不要です。
Q. 喪中はがきが届いたら?返事の書き方は?
A. 喪中はがきが届いたら、年賀状を出すのを控え、寒中見舞いでお悔やみと励ましの言葉を伝えます。
Q. 喪中に仕事の食事会には参加できる?
A. 職務上やむを得ない場合は、周囲へ事情を話し、節度を持って参加すれば差し支えありません。
Q. 喪中の服装にルールはある?
A. 喪中期間の服装については、基本的に普段着で過ごしても問題ありません。お葬式や法事のような喪服を着用し続ける必要はなく、地味な色合いであれば一般的な衣服で差し支えないとされています。
ただし、故人を偲び身を慎む期間であるため、華美なメイク、アクセサリーや派手な色使いの服装、露出の多い服装は避けるのが一般的です。特に忌中の間は、お祝いの場を連想させるような装飾品は控え、落ち着いたトーンの服装を心がけるのがよいでしょう。
また、周囲の方との会食や公の場に出る際には、相手に不快感を与えないよう清潔感のある控えめな装いを意識することで、ご遺族としての節度を保つことにつながります。
喪中にやってはいけないことを把握して静かに過ごしましょう
この記事のまとめ
- 故人の死を悼む喪中には、やってはいけないことがある
- 喪中の期間は故人との関係性によって異なるが、最長でも一周忌法要を迎える13ヶ月が期間となる
- 喪中にやってはいけないこととして、お祝い事や旅行、大きな買い物が挙げられる
- 喪中では新年の挨拶を控え、初詣はお寺へ行くのが望ましい
- 喪中であっても季節の行事や人生の節目のお祝い事はやっても構わない
- 忌中の期間は喪中よりもやってはいけないことが多い
喪中では、やってはいけないことがいくつもありますが、故人との別れを受け入れるために穏やかに生活する期間と捉えれば、そこまで難しくは感じないでしょう。どこまで行動を制限するかは遺族の考え方によっても異なりますが、世間のルールだけにとらわれず、各ご家庭で生活をするのが望ましいです。喪中は本記事で紹介した対応策なども確認しながら心穏やかに過ごしましょう。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。