法事をやってはいけない日はない?日取りの考え方と決め方を知っておこう
結婚式を行う際など一般的に避けられている日があるため、「法事をしてはいけない日があるのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、法事をやってはいけない日や日取りの決め方を解説します。法事の日程が決まってから行う準備についてもまとめていますので、ぜひ目を通してみてください。
法事をやってはいけない日はある?
結婚式やお葬式などでは、行事を避けるべきとされる六曜が決まっています。まず、法事と六曜との関係性について解説していきます。
六曜とは?
六曜は「りくよう」や「ろくよう」と読まれ、その日の運勢や吉凶を占うためのものです。カレンダーに書かれていることも多いため、名前を知っている方も多いでしょう。
六曜は「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つで構成されており、基本的に上記の順番で繰り返されます。ただし、旧暦において1日に当たる日は、元々六曜が決まっています。例えば、1月と7月の1日は「先勝」、5月と11月の1日は「大安」となっています。
六曜は中国で生まれた考え方であり、14世紀頃に日本へと伝えられました。その後、陰陽道や干支といった日本独自の思想が礎となり、その日の運勢を判断するための暦注として広まっていったとされています。
なぜ六曜を気にする人がいるのか?
六曜にはそれぞれ運勢や意味が決まっており、六曜をチェックすれば「その日は運勢がよいのか悪いのか」が一目で分かります。例えば、大安は最も縁起がよい日とされており、お祝い事や引っ越しに最適な日だと考えられています。一方、仏滅は縁起が悪い日とされており、お祝い事には向きません。仏滅に慶事をするのは避けられますが、仏事には適した日と考えられています。
このように、六曜では「何をするのに向いている日か」が決まっており、行事と深い関係があります。そのため、法事においても六曜を気にする方がいるのです。
基本的に六曜を考慮する必要はない
結婚式や葬儀においては六曜を考慮する方が多いですが、法事では基本的に六曜を考える必要はありません。六曜には「仏滅」があることから「仏教に関係するもの」と思われがちですが、実際は仏教とは繋がりはありません。大安や仏滅、友引など、どの日に法事を行っても問題ないでしょう。
ただし、家族や親族の中に「大安のおめでたい日に法事をやるべきでない」「六曜を考慮しながら法事の日程を決めてほしい」という方がいる可能性もあります。法事を執り行う場合は、参列者の中に六曜を気にする方がいるかどうか考えながら日程を決めるとよいでしょう。
法事の日程の計算方法
法事の日取りを決める上で重要なのが、日程の計算です。基本的に法事の日程は、故人の命日を基準として計算します。こちらで法事ごとの日程の計算方法について解説しますので、日程の決め方に悩んでいる方は参考にしてみてください。
なお、ここでは故人の命日を2020年4月1日と仮定します。
法事の日程の計算方法 | |||
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法事の種類 | 命日からの日数・年数 | 法事を執り行う日程 | |
初七日 | 数えて7日後 | 2020年4月7日まで | |
四十九日 | 数えて49日後 | 2020年5月19日まで | |
百箇日 | 数えて100日後 | 2020年7月19日まで | |
一周忌 | 1年後 | 2021年4月7日まで | |
三回忌 | 2年後 | 2022年4月7日まで | |
七回忌 | 6年後 | 2026年4月7日まで | |
十三回忌 | 12年後 | 2032年4月7日まで | |
十七回忌 | 16年後 | 2036年4月7日まで | |
三十三回忌 | 32年後 | 2052年4月7日まで |
法事の日取りの決め方
六曜において法事をやってはいけない日はありませんが、法事の日取りを決める際にはいくつか意識したいポイントがあります。ここからは法事の日取りの決め方について紹介しますので、ぜひ目を通してみてください。
故人の命日を基準に決める
法事の日程は、故人の命日を基準に決めるのが基本です。例えば、四十九日の場合は命日から49日後、三回忌の場合は命日から2年後の命日に法事を行います。年忌法要は命日当日に行うのが基本ですが、参加者が集まりにくい場合は日程をずらしても問題ありません。
法事を命日とは異なる日に行う場合、日程を前倒しにするのが一般的です。可能な限り命日に近い日取りにし、早くても1ヶ月前までに執り行いましょう。
また、原則として法事を先送りにするのは避けましょう。法事を命日よりも後ろの日程にするのは「法事を忘れていた」「故人のことを後回しにした」と捉えられるためです。
僧侶の予定を確認する
法事当日にはお寺の僧侶に読経をしてもらう必要があるため、日取りを決める際は僧侶の空き日程を考えなくてはいけません。先祖代々関係が続いている菩提寺がある場合、菩提寺の僧侶へ連絡をして読経を依頼しましょう。菩提寺があるにも関わらず他のお寺に法事の読経を依頼するのは、トラブルの原因になるため避けてください。
会場の空き状況を確認する
法事を自宅以外の場所で行う場合、会場の空き状況を確認する必要があります。葬祭ホールや法要会場、お寺などで法事を執り行おうと考えている場合は、事前に空き状況を調べた上で予約を取っておきましょう。利用料金が安い会場や交通の便がよい場所は予約が埋まりやすいため、なるべく早めに手配を進めるのがおすすめです。
平日や年末年始は避けた方がよい
平日や年末年始に法事を行うのは避けた方がよいとされています。法事の内容によっても変わりますが、全ての儀式が終わるまでに2時間ほど、会食や納骨を行う場合は3〜4時間ほどかかります。平日に法事を行う場合、参列者に学校や仕事を休んでもらう必要があるため、日程調整が困難になる可能性が高いです。参列者への負担を考えて平日に法事を行うのは避け、土日や祝日に執り行うのがよいでしょう。
また、大晦日やお正月といった年末年始は参列者の予定が立て込んでいることが多いです。「新年を迎えるおめでたい雰囲気の中で法事を執り行うのは…」と考える方もいるでしょう。命日が年末年始であっても、日程を前倒しすることをおすすめします。
家族や親族の意向を聞く
法事の日程を決める際は、家族や親族の意向を聞くようにしましょう。平日や年末年始を避けても、日程によっては家族や親族の誰かが参列できない可能性があります。また、「この日は避けてほしい」「この日に法事を行いたい」などの希望が出てくることもあるでしょう。後のトラブルを避けるためにも、親族の希望はしっかりと確認しておき、関係者が参列しやすい日取りを調節してください。
法事の日程が決まったら行うべき準備
法事の日程が決まったら、法事当日までにさまざまな準備を行わなくてはいけません。余裕を持って準備を進められるよう、事前にやるべきことを押さえておきましょう。
僧侶へ依頼をする
法事を行う日にちが決まったら、僧侶へ読経の依頼を行います。菩提寺がある場合、そのお寺の僧侶へ連絡をしてください。菩提寺がない場合は、面識のあるお寺に依頼するか僧侶手配サービスを利用するのがおすすめです。葬儀の際にお世話になった葬儀社に連絡し、僧侶を手配してもらうのもよいでしょう。
会場を決める
次に、法事を行う会場を決定します。基本的には自宅やお寺で法事を行うことが多いですが、参列者が多い場合は斎場やセレモニーホール、ホテルなどを検討するとよいでしょう。
参列者に連絡する
次に、参列者への連絡を行います。法事へ招待する範囲と人数を決めたら、施主が関係者を代表して参列者に連絡を行いましょう。
案内状を発送する
法事の案内を行う際は、案内状を送るのが基本です。法事の日程や時間などを記載した案内状を準備し、法事の1〜2ヶ月前を目安に発送します。会食を予定している場合、会食への出欠を確認するための返信用ハガキを同封するとよいでしょう。
なお、限られた家族や親族のみで法事を執り行う場合は、案内状ではなくメールや口頭で連絡しても問題ありません。
お布施を用意する
関係者への連絡が終わったら、法事当日に僧侶へお渡しするお布施を用意します。お布施とは、読経をしてもらったことに対するお礼のことです。弔事の香典では古札を使うのがマナーですが、お布施はお礼としての意味合いが強いため新札を用意します。
お布施以外にも、御膳料やお車代が必要になる場合があります。御膳料とは、僧侶が会食に参加しない場合に渡すもので、お車代とは会場までの交通費です。どちらも相場は5千〜1万円ほどとなっており、白い封筒か奉書紙に入れて準備しておくのがマナーです。
法事をやってはいけない日はなくても、周りとよく相談して日程を決めましょう
この記事のまとめ
- 法事をやってはいけない日はなく、基本的に六曜を気にする必要はない
- 法事の日取りは、故人の命日や僧侶の都合に合わせて決める
- 平日や年末年始に法事を行うのは避け、土日祝日で日程調整するのが基本
- 法事を執り行う際は、家族や親族の意向を聞くことも大切
- 法事の日程が決まったら、僧侶への依頼、法要会場の決定、参列者への連絡、案内状の発送、お布施の用意を行う
結婚式や葬儀では六曜を意識することが多いですが、法事では基本的に六曜を考慮する必要はありません。法事をやってはいけない日はないものの、僧侶の都合や関係者の意向など確認するべき項目は多々あります。法事を執り行うことが決まったら、周りとしっかり相談しながら日程を決めましょう。