フィリピン移住のために必要な準備とは?メリットやビザの条件も解説

近年、フィリピンへの移住を検討する方が増えています。フィリピンに移住するためには、いったいどのような準備が必要なのでしょうか。本記事では、フィリピン移住に必要な準備、フィリピン移住のメリット・デメリット、ビザの取得条件などを詳しく紹介します。
フィリピンに移住する際に必要な準備

フィリピンに移住する前に、日本で事前準備を行う必要があります。まずは、フィリピンに移住する際にはどのような準備が必要なのか詳しく解説します。
①語学の勉強をする
フィリピンに移住する前に、語学の勉強をしておきましょう。フィリピンでは、タガログ語や英語が話されています。現地でのコミュニケーションをスムーズにするためにも、少しでも語学を習得するのがおすすめです。
②フィリピンの文化を学ぶ
移住前に、フィリピンの文化を学んでおくことも大切です。フィリピンと日本では、考え方や文化が大きく異なります。移住後にストレスを感じないためにも、前もって現地の文化を把握しておくと安心です。
③パスポートを更新する
フィリピンに移住する前に、パスポートの更新をすませておきましょう。フィリピンに滞在している間に有効期限が切れてしまっても、大使館や領事官などで更新はできます。しかし、手間や時間がかかるため、あらかじめ日本で準備をしておいた方が無難です。
④ビザの申請をする
フィリピンへ移住するのであれば、ビザの申請を行いましょう。取得条件や費用に合わせて、自分に合ったビザを検討してください。ビザの種類によっては申請に時間がかかったり、年間の人数制限があったりするため、早めに手続きを始めることをおすすめします。ビザの取得条件などについては後に解説します。
⑤公的手続きをすませる
日本を出国する前に、公的手続きをすませておく必要があります。例えば、税金の処理や年金の手続き、家の退去連絡、運転免許の期間外更新などです。
⑥健康診断を受ける
フィリピン移住が決まったら、健康診断を受けておきましょう。フィリピンは日本よりも医療レベルが低いとされているため、可能な限り日本にいる間に病気の治療はしておいた方が安心です。
フィリピンに移住するメリット

老後などにフィリピンへの移住を検討する方は多いですが、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、フィリピン移住の魅力を紹介します。
永住権を取得しやすい
フィリピン移住のメリットとして、永住権を取得しやすいことが挙げられます。フィリピンは他の国に比べて、永住権の取得・維持が容易です。他国への永住を検討している方にとって、嬉しいポイントだといえるでしょう。
食文化に馴染みやすい
食文化に馴染みやすいのも、フィリピンに移住するメリットといえます。フィリピンの料理にはお酢や醤油、砂糖といった調味料が使われているため、日本人には馴染みのある味付けが多いです。日本食のレストランも多く、食生活で困ることはほとんどないでしょう。
気候が安定しており過ごしやすい
気候が安定しているのも、フィリピンで生活するメリットです。フィリピンには四季がなく、一年を通して27度ほどとかなり過ごしやすい気候です。寒さや暑さが苦手な方にとって、フィリピンは生活しやすい環境だといえます。
物価が安い
物価が安いというのも、フィリピンが移住先として人気の理由の一つです。近年は少しずつ物価が高くなってきていますが、日本に比べると安いとされています。老後に余裕のある生活をしたいのなら、フィリピンへの移住を検討してみてはいかがでしょうか。
日本との距離が近い
フィリピン移住のメリットとして、日本との距離が近い点が挙げられます。フィリピンは東南アジアの中で日本から最も近い国で、飛行機で約4〜5時間ほどで行けます。急に日本に帰らなくてはいけなくなった場合でも安心です。
フィリピンに移住するデメリット

フィリピン移住にはさまざまなメリットがありますが、いくつかデメリットもあるため注意が必要です。移住した先で後悔しないためにも、こちらで紹介するデメリットを把握しておきましょう。
インフラが整っていない地域がある
フィリピンに移住するデメリットとして、インフラが整っていない地域がある点が挙げられます。特に地方は公共交通機関が整っておらず、移動に手間がかかります。都市部であれば比較的インフラが整っているため、車などの移動手段が確保できない場合は都会への移住を検討してみてください。
医療レベルが低い
医療レベルが低いというのも、フィリピンに移住するデメリットの一つです。衛生環境の悪さや施設の老朽化などが原因で、安心して医療を受けられない可能性があります。
また、フィリピンの医療費は一定ではなく病院によって異なるため、場合によっては高額の医療費を請求される恐れもあります。定期的な治療が必要な持病がある方は、フィリピンへの移住は難しいでしょう。
野生動物や虫が多い
フィリピンには、野生動物や虫が多く生息しています。狂犬病やデング熱など、動物や虫が原因で発症する病気も多くあります。
また、フィリピンに生息している虫は日本のものよりもサイズが大きいため、虫が苦手な方は苦痛に感じる場合があります。野生動物や虫による脅威に対応できないと、フィリピンでの暮らしは厳しいものになるでしょう。
「フィリピーノタイム」に慣れる必要がある
フィリピンに移住するデメリットとして、「フィリピーノタイム」に慣れなくてはいけない点が挙げられます。フィリピーノタイムとは「時間に遅れてもよい」という考え方で、フィリピンでは期日や時間に遅れるのが普通とされています。
日本と同じ感覚でいると、物事が思うように進まずストレスを感じるかもしれません。フィリピンに移住する前に、自分がある程度時間に対して寛容になれるか考えてみるとよいでしょう。
フィリピン移住に必要なビザを取得する条件

フィリピンに移住して暮らすためには、ビザを取得する必要があります。ビザの種類によって取得するための条件が異なるため、移住前に確認しておきましょう。
ASRV
ASRVとは、ルソン島のオーロラ州が取り組んでいるプロジェクトの一環であり、APECO特別永住権とも呼ばれます。フィリピンで就労することが可能な上、年齢制限がありません。更新期間も5年に1回と長く、手間や費用を削減できます。
取得条件は、新規登録手数料として約150万円払うこと、APECO経済振興プログラムへ2万USドル出資することです。
SRRV
SRRV(特別居住退職者ビザ)とは、50歳以上の人を対象にしたビザです。名前に「退職」という言葉はついていますが、フィリピンで就労することも可能です。
SRRVは、指定された銀行に定期預金をすることが取得の条件です。年金受給者は1万USドル、50歳以上は2万USドルの預金が必要です。申請料は1,400USドルです。
SIRV
SIRV(特別投資家ビザ)も、フィリピン移住におすすめのビザです。こちらは、21歳以上でフィリピンに7万5千USドルの投資をすることが取得の条件です。この条件が維持できている間は、半永久的にフィリピンに滞在できるのが魅力といえるでしょう。
SRVV
SRVV(ロングステイビザ)は、フィリピン国内に住居を保有していたり、フィリピン退職庁が指定した施設に泊まったりすることで取得できるビザです。
SRVVの滞在期間は1年間で、申請できる回数は1回のみです。また、1年の滞在期間の間にフィリピンから出国すると、ビザが無効になるため注意が必要です。
クオータービザ
クオータービザも、フィリピン移住の際に取得できるビザの一種です。医師による健康診断を受けることができ、犯罪歴がない20歳以上の人であれば申請可能です。供託預金として5万USドルを支払う必要がありますが、ビザの取得ができれば返金されるため維持費用を抑えられます。
ただし、クオータービザを取得できるのは年間50名のみであり、すぐに枠が埋まってしまうというデメリットはあります。
フィリピン移住におすすめの地域

フィリピンといっても国土は広いため、どこへ移住しようか迷う方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、フィリピン移住におすすめの地域を三つ紹介します。
マニラ
フィリピンに移住するなら、首都であるマニラがおすすめです。人口が集中しており、他の地域と比べて医療施設やインフラが整備されているのが特徴です。治安がよく日本人も多く住んでいるため、安心して過ごせるでしょう。
セブ島
セブ島は、美しい海と温暖な気候で知られるリゾート地です。老後にゆったりと過ごしたい方や自然を感じながら暮らしたい方に選ばれている地域です。
ダバオ
ダバオも、フィリピン移住におすすめの地域の一つです。ダバオはフィリピンの南部に位置しており、外国人が多く暮らしています。首都に比べて人口密度が低く、ゆったりと過ごせる街として人気です。
フィリピン移住には、必要な準備や条件を押さえましょう

この記事のまとめ
- フィリピン移住の前に、語学の勉強やパスポートの更新、ビザの申請などの準備をする
- フィリピンには、安定した気候や食生活に馴染みやすいなどのメリットがある
- インフラが整っていなかったり医療レベルが低かったりなどデメリットもある
- 移住後は「フィリピーノタイム」に慣れる必要がある
- フィリピンに移住するためのビザにはさまざまな種類がある
- フィリピンに移住する場合、マニラやセブ、ダバオなどの地域がおすすめ
フィリピンは永住権が獲得しやすいことや物価が安いことから、移住先として人気の土地です。フィリピンに移住する際は、語学の勉強やパスポートの更新、ビザの申請、公的手続きなどをすませておきましょう。また、ビザによってそれぞれ取得条件が異なるため、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
本記事で紹介したフィリピン移住のメリット・デメリット、必要なことを把握して準備を進めていきましょう。