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健康・カラダのこと

自律神経を整える食べ物を紹介。栄養素や食事のポイントも合わせてチェック

自律神経を整える食べ物を紹介。栄養素や食事のポイントも合わせてチェック

自律神経は、私たちの身体の機能をコントロールしている重要な神経です。自律神経の不調は精神面だけでなく全身に影響し、健康を害することになります。そのため、自律神経を整えることは健康維持に役立ちます。本記事では、自律神経を整える食べ物を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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自律神経とは?

自律神経は、交感神経と副交感神経から成っています。内臓の働きや代謝、体温調整など生命を維持するための全ての機能を24時間コントロールしています。

自律神経が乱れる原因

自律神経の乱れは肉体的にも精神的にも影響を与え、さまざまな症状となって現れます。

自律神経の乱れによって引き起こされる症状

  • 肉体的症状:疲れやすい、肩こり、めまい、頭痛、冷え、便秘、下痢、発汗など
  • 精神的症状:情緒不安定、不眠、記憶力・集中力の低下など

このような症状の原因となる自律神経の乱れは、生活習慣によるものもあります。ここでは、自律神経を乱す原因について解説します。

ストレス

私たちの身体は、ストレスがかかると副腎脂質から「コルチゾール」や「アドレナリン」などのホルモンが分泌されます。これらのホルモンは、血糖値の上昇、免疫抑制、胃酸の分泌促進などの作用があります。また、交感神経が常に優位な状態になり、副交感神経は抑制されることになります。

過度なストレスの影響によりこのような状態が続くと、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ自律神経が乱れてしまいます。

不規則な生活習慣

自律神経を乱す生活習慣として偏食や欠食、不規則な食事があげられます。また、夜更かしや睡眠不足も自律神経に大きく影響します。このような不規則な生活習慣を見直すことで、自律神経を整えることができます。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスと自律神経には密接な関係があります。特に女性は、出産や閉経などを機にホルモンバランスが大きく変化します。女性ホルモンのエストロゲンには自律神経を活性化する作用があるため、エストロゲンの分泌量の増減が自律神経の乱れの原因となることがあります。

また、女性に限らず男性も更年期障害になる場合があります。気持ちが不安定になったり、やる気や記憶力が低下したりなどの症状が特徴的ですが、これらもホルモンバランスの変化による自律神経の乱れが原因となって起こります。

病気

病気の影響で自律神経が乱れることもあります。代表的な病気は、パーキンソン病、うつ病、レビー小体型認知症です。病気が原因の場合、自分で生活改善を行うだけでは自律神経を整えるのは困難であるため、医療機関を受診することをおすすめします。

自律神経を整える栄養素と含まれる食べ物

食べ物の中には、自律神経を整える栄養素が含まれているものがあります。そのような食品を食べることで自律神経を整える効果が期待できます。

GABA(γ‐アミノ酪酸)

GABA(γ‐アミノ酸)はアミノ酸の一種で、中枢神経で働く神経物質です。神経の高ぶりを抑える働きがあり、ストレスや運動時に高まる興奮を抑制する効果があります。通常、興奮状態では脳内のアドレナリンが活発になります。GABAはアドレナリンの分泌を抑制することで、自律神経のバランスを整えてくれます。

GABAを多く含む食べ物

  • 発芽玄米
  • 漬物
  • キムチ
  • 味噌
  • 醤油
  • なす
  • かぼちゃ

トリプトファン(必須アミノ酸)

トリプトファンは、人の体内では合成できない「必須アミノ酸」の一つです。精神を安定させて記憶力や集中力を高めたり、不眠の解消に効果があると言われています。

トリプトファンを多く含む食べ物

  • レバー(牛、豚、鶏)
  • 小麦胚芽
  • 牛乳
  • チーズ
  • バナナ
  • 大豆
  • アーモンド
  • マグロ
  • カツオ

ビタミンB群

ビタミンB群は自律神経を整える効果があり、中でもビタミンB6、B12を含む食べ物が重要です。

ビタミンB6は交感神経の興奮を抑える作用のあるセロトニンやGABAの生成に必要な栄養素です。

また、ビタミンB12は神経細胞の膜、つまり自律神経の材料となるビタミンです。また、細胞の遺伝情報や脂質の合成にも関与し、神経細胞の機能を正常に保つ働きがあります。

ビタミンB群を多く含む食べ物

  • ビタミンB6:レバー、カツオ、マグロ、肉類
  • ビタミンB12:カツオ、サンマ、貝類、レバー、納豆、もやし、チーズ

ビタミンC、E

自律神経の乱れにより交感神経が優位に立った状態では、活性酸素が体内に溜まり副交感神経が弱るため、免疫力が低下してしまいます。そこで、活性酸素を減らす作用のあるビタミンC、Eを含む食べ物がおすすめです。

ビタミンC、Eを多く含む食べ物

  • ビタミンC:果物類、野菜類、イモ類
  • ビタミンE:ナッツ類、かぼちゃ、マグロ、うなぎ

カルシウム

カルシウムには、脳神経の興奮を抑える作用があります。体内のカルシウムの99%は骨や歯に存在しますが、残りの1%は血液中に存在しています。この血中カルシウムは神経の伝達が正常に行われるように保ったり、緊張や興奮を抑えてストレス緩和に役立っています。

血中カルシウムが少なくなると、骨のカルシウムを溶かすことで濃度が保たれるため不足することはありませんが骨からの溶出が多くなると骨がもろくなり、骨粗しょう症や骨折のリスクも上がるため、カルシウムを多く含む食べ物も積極的に摂るようにしましょう。

自律神経を整える食事のポイント

自律神経を整えるためには、食生活が重要です。ここでは、自律神経を整えるための食事のポイントを解説します。

栄養バランスのよい食事を摂る

栄養バランスの偏った食事は、必要な栄養素の不足を招きます。特に、体の調整機能を助けるビタミンやミネラルが不足すると自律神経の乱れにつながります。主食、主菜、副菜を揃えて、バランスのとれた食事を摂りましょう。

腸内環境を整える食事を意識する

人間の腸は、主に副交感神経が支配しています。副交感神経が優位に立つことで食材からの栄養を消化吸収できます。腸内環境が乱れ、下痢や便秘になるとストレスによって交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。そのため、自律神経のバランスを整えるために、普段から腸内環境を整える食事を心がけることが大切です。

腸内の善玉菌を増やす

腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やす必要があります。善玉菌を増やすには、善玉菌を多く含む食材と、善玉菌のエサとなる食材を多く摂取するのが効果的です。これらを並行して食事に取り入れることで、腸内環境の改善が期待できます。

善玉菌を増やす食べ物

  • 善玉菌の多い食品:ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチなど
  • 善玉菌のエサとなる食べ物:果物、野菜類、海藻類

極力控えた方がよい食べ物

自律神経を整えるために、控えた方がよい食べ物があります。次に紹介する食ベ物は、自律神経を乱す原因となるため、できる限り控えるようにしましょう。

トランス脂肪酸を多く含む食べ物

マーガリン、ショートニング、ファットスプレットなどの食べ物に含まれるトランス脂肪酸は人工的につくられた脂質です。トランス脂肪酸を摂りすぎると、うつ病、自律神経失調症、パニック障害、認知症、アレルギーなどの病気の発症に影響するといわれています。脳や自律神経の細胞膜は脂質から構成されているのですが、トランス脂肪酸が細胞膜や脳神経を構成する材料として使われることで、ホルモン分泌や神経伝達機能を狂わせるためです。

さらに、トランス脂肪酸の悪影響は自律神経だけではありません。過剰摂取により、心筋梗塞などの冠動脈性疾患のリスクが高くなる可能性が危惧されています。健康のためにトランス脂肪酸を多く含む食べ物の摂取は控えましょう。

厚生労働省「トランス脂肪酸に関するQ&A」

トランス脂肪酸を多く含む食べ物

  • インスタントラーメン
  • スナック菓子
  • 菓子パン
  • 冷凍食品
  • 揚げ物
  • ホイップクリーム
  • コーヒーフレッシュ
  • チョコレート

糖分を多く含む食べ物

自律神経を乱す原因に「機能性低血糖」があります。機能性低血糖とは、糖質の過剰摂取やストレス、過度な飲酒によって高血糖になり、血糖値を下げるために大量のインスリンが分泌され、血糖値が下がり過ぎてしまう病気です。

血糖値の低下は、不安やうつ、イライラなどの精神症状を引き起こす場合があります。また、血糖値を上げるためにアドレナリンやノルアドレナリンなど、交感神経を緊張させるホルモンが大量に分泌されることも自律神経を乱す原因となります。

糖分の摂り過ぎは自律神経のバランスを崩す原因となるため、控えるようにしましょう。

自律神経を整える生活習慣

適度な運動

運動には自律神経を整える効果があるといわれています。適度な運動は、自律神経の調整機能を高めたり、ストレス発散につながるためです。より高い効果を得るためには激しい運動を行うのではなく、ウォーキングやスイミング、ヨガなど軽めの運動をリラックスした状態で行うのがおすすめです。

良質な睡眠

睡眠中は副交感神経が優位に働き、細胞の修復や免疫機能の維持・調整などが行われています。寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めるなど睡眠の質が低下すると副交感神経がうまく作用せず、自律神経のバランスを崩すことになります。

自律神経を整えて良質な睡眠をとるためには、就寝の2時間ほど前から環境を整えるのがおすすめです。また、スマートフォンなどの強い光は交感神経を高めるため就寝前の使用は控えましょう。

入浴でリラックス

入浴はシャワーですませず、ゆっくりと湯船にもつかりましょう。お湯につかることでリラックスし、副交感神経を優位にします。また、入浴でリラックスした状態になると、ストレスも解消されます。

入浴の際、熱すぎるお湯は交感神経を刺激し自律神経を乱す恐れもあるため、適温を意識しましょう。38~40度のお湯につかると血流が良くなり、新陳代謝が促されることで疲労回復にもつながります。

飲酒を控える

適度な飲酒は血行を促進したり、精神的なリラックスによって副交感神経を優位にするため、自律神経によい影響を与えます。しかし、過度な飲酒は交感神経を刺激し、副交感神経の働きを抑制するため自律神経を乱す原因になります。飲酒は控えめに、適量を飲むようにしましょう。

適度な飲酒量の目安

  • ビール:350mlの缶ビール1本
  • 日本酒:1合(180ml)
  • ワイン:グラス1/3杯(45ml)
  • ウィスキー:ダブル1杯(60ml)

飲酒量はあくまでも目安のため「昨日は飲みすぎた」といった日には、禁酒して身体を労わるようにしましょう。

禁煙

タバコに含まれる「ニコチン」は交感神経を優位に働かせ、血圧の上昇や心拍数の増加を促します。自律神経にとって悪影響しかないため、自律神経を整えるためには禁煙しましょう。

適した栄養素や食材で自律神経を整えましょう

この記事のまとめ

  • 自律神経は生命を維持するために必要不可欠な神経で、自律神経の乱れは肉体的・精神的な不調の原因となる
  • 自律神経を整える栄養素はGABA、トリプトファン、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、カルシウム
  • 栄養バランスのよい食事を摂り、腸内環境を整えることで自律神経もよい状態が保たれる
  • トランス脂肪酸や過剰な糖分は自律神経を乱すため、控えるようにする
  • 自律神経を整えるため、適度な運動や良質な睡眠、入浴なども心がける

自律神経の乱れは身体にさまざまな不調を引き起こすため、自律神経のバランスを整えることが大切です。今回紹介した、自律神経を整える食べ物を参考に、意識的に日々の食事に取り入れてみてください。生活習慣を見直して心も身体も健康な毎日を送りましょう。 

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