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健康・カラダのこと

痛風の予防によい食事とは?摂っておきたい食べ物や注意すべきことを解説

痛風の予防によい食事とは?摂っておきたい食べ物や注意すべきことを解説

痛風は耐え難い痛みに襲われる関節炎であるため、できる限り予防したい病気です。痛風発作を引き起こす原因となる高尿酸血症は、普段の食事が大きく関わっています。そこで本記事では、痛風予防のための食事や発症してしまった場合の生活の注意点について解説します。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

痛風とは?

「痛風」はよく聞く病名ですが、何が原因で起こり、どのように予防すればよいのでしょうか。ここでは、痛風がどのような病気で、なぜそのような症状が現れるのかについて解説します。

痛風という病気について

痛風とは、血液中の尿酸値が高い状態が続く(高尿酸血症)ことで体の中に尿酸が溜まり、それが結晶となって急性の関節炎を起こし痛みが現れる病気です。足の親指の付け根に痛みが出ることが多く、風が吹いただけでも痛いと言われるほどの激痛を引き起こします。

痛風の原因となる尿酸は、体内で「プリン体」が代謝された後の最終産物です。プリン体は、動物性食品だけでなく植物性食品にも含まれる核酸の主成分で、遺伝情報の伝達やたんぱく質の合成に関わっており、私たちにとって必要不可欠な物質です。

プリン体は食事から摂取するだけではなく、体内で古い細胞が新しい細胞と入れ替わる際に、古い細胞の核酸が分解されてプリン体になります。体内に存在するプリン体は食事由来が20%、体内合成が80%です。そのため、食事でプリン体の摂取を控えても、排出量が減少すると尿酸値は高くなります。

痛風になる原因

痛風の原因は遺伝によるものもありますが、多くは生活習慣によるものです。運動不足、肥満、ストレス、暴飲暴食、不規則な生活といった乱れた生活習慣は、尿酸の体外への排泄を減少させる原因となります。

痛風のリスクとなる主な生活習慣

  • 過食
  • 摂取カロリー過多
  • 多量の飲酒
  • 動物性食品の摂り過ぎ
  • 運動不足  

そのため、痛風の予防には「食事に気をつけること」と「乱れた生活習慣を改善すること」の二つが重要です。

痛風の予防によい食事のポイント

痛風を予防するために、まずは食事のポイントを解説します。

①プリン体を多く含む食品を控える

食べ物に含まれるプリン体は体内で尿酸の材料となるため、プリン体を多く含む食べ物の摂取量を減らすことで、生成される尿酸を減少できます。

プリン体は動植物に含まれる核酸の構成成分で、生命維持に欠かすことのできない物質です。そのため、食べてはいけないのではなく、食べ過ぎないように注意すれば健康リスクを減らすことができます。1日のプリン体摂取目安量は400㎎程度とされているため、どのような食品に多く含まれるのかを知り、プリン体の多量摂取を控えるようにしましょう。

プリン体を多く含む食べ物

  • 特に多い食材:鶏レバー、マイワシの干物、あん肝
  • 多い食材:牛レバー、豚レバー、牛ヒレ肉、マアジの干物、カツオなど

食品中プリン体含量一覧

肉や魚、魚卵、内臓などの動物性食品には多くのプリン体が含まれています。そのため、食べる頻度を減らしたり一度に食べる量を少量にしたりと、摂取量を減らすようにしましょう。

②果糖の摂り過ぎに注意する

果物に含まれる果糖には、尿酸の生成を促す働きがあります。しかし、果物を食べたからといって大きな影響があるわけではありません。注意が必要なのは、清涼飲料水などの甘い飲み物に含まれる果糖です。清涼飲料水は口あたりが良く、すぐに飲むことができるため、一度に大量に摂ってしまいます。

さらに、甘いジュースやスポーツドリンクに含まれる果糖ブドウ糖液糖は、高濃度の果糖を含んでいます。健康リスクの高い飲み物のため、できる限り飲まないようにしましょう。

③アルカリ性の食品を多く摂る

痛風の原因となる尿酸はアルカリ性の食品を摂取することで中和することが可能です。尿酸を中和することで結晶化を防ぎ、痛風の予防に繋がります。また尿酸を中和することで痛風以外にも同じメカニズムで発生する尿路結石の予防にも繋がるため積極的に摂取するようにしましょう。

アルカリ性の食品には、野菜や海藻、豆類、きのこ類などがあります。アルカリ性の食品については、後ほど詳しく解説します。

④栄養バランスのよい食事を心がける

痛風予防のための食事では、栄養バランスを整えることも大切です。プリン体の多い食品を控え、野菜などのアルカリ性の食品を多く食べることも重要ですが、それだけでは必要な栄養素を補うことはできません。

栄養バランスのよい食事とは、1食の中で主食、主菜、副菜の揃った食事を指します。この中でも、主菜となる動物性たんぱく質はプリン体含有量が多い食材もありますが、体を作るために必要不可欠です。そのため、食べる量や頻度を考慮して食事に取り入れるようにしましょう。

⑤カロリーの摂り過ぎに注意する

カロリーの摂り過ぎは、肥満の原因となります。肥満は尿酸の排出を悪くして、体内の尿酸を増やすよう作用します。痛風を引き起こす危険因子となるため、肥満にならないよう注意しなければなりません。摂取カロリーが多くなり過ぎないように、食生活を見直して痛風を予防しましょう。

痛風を防ぐために摂りたい食べ物

痛風の予防によい食事の中で積極的に摂りたいのが、アルカリ性食品です。ここでは、そのアルカリ性の食品を紹介します。

海藻類

海藻類の中でも、ひじき、わかめ、昆布などはアルカリ性の強い食品です。食物繊維も豊富で肥満予防にも効果的な食材です。

きのこ類

きのこ類もアルカリ性食品で、積極的に摂りたい食材です。ただし、干ししいたけはプリン体を多く含む食品とされているため、摂取量に注意しましょう。

豆類

豆類の中でも特に大豆はアルカリ性の強い食品です。大豆が原料である納豆も、尿をアルカリ性にするための食べ物としておすすめです。

野菜類

野菜類にはアルカリ性食品が多く、痛風を予防するために多く摂取したい食材です。特に、ごぼう、大根、にんじん、キャベツ、なす、かぶなどを健康のために食事に取り入れてみてください。

芋類

芋類では、さつまいも、さといも、じゃがいもなどがアルカリ性の食品です。ただし、芋類は糖質を多く含み、カロリーも高いため、食べ過ぎには注意しましょう。

痛風にならないために注意すべきこと

痛風を予防するためには、食事以外の生活面でも注意すべきことがあります。自分の日常生活と照らし合わせ、健康のために改善できるところは見直していきましょう。

アルコールを控える

アルコールにはプリン体が多く含まれています。ただし、アルコールの種類によってはプリン体含量の少ない物や、最近ではプリン体ゼロなどのアルコール飲料も発売されています。「プリン体ゼロのアルコールを選べば大丈夫」と思われがちですが、実はアルコールが痛風のリスクを高める理由は別にあります。

アルコールには、体内でのプリン体合成を促進する作用と尿酸の排泄を抑制する作用があります。アルコールを飲むことでこれらの作用が影響し、尿酸値を高くしてしまうのです。そのため、痛風を予防するには種類に関わらずアルコールを控えるようにしましょう。

アルコール中のプリン体含有量
ビール(中ビン)500ml 25.6mg
日本酒(1合)180ml 2.2mg
ワイン(1杯)120ml 0.47mg
ウィスキー(ダブル1杯)60ml 0.07mg
焼酎(25%)100ml 0.03mg

(※)上記の表は、女子栄養大学出版部「八訂 食品成分表 2022」を参考に作成しました。

水分をしっかり摂る

痛風発作を起こさないためには、十分な水分を摂ることが大切です。水分を摂ることで尿酸の排出が促進され、痛風発作を抑制できます。

ただし、水分摂取といって甘いジュースやスポーツドリンクなどの清涼飲料水を飲むのはやめましょう。果糖の入った甘い飲み物は、尿酸の生成を促すことになります。日頃から水かお茶を飲み、しっかりと水分を摂るようにしましょう。

適度な有酸素運動を取り入れる

運動不足により肥満になると、尿酸の体外への排出が減少します。また、運動不足そのものもプリン体の産生を促すといわれています。痛風を予防するためには、適度な有酸素運動を取り入れて体を動かすようにしましょう。

これは、筋トレのような激しい無酸素運動が、痛風のリスクにつながるためです。無酸素運動によってATPが急激に分解されると血中の尿酸値が上昇し、痛風発作を引き起こすリスク要因となります。そのため、痛風予防に運動をする際は適度な有酸素運動がおすすめです。

ストレスをためない

ストレスも痛風のリスクとなります。これは、ストレスにより心身の緊張が続くとエネルギー消費が多くなり、尿酸の生成量が増えるためです。また、ストレスによってホルモンバランスが乱れ、腎臓からの尿酸の排出が減ることもあります。

ほかにも、ストレスによる健康への悪影響はさまざまです。健康を維持するために、ストレスをためない生活を心がけましょう。

痛風になった方の生活上の注意点

痛風の原因となる高尿酸血症は自覚症状がほとんどありません。そのため、痛風発作はある日突然起こる病気です。発作の痛みは約2週間ほどで消えますが、高尿酸血症を放置すると、発作が再発して繰り返してしまうこともあります。

また、痛風発作以外に痛風結節や尿路結石などの症状を引き起こす恐れもあります。さらに、血液中の尿酸は腎臓を通じて尿中に排出されるため、結晶化して腎臓に溜まると腎臓の機能低下につながることも。このようなことにならないよう、ここからは痛風発作が起きてしまった方の生活上の注意点を解説します。

食事療法を守り食べ過ぎないようにする

痛風になってしまった場合、食事療法をしっかりと守りましょう。食べ過ぎには十分注意し、プリン体を多く含む食べ物の摂取もできる限り控える必要があります。痛風予防の時に比べ、厳しく食事管理をする意識をもって食生活の改善に取り組みましょう。

水分をしっかり摂る

痛風になった場合でも、水分はしっかり摂るようにしましょう。痛風発作が起こっているときは、血中の尿酸値が特に高くなっている状態です。そのため、水分をしっかり摂って尿酸の排出を促しましょう。

お酒を控える

アルコールにはプリン体の合成を促進して尿酸の排出を抑制する作用があります。また、アルコールには利尿作用もあるため、体が脱水に傾くことでより痛風発作が起こりやすい状態になってしまいます。このような健康リスクを考え、過度な飲酒は控えましょう。

軽い運動で体を動かす

軽い運動を取り入れて体を動かすことも大切です。軽い運動は、代謝が良くなり尿酸の排出を促すとともに、ストレス解消にもつながります。ただし、激しい痛みがある場合は体への負担になることもあるため、体調を考慮しながら行うようにしましょう。

食事や運動などの生活習慣で痛風を予防しましょう

この記事のまとめ

  • 痛風の原因の多くは生活習慣によるもの
  • 痛風予防には、プリン体を多く含む食品を控える
  • 栄養バランスのよい食事を心がけることも大切
  • 痛風を防ぐために、海藻や野菜は積極的に摂取する
  • アルコールは痛風のリスクになるため控える
  • 日頃から水やお茶などの水分をしっかり摂る
  • 適度な運動やストレスをためない生活を心がける

痛風の予防には、食事療法と規則正しい生活習慣が重要です。今回紹介した内容を参考にして普段の生活を見直し、痛風予防によい食事や生活のポイントなど、取り入れられそうなところから始めてみてください。

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