お寺に渡すお布施の相場は?葬儀や法要、月命日の金額目安と書き方を解説
葬儀や法要で僧侶に渡すお布施の金額やマナーは、いざというときに迷いやすいものです。葬儀をはじめ初七日や四十九日、一周忌、月命日など法要ごとのお布施の金額相場を一覧で紹介します。封筒の書き方や渡し方、お車代や御膳料といった費用まで解説します。ぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 葬儀や法要ごとのお布施の金額相場
- お布施袋の選び方から正しい書き方までの作法
- 僧侶へお布施を渡すタイミングと丁寧な渡し方
- お布施とは別に用意すべき費用の種類と目安
「ひとたび」は、東京都内で6つの総合斎場を運営する東京博善(創業100年超)がお届けするお役立ちコラムです。現場を知り尽くした専門スタッフが、葬儀・法要・終活の疑問に分かりやすくお答えします。
お布施とは
お布施とは、読経による供養や戒名をいただいたお礼として僧侶に渡すお金のことです。読経を行ってくれた僧侶に渡しますが、お寺の本尊に納められてお寺の維持費や活動費として使われます。
お布施の金額相場
葬儀や法要のお布施は、明確な金額が決まっていません。そのため、お布施を包む際にいくら準備すればよいか分からないこともあるでしょう。ここからは、葬儀や法要別にお布施の相場を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
| <お布施金額相場> | |||
|---|---|---|---|
| お布施 | 金額相場 | ||
| 葬儀 | 10万円~35万円 | ||
| 初七日 | 3万円~5万円 | ||
| 四十九日 | 3万円~5万円 | ||
| 納骨式 | 1万円~5万円 | ||
| 新盆(初盆) | 3万円~5万円 | ||
| お盆 | 5千円~1万円 | ||
| 一周忌 | 3万円~5万円 | ||
| 三回忌 | 1万円~5万円 | ||
| 祥月命日 | 5千円~1万円 | ||
葬儀におけるお布施の相場
葬儀におけるお布施の相場は、10万円~35万円程度です。ただし、宗派や地域によってお布施の相場は異なります。
葬儀のお布施には、読経のお礼に加えて戒名をいただくお礼が含まれているため、その他の法要と比べてお布施が高額になることが多くあります。いただいた戒名の位や、葬儀をお願いしたお寺の寺格などによってもお布施の相場は異なります。
法要別のお布施の相場
初七日のお布施の相場
初七日(しょなのか)のお布施の相場は、3万円〜5万円です。
初七日は、命日から初七日、二七日、三七日…七七日(四十九日)と7日ごとに行う忌日法要の一つで、故人が亡くなった日から7日目に行う初めての法事です。故人の命日を1日目として数えた7日目に行います。
葬儀が終わってすぐに訪れる法要のため、葬儀が終わった後そのまま初七日を行うことも多くあります。その際、葬儀のお布施に初七日のお布施を加えて準備する場合と、葬儀と初七日のお布施をそれぞれ準備する場合に分かれます。自身の地域がどちらか分からない場合は、近所の人やお寺に尋ねてもよいでしょう。
四十九日のお布施の相場
四十九日のお布施の相場は3万円~5万円程度です。
四十九日は、故人が極楽浄土に行けるかどうかの最終判決が下される日とされ、家族や故人の友人などの参列者を招いて法要が行われます。初七日と同様、故人が亡くなった日を1日目と数えて49日目に行うのが一般的です。
納骨式のお布施の相場
納骨式のお布施の目安は、一般的に3万円~5万円程度とされています。
納骨式は、故人が亡くなってから四十九日以降に遺骨をお墓に納める儀式です。四十九日法要後に続けて納骨を行うことも多く、その際には四十九日法要のお布施と納骨式のお布施が必要となる場合があります。
新しく建てたお墓に納骨する際は開眼供養も執り行われることがありますが、開眼供養のお布施は納骨式のお布施に含まれる場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
新盆(初盆)のお布施の相場
新盆(初盆)のお布施の相場は3万円~5万円程度です。
新盆は、故人が亡くなってから初めて迎えるお盆を指します。お盆の期間に故人の四十九日が終わっていない場合、その翌年が故人の新盆となるため注意しましょう。一般的に、通常のお盆よりも新盆の方がお布施の金額は高い傾向にあります。
お盆のお布施の相場
お盆のお布施の相場は、5千円~1万円程度です。
先祖供養の行事であるお盆は、あの世から先祖たちが一時的に帰ってくる期間とされ、僧侶による読経などを行います。7月13日~16日をお盆とする7月盆と、8月13日~16日をお盆とする8月盆、9月に行う旧暦盆など、お盆の期間は地域によってさまざまです。
一周忌のお布施の相場
一周忌のお布施の相場は、3万円~5万円程度です。
一周忌は、故人が亡くなった1年後の祥月命日に行う年忌法要です。故人が亡くなってから一周忌までが遺族が喪に服す期間とされており、大切な仏教行事の一つにあたります。祥月命日に法要を行うことが難しい場合、祥月命日よりも前倒しで行うことが決まりです。
一周忌まではお布施の金額はやや高額になるとされ、それ以降の年忌法要におけるお布施は、一周忌と同額かそれ以下の金額となることが多くあります。
三回忌以降のお布施の相場
三回忌以降のお布施の相場は、1万円~5万円程度です。先述のとおり、一般的には一周忌のお布施と同額かそれよりも安い金額を包みます。
一周忌の後の年忌法要は、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌…と定期的に行われますが、三十三回忌や五十回忌で故人の最後の年忌法要とする弔い上げを行うことが多くあります。弔い上げのお布施の相場は、5万円~10万円程度とされるため注意しましょう。
祥月命日のお布施の相場
年忌法要には該当しない祥月命日(しょうつきめいにち)のお布施の相場は、5千円~1万円程度です。年忌法要ではないため、お布施の金額もやや低い傾向にあります。
必ずしも祥月命日に僧侶を招いて法要を行う必要はありません。仏壇の前で家族で読経をしたり、お墓参りに行ったりとできる範囲で供養をしてもよいでしょう。
月命日と祥月命日の意味や違いについては「月命日とは?意味・お供え・過ごし方」で詳しく紹介しています。
月命日のお布施の相場
月命日のお布施の相場は、5千円〜1万円程度が目安とされています。毎月お参りに来ていただく場合、ご遺族の負担にならない範囲で金額を設定する傾向があります。
表書きは「お布施」とし、白無地の封筒か市販のお布施袋を使用します。封筒にお札を入れる際は新札を用意し、肖像画が表側の上になるように納めます。
渡し方としては、読経が終わった後などの落ち着いたタイミングで、切手盆や袱紗にのせて渡すのが一般的です。お寺の慣習によっても金額が異なるため、迷った場合は直接確認しておくと安心できます。
月命日のお参りを続ける期間の目安
月命日のお参りをいつまで続けるか、期間に明確な決まりはありません。一般的には、三十三回忌や五十回忌などの弔い上げまで毎月続けることが多い傾向にあります。
しかし、ライフスタイルの変化によって毎月お参りを行うのが難しい場合も考えられます。ご遺族の負担が大きい場合は、一周忌や三回忌を一つの区切りとして月命日のお参りを終えることも可能です。
毎月お参りをしていただくのが難しくなった段階で、無理をせずに僧侶へ相談してみるとよいです。
お寺側も状況を理解してくれるため、負担のない範囲で供養を続けていく方法を提案してくれます。
浄土真宗における月命日のお布施の考え方
浄土真宗において、お布施は読経による供養への対価ではなく、仏法に触れる機会を与えてくれたことに対する感謝の気持ちを表すものです。封筒の表書きは、感謝を伝える意味合いから「お布施」とのみ記載するのが一般的です。
他宗派で使われる「御経料」や「回向料」といった表書きは、読経への対価という意味が含まれるため浄土真宗では使いません。また、水引のついた封筒は避け、白無地の封筒を使用することが推奨されます。考え方は異なりますが、渡し方などの気を付けたいポイントは他宗派と変わりません。
お布施の相場が分からないときにはお寺に聞いてもよい
お布施の相場は、宗派やお寺、地域などによってさまざまです。そのため、いくらお布施を準備するべきか不安な場合は、お寺に聞いてみるとよいでしょう。お布施の金額について聞くのは失礼にあたらないため、安心して相談してみてください。
お寺に聞く場合、「一周忌のお布施は、皆さんどのくらいを包まれていますか?」などと丁寧に聞くのが一般的です。また、地域のお布施の相場を知りたいときは、お寺だけでなく近所の人に尋ねてもよいでしょう。
お布施の金額相場や書き方については「お寺に渡すお布施の相場」で詳しく紹介しています。
お布施で選んではいけない金額
お布施の金額設定において、一般的に避けるべきとされる特定の金額は一般的にありません。結婚式のご祝儀や葬儀の香典では偶数を避けるという慣習が見られますが、お布施についてはそのような明確な作法は存在しないとされています。ただし、地域や宗派によっては、縁起が悪いとされる数字(偶数を含む)や割り切れる数字を避ける考え方もあるため、不安な場合は事前に確認することをお勧めします。
お布施の金額に端数を設ける際は注意が必要です。例えば、千円単位など、中途半端な印象を与える金額は避け、切りの良い数字を意識すると良いでしょう。
ふたり分(併修)のお布施の金額の相場
併修とは、同じ年に2人の故人の法要が重なった場合に、ひとつの法要としてまとめて行うことです。併修とすることで準備を行う遺族、参列する親族や招待される僧侶にとっても負担が軽減されるため、近年では利用される機会が増えてきています。
併修を利用する場合のお布施は、通常の相場の1.5倍を目安に準備することが多く、2人分として二倍の金額を用意する必要はありません。
具体的な金額は寺院や地域の慣習によって異なるため、事前に僧侶や寺院に確認をしておくとよいでしょう。
お布施の封筒の書き方
お布施は、白無地の封筒(郵便番号欄などの記載がないもの)または奉書紙で包みます。奉書紙の方がより丁寧ですが、最近では白無地の封筒を選択する人も多いです。
白無地の封筒の場合、不幸が重なることを連想させる二重封筒は避けて一重封筒を準備しましょう。また、白無地以外に「お布施」という表書きがあらかじめ記載されているお布施袋もおすすめです。
表面の書き方
お布施の書き方は、濃墨と毛筆または濃墨の筆ペンを使い、上部中央に「お布施」と書きます。続いて「お布施」の文字と縦の列が揃うよう注意しながら、下部中央に「〇〇家」または施主のフルネームを記します。
「お布施」の表書きが入ったお布施袋を使用する場合、「〇〇家」または施主のフルネームのみを記載するだけでかまいません。
裏面の書き方
裏面には、表面と同じ筆記具で左下に住所とお布施の金額を書きます。表面に「〇〇家」と名字のみ記した場合は、裏書に氏名も書くとよいでしょう。お布施の金額は「金参萬圓也」というように、漢数字は、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)を使います。金額の最初に「金」、最後に「也」をつけることや「円」ではなく「圓」とすることもポイントです。
中袋の書き方
お布施を渡す際には、中袋にも適切に記載することが大切です。中袋の表面には、僧侶へお渡しする金額を縦書きで記入し、裏面には施主の氏名と住所を記入します。
表面の金額を書く際には、金額の前に「金」、末尾に「也」をつけるのが一般的です。また、金額の改ざんを防ぐために、「壱(一)」「弐(二)」「参(三)」「伍(五)」「拾(十)」「阡(千)」「萬(万)」などの漢数字を用います。
裏面の氏名と住所は左下に記載することで、寺院の方へわかりやすいように配慮しましょう。
お布施の包み方
お布施は不祝儀ではないため、折り目などの入っていない新札を用意します。お札の入れ方は、全て向きを揃え、肖像画がお布施袋の表書き側になるように入れましょう。
糊付けをするかどうかは、個人の判断でかまいません。金額が大きい場合は糊付けしておくと安心でしょう。
お布施の封筒や袋の種類
お布施に使用する封筒や袋の種類は、以下の表の通りです。
| <お布施に使用する封筒や袋の種類> | |||
|---|---|---|---|
| 種類 | 特徴 | 使用例 | |
| 白無地の封筒・袋 | 比較的手に入りやすい | 宗派や仏事で特に指定がない場合 | |
| 白黒の水引の不祝儀袋 | 地域によってお布施を包む袋として使用される | 四十九日までの仏事で使用 | |
| 黄色の水引の不祝儀袋 | 関西地方を中心に使用される | 香典や僧侶へのお布施として使用 | |
| 銀色の水引の不祝儀袋 | 5万円以上の金額を包む場合に使用される | 高額な戒名料の場合などに使用 | |
一部地域を除いて、お布施の封筒に水引は必要ありません。水引には「魔除け」の意味があり、お布施には不要なためです。
なお、地域によって慣習が異なっているため、不安な場合は事前に寺院や地域の人へ確認しておきましょう。また、使用する封筒に迷った場合は白無地の封筒を選ぶとよいです。
お布施を渡すタイミングと渡し方
お布施を渡すタイミングは、法要が始まる前が一般的です。お坊さんが到着し、挨拶を交わす際に「本日はよろしくお願いいたします」と言葉を添えてお渡ししましょう。万が一、開始前に渡せなかった場合は、お経が終わって一息ついたタイミングでも問題ありません。
お布施を渡す際は、以下の作法を遵守することが大切です。
お布施を渡す際の作法
- お布施を直接手で持たず、切手盆に乗せるか、袱紗に包んで準備する
- お坊さんから見て、表書きの文字が正しく読める向きに整えて差し出す
- 床に直接置くことは避け、必ず盆や袱紗を介して丁寧にお渡しする
日常的な月命日の供養であっても、敬意を持って丁寧な所作を心がけることで、お寺との良好な関係を維持することにつながります。
お布施を渡すタイミング
お布施を渡すタイミングは、葬儀や法要が始まる前が一般的です。
このタイミングで渡すのが難しい場合、葬儀や法要が終わった後に渡してもかまいません。しかし、会食の準備や僧侶の帰り支度など慌ただしくなっていることも多いため、できれば最初に渡すのがおすすめです。
お布施の渡し方
僧侶にお布施を渡す際、切手盆にお布施を乗せて渡します。切手盆がない場合は、袱紗で代用してもよいです。
お布施の表書きを自分が読める向きにして切手盆に乗せ、「本日はよろしくお願いいたします」などと一声かけて、僧侶が表書きを読める向きまで切手盆ごと右に回して僧侶へ差し出します。
お布施以外にかかる費用とその相場
葬儀や法要では、お布施以外にもお車代や御膳料といったいくつかの費用がかかります。これらの費用はお布施とは別に包み、お布施を渡すタイミングで一緒に渡します。
お車代
お車代は、僧侶がお寺から葬儀や法要を行う会場まで往復する交通費のことです。お車代の相場は、5千円~1万円程度となっています。
遠方にいる僧侶を招く際など、実際に僧侶にかかった交通費が上記の相場を超える場合には、飛行機代や新幹線代などといった実際にかかる費用に応じてお車代を包むことも大切です。
僧侶のいるお寺で法要などを行う場合や、家族が手配したタクシーで僧侶が往復する場合などはお車代を渡す必要はありません。
御膳料
御膳料とは、僧侶が会食に参加しない場合に渡す食事代です。御膳料の相場は5千円~1万円程度で、複数人の僧侶を招いた場合は一つの袋に人数分包みます。会食を行わない場合にも御膳料を渡すため、忘れないように準備しておきましょう。
お布施は相場に合った金額を包むと安心です
この記事のまとめ
- お布施は、読経による供養や戒名をいただいたお礼として僧侶に渡すお金のこと
- 葬儀におけるお布施の相場は10万円~35万円、初七日のお布施の相場は3万円〜5万円、四十九日のお布施の相場は3万円~5万円、納骨式のお布施の相場は1万円~5万円、新盆(初盆)のお布施の相場は3万円~5万円、お盆のお布施の相場は5千円~2万円、一周忌のお布施の相場は3万円~5万円、三回忌以降のお布施の相場は1万円~5万円、祥月命日のお布施の相場は5千円~1万円
- お布施は奉書紙か白無地の封筒、または「お布施」の表書きが記載されているお布施袋に包む
- お布施の表面には、上部中央に「お布施」下部中央に「〇〇家」または喪主の氏名を書く
- お布施の裏面には左下に住所と金額を記載し、金額は大字の新字体で記す
- お布施を渡すタイミングは、葬儀や法要が始まる前に渡すのが一般的
- お布施以外にかかる費用にはお車代と御膳料があり、ともに相場は5千円~1万円程度
お布施は、お寺や地域などによって相場が異なります。葬儀や法要などのお布施でいくら包めばよいのか悩んだときは、ぜひ本記事を参考にしてください。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。