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健康・カラダのこと

高齢者がプロテインを活用するメリットは?選び方や注意点を押さえて効果的に摂取しよう

高齢者がプロテインを活用するメリットは?選び方や注意点を押さえて効果的に摂取しよう

プロテインが高齢者にも活用されているのを知っていますか?高齢になると、食事だけでは十分な栄養を摂取しにくくなります。そのような時にプロテインを活用することで、必要なたんぱく質を補うことができ健康維持に役立つのです。本記事では、高齢者がプロテインを利用するメリットや選び方、摂取時の注意点について解説します。

監修者 SUPERVISOR
管理栄養士/食生活アドバイザー/フードスペシャリスト/食品衛生管理者 古山 有紀

武庫川女子大学生活環境学部食物栄養学科卒業。
管理栄養士として病院に勤務し、患者様の栄養管理及び栄養指導に従事。
糖尿病患者や腎臓病患者を中心に、病状の進行を防ぐための食事指導を行う。食事と健康、美容に関する記事を中心に管理栄養士ライターとして活動中。

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プロテインの役割とは

私たちの身体は、さまざまな栄養素を必要としています。そのうちの一つがたんぱく質で、内臓や皮膚、血液、髪の毛などを作るのに必要不可欠な栄養素です。たんぱく質そのものは、アミノ酸と呼ばれる小さな分子が集まってできています。

プロテインは、たんぱく質のもととなるアミノ酸を主な原料とし、効率よく身体に吸収できるように作られた栄養補助食品のことです。一般の食品に比べ、脂質や糖質などたんぱく質以外の成分の含有量が少なくなっており、アミノ酸だけを効率よく摂取できます。

プロテインでアミノ酸を摂ることで、身体を構成するのに必要なたんぱく質が補給され、健康の維持につながっていきます。

高齢者がプロテインを活用する理由

そもそも、食事から必要なたんぱく質をしっかり摂ることができていれば、プロテインを飲む必要はありません。しかし、高齢者は食事量の低下によって、十分にたんぱく質を摂れなくなる場合があります。そのような時、手軽にたんぱく質を補給できるプロテインが有効です。

高齢者は、積極的にたんぱく質を摂ることが大切です。たんぱく質の摂取量が減少することにより、筋肉量の減少や身体活動量の低下、持病やその合併症などによりサルコペニアやフレイルになりやすいといわれています。サルコペニアは「筋力や身体機能が低下している状態」を指し、進行すると介護が必要な状態になる恐れがあります。

高齢者で介護が必要となる前段階をフレイル(虚弱状態)と呼び、加齢に伴い身体のさまざまな機能が低下して病気になりやすい状態を指します。サルコペニアやフレイルを予防するためにも、栄養補給は重要です。特に、たんぱく質をしっかり摂ることは、低栄養を防いで筋肉量の維持にも役立ちます。

高齢者がプロテインを取り入れるメリット

高齢者がプロテインを取り入れる最大のメリットは、食事だけでは不足してしまうたんぱく質を手軽に効率よく取り入れられることです。食欲がなくても、コップ一杯のプロテインを飲むだけである程度のたんぱく質を補給できます。

プロテインには、ビタミンやミネラルなど、たんぱく質以外の栄養素もバランスよく含まれています。食事が十分に摂れない高齢者にとって栄養バランスを整えるのは困難なため、プロテインを飲むことで他の栄養素も補充できるのが大きなメリットです。

また、余分な栄養素が抑えられているということも重要です。プロテインには、余分な脂質は含まれておらず、脂質の摂り過ぎを防ぐことができます。たんぱく質をしっかり摂ることで高齢者に多く見られるむくみの改善にも効果的とされています。

高齢者がプロテインを取り入れるデメリット

プロテインには、健康に害を及ぼすデメリットもあります。

まず、食べ物ではないため満腹を感じにくく、うっかり摂り過ぎてしまう恐れがあるため注意が必要です。過剰摂取したプロテインは、体内で消費しきれずに脂肪として蓄積されて肥満の原因になります。また、体内で消費する際に内臓が働くため、内臓に負担をかける場合もあります。

さらに、プロテインの摂り過ぎは腸内環境を乱す原因になる場合もあります。腸内環境が乱れると下痢や便秘などの体調不良につながるデメリットがあるため、注意しなければなりません。

高齢者のプロテイン摂取の目安量とタイミング

高齢者の健康維持に便利なプロテインは、自分に適した摂取量を守り、飲むタイミングにも配慮することで効果を最大限に活かすことができます。ここからは、高齢者のプロテイン摂取の目安量や効果的な摂取タイミングを解説します。

高齢者のプロテイン摂取の目安量

プロテインは、自分に必要な量を守って飲むようにしましょう。

高齢者の1日あたりに必要なたんぱく質は活動量によって変動しますが、体重1kgにつき約1.0g程度が目安です。例えば体重60kgの場合、体重60kg×1.0gで1日約60gのたんぱく質が必要です。

プロテインの種類や商品によってたんぱく質量は違いますが、1杯あたり約15g程度のたんぱく質が摂れます。普段の食事から摂取するたんぱく質の量も計算しながら1日数回にわけて飲むことをおすすめします。

プロテイン摂取の理想的なタイミング

プロテインは、飲むタイミングによって得られる効果が変わります。食事の補足、低栄養の予防、筋肉の維持など高齢者でも目的はさまざまです。何のためにプロテインを飲むのかを考え、自分に合ったタイミングで取り入れるようにしましょう。ここでは、飲むタイミングによって得られる効果の違いを紹介します。

運動後

運動をすると、体の筋肉はダメージを受けます。そのダメージを修復するのに役立つのがプロテインです。運動後、すぐにプロテインを摂ることで筋肉の修復が促進され、健康な筋肉を維持できます。高齢者でも、日頃から筋トレなどの運動をしている方は運動後にプロテインを摂ることをおすすめします。

朝食時

朝食時もプロテイン摂取におすすめです。私たちの身体は就寝中にもたんぱく質が消費されるため、朝はたんぱく質不足の状態になっています。プロテインを朝食時に取り入れることでたんぱく質不足の解消に役立ち、日中の代謝が上がって筋肉の維持や増加が期待できます。

高齢者に適したプロテインの選び方

プロテインには、原料となるアミノ酸の違いやアミノ酸以外に配合されている栄養素の違いなど、中身の違いによって多くの種類があります。ここでは、高齢者に合ったプロテインの選び方を紹介します。

①必要なたんぱく質の量に合わせて選ぶ

プロテインは製品によって成分の配合がさまざまで、含まれるアミノ酸の量も異なります。そのため、自分に必要なたんぱく質の量に合わせて選ぶようにしましょう。また少量で多くのたんぱく質を補給できるものは、その分濃度が濃くなるため下痢を起こしやすくなります。メリットとデメリットを考慮し、自分に合ったプロテインを選びましょう。

②プロテインの種類を考慮する

プロテインは、原料となるアミノ酸が植物性食品に由来するものと動物性食品に由来するものがあります。配合成分によって吸収率や効果に差があるため、それぞれの特徴を理解して選びましょう。また、食物アレルギーのある方は、アレルゲンが配合されていないかをよくチェックする必要があります。

以下に高齢者におすすめなプロテインの種類をまとめましたので、目を通してみてください。

高齢者におすすめのプロテイン①ホエイプロテイン

ホエイプロテインは牛乳由来のたんぱく質で、主に乳清に含まれます。筋肉の生成を助けるアミノ酸が多く含まれているのが特徴です。また、水に溶けやすいため吸収率が高く、運動後のたんぱく質補給や筋肉の増強に効果的です。ただし、牛乳由来であることから乳アレルギーの方は注意が必要です。

高齢者におすすめのプロテイン②ガゼインプロテイン

ガゼインプロテインはホエイプロテインと同じく牛乳由来のたんぱく質です。ガゼインプロテインは、水に溶けにくい性質があるため消化吸収に時間がかかりますが、その分持続的にアミノ酸の供給を期待できます。

就寝前に摂ると寝ている間も少しずつ身体に取り込まれることで筋肉を保護し、筋肉低下を防ぐことに効果を期待できます。こちらも乳アレルギーの方は注意しましょう。

高齢者におすすめのプロテイン③ソイプロテイン

ソイプロテインは、大豆由来の植物性プロテインです。大豆由来であるため、イソフラボンが豊富で骨粗鬆症や更年期障害の改善にも効果があり、特に高齢者の女性におすすめです。

また、ソイプロテインは消化吸収がよいため体への負担が少ないというメリットがあります。低脂肪・低カロリーであるため、体重増加が気になる高齢者にもおすすめです。ただし、大豆アレルギーの方は注意しましょう。

③アミノ酸以外に含まれる栄養素をチェックする

市販のプロテインには、アミノ酸の他にビタミンやミネラルなどの栄養素が配合されている商品もあります。食事だけで十分な栄養素が摂れない高齢者にとっては、さまざまな栄養素を補給できるプロテインは便利です。

購入する際にどのような栄養素を含むのかをチェックし、自分に合ったものを探してみてください。

高齢者がプロテインを摂取する際の注意点

高齢者にとって手軽で便利なプロテインですが、摂取する際にはいくつか注意しなければならないポイントがあります。ここではプロテイン摂取の際の注意点を解説しますので、チェックしてみてください。

摂り過ぎないようにする

プロテインの過剰摂取は高齢者の身体に負担がかかるため、目安量を守って摂り過ぎないよう注意しましょう。プロテインを飲み始めて体重が増加してきた場合、摂り過ぎて余ったたんぱく質が脂肪として身体に蓄積している可能性があります。摂取量を見直し、摂り過ぎていないかをチェックしてみましょう。

食事の補助として取り入れる

プロテインはあくまでも食事で摂れない不足分を補うのが目的で、食事の代わりにはなりません。食事には噛む・飲み込む・消化吸収するといった過程があり、これも高齢者が健康を維持するために必要な機能です。

食事を摂らずにプロテインだけですませることは、消化吸収機能を低下させることにも繋がりかねません。特に高齢者は、消化吸収機能を保つことで低栄養を防げるため、食事からの栄養補給をメインに考えましょう。

少量から始める

今までプロテインを飲んでいなかった高齢者が急に大量摂取すると、内臓に負担がかかります。その結果、下痢や便秘になる恐れもあります。また、プロテインの原料によって身体に合わないといったこともあるため、飲む際には少量から始めて体調をチェックするようにしましょう。

少量から始め、体調に違和感を感じたら飲むのをやめたり、他の種類に変えて様子を見るようにしましょう。特に問題なく続けられそうであれば、徐々に1回の摂取量を増やしても問題ありません。

持病がある場合はかかりつけ医に相談する

持病がある場合、自己判断でプロテインを飲むことは避けましょう。常用薬を飲んでいる場合も、副作用の恐れがあるため注意が必要です。特に腎臓疾患がある方は、たんぱく質制限を必要とする場合が多くあります。プロテインは腎臓の負担となり病気を悪化させることもありますので、必ず医師に相談するようにしましょう。

高齢者が食事で不足する栄養素を補う手段としてプロテインを上手く活用しましょう

この記事のまとめ

  • 食事だけで十分な栄養素が摂取できない高齢者にとって、手軽にたんぱく質を補給できるプロテインは便利
  • プロテインはタンパク質を手軽に補給できるメリットがあるが、摂りすぎると内臓に負担がかかるなどのデメリットもある
  • 高齢者がプロテインを活用する際は、摂取目安量を守ってタイミングも考慮して飲むようにする
  • プロテインにはさまざまな配合の商品があるため、自分に合ったものを選ぶ必要がある
  • 高齢者はプロテインの摂り過ぎに注意し、かかりつけ医に相談するなどの注意点を守って使用する

手軽にたんぱく質が補給できるプロテインは、食事量が減った高齢者にとってメリットの多い栄養補助食品です。目安量や注意点を守って上手に使用することで低栄養を防ぎ、健康維持に役立てることができます。

本記事で紹介した選び方や注意点を参考にして、プロテインを食事の補助として上手に活用してみてください。 

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