閉じる メニュー
葬儀を知る

枕経にお布施は必要?僧侶に依頼するまでの流れや金額相場、葬儀場でのマナーを紹介

枕経にお布施は必要?僧侶に依頼するまでの流れや金額相場、葬儀場でのマナーを紹介

枕経とは故人の枕元でお坊さんに唱えてもらうお経のことですが、お布施は必要なのでしょうか?本記事では、枕経のお布施に関するマナーや僧侶に依頼するまでの流れなどを解説します。これから枕経を頼む予定でお布施の相場が知りたい人も、そもそも枕経とは何か知らない人も、ぜひ参考にしてみてください。

この記事で分かること

  • 故人を仏の弟子として見送る枕経の意味と宗派ごとの特徴
  • お車代や一括精算のルールを踏まえたお布施の金額相場
  • 安置から読経・葬儀の相談に至るまでの具体的な進行手順
  • 平服着用やお茶出しなど当日失礼のない対応をするための重要マナー

「ひとたび」は、東京都内で6つの総合斎場を運営し、東京23区における葬儀件数でシェアNo.1※を誇る東京博善(創業100年超)がお届けするお役立ちコラムです。圧倒的な実績と現場を知り尽くした専門スタッフが、葬儀・法要・終活の疑問に分かりやすくお答えします。
※ TPCマーケティングリサーチ(株)調べ 葬儀件数(自社施設での施行)(2024年1月〜12月)

枕経(まくらきょう・まくらぎょう)とは?

枕経とは「まくらきょう」または「まくらぎょう」と呼ばれ、亡くなった直後の故人の枕元でお坊さんに唱えてもらうお経のことです。仏教における枕経には、以下のような役割や歴史があります。

【枕経の役割と歴史】

  • 故人を仏様の弟子として送り出すための儀式である
  • 本来は亡くなる直前に行うものであったが、現在は安置後に行うのが一般的である
  • 納棺の前に執り行われ、これが終わるまでは遺体に触れないのが慣習である

かつては自宅で最期を迎えることが多かったため、息を引き取る前後に僧侶を呼ぶことが起源とされています。現在は病院で亡くなる方が増えたため、ご遺体を自宅や安置所へ搬送した後に最初に行う儀式として定着しています。基本的には菩提寺の僧侶に依頼しますが、お付き合いのある寺院がない場合は葬儀社に相談して紹介してもらうことも可能です。

宗派によって枕経の特徴が異なる

仏教には浄土宗や浄土真宗、臨済宗などさまざまな宗派があり、宗派によって枕経の特徴や唱える経典の種類が異なります。以下の表にて、仏教の宗派別に見る枕経の特徴について紹介します。

宗派 枕経の特徴
浄土宗 ・故人が三宝に帰依できるよう、剃髪の動作をする
・お坊さんだけでなく、参加者も「南無阿弥陀仏」と唱える
真言宗 ・仏様をお招きするため「勧請」が読まれる
・法華経の中にある「自我偈」や「方便品」を唱えることが多い
日蓮宗 ・仏様をお招きするため、「開経偈」が読まれる
・祖訓、唱題、宝塔偈の順でお経をあげる
臨済宗 ・「観音経」や「大悲心陀羅尼」を読むことが多い
・枕経は「枕経諷経」と呼ばれる
曹洞宗 ・「舎利礼文」もしくは「遺教経」を3回読誦する
・枕経は「臨終諷経」と呼ばれる
浄土真宗 ・故人の枕元ではなく、ご本尊に対してお経をあげる
・即身仏の教えに伴い、阿弥陀様に向かって読経する
・枕経は「臨終勤行」と呼ばれる

枕経にお布施は必要か

僧侶を招いて枕経をあげてもらう際、お布施を準備すべきか迷う方も多いですが、結論からいうと枕経のみに対して個別にお布施を用意する必要はありません。

【枕経のお布施の確認点】

  • お通夜や葬儀など、一連の儀式が終わった後にまとめて渡すのが一般的
  • 戒名をいただいた場合は、戒名料も合わせて包む
  • 枕経単体でお布施を渡す慣習がある地域や寺院では、1万円〜3万円程度が金額相場となる

枕経は故人が仏様の弟子になるための大切な儀式です。基本的には後ほどまとめてお渡しすることになりますが、寺院ごとに考え方が異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

枕経単体のお布施は不要

基本的に、枕経単体でのお布施は不要とされています。その後に行われるお通夜や葬儀などの儀式が全て終わった後に、これらのお布施と枕経のお布施を一緒にまとめて渡すのが一般的です。故人に戒名をつけていただいた場合は、戒名料も合わせて包みましょう。

お車代は用意する

枕経単体のお布施は必要ありませんが、交通費であるお車代は枕経が終わった当日に渡します。お車代の費用は、寺院からご遺体を安置している場所までの距離にもよりますが、5千〜1万円ほどが相場とされています。お車代を渡すのではなく、自分でタクシーを手配する方法もあります。

個別で渡す場合は1万円〜3万円ほどが相場

基本的に枕経単体のお布施を渡すことはありませんが、もし個別に渡す場合は1万円〜3万円ほどが相場です。寺院やお住まいの地域によっては、枕経のお布施を個別で包む場合もあります。いざというときに慌てないよう、渡す必要があるか事前に確認しておきましょう。

【宗派別】浄土真宗などのお布施の考え方

お布施の意味合いや渡し方は、宗派によって異なることがあります。例えば浄土真宗の場合、お布施は僧侶への謝礼や読経の対価ではなく、ご本尊である阿弥陀如来へのお供えという考え方になります。

そのため、枕経にあたる臨終勤行などの儀式でお布施を包む際も、表書きは「お布施」や「御布施」とするのが一般的です。「読経料」といった対価を意味する言葉は使わないよう注意が必要です。

ほかの宗派でも地域や寺院によって独自の慣習がある場合があるため、迷ったときは事前に確認しておくことをおすすめします。

葬儀全体のお布施は30万円ほどが相場

枕経やお通夜、葬儀など全てをまとめた際のお布施は30万円ほどが相場とされています。読経の回数が多くなるほど金額は高額になります。また、複数人のお坊さんを迎えて葬儀を執り行う場合は、僧侶の人数分のお布施を準備しなくてはいけません。お布施にはまとまったお金が必要ですので、余裕を持ってお金の準備をしておきましょう。

お布施は、奉書紙もしくは白い封筒などに包みます。外袋の中央部分には、名目を表す表書きを記入しましょう。表書きには「お布施」もしくは「御布施」と書きます。お布施は読経をしていただいた僧侶に対する謝礼であるため、薄墨ではなく濃い墨を使うのが一般的です。

また、お金を包む中袋には、表面に包んだ金額を記載してください。金額を書く際は数字の改ざんを防ぐため、「壱、参」などの旧漢字を使うのが一般的です。中袋の裏面には、喪主または施主の住所と名前を記入しましょう。もし中袋のない封筒や奉書紙を使う場合は、裏面に包んだ金額と住所を書き込みます。

家族葬の場合でも枕経やお布施は必要?

家族葬や一日葬などの小規模な葬儀であっても、僧侶をお呼びして読経を依頼する以上、通常通りお布施を包むのが一般的です。参列者が身内のみであっても、僧侶に供養を行っていただくことに対する感謝の気持ちを表すというお布施の意味合いは変わりません。

お布施の金額相場は、一般的な葬儀と同様に、読経の回数や戒名の有無などによって変わります。枕経から火葬まで通して依頼する場合は、お布施として30万円程度が金額相場となります。事前に葬儀社や寺院に相談し、地域の慣習や相場を確認しておくと安心です。

枕経のお布施については「枕経にお布施は必要か」で詳しく紹介しています。

枕経までの流れ

お通夜や葬儀に参列した経験はあっても、枕経に立ち会ったことがある方は少ないかもしれません。枕経は故人を安置した直後に行う大切な儀式であり、一般的な手順は以下の通りです。

【枕経までの流れと手順】

  • 葬儀社へ連絡し、故人を自宅や安置所に搬送・安置する
  • 菩提寺や葬儀社を通じて僧侶へ連絡し、読経を依頼する
  • 枕元に枕飾りと呼ばれる簡易的な祭壇を設置する
  • 僧侶による読経が行われ、続いてご遺族が焼香する
  • 読経後に僧侶と葬儀の日程や戒名についての相談を行う

枕経は故人が仏の弟子となるための第一歩であり、葬儀全体の流れを整える重要な場でもあります。あらかじめ手順を確認しておくことで、動揺しがちな場面でも落ち着いて故人を送り出す準備を進められます。

故人を安置する

まず故人を自宅や斎場に安置します。病院で亡くなった場合は、病院から安置場所にご遺体を搬送する必要があるため、早めに葬儀社へ連絡を入れましょう。葬儀社のスタッフが病院に到着するまでに安置場所を決めておけば、その後の流れがスムーズになります。

故人のご遺体を病院から自宅まで自力で運ぶことはほとんどなく、葬儀社のスタッフに搬送を依頼するのが一般的です。早めにご遺体を安置できるよう、死亡が分かったらすぐに葬儀社へ連絡を入れましょう。

寺院に連絡する

ご遺体の安置が終わったら、寺院に連絡をします。お世話になっている菩提寺がある場合はそこへ連絡を入れ、枕経をお願いしたい旨と希望日時、故人の名前などを伝えます。お世話になっている菩提寺がない場合は近くの寺院に連絡するか、葬儀社のスタッフにお坊さんを依頼してもらうのがおすすめです。

枕飾りを用意する

ご遺体の安置とお坊さんの手配が終わったら、枕飾りの準備に取り掛かります。枕飾りとは、亡くなった方の枕元に配置する祭壇のことです。基本的には、白木の机を置き、その上に三具足(花瓶・燭台・香炉の三つの仏具)をお供えします。香炉には線香を1本、花瓶には水仙やユリなどの花をお供えしておきます。

白木の机が準備できない場合は、サイズが小さいテーブルの上に白い布をかけるだけで構いません。基本的には葬儀社のスタッフが枕飾りの準備をしてくれますが、場合によっては自分達で手配することになります。このとき、宗派によって準備するものが異なるため、間違いがないよう事前に確認しておきましょう。

読経・焼香

枕飾りの準備ができたら、お坊さんを招いて読経と焼香を行います。お坊さんがご遺体の安置場所に到着したら簡単に挨拶を述べ、故人の元へと案内します。お坊さんが法衣を着用されていない場合は、先に更衣室へ案内しましょう。準備が整ったらまずお坊さんが焼香を行い、その後枕経が始まります。

枕経をあげている間にお坊さんから合図があったら、参加者は順番に焼香していきます。焼香に関するマナーは宗派によって大きく異なるため、作法に不安がある方は前もって確認しておきましょう。

葬儀や戒名に関する相談をする

読経と焼香が終わったら、喪主はお坊さんと葬儀や戒名に関する相談を行います。このとき、故人がどのように生きてきたのかや、故人の人柄・性格についても伝えておきます。僧侶とスケジュールを合わせながら、お通夜や葬儀を執り行う日程を決定しましょう。

枕経の際のマナー

枕経に参加するにあたり、どのようなマナーに注意すればよいのでしょうか。枕経は故人と最期のお別れをする大切な機会であるため、きちんとマナー守る必要があります。ここからは枕経に関するマナーを紹介します。ぜひ目を通してみてください。

僧侶への連絡は日中に行う

僧侶へ枕経の依頼をする場合は、なるべく日中に行うようにしましょう。夜遅い時間帯や朝早くに連絡を入れるのは、迷惑がかかる恐れがあるためです。故人が深夜に亡くなった場合は、あらかじめ葬儀社のスタッフと話し合い、僧侶へ連絡をする時間帯を決定しましょう。

もし時間や精神的に余裕があれば、危篤になった際に僧侶へ連絡をしても問題ありませんが、無理はしないようにしましょう。

服装

枕経に参加する場合、喪服ではなく平服を着用することが多いです。本来枕経は危篤時に行われていたものであり、喪服を着用するのは不自然とされています。また、平服といってもカジュアルすぎる服装は避け、グレーや黒などの落ち着いた色味の服を選びましょう。

香典

枕経に参加する場合、香典を準備する必要はありません。香典は、お通夜や葬儀の際に渡しましょう。

持ち物

枕経に参加する場合、喪主やご遺族、参列者は数珠を持参します。

僧侶へのお茶出し・お供え物

枕経のために僧侶をお迎えした際は、お茶や茶菓子を出しておもてなしをするのが一般的です。お茶を出すタイミングとしては、枕経の読経が無事に終わって一息つかれるときが適しています。

また、祭壇に供えるお供え物については、枕飾りと一緒に準備されるのが一般的です。水やロウソク、線香などの仏具にくわえて、故人の好きだった食べ物などをお供えします。宗派や地域の慣習によって必要となるお供え物は異なるため、事前に葬儀社や寺院へ確認しておくと安心です。

僧侶に枕経を依頼し、故人との最期の別れを行いましょう

この記事のまとめ

  • 枕経とはご遺体を安置した後に故人の枕元で僧侶が唱えるお経のことで、「まくらきょう」「まくらぎょう」と読む
  • 宗派によって枕経の特徴や唱える経典が異なる
  • 基本的に枕経単体のお布施は不要だが、交通費としてお車代は準備する
  • 枕経のお布施は葬儀のお布施とまとめて渡すことが多い
  • 枕経は、故人の安置、寺院や葬儀社への連絡、枕飾りの準備、読経・焼香、葬儀や戒名に関する相談の流れで行われる
  • 枕経を依頼する場合、僧侶への連絡は日中に行う

枕経とは、故人が仏様の弟子になれるようにとの願いを込め、故人の枕元でお坊さんにあげてもらうお経のことです。また、基本的に枕経単体でお布施を渡すことは少なく、お通夜や葬儀のお布施と合わせて渡すことが多いです。本記事で紹介した枕経の特徴やマナー、流れなどを参考にして、故人との最期のお別れの準備を進めましょう。

監修者 SUPERVISOR
1級葬祭ディレクター 志岐 崇

2006年に葬儀の仕事をスタート。「安定している業界だから」と飛び込んだが、働くうちに、お客さまの大切なセレモニーをサポートする仕事へのやりがいを強く感じるように。以来、年間100件以上の葬儀に携わる。長年の経験を活かし、「東京博善のお葬式」葬祭プランナーに着任。2023年2月代表取締役へ就任。

SHARE この記事をSNSでシェアする