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葬儀のあと

お墓参りは手を合わせるだけでもよい?必要なものや注意点を解説

お墓参りは手を合わせるだけでもよい?必要なものや注意点を解説

お墓参りに行く際「手を合わせるだけでもよいのか」「何か特別なことをしなくてはいけないのか」と悩む方もいるでしょう。本記事ではお墓参りについて、注意点とともに解説します。お墓参りの予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

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お墓参りは手を合わせるだけでもよい?

お墓参りで手を合わせるだけ お墓に手を合わせる様子

結論からいうと、お墓参りは手を合わせるだけでも問題ありません。お墓参りをする上で最も重要なのは、故人やご先祖を偲ぶ気持ちです。お墓参りの作法を負担に感じてお墓参りから足が遠のくことがないよう、定期的にお墓参りを行い、故人やご先祖を偲びましょう。

お墓参りの手順

お墓参りで手を合わせるだけ 墓石に水をかける様子

お墓参りは手を合わせるだけでも問題ありませんが、それ以外の一般的なお墓参りの手順を知っておくことは大切です。ここからは、お墓参りの手順を解説していきます。こちらで紹介している手順や作法を参考に、どのようにお墓参りを行うのか確認しましょう。

①お墓を掃除する

お墓参りに来たら、最初にお墓の掃除を行います。お墓の周りの雑草を抜いたり、枯れ葉を拾ったりして周囲をきれいにしましょう。次に手桶に水を汲み、柄杓で墓石にかけながら砂や汚れ、ホコリを落とします。汚れが落ちたら柔らかい布で拭きあげましょう。文字が彫られている部分は、小さなブラシを使うと汚れを落としやすいです。

②水鉢に水を入れる

お墓の掃除が終わったら、水鉢に水を入れます。水鉢とは、お墓に備え付けられている窪みのことです。水鉢の水には故人の魂が映し出されるとされているため、汚れている場合は掃除をしましょう。雨水を全て捨ててから、柔らかいタオルやブラシなどでこすり洗いしてください。特に角の部分には汚れが溜まりやすいため、念入りに掃除をしましょう。

水鉢がきれいになったら、浄水をお供えします。水鉢にろうそくや線香を入れると、汚れやシミの原因になったり破損したりする恐れがあるため避けてください。

③お供え物を供える

次に、持参したお供え物を供えます。果物やお菓子などは、直接お墓に置くと汚れの原因になるため注意が必要です。食べ物をお供えする際はお墓の空いているスペースに半紙を敷き、その上にお供えしてください。お花は花立の高さに合うように切り揃えてから、左右対称になるように花立に挿します。

④線香をあげる

お供え物をしたら、線香をあげましょう。まずロウソクに火をつけ、線香に巻かれている紙を取り外して、ロウソクから線香に火を移します。ライターやマッチから直接線香に火をつけるのはマナー違反とされています。ただし、雨や風で火がつきにくい場合はライターやマッチからでも問題ありません。線香に火がついたら、香炉皿にお供えします。

⑤故人と関係が深い人からお参りする

線香をあげた後は、故人との関係が深い家族から順番にお参りしていきます。血縁順に一人ずつお墓の前に立って手を合わせ、故人やご先祖の冥福を祈ったり毎日の感謝を伝えたりしましょう。墓前で手を合わせる際は、左手に数珠をかけます。

⑥後片付けをする

お墓参りが終わったら、後片付けを行います。食べ物などのお供え物は、放置せずにきちんと持ち帰りましょう。霊園や寺院にゴミ箱がない場合は、掃除で出たゴミも合わせて持って帰ります。

お墓参りをする際の注意点

お墓参りで手を合わせるだけ 注意点を示すイメージ

お墓参りをする際は、いくつかの点に注意する必要があります。ここからは、お墓参りをする上で注意するべき行為やその理由について紹介します。

午前中もしくは午後の早い時間に行く

お墓参りの正しい作法として、午前中もしくは午後の早い時間に訪れることが挙げられます。一日の中で故人の供養を優先することが重要だとされているためです。なるべく早い時間にお墓参りをすることで、故人を偲ぶ気持ちも伝わるでしょう。

また、午前中だと混雑を避けられるため、スムーズにお参りができます。

動きやすい服装で行く

お墓参りに行く場合は、動きやすい服装を着用しましょう。お墓参りをした際にお墓の周りや墓石の掃除などを行うことが多いため、動きやすく、汚れてもよい服を選ぶのがおすすめです。また、霊園や寺院によっては地面が歩きにくいことがあるため、ヒールのある靴は避けた方がよいでしょう。

お墓参りでは、法要のように喪服や礼服などのかしこまった服を着用する必要はありません。ただし、派手な色味の服装や殺生を連想させる服などは故人やご先祖に対して失礼になるため避けるようにしましょう。

火は吹き消さない

お墓参りをする際の注意点として、口で火を吹き消さないことが挙げられます。仏教においては、人の口は穢れており悪行を生み出す場所とされています。ロウソクや線香につけた火を消す際は息を吹きかけるのではなく、手で扇ぐか火消しを使用しましょう。

墓石に水以外をかけない

墓石に水以外をかけないというのも、お墓参りを行う上での注意点の一つです。お墓にジュースやアルコール類、コーヒーなどをかけると、変色やシミ、サビ付きの原因になる恐れがあるためです。水以外の飲み物を故人にお供えしたい場合は、器に注いでお墓の前に置くようにしましょう。

「ついで参り」はしない

お墓参りをする際は、「ついで参り」にならないように注意が必要です。ついで参りとは、買い物や外出など何かのついでにお墓参りをすることを意味します。お墓参りは何よりも優先されるべきことと考えられているため、ついで参りは故人に対して失礼にあたります。予定がある場合は、まずお墓参りをしてから予定をこなすようにしましょう。

お墓参りに必要なもの

お墓参りで手を合わせるだけ お墓参りに必要なもの

お墓参りは手を合わせるだけでも問題ありませんが、掃除やお供えをする場合は、掃除道具やお供え物などさまざまなものを持参する必要があります。ここで紹介する必要なものを参考にして、お墓参りに行く準備を進めましょう。

手桶・柄杓

お墓参りに必要なものとして、手桶と柄杓があります。手桶は汲んだ水を入れるための桶で、柄杓は水をすくうための道具です。墓石に水をかけたり、掃除をしたりする際に使用するもののため、忘れず持参しましょう。

霊園や墓地によっては手桶や柄杓が貸し出されていることもあるため、事前に霊園管理者に確認し、貸し出されていない場合は自分で準備する必要があります。仏具店やホームセンターなどで購入できるため、事前に用意しておきましょう。

タオル・スポンジ

タオルとスポンジは、お墓参りで墓石を掃除するときに必要な道具です。墓石が傷つかないよう柔らかい素材のものを選びましょう。墓石の汚れがひどく、タオルやスポンジでは落としきれない場合は墓石用の洗剤も持参します。

お供え物

お墓参りに行く際は、お供え物を持参しましょう。故人が好きだったお菓子や飲み物などを持参し、墓前にお供えして手を合わせてください。

食べ物をお供えする場合は封を切り、お盆や半紙の上に乗せるのが作法です。墓石に直接食べ物を置くと、汚れやシミの原因になるため避けてください。

線香

お墓参りには、線香を忘れずに持参してください。仏教において、亡くなった方は線香の香りを召し上がると考えられています。線香をあげることで供養につながるため、必ず持参しましょう。短時間しかお墓参りができない場合は、短い線香を選ぶと便利です。

ロウソク

ロウソクも、お墓参りに必要なものの一つです。ロウソクは、線香に火をつける際に使用します。ロウソクに火をつけることで、来訪を故人やご先祖にお知らせするという意味もあるため、忘れないようにしましょう。

マッチ・ライター

マッチやライターも、お墓参りに欠かせない道具の一つです。これらの道具は、ロウソクに火をつける際に使われます。お墓は屋外にあるため、火がつきやすいように風除けがあるライターや火力が強く消えにくいものを持参するのがおすすめです。

お墓参りでのお供え物に関するマナー

お墓参りで手を合わせるだけ お墓参りで手を合わせる様子

ここからは、お墓参りのお供え物に関するマナーについて解説します。

お供え物に適した品物

お墓参りに行く際は、お供え物を準備するのが一般的です。お墓参りのお供え物に適した品物を紹介します。

食べ物・飲み物

お墓参りでのお供え物に適した品物として、食べ物や飲み物が挙げられます。故人が好んでいた食品や飲み物をお供えすれば、供養につながるでしょう。スイカやりんごといった季節の果物をお供えするのもおすすめです。

ただし、殺生をイメージさせる肉や魚、アルコール類、傷みやすい食べ物などはお供えしないよう注意してください。

仏教では故人は花の香りを楽しむとされているため、花はお墓参りでのお供え物におすすめです。故人が好きだった花や季節の花をお供えして、故人を供養しましょう。

ただし、花びらが散りやすいものや花粉がついている花、トゲや毒を持つ花などは周囲の迷惑になる恐れがあります。故人が好きな花だったとしても、こういった花はお供えしないようにしてください。

お供え物をそのまま放置しない

お墓参りが終了したら、食べ物や飲み物などのお供え物はそのまま放置せずに持ち帰りましょう。飲食物をそのままお墓の前に置いていくと、動物がお供え物を食い荒らす恐れがある上、食べ物が腐敗し周囲の迷惑となります。

お墓参りでは手を合わせるだけでも問題ない

お墓参りで手を合わせるだけ お墓参りの様子

この記事のまとめ

  • お墓参りは手を合わせるだけでもよい
  • お墓参りは、お墓の掃除、水鉢への水の補充、お供え物を供える、線香をあげる、お参り、後片付けの手順で行う
  • お墓参りでは火を吹き消したり、墓石に水以外をかけたりしない
  • お墓参りには、手桶・柄杓、タオル・スポンジ、お供え物、線香、ろうそくなどを持参する
  • お墓参りでお供え物をした際は、そのまま放置せず持ち帰る

お墓参りは手を合わせるだけでも問題ありません。お墓参りで重要なのは、故人を供養する気持ちです。本記事で紹介した注意点などを参考にしてお墓参りに行き、故人を偲びましょう。

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