一人暮らし女性の終活完全ガイド｜基本的な準備内容から身寄りなしの場合の注意点まで
老後の不安から、終活について考えてる一人暮らしの女性も多いでしょう。一人暮らしの女性とそうでない人では、終活の内容に違いはあるのでしょうか。本記事では、一人暮らしの女性が特に行いたい終活や、身寄りのない女性の終活について説明します。
一人暮らしの女性の終活とは
一人暮らしの女性の終活は、基本的には多くの人が行う終活と内容は変わりません。エンディングノートの作成や財産の整理など、基本的な終活を行うことによって、平穏な老後を過ごせるでしょう。
一人暮らしの女性が終活を行うメリット
そもそも、終活の必要性が分からないという一人暮らしの女性も多いでしょう。そこで、一人暮らしの女性が終活を行うメリットを紹介します。
孤独死を防げる
一人暮らしの女性は一緒に住んでいる人がいないため、孤独死のリスクが高くなりがちです。しかし、終活を行うことで周囲との関わりができ、孤独死の防止につながります。
これは、孤独死しないか不安に思っている一人暮らしの女性にとっては大きなメリットといえるでしょう。孤独死への不安を抱えている場合には、一人で悩まず、積極的に終活を通して外部との繋がりを作りましょう。
死後の不安を軽減できる
自分の死後に残された家族はどうなるのか、財産の管理は誰がするのかなど、誰しもが死後の不安を抱えているものです。
しかし、終活を行い、自分の死後のことを自分自身で備えておくことで、そのような不安を軽減できます。終活によって死後の不安が軽減されると日々の暮らしがより楽しくなるでしょう。
残された家族の負担を減らせる
終活では、エンディングノートや遺言書の作成、身辺整理などを行うため、残された家族の負担を減らせるというメリットがあります。
死後にできるだけ、子供をはじめとする家族の負担を減らすためにも、終活に取り組んでおくと安心です。
一人暮らしの女性が特に行っておきたい終活
終活にはさまざまな種類があり、どれから取り組めばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、一人暮らしの女性が特に行っておきたい終活をいくつか紹介します。
周囲の人とコミュニケーションを取る
一人暮らしの女性にとって、周囲の人と積極的にコミュニケーションを取ることは非常に重要なことです。周囲の人と関わりを持つことで、例え一人暮らしであっても、困ったときにすぐ頼れる相手ができたり、孤独死のリスクを軽減できます。
例えば、公園で早朝にラジオ体操をしたり、行きつけのカフェでコーヒーを飲んだりといった毎日の習慣がある場合には、そこで関わる人と親交を深めるとよいでしょう。ちょっとした異変にも気付いてもらえるかもしれません。
あまり外部と関わりを持っていない場合には、これを機に趣味のサークルに入ったり、地域の交流の場に参加してみたりするのがおすすめです。中でも、同じく一人暮らしをしている女性と仲良くなると、境遇が一緒のため、何かと相談しやすいでしょう。
周囲の人と積極的にコミュニケーションを取ることは、終活としてだけでなく、豊かな老後を過ごすことにもつながります。一人暮らしの女性は日常で孤独を感じてしまいがちですが、近くに仲間ができることで、にぎやかな老後を過ごせるかもしれません。
身の回りの整理・管理をする
一人暮らしの女性の場合は、身の回りの整理や管理といった終活も積極的に行いましょう。
身の回りの整理や管理をすることで、足元が不安定になりやすい老後に、物につまづいて転倒するなどといった怪我のリスクを下げられます。また、自分の死後に残された家族が行う遺品整理が楽になります。
身の回りの整理や管理には、体力が必要となるため、注意が必要です。無理に力仕事を行い、体を傷めないように気を付けましょう。女性一人での力仕事が難しい場合には業者を頼るのも一つの方法です。
できるだけ自分で頑張りたい場合には、元気なうちから取り組む必要があります。
財産整理・管理をする
一人暮らしの女性の場合は、老後の資金なども自分で準備することになります。したがって、自分の資金だけで豊かな老後を過ごすためにも財産整理や管理をすることが大切です。
財産の整理は、自分が持っている財産がどこにどの程度あるのか。土地や物など、元気なうちに手放して換金したほうがよい財産があるかなどを把握し、管理することをいいます。
また、財産の管理とは、不安のない老後を過ごすために必要な資金を考え、不要な出費を抑えることなどです。
老後の資金を考える際には、医療費や介護費、葬儀の費用なども含めて考えましょう。自分だけで財産の整理や管理を行うのが難しいときには、専門家に相談することをおすすめします。
エンディングノートを作成する
一人暮らしの女性は、家族に死後のことを伝えられる機会もあまり多くないでしょう。そのため、死後に残された家族が困らないようにエンディングノートを作成することも、行っておきたい終活のひとつです。
エンディングノートには、自分の氏名や本籍地などといった基本情報から、医療・介護・葬儀・お墓の希望、自分の死後に連絡してほしい人、遺言書の保管場所などの情報を書き込みます。
エンディングノートを書いたら、その存在や保管場所を家族に伝えておくことも大切です。分かりにくい場所にしまっておくと家族に見つけてもらえない可能性があるため、保管場所には気を付けましょう。
エンディングノートは、ノートを一冊準備するだけで簡単にはじめられます。エンディングノート専用の商品も発売されているため、興味のある方は探してみてください。
遺言書を作成する
一人暮らしの女性の死後には、相続人が財産を相続します。もし相続人がいない場合、最後には預金や車、土地などといった全ての財産が国に納められます。したがって、財産を譲りたい人がいる場合は、遺言書を作成しましょう。
遺言書は正しく書くことで法的拘束力をもち、そこに相続人として希望する人を書くと、血縁がなくても相続人とされます。お世話になった人や団体などに相続や財産を寄付するのも一つの手です。
エンディングノートと同様に、しまう場所によっては、遺言書の存在を気付いてもらえない可能性があるため、保管場所には気を付ける必要があります。
身寄りなしの一人暮らし女性における終活
現代では「おひとりさま」ともよばれる身寄りがない方も増えています。おひとりさま女性における終活は「家族がいることが前提とされる死後の事柄をあらかじめ自分で準備しておく」ことを意識して行う必要があります。そのため、上記で説明した終活に加えて以下の終活も行っておくとよいでしょう。
身元引受人を見つける
身寄りのない一人暮らしの女性は、身元引受人を見つけるのも大切な終活のひとつです。身元引受人とは、病院や施設の入退院における世話を行ったり、死亡時に身柄を引き受けたりしてくれる人のことをいいます。
一般的には家族が身元引受人となりますが、身寄りのない一人暮らしの女性の場合は、信頼できる友人や身元引受サービスを行っている企業などに身元引受人をお願いするとよいでしょう。
体が元気なうちは、身元引受人にお世話になることもないため、終活の中でも後回しにされてしまいがちです。しかし、入院や施設の入所などの場面で頼る必要があるため、元気なうちに身元引受人を見つけておきましょう。
死後事務委任契約を結ぶ
葬儀の手続きをはじめとする死後の手続きは家族が行うことがほとんどですが、身寄りのない一人暮らしの女性は、死後事務委任契約を締結して他の誰かに依頼する必要があります。
死後事務委任契約とは、自分の死後に起こるさまざまな事務手続きを生前中に誰かに依頼しておく契約のことです。友人と死後事務委任契約を結ぶこともできますが、手続きなどの負担がかかるため、専門家に依頼するのをおすすめします。
葬儀・お墓の生前契約をする
身寄りなしの一人暮らしの女性は、葬儀やお墓も自分で準備しておく必要があります。そのため、葬儀やお墓の生前契約をするのがおすすめです。最近では多くの人が終活を行なっているため、生前契約が可能な葬儀社や霊園も多くあります。
おひとりさまであれば、葬儀は火葬のみの直葬に、お墓は永代供養付きのお墓を購入してもよいでしょう。葬儀について、直葬ではシンプルすぎると考える場合は、生前葬を行ってお世話になった人を招くのもおすすめです。
ペットの飼い主を見つける
身寄りなしの一人暮らし女性で、ペットを飼っている人の場合は、自分の死後に新たに飼い主になってくれる人を探すのも忘れてはいけない終活です。
ペットの飼い主としては、動物を育てた経験のある友人やペットのことをよく知ってくれている近所の人などが候補にあたります。しかし、適当な人にペットを託すとペットが十分に愛されないといった注意点もあるため、譲渡する人は慎重に判断することが大切です。
もし貰い手が見つからない場合には、インターネットで里親募集をしてもよいでしょう。
引き取り手に対しては、引き渡す場所やタイミングなども具体的に依頼する必要があります。飼い主の死後にペットが放置されてしまうことがないよう、必ず引き取り手とあらかじめ話し合いをしておきましょう。
一人暮らしの女性も終活で不安のない老後を送りましょう
この記事のまとめ
- 一人暮らしの女性の終活の内容は、基本的には多くの人が行う終活と変わらない
- 一人暮らしの女性が終活を行うメリットには①孤独死を防げる②死後の不安を軽減できる③残された家族の負担を軽減できるなどがある
- 一人暮らしの女性が特に行っておきたい終活には①周囲の人とコミュニケーションを取る②身の回りの整理・管理をする③財産整理・管理をする④エンディングノートを作成する⑤遺言書を作成するなどがある
- 身寄りなし（おひとりさま）の一人暮らし女性の終活は「家族がいることが前提とされる死後の事柄をあらかじめ自分で準備しておく」ことを意識して行う
- 身寄りなし（おひとりさま）の一人暮らし女性は終活として①身元引受人を見つける②死後事務委任契約を結ぶ③葬儀・お墓の生前契約をする④ペットの飼い主を見つけるなどを行っておく
一人暮らしの女性に特に行ってほしい終活やその注意点などについて説明しました。親族がいる一人暮らし女性にもいえることではありますが、特に身寄りがないおひとりさまの一人暮らし女性の場合は、死後の事柄を家族にお願いできないため、困ったときにすぐ頼れる人を見つけておきましょう。
