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葬儀のあと

法事を平日に行うのはおかしい?日程の決め方や注意点を知っておこう

法事を平日に行うのはおかしい?日程の決め方や注意点を知っておこう

昨今は土日祝日ではなく、平日に行われる法事も増えています。平日に法事を行うとどのようなメリット・デメリットがあり、どのように日程を設定するとよいのでしょうか。法事の日程の決め方に迷っている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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平日に法事を行うのはおかしい?

法事は日曜日や祝日などの休みの日に行われることが多いため、平日に法事が行われることに違和感を覚える方もいるでしょう。実際、法事を平日に設定するのはおかしいことなのでしょうか。

法事を平日に行っても仏教上は問題ない

仏教において、法事の日程を平日にすることは特に問題はありません。仏教が開かれた時代には、現代のような休日や平日といった概念はなく、平日の法事を禁忌とする教えもないためです。

参列者が多いなら平日でも問題ない

多くの方が参列できる見込みがある場合、法事の日程を平日に設定してもよいでしょう。法事は故人を供養して思い出を共有する場であり、多くの方に参列してもらうことが大切だからです。これまでは土日や祝日の方が参列しやすいと考えられていましたが、昨今は働き方や家庭によって事情が変わってきています。

平日の法事が増えている理由

近年、さまざまな理由により、平日に法事を行うことが増える傾向にあります。ここからは、平日の法事が増えている理由を三つ解説します。

働き方が多様化しているため

働き方の多様化により、法事を土日に設定したとしても多くの方が参列できるとは限りません。現代では、土日休みの仕事ばかりではなくなり、土日出勤のサービス業やフレックスタイムやテレワークなど勤務形態が多様化しています。法事の日程は参列者の休みを考慮する必要があるため、平日開催のほうが都合が良い場合もあるのです。

高齢化社会が進行しているため

超高齢社会に突入し、法事の参列者が高齢化して、仕事を退職した方や非常勤の方が増えていることも平日の法事が増えている理由の一つです。仕事をしていない方や非常勤の参列者が多いと、平日に法事を行いやすくなります。

法事の規模が縮小しているため

法事の規模が縮小化していることも、平日の法事が増えている理由として挙げられます。現代では核家族化や少子高齢化、近所付き合いの希薄化が進み、参列者の人数が減少傾向にあります。参列者が少ないと日程を調整しやすくなり、平日であっても執り行えるのです。

平日に法事を行うメリット・デメリット

休日が一般的とされていた法事に平日開催の選択肢が増えると、これまでにないメリットが生まれます。一方で、平日の法事にはデメリットがあるのも事実です。法事の決め方について考える前に、平日に法事を執り行うメリット・デメリットを把握しておきましょう。

平日に法事を行うメリット

まず、選択の幅が広がるメリットがあります。平日の法事が増えているとはいえ、依然としてお寺や法事会場への予約は土日に集中しやすいです。法事を平日にすると、僧侶の予定が空いている可能性が高くなり、法事会場やレストランの予約も取りやすいでしょう。

また、時間帯や場所にもよりますが、平日は電車やバス、道路がすいている可能性があることもメリットの一つです。行き帰りに時間や手間を取られなければ、移動による疲れやストレスも少なくてすむでしょう。

平日に法事を行うデメリット

一番のデメリットは、仕事や学校が土日休みの人にとって参列しにくいことです。働き方が多様化しているとはいえ、土日休みの会社が多いことに変わりはありません。また、学校は基本的に土日や祝日が休みとなっています。平日に法事を行いたい場合は、仕事や学校の予定を確認し、多くの参列者が見込める日程にしましょう。

また、依頼する僧侶が平日に別の仕事を兼業している場合、平日に法事をお願いすると来てもらえない場合もあります。昨今は兼業する僧侶が増えているため、事前に確認しておいた方がよいでしょう。

法事の日程の基本的な決め方

法事を平日と休日のどちらにするのかは予め決定するものではなく、参列者や関係者の都合を調整した結果として決まるものです。可能な限り多くの方が参列できる日程になるように、法事の日程の基本的な決め方を把握しておきましょう。

①命日を基準として日程を考える

法事の日程の決め方として一番大切なのは命日を基準にすることです。法事は故人の家族や関係者が集まって故人を偲ぶ場であり、命日から数えるのが法事の日程の正式な決め方となります。例えば、四十九日法要は命日から49日後、一周忌法要は命日から1年後です。

しかし、厳密な日程の決め方に従うと参列者が少なくなる可能性もあるため、現代ではなるべく命日に近い日に法事を行うようになっています。地域差はありますが、命日より前の1ヶ月以内の日程で考えておくとよいでしょう。

なお、法事の日程は先延ばしにするべきではないとされています。命日よりも後に設定すると、「故人を後回しにする」という印象から故人に対して失礼にあたるためです。

②家族や親族の都合を把握する

命日を確認したら、日程を決める前に家族や親族の都合を聞きましょう。先に予定を聞いておくことで、多くの方が参列できる日を選んで調整しやすくなります。

③僧侶の都合を確認する

参列者の日程を把握したら、僧侶に都合を聞きましょう。法事では僧侶の読経によって故人を供養するため、日程を決める時は僧侶の都合が特に優先されます。先祖代々お付き合いがあるお寺(菩提寺)があれば依頼し、なければ周囲の方や葬儀でお世話になったお寺へ相談しましょう。

④会場の空き状況を問い合わせる

法事をお寺や斎場などで行う場合、早めに空き状況を問い合わせましょう。多くの方が参列できる日程が決まっても、問い合わせが遅いと希望する日時で会場を予約できない可能性があります。また、法要後にレストランなどに移動して会食する場合も同様です。

▶法事の日取りの考え方と決め方はこちら

法事の日程に関する注意点

法事の日程決めに関してはいくつかの注意点があります。スムーズに日程を決めるために、事前に以下の五つの注意点を把握しておきましょう。

夜の法事は時間帯に配慮する

夜に法事をしてはいけないという決まりはありませんが、終了時刻があまり遅くならないように配慮して開始時刻を決める必要があります。終わる時間帯があまりに遅いと、会場から自宅までが遠い方や翌日に仕事や学校の予定がある方は欠席せざるを得なくなるためです。

年末年始は避ける

注意点の二つめは、年末年始をなるべく避けて日程調整することです。年末年始に法事をしてはいけないという決まりはありませんが、忙しい時期であるため参列者が減る可能性が高くなります。

また、年末年始は僧侶の予定が行事でいっぱいになって都合が合わなかったり、平日でもレストランが休みで会食会場を確保できなかったりと、法事の日程を決めるのが通常よりも困難になるでしょう。

忌引き休暇が適用されないことを念頭に置く

法事には基本的に忌引き休暇が適用されないということも心に留めて、日程を決める必要があります。忌引き休暇が適用されるかどうかは会社や学校の規則次第ですが、基本的に忌引き扱いとなるのは葬儀のみで、命日から7日ごとに行う忌日法要や一周忌法要などの年忌法要には適用されません。

したがって、参列者の都合を考慮せずに日程を決めると、欠席や欠勤を強いることになるのです。葬儀の日程決めと法事の日程決めは根本的に違うことを理解しておきましょう。

地域の慣習を考慮する

法事の日程を決める際には、地域の慣習も確認しましょう。葬儀や法事に限らず、冠婚葬祭は地域によってやり方が変わることが多々あるためです。例えば、法事の日程は先延ばしより前倒しが一般的ではあるものの、地域によっては先延ばしが推奨される場合もあります。

地域の慣習を知らずに法事の準備を進めるとトラブルに発展する場合もありますので、僧侶への依頼や会場の予約の前に故人の住んでいた地域や周囲の方へ確認しましょう。特にこれまで休日の法事が当たり前だった地域で平日の法事を行うときは、平日でなければならない理由を説明し、理解を求める必要があります。

余裕を持って準備を始める

五つめの注意点は、早めに日程決めに取り掛かることです。法事は関係者全員の予定を確認し、会場が決まるまでにかなりの時間を要します。普段付き合いがない親族はすぐに連絡が取れるとは限らないため、なかなか日程の目処が立たないこともあるでしょう。

命日が近づいているにもかかわらず日程をお知らせできないということがないように、余裕を持って準備をスタートすることが大切です。具体的にいつ準備を始めるかは法事の種類や規模によって変わりますが、故人の命日の3ヶ月前頃を目安に考えておきましょう。

▶法事の日程が決まったら案内状を出しましょう

法事の日程についてよくある質問

最後に、法事の日程に関するよくある二つの質問を紹介します。

Q.六曜は考慮する必要がある?

六曜は基本的に法事の日程決めには関係ありませんが、参列者の中には気にする方もいますので、念のために確認しておくとよいでしょう。

六曜とは先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の総称のことで、古代中国において運勢を占うために生まれたといわれています。したがって六曜と仏教は本来無関係であり、法事の日程決めに六曜は影響しません。

しかし、冠婚葬祭では縁起担ぎを重視する方が多いのも事実です。法事の日程は友引を避けるなど、事前に確認しておくことをおすすめします。

Q.仏教以外の法事も平日に開催できる?

神道の場合、霊祭や式年祭りといった供養行事が法事に該当し、平日に行うことが可能です。また、キリスト教の場合、法事に該当する行事として追悼ミサや記念集会などがあり、平日に行えます。

ただし、実際に平日に開催できるかどうかは神社や教会の都合、地域の慣習によっても変わりますので、まずは周囲に相談してみましょう。

日程を調整してひとりでも多くの方に参列していただける法事にしましょう

この記事のまとめ

  • 平日に法事を行うのはおかしいことではない
  • 働き方の多様化などにより、近年では平日の法事が増えている
  • 法事の日程は、命日を基準に参列者や僧侶の都合を調整して決める
  • 法事を平日にすると、お寺や会場が空いているというメリットがある
  • 土日休みの参列者が多い場合は、平日の法事を避けた方がよい
  • 日程決めでは、年末年始を避けるなどの注意点に気をつける

法事の日程決めでは、命日を基準にしつつ、多くの方が参列できるように配慮することが特に大切です。調整した結果、法事が休日になるか平日に開催するかが決まります。親族や周囲の意見を聞きながら調整し、関係者が参列しやすい法事にしましょう。 

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