朝食べるといいものとは?おすすめの食材や栄養満点のレシピを紹介

朝食は1日のスタートに大切な役割を持つ食事です。活動に必要なエネルギーを補給すると同時に、健康維持に必要なたんぱく質、ビタミン、ミネラルもバランスよく摂ることが大切です。本記事では、おすすめの食材やレシピなど朝食に食べるといいものを紹介します。
朝食が大切な理由

1日を健康に過ごすためにも朝食は食べた方がいい、というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。朝食は身体にとって大切な食事であり、朝食を食べることでいい効果がたくさんあります。ここでは、なぜ朝食が大切なのかについて解説していきます。
活動のエネルギー源を補給する
人は寝ている間にも、エネルギーを消費しています。就寝中は何も補給されないままエネルギーを使っているため、起床後の体はエネルギーが枯渇している状態です。そのため、朝食を食べないとエネルギーが不足し、活動するにも力が入らない、体がだるいといった症状を感じる場合があります。
このような状態になるのを避けるためにも、朝ごはんでしっかりとエネルギーを補給する必要があります。朝食を食べることで午前中の活動に必要なエネルギーがチャージされ、身体が動く準備が整うのです。
体内時計を切り替える
人は、体内時計といわれる体の機能で睡眠、覚醒、体温調節、血圧、免疫機能など生きるために必要な基本的なリズムを24時間調整しています。朝と夜では必要な活動が異なるため、起床時に体内時計を切り替える必要があります。
この体内時計の切り替えに一役買うのが「朝食」です。食事を摂ることは、体内時計の調整に影響するといわれています。そのため、朝食を抜かず毎日同じ時間に食事を摂ることで体内時計が安定し、規則正しい生活リズムを保つことが可能です。
肥満を予防する
朝食を食べない人は、昼食や夕食を食べ過ぎる傾向にあります。また、血糖値の急上昇を招き、インスリンが過剰に分泌されることで脂肪が蓄積しやすくなるのです。このような状態にならないためにも、朝食はしっかり食べる必要があります。
精神状態が安定する
朝食を食べないと、イライラする、集中力が低下する、不安になるなど精神面に悪影響を及ぼすという研究結果が報告されています。また、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、朝ごはんをよく噛んで食べることで分泌量が増え、精神状態が安定するともいわれています。このように、朝食は精神面にも大きく影響するのです。
理想的な朝食とは

朝食は「何でもいいからお腹に入れたらOK」というわけではありません。食事の内容や選ぶ食材によっては、むしろ体にとって悪影響を及ぼす場合もあるのです。ここでは、理想的な朝食とはどのような食事なのかを解説します。
栄養バランスの整った食事
栄養バランスの整った食事は、活動に必要なエネルギーを補給するだけでなく、健康維持のためとても大切です。主食、主菜、副菜のそろった食事を摂ることで必要な栄養素を摂取でき、活動のパフォーマンスも向上します。忙しい朝でも栄養バランスのいい食事を摂るために、前日に軽く用意しておくとすぐに食べられて便利です。
主な栄養素 | |||
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栄養素 |
主な働き |
多く含む食品 |
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炭水化物(糖質、食物繊維) |
脳や体のエネルギー源 |
ごはん、パン、芋類 |
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たんぱく質 |
筋肉・臓器・ホルモンなどの構成 |
肉、魚、卵、大豆製品 |
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脂質 |
細胞膜・ホルモンの材料、脂溶性ビタミンの吸収補助 |
油、ナッツ、魚の脂 |
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ビタミン(A、B群、C、Dなど) |
体の調整をする。免疫力、代謝をサポート |
野菜、果物、卵、魚 |
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ミネラル(鉄、カルシウム、亜鉛など) |
骨・血液・神経の働きを補助 |
牛乳、海藻、小魚、豆類 |
たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は、身体を作る材料となる栄養素です。私たちの身体は常に新陳代謝をくり返し、新しい細胞が作られています。そこで必要不可欠なのが、たんぱく質です。朝食でもたんぱく質をしっかり補給して、1日を元気にスタートしましょう。
炭水化物を抜かない
炭水化物は活動のエネルギー源となるため、朝食でしっかり摂りたい栄養素です。炭水化物を抜いてしまうと、必要なエネルギーが不足するため、体内のたんぱく質を分解してエネルギーを生み出そうとします。そうなると、筋肉が減ったり体力が落ちたりなど、身体にとってはマイナスな状況に陥ってしまうのです。
特に朝食は、1日のスタートに必要な栄養素を補給する大事な食事のため、炭水化物もしっかり摂るようにしましょう。
朝食に食べるといいもの

理想的な朝食は分かっていても、朝の忙しい時間に手の込んだ食事を用意するのはなかなか大変です。そんなときには、食材の選び方や少しの工夫を取り入れると理想的な朝食を摂ることができます。ここでは、1日を元気にスタートするための、朝に食べるといい食品を紹介します。
おにぎり
朝食の主食は、しっかりとエネルギー補給ができるご飯がおすすめです。その中でも、手軽に食べられるおにぎりはとても優秀なメニューです。おにぎりに肉や魚などの具材を加えると、たんぱく質も補給できるので栄養価も上がります。
卵
卵には、9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。必須アミノ酸は、人が体内で合成できない栄養素であり、食事から摂取する必要があります。卵はたんぱく質食品の中でも特に必須アミノ酸のバランスがいい優秀な食品です。
たんぱく質以外にもさまざまな栄養素を豊富に含んでいるため、朝食に卵を使った一品を取り入れると栄養バランスがよくなりおすすめです。
納豆
納豆も手軽にたんぱく質が摂取できる食品です。納豆の原料である大豆は、女性ホルモンと似た性質のある大豆イソフラボンが含まれています。健康をサポートしてくれる栄養素ですので、朝食に取り入れてみてください。
味噌汁
温かい味噌汁は、身体を温めて血行をよくしてくれます。血流が改善することで、朝の寝起きで枯渇している水分や栄養素がスムーズに全身に運ばれるようになります。味噌汁には、たんぱく質、ビタミン、ミネラルに加えて、乳酸菌や麹菌などが豊富に含まれているため、おすすめの朝ごはんです。
好みの具材を加えたら栄養たっぷりの朝食になります。朝は、一杯の味噌汁で身体を整えましょう。
ヨーグルト
ヨーグルトには、たんぱく質、カルシウムなどの栄養素が豊富で、手軽に栄養補給ができる食品です。また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌には腸内環境を整えてお通じを改善する作用があり、美肌効果も期待できます。
ヨーグルトだけではカロリー不足になってしまうため、ご飯やパンなどの主食、たんぱく質のおかずと組み合わせてデザートとして食べるのがおすすめです。
果物
果物には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれています。特に、ビタミンCが豊富なものが多く、ビタミンが持つ抗酸化作用によって免疫力を高めたり、日中の紫外線から肌を守ったりする働きが期待できます。
また、果物に含まれる果糖は消化吸収が早いため、活動開始前に食べると効率よくエネルギーを摂取できます。
朝食におすすめの簡単レシピ

朝食が大切なのは分かるけど、忙しい朝の時間にきちんと朝食を準備するのは難しい、という方も多いのではないでしょうか。ここでは、忙しい朝におすすめの簡単にできる朝食レシピを紹介します。手軽にできるのでぜひ試してみてください。
卵とわかめの中華雑炊
材料(1人分)
- A)ごはん 150g
- A)水 300ml
- A)しょうゆ 大さじ1/2
- A)鶏ガラスープ 小さじ1
- 卵 2個
- 乾燥わかめ 小さじ1
- ごま油 小さじ1/2
- 小ねぎ 10g
作り方
- 卵を溶きほぐす
- 鍋に(A)を入れて火にかけ、ごはんが軟らかくなってきたら、乾燥わかめを加える
- ①の卵を流し入れる
- 器に盛り、ごま油を回しかけて小ねぎをのせる
起床後は体温が低下しているため、体を温め、代謝を上げてくれる雑炊は朝の主食におすすめです。卵、わかめでたんぱく質とミネラル補給もできます。さらに冷蔵庫にある食材を加えてアレンジできる優秀なメニューです。
ブロッコリーとトマトのピザ風トースト
材料(1人分)
- 食パン 6枚切り1枚
- ブロッコリー 60g
- 茹で卵 1/2個
- トマト 1/2個
- チーズ 大さじ1
- マヨネーズ 大さじ2
- ケチャップ 大さじ1
作り方
- ブロッコリーは茹でておく
- 食パンにケチャップを塗り、食べやすい大きさに切ったブロッコリー、茹で卵、トマトをのせてチーズをかける
- マヨネーズを全体にのせて、トースターでチーズが溶けてこんがりするまで焼く
食パンに、野菜、卵、チーズをのせて焼くだけで栄養たっぷりのトーストになります。忙しい朝に、1品で満足感のあるメニューが完成します。ベーコンやハムを加えると、さらにたんぱく質も摂取できます。
じゃこ入りチーズ焼きおにぎり
材料(1人分)
- ごはん 150g
- ピザ用チーズ 大さじ1
- ちりめんじゃこ 大さじ1
- めんつゆ 大さじ1/2
作り方
- 全ての材料をボールに入れて混ぜる
- ①をラップに包んでおにぎりを作る
- フライパンにごま油を敷き、おにぎりを並べてこんがり焼く
おにぎりに、じゃことチーズを加えることで、たんぱく質とカルシウムをしっかり摂れるメニューです。めんつゆとごま油の風味と香りで食欲を誘います。材料を全て混ぜ合わせて焼くだけの簡単調理も嬉しい一品です。
ほうれん草とハムのチーズココット
材料(1人分)
- ほうれん草 1/2束
- ハム 2枚
- 卵 1個
- チーズ お好みで
- マヨネーズ 大さじ1
ほうれん草はキャベツやトマト、小松菜などでも代用可能です。食材を器に入れて焼くだけで、簡単に栄養バランスのいい1品が完成します。ココットは洋食のイメージが強いメニューですが、だしを使って和風にすれば、主食がご飯のときのおかずにもなります。
朝食べるといいものを取り入れて、1日の始まりを気持ちよく迎えましょう

この記事のまとめ
- 朝食は1日の活動のエネルギーを補給するための大切な食事
- 朝食を摂ることで、体内時計の切り替えや精神状態の安定など、さまざまな効果が得られる
- 炭水化物、たんぱく質を中心に、栄養バランスの整った朝食が理想的
- エネルギー源となるご飯に、栄養価の高い食品を組み合わせて食べることで1日の活動に必要な栄養素を効率的に摂取できる
朝食をしっかり摂ることで活動に必要なエネルギーを補給し、1日のスタートを切ることができます。本記事で紹介した朝に食べるといいものを参考に、毎日の朝食を彩り豊かな食事にしてみてください。
武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。