【徹底解説】報恩講のお布施の金額相場は?表書きの書き方やお金の入れ方も解説
報恩講とは浄土真宗独自の法要であり、仏徒にとって大切な仏事の一つです。報恩講に参加する場合、お寺や僧侶にお布施を納める必要があります。本記事では、報恩講のお布施の相場がいくらなのかをはじめ、包み方や書き方などのマナーについて解説します。
この記事で分かること
- 報恩講の基礎知識と納めるお布施の金額相場
- 水引の有無や濃い墨での記入など封筒の書き方マナー
- 新札の向きや封をしないことなどお札を適切に包むポイント
- 袱紗を活用して感謝を添えて僧侶へ渡す際の手順
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報恩講(ほうおんこう)とは?
報恩講(ほうおんこう)とは、浄土真宗の開祖である親鸞聖人の命日に合わせ、そのご遺徳を偲び感謝を捧げる浄土真宗で最も大切な法要です。門徒が寺院に集い、聖人の教えを改めて自身に問い直す場として、独自の伝統が受け継がれています。
【報恩講の概要や特徴】
- 親鸞聖人の祥月命日を縁として営まれる、浄土真宗独自の仏事
- 本願寺派の本山では「御正忌(ごしょうき)」と呼ばれ、1月9日から16日まで執り行われる
- 真宗大谷派では、旧暦の命日にあたる11月28日まで営まれる
- 地域や一般の寺院では、本山より時期を早めて「お取越(おとりこし)」や「お引上(おひきあげ)」として行われることもある
この法要は亡き人を追善供養するものではなく、阿弥陀如来の救いを明らかにされた聖人への報恩感謝を目的としています。そのため、準備するお布施も教えに出会えたことへのお礼という意味合いを持ちます。
報恩講の起源や意味
報恩講は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人の御恩に感謝し、その教えを改めて自身に問い直すための最も重要な法要です。
起源は、親鸞聖人の曾孫にあたる本願寺第3世覚如上人が、聖人の三十三回忌に際して「報恩講私記」を執筆し、そのご遺徳を讃えたことに始まります。単なる亡き人を偲ぶ追善供養ではなく、聖人が明らかにされた「阿弥陀如来の救い」に出会えた喜びを分かち合う場であることが大きな特徴です。
この法要は、門徒が真宗の教えを相続し、次世代へと繋いでいく大切な節目としての意味も持っています。そのため、お布施も供養の対価ではなく、仏法に触れる機会をいただいたことへの「お礼」として捧げられます。
浄土真宗本願寺派の報恩講
浄土真宗本願寺派(お西)の報恩講は、親鸞聖人の祥月命日にあたる1月16日までを法要期間として営まれます。本願寺派の本山である西本願寺では、毎年1月9日から16日まで執り行われるのが特徴です。お布施は、親鸞聖人を介して阿弥陀如来の教えに出会えたことへの感謝を捧げる「御懇志」として準備します。
お布施の金額相場と準備するもの
- 金額相場は千円~3千円程度ですが、お寺との関係や地域により調整してください。
- 表書きは「御布施」のほか、本願寺派で推奨される「御懇志」や「報恩講志」と記すのが一般的です。
- 法要当日は、門徒の正装として門徒勤行集や念珠を忘れずに持参してください。
お布施は金額の多寡ではなく、真心を込めてお供えすることが大切です。東本願寺を本山とする真宗大谷派とは法要の時期や作法が異なるため、自身の所属する寺院の慣習を確認しておくと安心です。
真宗大谷派の報恩講
真宗大谷派(お東)における報恩講は、親鸞聖人の命日である11月28日までを法要期間として営まれます。本願寺派とは法要の時期や作法が異なる点があるため、以下の点に留意して準備を進めてください。
準備の際の注意点
- 金額相場は千円~3千円程度ですが、お寺との関係や行事の規模により調整します。
- 表書きは「御布施」のほか、大谷派で一般的に使われる「御懇志」や「報恩講志」と記します。
- お布施を包む際は、水引のない白無地の封筒か奉書紙を使用するのが一般的です。
大谷派の報恩講は、門徒が真宗の教えに耳を傾け、自らの歩みを振り返る大切な場です。お布施を準備する際は、聖人のご苦労を偲び、教えを現代に繋ぐお寺を支えるという気持ちを込めてお渡しください。
報恩講のお布施の金額相場
報恩講はお寺で営まれる仏事であるため、参加者は僧侶へのお布施を準備する必要があります。報恩講のお布施の金額は、千円~3千円が相場です。お寺によって金額が異なる場合があるため、寺院に張り出されている掲示を確認しておきましょう。
お布施は、報恩講の法要が始まる前にお寺の受付で渡します。お布施を渡した後に着座し、阿弥陀様の前で合掌するという流れです。
報恩講のお布施を入れる袋(封筒)の選び方
報恩講のお布施を入れる袋は、以下のいずれかを選びます。
報恩講のお布施を入れる袋の選び方
- 奉書紙で包む
- 水引のない白無地の封筒を使う
また、のし袋を使う場合は、白黒や双銀の水引がついたものは避けてください。報恩講は弔事ではないため、水引が印刷されていない無地の袋を選ぶのが一般的です。
報恩講のお布施の表書きや裏書きの書き方
僧侶に渡す報恩講のお布施には、表書きや裏書きなどの記載が必要です。書き方のマナーがきちんと守れていないと、お寺や僧侶に対して失礼になってしまいます。こちらでは報恩講のお布施の表書きや裏書きの書き方を詳しく解説するため、不安な方は目を通してみてください。
濃い墨を使って書く
報恩講のお布施の袋に表書きや氏名を書く場合は、濃い墨の毛筆や筆ペンを使うのが基本的なマナーです。葬儀や四十九日法要など渡す香典には薄墨を使うため、お布施にも薄墨を使うと考えている方もいるでしょう。しかし、報恩講のお布施は僧侶や親鸞聖人への感謝を伝えるものであり、悲しみを意味する必要はありません。薄墨を使うのはかえって失礼になるため、注意が必要です。
表書きの書き方
報恩講のお布施を包む際は「お布施」や「御布施」、「御法礼」などの表書きを使用します。お布施を包む封筒や奉書紙の表面中央に、大きめの文字で表書きを書きましょう。このとき文字が潰れたり、滲んだりしないよう注意してください。
氏名の書き方
表書きを書いた下には、お布施を包んだ人の氏名を記入します。名字や名前のみではなく、フルネームで書くのがマナーです。ただし、家族で報恩講に参加する場合は「〇〇(名字)家」と書いても問題ありません。
中袋の書き方
中袋があるタイプの封筒を使用する場合、中袋には包んだ金額、お布施を包んだ人の氏名、住所を記載します。まず、表面には包んだ金額を漢字で書きましょう。算用数字や一般的な漢数字は改ざんされる可能性を考慮し、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)といった旧字体を使用します。例えば、報恩講のお布施として3千円を包む場合は「金参仟円也」と記載します。お寺の僧侶が確認しやすいよう、読みやすい文字で丁寧に書くように心がけてください。
中袋の裏面には、氏名と住所を記載します。中袋の左下部分に、右から郵便番号、住所、氏名の順で書きましょう。郵便番号や番地などの数字は漢数字で書くのが一般的です。中袋も筆ペンや毛筆で書くのがマナーですが、筆に慣れていないと文字が潰れてしまう可能性もあります。中袋を書く際は確認のしやすさを優先し、筆ペンやサインペンを使用するのが適切です。ただし、鉛筆や消せるボールペン、およびボールペンの使用は避けるのが通例です。
裏書きの書き方
中袋があるタイプののし袋を使う場合、外袋の裏書きには何も記載しません。封筒や奉書紙に中袋がついていなかった場合は、裏書きに包んだ金額と住所、氏名を書きましょう。裏書きの右側に包んだ金額を、左側に住所と氏名を記入します。中袋と同様に、裏書きに包んだ金額を書く際は、壱(一)、弐(二)、参(三)、伍(五)、拾(十)、阡(千)、萬(万)を使いましょう。
報恩講のお布施の入れ方
ここからは、報恩講のお布施の入れ方について解説していきます。何にお布施を入れたらよいか分からない、お布施を包むときのマナーを知りたいという方は、参考にしてみてください。
封筒に封はしない
報恩講のお布施を入れた封筒や袋には、封をしないのがマナーとされています。途中でお金が落ちてしまわないか不安になり、のりやテープ、ホッチキスなどで封をする方もいるでしょう。しかし封がされていると、お寺の係員がお布施を開封する際に手間がかかってしまいます。なるべく相手の負担を減らすためにも封をせずに袋や封筒、奉書紙に包みましょう。
なるべく相手の負担を減らすためにも封をせずに袋や封筒、奉書紙に包みましょう。
新札を包む
報恩講のお布施の入れ方として、新札を包むというマナーが挙げられます。葬儀やお通夜の香典を包む際は「突然のことだったため、急いでお札を準備した」ことを表すために、古札が使用されます。葬儀・お通夜の場で新札を包むのは避けるべきとされているため、報恩講のお布施にも古札を使うべきかと迷う方も多いでしょう。
しかし、報恩講のお布施は親鸞聖人や僧侶に対する感謝を表すもののため「急いで準備した」ことを表す必要はありません。お布施は前もって準備しても構わないものであり、綺麗なお札の方が感謝の気持ちが伝わりやすいという理由から、新札を使うのが一般的です。
新札の用意が間に合わなかった場合は、古札を使っても構いません。ただし、汚れていたりシワが多かったりするお札を報恩講のお布施として渡すのは、マナー違反になるため注意しましょう。やむを得ず古札を使う場合は、僧侶や親鸞聖人に感謝が伝わるようになるべく綺麗なお札を選んでください。
お札の正しい包み方については「お布施の新札・古札のマナー」で詳しく紹介しています。
お札の向きを揃える
報恩講のお布施の入れ方として、お札の向きを揃えるというマナーもあります。お札の向きがバラバラの状態だとどの紙幣が入っているのか分かりにくく、お布施の計算に時間がかかってしまいます。複数枚の紙幣を入れる際は向きを揃え、お布施を数えやすい状態にしておきましょう。
肖像画が封筒の表面にくるように入れる
紙幣を袋や封筒に入れる際は、肖像画が中袋・外袋の表面にくるように包みましょう。紙幣の肖像画が裏向きになっている状態は「悲しみで顔を伏せる」ことを意味します。葬儀やお通夜の香典では肖像画が裏向きになるように包むのが一般的ですが、報恩講のお布施ではふさわしい包み方ではありません。香典と同じ方法で包まないよう、注意が必要です。
お札の枚数をなるべく少なくする
報恩講のお布施を準備する際、お札の枚数をなるべく少なくするのが望ましいとされています。例えば5千円を包む場合、千円札5枚ではなく5千円札1枚を準備しましょう。また、お布施には小銭は使用できないため、全額紙幣で用意してください。
報恩講のお布施の渡し方
ここからは、報恩講のお布施の渡し方について、いつ渡すかのタイミングも含めて解説していきます。「報恩講に参加するのが初めて」「お布施はどうやって渡すべきか分からない」という方は、ぜひ目を通してみてください。
寒色系の袱紗に包んで持参する
報恩講のお布施は、寒色系の袱紗に入れてお寺に持参するのが一般的です。藍色や深緑、青色などの色味の袱紗を使用しましょう。オレンジや赤、黄色など暖色系の袱紗は慶事用であり、報恩講では使用できないため注意が必要です。
法要の前後で渡す
報恩講のお布施は、法要が始まる前後に渡します。お寺で行われる報恩講に参加する場合は、法要前に受付でお布施を渡すのが一般的です。自宅で報恩講を行う場合は、お勤めが始まる前に渡しても終わった後に渡しても構いません。
お布施を渡すタイミングについては「お布施を渡すタイミングと準備」で詳しく紹介しています。
お礼を伝えながら渡す
報恩講のお布施を渡す際は、お礼を伝えるようにしましょう。無言のままでお布施を渡すのは、お勤めを行う僧侶やお寺に対して失礼にあたります。必ず「本日はよろしくお願いいたします」「本日はありがとうございました」などの言葉を添えながら、お布施を渡してください。長々とお礼を伝える必要はなく、一言簡潔に挨拶するだけで問題ありません。
また、お布施を包んだ奉書紙や封筒をそのまま手渡すのはマナー違反となります。袱紗からお布施を出したら表書きの文字が相手から読める向きにして、袱紗の上に封筒を乗せて渡すようにしましょう。
報恩講に参加する場合は、お布施の金額やマナーを踏まえておきましょう
この記事のまとめ
- 報恩講とは、親鸞聖人に感謝するために行われる浄土真宗のお勤め
- 報恩講のお布施の金額相場は、千円〜3千円ほどとされている
- 報恩講のお布施の表書きには濃い墨を使用し、「御法礼」や「御布施」と書く
- 報恩講のお布施の袋に包んだ金額を書く際は、改ざんを防ぐために旧漢字を使う
- 報恩講のお布施は、奉書紙か白い封筒、袋などに入れる
- 報恩講のお布施の入れ方として、封筒に封をしない、紙幣の肖像画が表面にくるように入れるなどのマナーがある
- 報恩講のお布施を渡す際は、袱紗から取り出してお礼を言いながら渡す
報恩講は親鸞聖人の命日近くに行われる仏事であり、浄土真宗の仏徒にとって大切なお勤めです。報恩講に参加する場合、僧侶や親鸞聖人への感謝の気持ちとしてお布施を準備します。お布施を渡す際は相手に失礼のないよう、しっかりとマナーを踏まえておく必要があります。本記事で紹介したお布施の相場や、書き方などのマナーを参考にして、報恩講に参加しましょう。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。