【2025年】春のお彼岸はいつからいつまで?期間中にやることや墓参りのマナーを解説
春のお彼岸は、いつからいつまでなのかご存知でしょうか。本記事では、2025年の春のお彼岸の日程からお盆との違い、期間中にやることなどをわかりやすくまとめています。お彼岸のお墓参りのマナーやおすすめのお供え物についても解説しますので、ぜひご覧ください。
2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。
【2025年最新】春のお彼岸はいつからいつまで?
春のお彼岸とは、3月の春分の日の前後三日間を合わせた日程のことです。まずは、具体的にいつからいつまでなのかと、お彼岸の日程について基本的な考え方を確認しましょう。
2025年の春のお彼岸は3月17日〜3月23日
春のお彼岸の日程は7日間で、2025年の春のお彼岸の期間は3月17日〜3月23日です。この期間は春分の日を中心として設定されており、春分の日のことをお彼岸の「中日」、初日を「彼岸入り」、最終日を「彼岸明け」と呼びます。
春のお彼岸の日程は毎年変わる
春のお彼岸の日程は、春分の日がいつなのかによって毎年変わりますので注意しましょう。例えば、2025年の春分の日は3月20日のため期間は3月17日〜3月23日ですが、2023年の春分の日は3月21日で春のお彼岸の期間は3月18日から3月24日でした。
過去の春分の日と春のお彼岸の期間
- 【2019年】春分の日3月21日 春のお彼岸3月18日~3月24日
- 【2020年】春分の日3月20日 春のお彼岸3月17日~3月23日
- 【2021年】春分の日3月20日 春のお彼岸3月17日~3月23日
- 【2022年】春分の日3月21日 春のお彼岸3月18日~3月24日
- 【2023年】春分の日3月21日 春のお彼岸3月18日〜3月24日
- 【2024年】春分の日3月20日 春のお彼岸3月17日~3月23日
春分の日の時期が変わるのは、天体が関係しています。そもそも春分の日とは太陽が春分点を通過し、昼と夜の時間がほぼ同じになる日を意味します。地球が公転に要する期間は365日ぴったりではなく約6時間のずれがあるため、春分の日も変わるのです。
なお、春分の日は国民の祝日ですので、毎年2月の閣議決定で翌年の日程が決定されます。春のお彼岸の時期を間違えないように、いつからいつまでなのかをカレンダーで確認するとよいでしょう。
春のお彼岸とは
仏教では、この世を「此岸(しがん)」、故人のいる世界を「彼岸(ひがん)」と呼んでいます。春のお彼岸とは、彼岸と此岸の距離が最も近くなる時期にご先祖を供養する行事のことです。ここでは、似た行事として秋のお彼岸やお盆との違いを比較しながら、春のお彼岸を深く理解しましょう。
春のお彼岸と秋のお彼岸の違い
春のお彼岸と秋のお彼岸ではやることは同じで、ご先祖を供養するためにお墓参りやお墓の掃除を行いますが、いつ行われて何をお供えするかという点で違いがあります。
春のお彼岸 |
秋のお彼岸 |
|
---|---|---|
期間 |
春分の日を中日として |
秋分の日を中日として |
お供え物 |
牡丹など春の花 |
リンドウなど秋の花 |
お花の選び方に明確な決まりはありませんが、春には牡丹、秋にはリンドウなど季節の花を使ってアレンジすることが多いです。季節の花が手に入らなかった場合は定番の菊や故人が好きだった花を使えば問題ありませんが、バラなどの棘がある花は殺生を連想させるため、避けた方がよいでしょう。
9月の秋のお彼岸の期間も、春のお彼岸と同様に秋分の日に合わせて毎年変わりますので、事前にカレンダーでいつからいつまでなのかを確認しておくことをおすすめします。
お彼岸とお盆の違い
お彼岸とお盆はご先祖を供養する時期という共通点はありますが、期間・内容・お供え物が異なります。まず、お彼岸は春や秋の行事で、お盆は夏の行事です。
また、お彼岸では彼岸と此岸が通じやすい時期にこちらがご先祖の元へ近づくのに対し、お盆では帰ってきたご先祖を迎え入れます。そのため、お盆では自宅の場所が分かるように提灯を下げたりご先祖が乗る精霊馬を飾ったりしますが、お彼岸でそのような準備はありません。
さらにお供えの花も異なり、お盆では定番の菊を中心に、カーネーションやリンドウ、キンセンカなどを組み合わせていきますが、春のお彼岸では仏花にアイリスなどの季節の花を取り入れます。宗派や地域の慣習によって、お花の選び方や色の組み合わせ方はさまざまです。
春のお彼岸 |
お盆 |
|
---|---|---|
期間 |
春分の日を中日とした一週間 |
新盆7月13日~7月16日、旧盆8月13日~8月16日 |
内容 |
こちらも近づいてお迎えし |
帰ってくるご先祖を供養する |
お供え物 |
季節の花も取り入れる |
菊を中心とした仏花 |
春のお彼岸の期間中にやること
春のお彼岸期間中にやることといえば、お墓参りです。ただ、お線香をあげて合掌をするだけでなく、その他にもやることがあります。具体的に何をするのかを確認しておきましょう。
お墓参り
春のお彼岸では、お墓参りを通じてご先祖へご挨拶し、供養します。お墓参りの大まかな流れとして、以下の手順を参考にしてみましょう。
春のお彼岸でのお墓参りの流れ
- 寺院墓地の場合は先に本堂へお参りする
- 墓石を掃除する
- お供え物をする
- お線香をあげて合掌する
- 食べ物のお供え物は持ち帰る
なお、永代供養墓の場合、お彼岸にお墓参りをすべきかどうかという問題があります。永代供養とは寺院が永代に渡って供養や管理を行うことです。そのため、「一切お墓参りをしない」という方がいる一方で、「永代供養でもお墓参りは必要」と考える方もいます。
これに関して、正解・不正解はありません。そもそもお墓参りとは故人の成仏を願ったり、ご先祖を偲んだりする行為であり、義務ではないからです。
墓石や仏壇の掃除
春のお彼岸では、合掌の前に墓石を掃除し、ご先祖へ感謝の気持ちを示します。墓石そのものだけでなく周囲の落ち葉やゴミも掃除し、雑草も除去しましょう。墓石掃除の大まかな流れは次の通りです。
墓石の掃除の流れ
- 墓石の周囲をほうきで掃き、草取りを行う
- 墓石に水をかけ、雑巾やスポンジなどで汚れを落とす
- 墓石を清めるために打ち水をする
- 花立てや水鉢の水を取り替える
また、ご先祖に感謝の気持ちを示すために、ご自宅に仏壇がある場合は仏壇も掃除しましょう。仏具は水に弱いため基本的には乾拭きを行い、水拭きをした場合は仕上げの乾拭きも行います。
仏壇の掃除の流れ
- 仏壇に置いてある仏具やお供え物を下ろす
- はたきや乾いた布で仏壇を掃除する
- はたきや仏具用の筆などで仏具のほこりを落とす
- 仏具を元の位置に戻す
お供え物や花の準備
春のお彼岸には、食べ物や花、水、お線香などをお供えしてご先祖を迎えます。水で場を清め、ロウソクを灯してお墓参りに来た旨を知らせ、美しいものや美味しいもの、上品な香りのものを故人に味わってもらいましょう。
お供え物の例
- 浄水(冷たい水)
- 食べ物・飲み物
- 花
- お線香
その他の地域別の慣習
ここまでは春のお彼岸で一般的にやることを紹介しましたが、日本各地には地域独自の慣習もあります。例えば次のような行事です。
地域ごとの慣習の例
- 【新潟の万灯火(まとび)】お墓の前で火を焚き、家に迷わず戻るための道標にする
- 【大阪のお経木流し】経木に故人の名前を書いて水に流し、供養する
- 【熊本の彼岸籠り】阿蘇山に登ってご先祖を偲び、家族の無病息災を祈る
お彼岸のお墓参りで気を付けること
春のお彼岸でお墓参りをする際、いつ・どんな格好で・何を持っていけばよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。お彼岸で大切なのは供養の気持ちであり、特に厳格なルールはありません。ただし、ご先祖を気持ちよく迎えるために知っておいた方がよいことはあります。
春のお彼岸ではいつお墓参りに行くべき?
春のお彼岸は一週間もあるため、いつお墓参りをするべきか迷ってしまいますが、日程に決まりはなく、毎日行く必要もありません。7日間の中でご自身の都合がよい日を一日選びましょう。
時間帯に関しても特に決まりはありませんが、できれば午前中をおすすめします。というのも、墓石や周囲の掃除には意外と時間がかかるためです。また、暗くなると足元が見えづらくなるため、少なくとも午後の早い時刻には到着するようにしましょう。
霊園の場合はお彼岸の時期になると開園時刻・閉園時刻が変わることがあるため、ホームページや電話などでお墓参りできる時間を事前に確認しておくことをおすすめします。
春のお彼岸のお墓参りにふさわしい服装は?
ひとりや家族のみでお墓参りに行く場合、服装に特に決まりはなく、普段着でも問題ありません。しかし、墓前ですので派手すぎる服装や部屋着のような服装は避けましょう。親戚で集まってお墓参りをする場合は、黒やグレーなどのややフォーマルな服装が適切です。
春のお彼岸のお供え物に関するマナーは?
お供え物は基本的に故人が喜ぶものを選べばよいのですが、置き方や選び方に関して注意すべきこともあります。
お供えの際に気をつけること
- 【浄水】お清めの意味があるため、掃除に利用した水を使うのは避け、きれいな水を用意する
- 【食べ物・飲み物】殺生を連想させる肉や魚の加工品は避ける
- 【お線香】香炉へお供えする
- 【花】殺生を連想させる棘付きの花や、周囲の迷惑になりそうな香りが強い花は避ける
春のお彼岸にお供えするもの
最後に、春のお彼岸でおすすめのお供え物を紹介します。春ならではの風物詩を準備し、ご先祖に喜んでもらいましょう。
春のお彼岸におすすめの花
春のお彼岸のお供えには、牡丹、マーガレット、アイリスといった春らしい花がおすすめです。淡く優しい色合いの花を飾り、季節感を演出してみましょう。
春のお彼岸におすすめの食べ物
春のお彼岸でおすすめの食べ物といえば、定番のぼた餅です。蒸したもち米とあんこで作られたお菓子で、春に咲く牡丹が名前の由来だといわれています。秋のお彼岸でお供えするおはぎとの違いは諸説あり、呼び名だけが違うとする説やつぶあんとこしあんの違いがあるなどさまざまです。
お供え物についてさらに詳しく知りたいときは、以下の記事をご一読ください。お供え物の意味から置き方まで、詳しく解説しています。
お墓のお供え物の置き方とは?代表的なお供え物の種類やお墓参りでの作法を紹介
春のお彼岸の準備をしてご先祖を気持ちよく迎えましょう
この記事のまとめ
- 春のお彼岸の期間は毎年変わる
- 2025年の春のお彼岸は3月17日〜3月23日
- お彼岸中にやることは、お墓参り・墓石や仏壇の掃除
- いつお彼岸のお墓参りに行くべきかについて決まりはないが、午前中がおすすめ
- お彼岸のお墓参りは普段着でも問題ないが、派手すぎる色や柄は避ける
- お供え物は選び方や置き方に注意しながら、故人が好きだったものや季節感を演出できるものを準備する
春のお彼岸は元来仏教行事ですが、現在はお墓参りを指すことが多くなっています。現代に生きる人々は毎日忙しく、お墓へ行く機会が減ってきているからこそ、お彼岸をきっかけにご先祖へご挨拶に行ってみてはいかがでしょうか。
ご先祖を偲び、今生きていることを感謝する気持ちは、自分自身を大切にすることにもつながります。本記事を参考にして、春のお彼岸にご先祖を気持ちよく迎える準備をしましょう。