祖父母が亡くなった時の忌引き休暇日数は?連絡方法や注意点を解説
一般的に親族のお通夜や葬儀といった弔事に参列する時は、忌引き休暇を利用しますが、祖父母が亡くなった場合も同様に職場や学校で休暇の申請が可能です。本記事では、忌引き休暇の日数や職場・学校への連絡方法など、祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇の利用について詳しく解説します。予め忌引き休暇について知り、スムーズに申請できるようにしましょう。
忌引きとは
祖父母が亡くなった時は、忌引き休暇を利用して葬儀へ参列することになります。まずは忌引き休暇とは何かについて確認しておきましょう。
親族が亡くなった時に取得できる休暇制度
忌引きとは、親族が亡くなった際、喪に服することです。お通夜や葬儀といった忌引きのために職場や学校に申請できる特別休暇のことを忌引き休暇といいます。一般的に、祖父母の葬儀に限らず親族や配偶者の家族が亡くなった場合に適用されます。
忌引き休暇を利用して葬儀に参列すると、欠勤や欠席扱いにならないのが一般的です。勤怠や出席日数に影響しないよう、葬儀の際は正しく忌引き休暇の申請を行いましょう。
職場以外に学校でも設けられている
忌引き休暇は職場だけでなく、学校の校則でも定められています。祖父母をはじめとした親族の葬儀に参列する場合、多くの学校で忌引き休暇を取得できるようになっています。保護者が学校に直接伝えるか、または子供を介して伝える方法で忌引き休暇を取得できるため、葬儀参列の際は利用しましょう。
学校で忌引き休暇を利用する時の流れについては、後ほど解説します。
祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇の日数
ここでは、祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇の日数について解説します。自分の祖父母か配偶者の祖父母かによって多少日数が異なるため、状況に照らし合わせて確認してみてください。
忌引き休暇の日数の目安
忌引き休暇の日数は故人との関係で変わり、自分に近しい関係の親族ほど長期で休みが取得できるのが一般的です。配偶者や1親等である父母、子供は忌引き休暇の中で最大の日数が定められ、2親等である祖父母はその次に日数が多い傾向にあります。
忌引き休暇は職場や学校が定める規則であるため、同じ人が亡くなっても職場や学校によって日数は異なると考えましょう。
亡くなった方 |
およその忌引き休暇日数 |
---|---|
配偶者 |
10日 |
父母 |
7日 |
子 |
5日 |
祖父母・きょうだい・孫 |
3日 |
叔父叔母・甥姪 |
1日 |
義父母 |
3日 |
祖父母・義きょうだい |
1日 |
自分の祖父母の場合
自分の祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇の日数は、およそ3日です。
ただし、祖父母の家が遠方にあり移動が必要な場合は、お通夜や葬儀への参列前後の日も含めて忌引き休暇を取れる場合もあります。職場や学校によって規定は異なるため、確認するとよいでしょう。
配偶者の祖父母の場合
配偶者の祖父母が亡くなった場合の忌引き休暇の日数は、1日と定める職場が多いです。姻族の2親等に当たる配偶者の祖父母はつながりがやや遠くなり、忌引き休暇の日数が自分の祖父母よりも少なくなる傾向があります。
とはいえ、配偶者の祖父母の忌引き休暇日数も職場の規則によって異なるため、必ずしも1日であるとは言えません。遠方や家ごとの慣習などで多く休みが必要であれば、勤務先に相談してみてください。
企業や学校によって忌引き休暇の日数は異なる
忌引きで取得できる休暇日数や適用となる範囲は、職場や学校の規則によってさまざまです。
忌引き休暇の適用範囲例
- 祖父母の葬儀に参列する日のみ忌引き休暇を利用できる
- 移動の日も含めて忌引き休暇を利用できる
- 法事法要でも忌引き休暇を利用できる
事前に職場や学校の慶弔休暇制度を確認しておくと、祖父母の葬儀や法事法要に参列する際にスムーズです。
忌引き休暇の日数は法律で定められていない
忌引は職場や学校の規則で定められているもので、法律での明確な決まりがありません。職場や学校によって規則が異なるため、忌引き休暇を設けていない場合も考えられます。一般的には特別休暇として利用できることが多いため、上司や職場・学校の担当者に聞いたり就業規則や校則で確かめてください。
祖父母の葬儀で忌引き休暇を利用する時の流れ【職場の場合】
祖父母の葬儀で忌引き休暇を利用する場合、職場の規則に沿って申請します。ここでは会社員の方に参考になる忌引き休暇申請の流れや、マナーと考えられていることについて紹介します。
①忌引き休暇が必要だと分かった時点で上司に連絡する
忌引き休暇が必要だと分かった時点で、すみやかに勤務先の上司に連絡してください。忌引き休暇の規定は会社の就業規則にも定められていますが、実際に利用する際は上司に状況を伝えて忌引き休暇申請を行うのが一般的です。
上司の仕事の状況を確認しつつ、タイミングを見計らってなるべく早い段階で伝え、忌引き休暇を取得する準備をしましょう。
②具体的に何日休暇が必要なのかを伝える
上司に忌引き休暇の利用をお願いする際は、必要な休暇日数も具体的に伝えてください。就業規則で定められている日数よりも多く休暇が必要であれば、有給休暇を同時に申請したりシフト調整したりといった対応が求められます。
上司や職場に伝える前に必要な日数を計算し、スムーズに調整できるよう配慮しましょう。
忌引き休暇を利用する時の伝え方
忌引き休暇の利用に際して電話や直接口頭で伝える場合は、以下の内容を具体的に伝えます。
忌引き休暇を利用する際に伝えるべきこと
- 祖父母の葬儀参列のため忌引き休暇を利用すること
- 不在とする具体的な日数
- 緊急連絡先
電話や口頭で忌引き休暇の利用を伝える際の言い回し例
「本日祖父(祖母)が亡くなったため、忌引き休暇を取得いたします。〇日ほど不在となりますため、緊急の場合は〇〇(電話番号)までご連絡ください。お手数ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。」
メールで忌引き休暇の利用を伝える場合の文面例
件名:忌引き休暇取得のお願いと不在中の対応につきまして
お疲れ様です。
本日祖父(祖母)が逝去したため、忌引き休暇の申請をお願いしたく存じます。
忌引きの申請日数:〇日間(〇年〇月〇日~〇年〇月〇日)
故人の氏名:〇〇
通夜・葬儀の日程:〇〇
通夜・葬儀の場所:〇〇
不在時に対応が必要な際は、〇〇(自分の電話番号)まで連絡をお願いいたします。
お手数ではございますが、ご確認のほど何卒よろしくお願いいたします。
また、会社では従業員の親族の葬儀の際に、弔電や供花を送る場合があります。忌引き休暇の取得日数とともに、お通夜や葬儀の日程や場所、故人の氏名なども報告するのが望ましいといえるでしょう。忌引き休暇の申請書類に記載欄を設けている会社もあるため、必要に応じて伝えてください。
③会社が定める書類で忌引き休暇の申請をする
忌引き休暇を取得するための手続きは、会社が定める書類で申請を行いましょう。本人が書類を記入して提出するのか、職場や上司への報告によって手続きをお願いできるのかなど、申請方法は会社によって異なります。
忌引き休暇申請の手続き方法や提出書類が不明な場合は、上司や職場の担当部署に聞いてみると確実です。忌引き休暇の申請漏れがないよう、早めに対応しましょう。
④忌引き休暇中の業務対応をお願いする
必要に応じて同僚や上司へ引き継ぎし、忌引き休暇中にも仕事に支障がないよう業務対応をお願いしましょう。忌引き休暇を利用する場合、急ぎの案件がないかを確認するのが社会人として望ましい対応です。
故人の訃報や葬儀の参列は誰にでも起こりえることのため、状況を伝えてまわりへの協力を求めてください。
祖父母の葬儀で忌引きを利用する時の流れ【学校の場合】
職場と同様に、学校でも忌引き休暇を設けていることが多いです。ここでは、学校で忌引き休暇を利用するための具体的な流れを紹介します。
①担任へ忌引き休暇を利用したい旨を連絡する
祖父母の死亡や葬儀の日時が分かった時点で、すみやかに担任へ忌引き休暇を利用することを伝えます。子供が直接担任へ伝えるか、保護者が電話で伝えても問題ありません。忌引きを利用するための書類提出が必要な場合は、担任から指示があることが一般的です。
学校によって対応が異なるため、不明点があれば確認しておきましょう。
忌引き休暇を連絡する際の伝え方
学校へ忌引き休暇の利用を伝える時は、祖父母の葬儀参列のため忌引き休暇を利用することや、必要な休暇日数を具体的に伝えます。社会人ほど形式ばった報告でなくても問題ないため、必要なことのみを簡潔に伝えるとよいでしょう。
学校へ忌引き休暇の利用を伝える際の言い回し例
「祖父(祖母)が亡くなったため、忌引き休暇を取得いたします。〇日ほど休みが必要となりますため、よろしくお願いいたします。」
②具体的に何日休みが必要なのかを伝える
学校で忌引き休暇を利用する時も、必要な休暇日数を具体的に伝えてください。職場への対応と同じく、具体的にどのくらい必要かを計算してから担任へ伝えるとスムーズです。早退や遅刻しての登校なども可能なため、特に子供が小さい場合は保護者の管理のもと休暇日数を考えてみてください。
③出席日数や行事参加への影響がないかを確認する
忌引きで学校を休む際は、出席日数や行事参加への影響がないかを確認しておくと安心です。祖父母の葬儀の日取りによっては、大切な行事と日程が重なる場合もあるでしょう。
祖父母が亡くなった場合は孫も葬儀に参列するのが一般的ですが、学業を優先することも可能です。心配であれば、忌引き休暇を取得する前に担任に相談してみてください。
祖父母の葬儀で忌引き休暇を利用する時の注意点
祖父母の葬儀で忌引き休暇を利用する際、いくつか注意しておきたいことがあります。忌引き休暇申請を提出する際のポイントや、葬儀に参列できない場合の対応について知っておきましょう。
葬儀や手続き以外の移動時間も考慮する
祖父母が亡くなった場合に限らず、葬儀に参列する際は前後の移動時間も考えて休暇申請を提出するようにしてください。一般的には、お通夜は亡くなった1日目、葬儀や火葬は2日目に行います。
休暇が必要な日数をしっかりと考え、心置きなく祖父母とお別れできるようにしましょう。
家族葬の場合も忌引き休暇を利用できるか確認する
家族葬や密葬など、親族のみの葬儀でも忌引き休暇を利用できるか確認しておきましょう。忌引き休暇が適用となる範囲は職場や学校によって異なり、小規模な葬儀では忌引き休暇が適用とならないこともあります。近年では家族葬も珍しくなく、忌引きを利用できるのが一般的といえますが、念のため確認しておくと安心です。
祖父母の葬儀で忌引き休暇を取得した後のお礼の方法
忌引き休暇を取得したあとにお礼が必要といった決まりはないものの、休暇中の対応へのお礼をしたいと考える方もいるでしょう。ここでは、祖父母の葬儀で忌引き休暇を取ったあとの対応について、よくある例を紹介します。
香典や弔電などをもらった場合は香典返しをする
祖父母の葬儀で職場から香典や弔電、供花をもらった場合は、香典返しをするのが一般的です。香典返しをする場合は、直属の上司または総務の担当者に渡すとよいでしょう。香典返しを渡す際に、「この度はお気遣いいただき誠にありがとうございました」とお礼の言葉を添えるようにしてください。
周りへお礼を伝える
忌引き休暇を取得したあとは、周りへ一言感謝の気持ちを伝えておくとよいでしょう。仕事の引継ぎをお願いしたことや不在時の対応へのお礼を伝えると、お互いが気持ちよく仕事に臨めます。始業時や仕事の合間など相手の都合のよいタイミングで、声掛けするのがおすすめです。
菓子折りを持っていく
必要であれば、菓子折りなどを準備して渡します。葬儀後のお礼の方法に決まりはありませんが、仕事の外回りやリモートワークで出社が少ないといった理由などで直接挨拶できない場合もあるでしょう。お礼の言葉のみでも問題はないため、状況に応じて葬儀後の対応をしてみてください。
祖父母が亡くなった時は忌引き休暇を適切に利用しましょう
この記事のまとめ
- 祖父母の葬儀に参列する場合の忌引きの日数は3日ほどである
- 忌引き休暇は職場や学校の規定であり、法律上の決まりはない
- 祖父母の葬儀が決まったらすみやかに職場や学校に忌引き休暇の利用を伝える
- 忌引き休暇を利用する際は、葬儀前後の日数も計算して必要な休暇日数を伝える
- 忌引を利用したあとは、香典返しや菓子折りなどでお礼を伝えるとよい
忌引き休暇の日数は、職場や学校によって取得できる日数が異なります。祖父母が亡くなったらすみやかに勤務先や学校に伝え、適切に忌引き休暇を利用しましょう。祖父母が亡くなった際にスムーズに申請できるよう、今回紹介した忌引き休暇の利用方法を参考にしてみてください。