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健康・カラダのこと

血管を柔らかくする食べ物をご紹介。食事のポイントまで合わせて解説

血管を柔らかくする食べ物をご紹介。食事のポイントまで合わせて解説

加齢や生活習慣の乱れにより、血管は硬くなります。血管の硬化はさまざまな病気の原因となる場合があるため注意が必要です。血管の弾力と柔軟性を保つためには健康的な食生活が重要になります。そこで本記事では、血管を柔らかくする食べ物や食事のポイントを紹介します。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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血管の「柔らかい」「硬い」について

健康に長生きするためには血管が柔らかくしなやかであることが理想的です。しかし血管年齢という言葉があるように、加齢とともに血管も老化し、硬くなります。では、血管が硬くなることが身体にどのような影響を与えるのでしょうか。ここでは、血管が硬くなる理由とその弊害について解説します。

血管が硬くなる理由と弊害

偏った食事によって血液中に糖質や脂質が増えると、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増加していきます。血液中のLDLコレステロールが増えると、活性酸素によって酸化したLDLコレステロールが血管壁に蓄積することで血管は柔らかさを失い、硬くなっていきます。

血管は全身に栄養や酸素を運んだり、老廃物を回収する役割を担っています。血管が硬くなり血流が悪くなると、体の隅々まで栄養を届けられなくなります。結果、肌荒れや肩こり、腰痛など身体に不調が現れます。さらに悪化すると、心筋梗塞や脳梗塞など命に係わる症状を引き起こす場合もあります。

血管を柔らかくする食事のポイント

血管を柔らかくするには毎日の食事が重要です。ポイントは血管を硬くする原因を生み出す食べ物を控えることと、血管を柔らかくする食べ物を取り入れてバランスのよい食事を摂ることです。ここからは、血管を硬くする食べ物と血管を柔らかくする食べ物について解説します。

血管を硬くする食べ物を控える

血管の硬化を防ぎ柔軟性を保つには、まず食生活の改善が必要です。ここでは、血管を硬くする食べ物を紹介します。血管を硬くする食べ物を控えて血管の柔軟性を維持しましょう。

血管を硬くする食べ物①脂質の多い食べ物

脂質には飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、コレステロールなどがあります。脂質は太る、身体に悪いというイメージもありますが、すべての脂質が体に悪影響を与えるわけではありません。ホルモン産生や細胞膜の形成、脂溶性ビタミンの吸収促進など、脂質は身体にとって必要不可欠な栄養素です。

しかし、中には摂取を控えたい食べ物もあります。肉類や乳製品、洋菓子などに多く含まれる「飽和脂肪酸」と、マーガリンやショート二ング、加工食品などに含まれる「トランス脂肪酸」です。これらの脂肪酸は血中の悪玉コレステロールを増やし、血管の柔軟性を失う原因となります。

とくに、トランス脂肪酸は心筋梗塞や冠動脈不全など血管系の疾患を引き起こす危険因子とされています。最近では、健康を害する脂質としても注目されており、柔らかい血管を保つためだけでなく健康のためにもトランス脂肪酸を含む食べ物は控える必要があります。

控えるべき脂質を多く含む食品

  • マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド
  • スナック菓子、菓子パン、ピザ
  • フライドポテト、カレールウ
  • カップラーメン、インスタント食品
  • 牛脂、鶏皮、バター、生クリーム

血管を硬くする食べ物②糖質の多い食べ物

糖質の多い食べ物も血管を傷つけ、柔軟性を失う原因となります。糖質はたんぱく質、脂質とともに三大栄養素の一つで、身体にとって必要な栄養素です。しかし、血液中で増えすぎた糖は血管壁にある内皮細胞に入り込み、活性酸素を発生させます。活性酸素は血管を傷つけ、血管年齢を上げる原因になります。

また、血管の柔軟性を失う原因であるLDLコレステロールを増やすのも、糖質の過剰摂取が影響しています。糖質の摂り過ぎで増加したLDLコレステロールは活性酸素によって酸化され、血管壁に蓄積して血管を傷つけます。脂質だけでなく、糖質を多く含む食べ物の摂りすぎにも注意しましょう。

血管を硬くする食べ物③塩分の多い食べ物

塩分の多い食べ物を食べ過ぎるとナトリウム濃度が高くなり、浸透圧の影響で血流量が増えます。血流量が増えると血管内部の圧力が高まるため、高血圧になるのです。軽い高血圧では自覚症状がなく、普通に生活ができます。

しかし、高血圧が酷くなると頭痛やめまいなどの症状が現れはじめ、高血圧が続くことで血管は柔軟性を失っていきます。

血管の柔らかさを保つためには、塩分の多い食べ物を控えることが重要です。とくに、加工食品や麺類などの食べ物は無意識に塩分を摂り過ぎてしまうため、食べ過ぎには注意しましょう。また、年齢を重ねると味覚が鈍くなり濃い味付けになる傾向があります。日頃から、薄味を意識して減塩を心がけましょう。

良質なたんぱく質をしっかり摂る

たんぱく質も三大栄養素の一つで、筋肉や臓器、髪の毛などの構成成分となります。血管もたんぱく質からつくられているため、良質なたんぱく質を摂取することで血管を強くし、柔軟性を維持できます。

さらに、血液中にもたんぱく質が含まれ、全身に栄養を運んでいます。そのため、たんぱく質が不足すると必要な栄養が届かずに血管や皮膚の弾力が低下します。あじやさばなどの青魚や納豆などの良質なたんぱく質を含む食べ物をしっかり食べるようにしましょう。

栄養バランスのよい食事を摂る

バランスのよい食事とは、エネルギーとなる糖質源の主食、身体をつくる材料となるたんぱく質源の主菜、ビタミンやミネラル補給が期待できる副菜の三つが揃った食事です。これらの食べ物をバランスよく摂ることで、柔軟性のある血管を維持できます。

同じような食べ物ばかりで栄養バランスの偏った食事を摂っていると、血管をつくり、柔軟性を維持するための栄養素も不足します。健康な血管を守るために、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。

野菜など食物繊維の多い食べ物を最初に食べる

食物繊維は、人の体内で消化吸収できない栄養素です。そのためエネルギー源になることはありませんが、余分な脂質や糖質を包み込んで体外に排出する働きがあります。余分なコレステロールが排出されることで血管壁への蓄積を防ぐため、血管の硬化も抑制できます。

食物繊維は野菜や海藻、きのこなどの食材に多く含まれています。これらの食材を食事の最初に摂ることで、その後に摂取した糖質や脂質の吸収を抑える効果が期待できます。

血管を柔らかくする食べ物

血管を柔らかくする食べ物は、血管のしなやかさを保つための栄養素を多く含む食材です。どのような食べ物に含まれているのか詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。

血管を柔らかくする食べ物①青魚

青魚には、必須脂肪酸であるDHA、EPAが含まれています。必須脂肪酸とは、人の体内で合成できない脂肪酸で、食べ物から摂らなければなりません。DHA、EPAは健康にもよいとされる不飽和脂肪酸のため、青魚は積極的に摂りたい食材です。

DHA、EPAには血管を柔らかくする作用もあります。EPAは血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを下げて血栓を予防し、血管が硬くなるのを防ぐ効果があります。DHA、EPAは青魚を生の状態で食べることで多く摂取できます。

血管を柔らかくする食べ物②野菜類

野菜には抗酸化作用のあるビタミンや、食物繊維が豊富に含まれています。とくに、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化力は強く、ビタミンACE(エース)と呼ばれるほどです。三つのビタミンをバランスよく含んでいるカボチャやトマトは血管を柔らかく保つのにおすすめの食べ物です。

また、野菜類にはコレステロールや中性脂肪を体外に排出してくれる食物繊維も多く含まれています。先述したように、食事の最初に食べることでその効果が高まるため、食事の際に取り入れてみてください。

血管を柔らかくする食べ物③きのこ類

きのこ類も血管を柔らかくする効果のある食材です。食物繊維を多く含むため、血中コレステロールや中性脂肪を下げ、血管年齢を若く保つ作用が期待できます。

さらに、シイタケには「エリタデニン」と呼ばれる成分が含まれています。エリタデニンには血中のLDLコレステロールを下げる作用があり、血液をサラサラにして血管の負担を軽減することで柔軟性の維持に貢献します。

血管を柔らかくする食べ物④大豆製品

大豆製品も血管を柔らかくするため食事に摂り入れることをおすすめします。大豆には、ポリフェノールの一種「イソフラボン」が豊富に含まれています。強い抗酸化作用を持ち、血管の柔軟性維持に効果的です。また、脂質代謝を促すビタミンB2も豊富なため、血管の再生にも役立ちます。

さらに大豆製品の中でも納豆は、とくにおすすめな食品です。納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」には、血栓を溶かす作用があるため血液をサラサラにする効果だけでなく血管を柔らかくする効果も期待できます。納豆は手軽で取り入れやすい食材ですので、試してみてください。

血管を柔らかくする食べ物⑤チーズ

チーズは生乳を原料とした発酵食品です。抗酸化作用や体の免疫力を高めるビタミンAが豊富に含まれています。中でも、チェダーチーズとブルーチーズに含まれる「ラクトトリペプチド」には、血圧を下げる効果があるとされ、血管の老化を防ぎ、血管を柔らかくすることが期待できる食べ物です。

血管を柔らかくする食べ物⑥お茶

お茶にはポリフェノールの一種である「カテキン」「タンニン」が含まれています。カテキンはお茶の渋み成分です。脂肪の吸収抑制や血糖値を下げる作用もあります。また、炎症を抑える働きもあり、傷ついた血管の炎症を抑えてくれます。タンニンも強い抗酸化作用を持ち、活性酸素による酸化を防ぎます。

お茶は毎日の水分補給にも手軽に取り入れられるため、血管年齢を若く保つために試してみてください。

血管を柔らかくするための生活習慣

血管を柔らかくするには食事に気をつけることも必要ですが、規則正しい生活習慣も重要です。ここでは、柔らかな血管を保つための生活習慣について解説します。

適度な運動を取り入れる

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は血管を柔らかくし、血流をスムーズにする効果が期待できます。血流が改善されることで血管内皮細胞が活性化され、血管年齢も若返らせることができます。

良質な睡眠をとる

血管の柔軟性を維持するためには睡眠も重要です。人の身体は睡眠時に疲労回復や細胞の代謝を行います。睡眠不足によって細胞の代謝が滞ると、血管の細胞も老化する一方です。良質な睡眠をとることで、血管についた傷の修復や細胞の生まれ変わりがスムーズに行われ、柔軟性のある血管を保てます。

ストレスをためない

ストレスは自律神経のバランスを崩すことにより、血管にも悪影響を及ぼします。人はストレスを受けると交感神経が優位になり、過剰なアドレナリンが分泌されます。その結果、血管は収縮して血流が悪くなり、血管が硬くなります。このため、柔らかい血管を維持するためには、ストレスをためない生活も大切です。

タバコは吸わない

タバコには多くの有害物質が含まれています。なかでも「ニコチン」には強い血管収縮作用があるため、喫煙をすることで高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞といった血管系の病気のリスクが非常に高くなります。血管に与えるダメージも大きいため、血管を柔らかくするためにはタバコを吸わないようにしましょう。

適切な食事と生活習慣の改善で血管を柔らかくしましょう

この記事のまとめ

  • 血管は加齢や生活習慣によって硬くなり、さまざまな病気を引き起こすリスクとなる
  • 血管の硬化を促進する脂質や糖質、塩分の多い食べ物の摂りすぎには注意が必要
  • バランスのよい食事や血管を柔らかくする食べ物を取り入れて、血管の柔軟性を維持する
  • 血管を柔らかく保つには、食事以外の生活習慣も見直すことが必要

血管が硬くなる原因は、年齢、偏食、運動不足、生活習慣など多岐にわたります。しかしどのような原因であれ、血管の柔軟性が失われることで脳梗塞や心筋梗塞など重大な病気を引き起こすリスクが高まります。このような事態を防ぐため、血管を柔らかく保つことは非常に重要です。

今回の記事を参考に、血管を柔らかくする食べ物や生活習慣を意識して健康な血管を維持していきましょう。

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