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健康・カラダのこと

酵素が豊富な食品をご紹介。食事に取り入れて健康な食生活を送ろう

酵素が豊富な食品をご紹介。食事に取り入れて健康な食生活を送ろう

私たちの身近に、酵素を含む食品が多く存在しています。酵素は消化や代謝などさまざまな化学反応に関わる物質であり、食べ物から酵素を摂取することで健康の維持につながります。本記事では、酵素が豊富なおすすめの食品を紹介します。酵素の働きや活用法も解説しますので、参考にしてください。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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酵素には体内酵素と体外酵素が存在する

酵素は、身体の中で起こるさまざまな反応を助けるたんぱく質です。人の体内には約5,000種類の酵素が存在すると言われています。体内に存在する酵素が「体内酵素」と呼ばれるのに対し、食品に含まれ、それらを摂取することで身体に取り入れる酵素を「体外酵素」と呼んでいます。

体内酵素の種類と働き

体内酵素は身体の中で合成される酵素で、消化吸収に関わる「消化酵素」と生命維持に必要な働きをサポートする「代謝酵素」の2種類があります。一生のうちで合成される体内酵素の量には上限があるため、体内酵素を使い過ぎないようにする必要があります。

消化酵素

消化酵素は、食べた物を消化する際に働く酵素です。食べた物を分解し、最終的には食べ物の栄養を小腸から吸収できる形に変化させる役割を果たしています。代表的なのが、でんぷんを分解する「アミラーゼ」、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」などです。

このように消化酵素は、私たちが食べ物から摂り入れた栄養素を消化、吸収する上で必要不可欠なものです。しかしながら、先述したように体内で作られる酵素の量は決まっているため、暴飲暴食などで酵素を大量に消費すると必要な酵素が不足し、健康維持に悪影響がでる場合もあります。このため、暴飲暴食を控えるなど酵素の消費を抑える生活習慣が大切です。

代謝酵素

代謝酵素は体内の代謝を担う酵素で、古い細胞を新しい細胞に変える働きをしています。基礎代謝や新陳代謝、解毒、免疫力、自然治癒力など人が生きていく上で重要なこれらの作用には、全て代謝酵素が関わっています。

代謝がよいと汗をかきやすかったり、エネルギー消費がよく痩せやすいなど健康な印象があります。実際、代謝が活発に行われているということは、代謝酵素が円滑に働いてエネルギー産生が行われたり、新しい細胞が生み出されたりしているということです。生命活動を維持するためにも、代謝を活性化させることが重要です。

体外酵素の種類と働き

体外酵素は体内酵素とは異なり、身体の中には存在しない酵素です。主に食品に含まれる酵素で「食物酵素」と呼ばれます。酵素を含む食品を食事に取り入れることで体内酵素の働きをサポートする役割が期待できます。

食物酵素

食物酵素は食品に含まれているため、食べ物を摂取することで体内に取り入れることができます。食物酵素には、体内酵素の働きをサポートする役割があり、ご飯やパンなどでんぷんを分解する酵素、肉や魚などのたんぱく質を分解する酵素、油など脂質を分解する酵素など酵素によってさまざまな特性があります。

食物酵素を含む食品を多く摂ることで主に胃の上部で消化が行われる為、消化に使われる体内酵素の消費を抑えることができます。

食物酵素を多く含む食品

体内酵素の働きをサポートする食物酵素はどのような食品に多く含まれるのでしょうか。ここでは、食物酵素を多く含む食品を紹介します。

発酵食品

酵素を多く含む発酵食品

  • 納豆
  • 味噌
  • 漬物
  • キムチ
  • ぬか漬け

発酵食品は食物酵素を多く含む食品です。選ぶ際のポイントは、添加物の少ない食品または無添加の食品を選ぶことです。添加物は人工的に作られたもので、人の身体にとっては有害物質となることもあります。有害物質の処理にも酵素が使われるため、添加物を含む発酵食品を摂ることで体内酵素の消費量が増えることになります。

体内酵素の働きを助ける目的の発酵食品ですが、このように選び方によっては逆効果になるため、購入する際には食品表示をよく確認しましょう。

果物

酵素を多く含む果物

  • パイナップル
  • パパイヤ
  • キウイフルーツ
  • グレープフルーツ
  • イチゴ
  • バナナ

パイナップル、キウイフルーツ、パパイヤ、梨にはいずれもたんぱく質分解酵素であるプロテアーゼが含まれています。これらの果物を肉料理の下処理に使うと、肉が柔らかくなるのもプロテアーゼの働きによるものです。

また、バナナにはでんぷんを分解するアミラーゼが豊富です。グレープフルーツ、イチゴ、柑橘類には脂肪を分解する酵素リパーゼが多く含まれています。これらの食品は食前や食間に食べることで酵素の働きを最大限に活かすことができます。

野菜

酵素を多く含む野菜

  • 大根
  • かぶ
  • 山芋
  • キャベツ
  • 玉ねぎ
  • とうもろこし

野菜にも消化酵素を含む食品が多く存在します。大根、かぶには炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素全ての消化酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ)が含まれています。生の大根おろしなどは胃腸の調子を整えるのにおすすめの食べ物です。

その他、キャベツ、山芋にはでんぷん分解酵素のアミラーゼが、玉ねぎにはたんぱく質分解酵素プロテアーゼ、とうもろこしには脂肪分解酵素リパーゼが含まれています。いずれも生で食べるのが酵素の効果を得るために一番よい方法ですが、食べにくい場合は低温で調理してから食べるようにしましょう。

生魚

酵素を多く含む生魚

  • マグロ
  • カツオ
  • サバ
  • イワシ

新鮮な魚を生の状態で置いておくと腐敗が進む主な原因は、酵素が含まれているためです。魚に含まれる消化酵素はたんぱく質の分解を促進してくれます。酵素の作用を活かすため、魚は生の状態で食べる刺身がおすすめです。鮮度の落ちた魚は食中毒の恐れがあるため、新鮮なものを選ぶようにしましょう。

食物酵素を摂るときのポイント

調理方法や食べる食材の部位などを工夫することで酵素の作用をより効率的に取り入れることができます。

酵素を含む食品は加熱しない

酵素は熱に弱く、48度を超えたあたりから働きが弱くなります。さらに70度を超えると失活し、作用しなくなる性質をもっています。そのため、食品を加熱調理すると酵素の働きを活かすことができません。食品から酵素を取り入れる際は、生で食べるか低温調理で食べましょう。

低温調理とは40~60度のお湯でじっくりと加熱する調理方法です。低温で調理することで、酵素の作用を保つことができますし、肉や魚などの食品ではたんぱく質の変性もしにくいためジューシーで柔らかな食感に仕上げることができます。

ただし、穀物類、イモ類、豆類、キノコ類に関しては、生で食べると食中毒を起こす可能性があります。これらの食品は必ず加熱してから食べるようにしましょう。

野菜は葉っぱや皮を食べる

野菜に含まれる酵素は特に皮の部分に多く含まれています。また、抗酸化作用の強い食品は、皮をむくことで酸化が始まってしまうこともあるため、野菜はできる限り皮をむかずに食べましょう。さらに、大根やかぶなど葉っぱも食べられる食品は、葉っぱの部分も食べるようにしましょう。

ただし、皮は農薬などが一番残りやすい部分になるので、皮を食べる際は、しっかりと洗うか無農薬の野菜を選びましょう。

酵素の作用を活かすために生活で注意すること

野菜中心でバランスのよい食事を摂る

栄養バランスの整った食事は身体への負担も少なく、体内酵素が大量に使われることもないため理想的な食事です。特に、野菜には食物酵素を多く含む食品が多いため、野菜中心の食事を摂ることで体内酵素の消費量を抑えることにもなります。

冷たい物を摂り過ぎない

酵素は37~40度で活性化します。冷たい食べ物を摂ることで体温が下がると酵素の働きを悪くしてしまうため、冷たいものの摂り過ぎに注意しましょう。また、普段から代謝を良くし、体温を高く保っていると酵素の働きも良くなり、免疫力の向上にもつながります。

規則正しい生活をおくる

夜遅い時間の食事は、本来睡眠中に休むはずの胃腸が働き続ける必要があるため注意が必要です。夜は日中に比べて消化能力が低下し、食べ物が胃内に停滞するため腸内環境が悪化します。さらに、疲労回復や細胞の修復が正常に行われないため、体内酵素の消費量が増えてしまいます。規則正しい生活を送ることで酵素の無駄な消費を抑え、身体の負担を減らしましょう。

飲酒・タバコは控える

過度な飲酒や喫煙は、肝臓で解毒する際に大量の代謝酵素を消費することになります。特にタバコは全身の血管を収縮させ、細胞への栄養素の供給や老廃物の回収を阻害します。それにより体内には毒素が溜まり、さらに多くの代謝酵素が必要になるという悪循環に陥ってしまうのです。

お酒やたばこは控えめにして、体内酵素の大量消費を防ぐ習慣を心がけましょう。

食生活に酵素を含む食品を取り入れ、健康維持に役立てましょう

この記事のまとめ

  • 酵素には、主に消化吸収と代謝に働く「体内酵素」と体内酵素の働きをサポートする「体外酵素」が存在する
  • 一生のうちに作られる体内酵素の量は限度があるため、食品から取り入れることで体内酵素の消費を抑える必要がある
  • 食物酵素を含む食品には、発酵食品、果物、野菜、生魚などがある酵素は37~40度で働きが活発になり、70度を超えると失活するため、食物酵素を含む食品は高温での加熱は避ける
  • 酵素の作用を活かすために、身体を冷やさない、栄養バランスの整った食事を摂る、規則正しい生活を送るなど生活習慣の改善も必要

酵素は消化、代謝、解毒、免疫など身体を健康に保つために必要な反応に欠かせない物質です。しかし、体内で合成される酵素には上限があるため、食品から摂ることが重要です。食品に含まれる食物酵素を摂取することで体内酵素を節約し、健康維持に役立てることができます。

今回紹介した、酵素を多く含む食品や酵素の作用を活かすための生活習慣を、毎日の生活に取り入れてみてください。 

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