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葬儀のあと

お正月の仏壇飾りはどうする?準備が必要な仏具やお供え物とは?

お正月の仏壇飾りはどうする?準備が必要な仏具やお供え物とは?

お正月を迎えるにあたって、仏壇飾りをどうするべきか悩む方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、お正月の仏壇飾りで準備するべきものや掃除の仕方について解説します。必要な仏具やお供え物を詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

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仏壇飾りとは

仏壇飾りとは、位牌や遺影、本尊以外の仏具やお供え物のことです。故人を供養するために飾られるもので、宗派によって使用する仏壇飾りが異なります。また、お正月には普段よりも華やかに仏壇を飾り付けるのが一般的です。

お正月で使用する一般的な仏壇飾り

お正月には、普段とは異なる特別な正月飾りを使用して故人を供養するのが一般的です。ここからは、お正月に使う一般的な仏壇飾りを紹介します。どのような仏具が必要なのか知り、新年を迎える準備を進めましょう。

打敷

お正月で使用する仏壇飾りとして、打敷(うちしき)が挙げられます。打敷とは前卓(仏具をお供えするための台)にかける荘厳具の一種であり、「打布」や「内布」とも書かれます。価格帯は数千円ほどの手頃なものから、刺繍や西陣織が施されている数万円ほどのものまでさまざまです。予算と相談しながら、納得できる打敷を選びましょう。

また、宗派によって使用できる打敷の形が異なります。浄土真宗では逆三角形のものを使いますが、そのほかの宗派では四角形の打敷が使われます。打敷を準備する前に、自身の宗派を確認しておきましょう。

五供

五供(ごくう)とは、香・花・灯燭・浄水・飲食のことです。普段から仏壇にお供えされるものですが、お正月にはいつもより豪華な内容にするとよいでしょう。例えば、三具足を使用してロウソク・線香・花を飾っているのであれば、ロウソク立てと花立をもう1つずつ準備して五具足にするとよいでしょう。

線香は、普段よりも高価なものを使うのがおすすめです。ロウソクは普段使う白いもの以外に、蒔絵があしらわれた絵ロウソクや朱色の特別なロウソクを使ってもよいでしょう。浄水としては、水以外に故人が好んでいたお茶をお供えして供養する方が多いです。

御霊供膳

正月の仏壇には、御霊供膳(おりょうぐぜん)を準備して飾りましょう。御霊供膳とは、ご飯・香の物・和物・煮物・汁物の5つで構成されている精進料理です。法要やお盆の際にお供えする霊供膳よりも豪華な内容にするとよいでしょう。故人が好き好んで食べていた物を入れるのもおすすめです。

ただし、霊供膳を作る際は「三厭(さんえん)」と「五葷(ごくん)」は使わないように注意してください。三厭とは肉類・鳥類・魚類などの動物性の食材、五薫とはニンニク・ねぎ・にら・らっきょう・アサツキといった香りの強い野菜です。これは新年の正月飾りに限らず、法要やお盆の際も同様です。

▶御霊供膳の配置方法はこちら

高杯・供物台

新年を迎える際は、高坏(たかつき)や供物台(くもつだい)といった正月飾りも準備しておきましょう。お正月には、仏壇へのお供え物の種類や量が多くなります。そのため、お供え物を乗せておく高坏や供物台が必要になるのです。

高坏や供物台は、宗派ごとの決まりはないため自由に選んで問題ありません。仏壇の大きさやデザインに合わせて、飾りを選ぶようにするとよいでしょう。例えば、金仏壇には黒や赤といった色味の高坏が合います。小さめの仏壇や家具調仏壇には、高さがなく落ち着いたデザインの供物台が合わせやすいです。

鏡餅

新年を迎える際に欠かせない鏡餅も、お正月の仏壇飾りの一つです。仏教においては、ご飯の次に重要なお供え物がお餅だとされています。鏡餅は神道のお供え物だとイメージする方もいますが、仏壇にも鏡餅をお供えして問題ありません。鏡餅は、半分に折った半紙を敷いた高坏に乗せ、仏壇の上段左右に1つずつお供えします。

正月飾りは、松の内の期間は飾っておきますが、鏡餅だけは鏡開きの日に合わせていただきます。鏡開きの日は地域によって異なるため、前もって確認しておきましょう。

仏花

仏花も、お正月の仏壇飾りとしてかかせないものです。仏花は普段の供養でもお供えされるものですが、お正月にはいつもより豪華で特別な仏花を準備しましょう。

例えば、正月を代表する植物である門松がおすすめです。松は健康長寿を意味する縁起の良い植物であるため、正月の仏壇飾りとして選ばれることが多いです。他にも、梅やセンリョウ、南天といった花を飾るとよいでしょう。

普段と同じく、菊やチューリップ、スターチスといった仏花を飾っても問題ありません。これらの花を飾る場合は、普段よりも華やかな色味のものを選ぶのがおすすめです。また、生花をお供えしないといけないといったルールはなく、造花でも構わないとされています。

仏壇へ仏花を飾る際は、2束の花束を左右対称に1つずつお供えするのが一般的です。花立が1つしかない場合は、1束のみを準備すれば問題ありません。仏花を生ける際は菱形になるよう、短い花を両端に、長めの花を中央に挿しましょう。また、花の正面は仏壇ではなく礼拝する側に向けるのが作法です。

宗派ごとの正月飾りの違い

浄土宗

浄土宗では、逆三角形の打敷が使用されます。お供え物としては、旬の野菜や果物、故人が好きだったお菓子などが選ばれます。

曹洞宗

曹洞宗では、四角形の打敷を使用して仏壇を飾ります。仏壇には、故人の好物やお菓子、果物をお供えします。

臨済宗

臨済宗でも、四角形の打敷を使用するのが一般的です。仏壇には花や果物、季節の食べ物、お菓子などをお供えします。

真言宗

真言宗では、お茶やお菓子、季節の食べ物、果物をお供えします。そのほか、お箸と一緒に野菜の煮物をお供えすることもあります。

日蓮宗

日蓮宗でも、打敷や仏花などの一般的な正月飾りが使用されます。お供え物としては、ご飯やお茶、花、水の子の他、故人や遺族の好きなものをお供えします。

浄土真宗

浄土真宗では、宗紋が入った逆三角形の打敷を使用します。ほかの宗派とは五具足の種類が異なり、燭台・花瓶・土香炉を使用するのが一般的です。また、お供え物には特に決まりはなく、故人が好んでいたものをお供えしましょう。

お正月を迎える前の仏壇の掃除方法

故人やご先祖が気持ちよくお正月を迎えられるよう、仏壇や仏具の掃除を行いましょう。ここからは、お正月を迎える前の仏壇の掃除方法について解説していきます。

仏壇本体の掃除

仏壇本体の掃除方法

  1. ブラシやハケなどを使い、仏壇本体のホコリや汚れを落とす
  2. 上から下にホコリを落としたら、柔らかい布を使って乾拭きする

乾拭きする際は、仏壇に傷が入らないよう、やさしく汚れや指紋を拭き取ります。線香やロウソクの油煙など、乾拭きでは落とし切れない汚れがついている場合は、仏壇専用のクリームやロウ取り専用スプレーを使って磨きます。アルコールや洗剤などを使って掃除をすると、仏壇の色が変わったり傷がついたりする恐れがあるため避けてください。

金仏壇の場合、漆塗りの部分と金箔部分、蒔絵が描かれている部分によって掃除方法が異なります。漆塗りされている箇所は、柔らかい布を使ってやさしく乾拭きして汚れを落とします。ツヤがない箇所やベタつきがある部分は、お湯で濡らして固く絞ったコットンで汚れを拭き取りましょう。

蒔絵が描かれているところや金箔部分は、仏壇用のクロスを使って乾拭きします。水拭きすると装飾が落ちてしまう恐れがあるため、注意してください。

仏具の掃除

仏具は、素材によって掃除の方法が異なります。まずは、真鍮製の仏具の場合を紹介します。

真鍮製の仏具の掃除方法

  1. 真鍮専用の洗浄剤や研磨剤で磨く
  2. 乾いた柔らかい布で乾拭きする

真鍮製の仏具は水分がついたまま放置するとサビの原因になるため、しっかりと水気を拭き取りましょう。また、陶器やガラス製の仏具は、サビの心配がないため水洗いが可能です。

陶器やガラス製の仏具の掃除方法

  1. 水洗いする
  2. 水滴の跡がつかないように隅々まで乾拭きする

汚れがひどく水洗いのみで落ちない場合は、食器用の洗剤や専用の洗浄剤を使って磨きましょう。

メッキ加工されている仏具を洗剤や研磨剤で磨くと、色やメッキが剥がれ落ちてしまいます。表面に傷がつかないよう、柔らかい布やクロスで乾拭きする程度に留めておきましょう。

お正月の仏壇飾りに関してよくある質問

最後に、お正月の仏壇飾りに関してよくある質問に回答していきます。

Q. お正月の仏壇飾りはいつまで?

お正月の仏壇飾りを出す時期について厳密な決まりはありません。一般的には、12月28日頃から松の内である1月7日まで正月飾りを出すことが多いとされています。

松の内が1月15日までになっている地域では、15日まで正月飾りを出すこともあります。28日に正月飾りを出すのには、「8」という数字が末広がりを意味して縁起が良いと考えられているためです。

Q. 仏壇にお供えしてはいけないものとは?

正月飾りとして仏壇にお供えしていけないものとして、殺生をイメージさせる食べ物が挙げられます。仏教では殺生が禁じられているため、肉や魚といった食材をお供えするのは避けましょう。

アルコール類も仏教のお供え物としてはふさわしくないため、仏壇飾りには不向きとされています。また、香りが強すぎる花や毒がある植物も、仏壇飾りとしては不適切です。

お正月には綺麗にした仏壇を華やかに飾りましょう

この記事のまとめ

  • 仏壇飾りとは、故人を供養するために飾る仏具やお供え物のこと
  • お正月には、打敷、五供、御霊供膳、高杯・供物台、鏡餅、仏花などの仏壇飾りを使用する
  • 正月飾りは宗派ごとに異なる
  • お正月を迎える前は、仏壇本体や仏具を掃除する
  • お正月の仏壇飾りは、12月28日頃から松の内である1月7日(地域によっては15日)まで飾られることが多い
  • お正月の仏壇には、殺生をイメージさせる動物性の食材やニンニク・ねぎなどの五薫、お酒などはお供えしない

お正月では、普段よりも華やかに仏壇を飾ります。打敷や御霊供膳、仏花、鏡餅といった仏壇飾りを使用して、新年を迎えましょう。また、お正月を迎える前に仏壇を綺麗に掃除しておくことも大切です。正月の飾りは一般的に松の内まで飾られますが、地域によって時期が異なるため確認しておくことをおすすめします。

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